オヤバラチン8

旅行だよ! PART3 〜ケンカはお外で マナー編

つまり話はこうなのです。

車にお酒を取りにいったシゲさん。

ついでに車の中を整理しようと、バンのシートをフラットにしたりしていたそうです。

頭を持たせかけるために差し込まれている枕みたいな奴を抜いて。

で、ヘンな姿勢のままシートを元に戻したら、すごい勢いでその差込口の金具が目の上に直撃したそうです。

マジで?

「だいじょうぶ?!!!シゲさんッッ!!!!」

「シゲ、ええ小遣い入るんちゃうか。自動車会社に電話せえや。」

「そうっすね。とりあえず病院行って診断書貰ってきます。」

「そうですよー。アメリカ裁判の国です。マクドナルドのコーヒーでやけどした人がいい例です。」

みちこ、ここは日本・・・・・。

一気に酔いが覚めました。

とりあえずもう6時過ぎなので、今から町の医者に向かうとちょうどよいということになりました。

「じゃあ俺つれてくわ。」

「・・・・・まってくださいコージさん。確実に一升以上のんでますよ。山道運転は無謀では。」

「あ、俺酔わないから大丈夫。行ってくる。」

「いや、マジでやめてください。」

そうこういってる間にも、酒のせいで血の巡りのよくなったシゲさんからはバンバン血がながれています。

結局女将の弟さんが連れて行ってくれることになりました。

「とりあえず一安心や。みんな仮眠とろう。」

「でもオヤブン、心配で寝れませんよ。」

「ねんでやねん。遊ばれへんくなるぞ。」

「遊ぶって・・・・心配じゃないですか。」

「あんな怪我、あいつしょっちゅうしとるから平気や。な、コージ。」

「そうっすね。最近は大分落ち着いたんですけどね。」

コージさんとシゲさんは、オヤブンの高校時代の後輩です。

だから当然オヤブンと同じ環境下に育っています。イヤすぎ。

オヤブンとコージさんは布団に入るなりいびきをかき出した。

オオノ君も大分慣れてきてるのでその後に続く。

私とミッキーもウンザリして隣の部屋へ戻りました。

でも、怪我した本人よりもショックが大きかったらしい森さんは、結局あまり寝れなかったらしい。

広告代理店の人ってコンペの直前にクスリで一発決めてから勝負するのが常識って、あれ嘘なの?(←どっからそんな情報が)

結局昼近くにおき出し、簡単な昼食を済ませ、飛騨高山へ。

シゲさんも直接向かう予定だったが遅れている模様。

なんでも頭蓋骨が見えるまでの傷だったとか見えなかったとかで、結局脳検査まで受けるはめに。

これだから田舎は嫌いじゃと電話口でぼやいてます。

飛騨高山を適当にざっとみたあと名古屋へ戻りました。っつーか、オオノ、てめえ運転下手すぎ。

シゲさんは1泊入院するように言われたのですが、絶対イヤだとだだをこね、結局コージさんが迎えに行って名古屋で合流しました。

戻ってきたシゲさんは、迫力満点のすごい顔になっていた。

顔半分が腫れてきて、縫い目が痛々しく引きつってます。夕べはこんな酷いとはおもわなかった。

眉の上は肉が薄い上に骨が出っ張ってるから切れやすいそうだ。

「怪我はしたときよりも再生しだしたときが一番酷く見えんねん。明日か明後日には打ち身が下がってきて目の周り殴られたみたいに紫になるぞ。

あ、トモ吉も酔っ払ってこのまえなっとったやんか。あれとおんなじや。」

「・・・・・おやぶん、1年近く前のことを掘り返さないで下さい。」

たしかに顔の打ち身は見た目ほど本人は痛くない。でも、切れてぬってるしねえ。

それなのに腹減ったのシゲさんの一言で、皆でご飯を食べることに。

名古屋タワー(?)かなんかの近くの居酒屋へ。

又皆でバカ話をして盛り上がりました。

シゲさんは縫ったところが引きつる引きつるといいながら笑ってます。

軽く酒まで飲んでいます。大丈夫なの?!!

その頃から隣のテーブルがいやな感じになってきた。

まだ若い20代前半のグループで、大分酔いが回ってきているようでかなりのうるささです。

飲めもしない量のお酒を注文し、ほとんど手付かずでテーブルの上に乗ってます。

トイレに行こうとした私の足に、一人が酔って倒れた振りしてしがみついてきた。ムキーーーッッッ!!!!!

