オヤバラチン1

オヤブンは結構動物が好き。犬とかには必ず話し掛けている。そんなる日、皆で呑んでいるときペットの話になった。そこでオヤブン節が炸裂した。

「おれもこうてたなぁ、小学生ん頃。トムとジェリーって言う名前や。」

「2匹？」

「いや1匹」

「猫？」

「いや犬」

1匹なのにトムとジェリー（複数形）

トム（猫）とジェリー（鼠）なのに犬。

もうそのネーミングセンスからしておかしい。

「朝起きたらなあ、おらへんのや。ビックリしてなあ。はだしのまま飛び出して探したわ。トムーとジェリーっっ！！（あくまでも複数形）ってなあ。そしたら近所のモツ焼やの裏にトムとジェリーの首が落ちててなあ・・・。」

「？？？？？！！！！！どーゆう意味っっ？？！！」（一同大混乱）

「食われたんや。その店のオバチャンにいわれたわ。なんやこのイヌぼくんちのイヌかいな。ちゃんと鎖に繋げとかなああかんで、って。まあ成仏させたれって、もつ焼き一皿くれてん。泣きながら食うたわ。トムとジェリー、成仏しろよーってなあ・・・（しみじみ）」

成仏って・・・納得すんなよそんな事っっ！！マジ？？！！一同大混乱。

「ホンマやで。浮浪者のオッサン達やたらと犬猫ぎょうさんこうとるやろ。あれ寂しいからちゃうで。イザとゆう時食う為やで。」

そう言えば皆自分の食べ物もままならないのにたくさん飼っていた。確かに飼っていたっっ！！

「次にこうたんは、ニャロメっちゅうネコや。でもニャロメはすぐ自力であの街脱出しよったわ。俺の友達が近くの町でニャロメ目撃したらしい。ホンマに脱出してたんやったらええのになあ。」

たまたま注文したモツ煮込みがテーブルの上に乗っていた。だれもが食べる気が失せた。そのモツ煮込みの皿にオヤブンが手を伸ばした。オヤブンはニコニコしながら食べている。

「俺あの日からモツ煮込み大好物やねん。」

・・・ぜったいおかしい・・・。