『吉と出るか凶と出るか』

6月某日。都内某所。

集合場所：某銀行前

待ち合わせ時間：6：30

銀行＝ガラス張り

対策本部メンバー（元・平・トモ）ニヤニヤしながら中から待ち合わせの様子をチェック。

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トモ：「そわそわしてますね、メンバー。」

元：「そりゃそうだろ。素人の女の子と口きくの何ヶ月ぶりだあいつら。」

平：「せちがらいっすね。」

トモ：「あ！アレじゃないですか？女子チーム。」

元：「おいおい！もしアレだったら俺今すぐ飛び出してトガちん殴って交代するぞ。」

平：「いや、彼女の話からするとあんな感じではなかったような・・・。」

トモ：「あ！違った！！あっちにいるあの子達だった！！ふ〜ん、なるほど。真面目系ですね。」

元：「皆ガンバレ！！」

平・トモ：「・・・・・。」

元：「おいおい皆照れすぎだろそれ。」

トモ：「すげー。金さん米つきバッタ並にお辞儀繰り出してますよ。」

元：「あれ風くるぞ。涼しそー。」

平：「いつ見てもトガちゃんの90度お辞儀は絶品だな。」

トモ：「お！さすがエース・タケちゃん。皆を先導して店に向かいましたよ。」

元：「よし！俺たちも5分ずらして現場へGO！！」

トモ・平：「まじっすか？」

元：「店予約したとき、ちょっと離れてもう一つテーブル予約しといたんだ。テヘ☆」

トモ・平：「・・・・・。」

元：「さあいくぞ！！遅れるな！！レッツラゴー！！」

トモ・平：「レッツラて・・・。」

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店内。テーブル数8つ。カウンターなし。

週末の夕食時にしては閑散としている。

キルトを張ったりと間違った方向でイヤな家庭的を演出している。

つるされた唐辛子の束がなぜか物悲しい。

店員、微妙にやる気ナシ。

メンバーたちの席から1つテーブルを離して席が用意されていた。

予約の意味ナシ。メンバー・対策本部以外客は2組。

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元：「おいおいおい、あいつ等席順無視じゃん。男女ぱっくり別れて座ってるよ。」

トモ：「しかも男性陣が壁際背にして座ってますよ。サイテー。」

元：「おい平！リーダーにメールで席替え指示しろ！！」

 お前等なにお見合いしてんの？
 せめて奥の席はレディーにゆずりなさいよ。

トモ：「わあ、まずいっすよ。あきらかにクボさん動揺してますよ！！」

元：「つかあいつコッソリメール見るの下手すぎ。明らかに失礼なヤツ！！」

平：「そんな高度な技無理っすよ。それが出来る人ならあんな席順になってませんよ。」

トモ：「とりあえず対策メール送りますよ。えい。」

 現在進行中の現場を取り仕切っているということを女性たちに説明する。
 随時現場の進行具合がメールで送られてくるため、
 メールはチェックしないといけないけどゴメンネ、
 トラブルがあったり指示出さなきゃいけない場合もあるからさあははは
 と、仕事も出来て心配りもあるナイスガイを演出せよ。

元：「お、クボ説明してる説明してる。」

平：「なんすかあの張り付いたような笑顔は。」

トモ：「でも女子、優しそうな感じで悪くないですよ。」

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女子チーム。

Aちゃん/平の彼女の同級生。職場の2人を連れて来てくれた。結構可愛い。

　　　　おとなしそうだが折り目正しそう。

　　　　茶色い肩までのウェーブのかかったありがちヘアスタイルが、控えめで自己主張苦手な感じて良。

　　　　3年付き合った彼に先月浮気が発覚。アッサリ切り替えられるという噂の傷心ガール。

Bちゃん/Aちゃんの同期。丸顔でぷくぷくしている。

　　　　彼女が食事をすると何でもおいしそうに見えその大皿はすぐはける。

　　　　ピンクの襟付きブラウスがなぜか似合ってしまう究極の癒し系。

Cちゃん/・・・つかCさん？！！ヘタしたらトモ吉より年上。

　　　　会話をリードする姿と自分のネタに率先して笑う姿がさすが年の功。

　　　　そんな所もトモ吉にかぶり、なぜか涙を誘う。

　　　　今回のキーマンか？

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トモ；「とりあえずアルコールパワーに頼るしかないっすね。」

元：「安心しろ！どーん。」

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テーブルにビールのピッチャー3つ運び込まれる。こちらにも1つ運ばれてくる。

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トモ：「うわ。やりすぎじゃないっすか？」

元：「大丈夫。カネさん以外は1人1升飲むメンバーだ。」

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トガちゃん率先してピッチャーでついでまわる。

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トモ：「お！力があるってかんじでトガちゃんいいですよ！」

平：「つか、誰も見てないじゃん。」

元：「俺に任せろ！（おもむろに立ち上がり自分たちのテーブルにあったピッチャー持ち上げ）

　　　重っっ！！！意外にこれ重いな！！片手で入れらんないよ！！（無意味に大声）」

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女子一瞬こちらを見る。メンバー、笑うのをこらえている。

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トモ：「最悪。」

平：「演技まずすぎ。」

元：「そう？カンパーイ！！」

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その後メンバーのテーブルでは意外に和やかに合コンが続く。

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元：「やっぱ席順がつらいな。」

トモ：「席替えするっちゃ。席がえ。」

 一通り食事も終ったんだから席替えGO！
 ホラ、今こそ携帯最新機種投入！！

平：「お！タケちゃん携帯取り出しましたよ！」

元：「お！さすが年の功、Cさん反応はやっっ！」

トモ：「がんばれ！」

 撮影しあって！
 男同士はキモイとか言いながらさりげなく女の子と写れ！

元：「おお！！ミラクルが起こったよ!!席が移動し始めたよ！！」

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ここで最初の予定にかなり近い感じで席替えが終了する。

しかし。飲み放題2時間コース。現時点で残り15分。

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元：「一応この後カラオケと飲み屋と抑えてるんだよな。どっちがいいかな。」

トモ：「・・・解散しましょう。」

元・平：「！！！！！！！」

トモ：「今結構盛り上がってるじゃないっすか。あえて解散しましょう。

　　　　めちゃめちゃ行きたいんだけどこの後現場報告しに会社に戻らなくちゃとかいって。

　　　　クボさんにこの後店とってない、解散ってメールを送りましょう。

　　　　それでも解散が嫌だ、自力で店も探すって言うなら、それはそれでいい事だし。」

元：「盛り上がってるのにもったいなくね？」

トモ：「だから解散しても、こちらももっと一緒にいたかったって言って違和感ないし、

　　　　向うも多少そう思うだろうから、このときですよ。携番もらうなら。」

元：「賭けだな。」

平：「まあこのまま場所変えたらしらける可能性も高いメンバーだしな。」

トモ：「行きますよ？！えい！！」

 終了時間まであと5分。
 この後は店を取ってないので解散！
 解散するのなら、ホントは次行きたいけど、現場でトラブル発生したとか適当な事いって！
 名残惜しそうに！！
 それでも次に行くのなら止めはしない。がんばれ戦士たちよ！！検討を祈る！！ドロン。

元：「よし！俺たちは一足先に反省会場へむかうぞ！！」

トモ・平：「反省会場？！！！」

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反省会会場。

真向かいのビルの某激安居酒屋チェーン店。

メンバーは解散の指示を振り切って行くのか。

反省会会場へ素直に現れるのか。

反省会レポートを待て！！！

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