2010-05-17 (Mon) [長年日記]
▲ 「JRuby on Rails実践開発ガイド」が発売されます
Ola Bini著、1590598814の邦訳として4798116904を出します。
原著は2007年に刊行された少し古い本です。
中身の濃さと翻訳チームのHPとMPの少なさで大変な時間がかかってしまいました。
Railsを題材にJRubyを使ってRubyとJavaの連携について解説する本です。
JRubyの魅力のひとつにJavaとの柔軟なインテグレーション機能にあります。 たとえばJRubyは、Javaオブジェクトを可能な限りRubyオブジェクトとして扱えるように様々な工夫が凝らしてあります。 また、自分のJavaプログラムにRubyを組み込むにあたっても 原田洋子さんのRedBregdeプロジェクトの成果で非常に簡単な手順で統合できるのです。 そういったJRubyの核となる魅力を、サンプルアプリケーション開発を通して一通り紹介しています。
原著と日本語版の違いをまとめます。
- インストール、セットアップは最近のライブラリに合わせて更新
- 各プロジェクトのリポジトリを最新へ追従
- JRubyの内部の動きについて言及ある部分は、可能なかぎり最新のソースに合わせるか訳註をいれました
- Rails 1.2.0対応からRails 2.3.5対応しました。具体的にはScaffoldの出力コード、ERBの書き方、細かいAPIの使い方でより良い手法へ(named_routeの利用など)
- Rails 2.x系ではプラグインになった機能についても追従しています(pagenateなど)
- Rails 1.2系とRails 2.x系の違いを付録Dにつけました。
- 配備についてのChapter 11は含まれません。代わりに最近の配備についての情報を付録Cにまとめました。GAE/JRubyに少しだけ触れています
- 付録A 「JavaプログラマのためのRubyガイド」でRubyの仕様の記述に曖昧な部分があったためYuguiさんの助言により、より適切な表現にしました。Yuguiさんありがとうございます!
本書の刊行に当たって多くの方々の協力がありました。
今回も(いつも)公私に渡り苦労をかけた大場寧子さん。まさに愛が無いとできない仕事でした。 田中祐樹さんとは前の本以来5年ぶりで、またいっしょに仕事ができてよかった。 締め切り目前にお願いしたにも拘わらず、素晴らしい前書きを寄せてくれた原著者のOla Biniさま。 長いあいだ辛抱強く待っていてくれた翔泳社さま。 査読協力してくれた万葉の皆さん。 お祝いに大きな花束をくれた嫁実家の人々。 本当にありがとうございます。
皆様もよかったら手にとってみてください。よろしくお願いします。