どうもお答えいただき ありがとうございます。
で、http://www.glocom.ac.jp/project/chijo/2003_03/2003_03_29.htmlには
世界史上、現在のような特許制度の先駆は、近代化出現期のイギリスにある。 16世紀前半頃、イギリス国王は大陸の毛織物生産技術を導入するために、フラ ンドル地方から毛織職人を招き、排他的な既存の職能組合(ギルド)に対抗し て生産販売を行う許諾実施権(Letters Patent)を与えた。エリザベス一世は 1561年、大陸から優秀な技術者をさらに呼び寄せるためにこの権限を強化し、 今日の特許権と同じ独占的実施権を白色石鹸の製造技術者に与えた。さらに 1624年、イギリス議会は、発明者に一定期間の市場独占を与え、侵害者への賠 償請求権を認める「専売条例(Statute of Monopolies)」を制定した。この 制定法が近代特許法の原型といわれている。
とあるんですが、私はこれは歴史の流れから見ると、少々ミスリーディングでは ないかと思っています。「特許の文明史」、「プロパテント・ウォーズ」にも あるのですが、もともと、Letters Patentは、イギリス国王の専権事項でありました。 「専売条例」の画期的なところは、これを王権から剥奪したところにあるのであって、 賠償請求権にあるとはいえないと思います。実際、「専売条例」6条のうち1条から4条までが 国王の権限の制限をうたったものでありました。
何でこんなふうに議会と王室の間で対立があったかと言うと、当時このLetters Patentを 得る為に王室によこしまな企みをもって近づく人間が後を絶たなかったという指摘が 前掲書にあります。そして、上納金を払うことによって、このLetters Patentが乱発 されたそうで、これでは、ただの体の良い賄賂です。実際、トランプの製造、販売に 関する独占権に関するダーシー・トランプ事件 *1 のことを考えると、この主張は一定の説得力を持つと思います。
つまり、この「専売条例」の起源は、独占権を得たい人間による利権と政治の力学に よって成立したものではないかと思われます。どうやら、初期の特許に対する 動機はあんまりほめられたものではなさそうです。特許があまりにも強い排他権を 主張している背景には、こんな経緯があったのではないかと私は考えています。
*1 エリザベス1世が侍臣に与えた独占権に対する事件
10/6分を上書きしてしまった。;_;