思いっきり足ではらったら向うもむっとしてきた。トモちゃんわるくないもん。(三十路)

気が付いたら隅でコージさんと向うの一番気の荒そうなのが怪しい雰囲気になってきた。

「オヤブーン、やばそうですよー。止めてくださいよー。」

そうこうするうちにもめだしてきた。

森さん又青くなる。(忙しい人だ)

「もー、コージうるさい。酒まずなる。外でせえ、外で。」

オヤブンの鶴の一声に皆一瞬シンとなる。

シゲさんも立ち上がる。

「わーッッ!!!シゲさんは辞めてくださいよ!!!今日縫った傷が開いちゃいますよッッ!!!脳検査までしたのにッッ!!!!」

ナイスつっこみオオノ君。

相手は確実に一歩引いたぞ!!!!喧嘩は最初のハッタリが命!いや、ハッタリじゃなくて事実なんだけどな。

コージさんおもむろに立ち上がり、向うの机の上にあるまだ開けたばかりの日本酒(500ml前後の奴)をイキナリ一気のみ。

「おし、体あったまったから外に出ようや。」

・・・・・・・それってなんのパフォーマンス?!!!

コージさんは落ち着き払ってゆっくりと外に出て行きます。

相手は又ちょっと引いているけど、今更おとなしくも出来ない様子です。

血の気の多そうなのが2人ほどコージさんについて外に出ます。

何回かこんな場面に合ったことがありますが、やっぱり嫌なものです。心配で落ち着きません。

「大丈夫大丈夫。ケンカだけは上手い下手とちゃう。馴れやから。これは。」

オヤブンの明るいヤなフォローに、ぐったりします。馴れって。

シゲさんなんか気にもとめず、何鍋にするかでオオノ君ともめています。

「シゲさん、縫った後は刺激物はダメです。普通の鍋にしましょう。」

「あかん、キムチ鍋。絶対。」

「ダメですって。ね、この鳥鍋みたいなのにしましょう。ね。」

「お前も頭割るぞ。」

・・・・・誰もあてになりません。ミッキー、森さんに至っては完璧に引いています。

オヤブン、もうこのラインからの仕事はこなくなりますよ。

10分もしないうちに、コージさんと向うの2人が戻ってきました。

3人とも怪我とかもしていません。円満解決?!!!

何事もなかったように、それぞれのテーブルに戻ります。

オヤブンもシゲさんも何も聞かないしフツーにしてます。やっぱり暴力はいけませんよ。

コージさん、きちんと話し合いでその場を治めたのでしょう。もう大人だもんね。

「おう酒、酒がもうないぞ。」

「ああ、はいはい。」

いきなりコージさん、隣のグループのテーブルの上に手付かずでのっていた日本酒を、何本か当たり前のように取ってきます。

オヤブンも気にもとめず、当たり前のように飲んでいます。

相手のテーブルは見ないようにしてなにもいいません。

チョットーッッッ!!!!!平和的解決じゃないのーッッッ!!!!!

向うは人数的には少ないとはいえ、元気盛りの男ばかり5人もいます。

「ちょっとー、ナベー。鍋喰うー。おにいちゃん店の人にゆってー。キムチ鍋5人前と普通の鍋5人前なー。」

オヤブン、調子に乗って隣のテーブルの人間使いまくりです。ヒーやめてーッッッ!!!

鍋セットが届いたときも私たちが奥のテーブルだったせいで、手前にいた隣テーブルのお兄ちゃんたちが運んでくれます。

「おう、そっちのキムチ鍋作ってや。」

・・・・・オヤブン、調子乗りすぎです。殺されるかも・・・。

「おう!!うまいなあここの鍋。ホラ皆食え食え!!!兄ちゃんらも食えや。うまいど!!!」

オヤブンのすっかりご機嫌なノリにのせられて、なぜか皆で鍋を食べました。

気が付けばオオノ君が隣の一人にお酌をしたのがきっかけで、お酌大会になっています。

「おう、トモ吉。皆にグラスまわったぞ。」

「へ?あ、ああ、・・・・・乾杯?」

「カンパーイ!!!」

・・・・・・・・って、なんの乾杯?!!!!!

結局最初はぎこちなかった皆が、最後は結構仲良く飲むこととなりました。

若い衆とオオノ君が、失敗の少ない目潰しのいれかたで盛り上がってます。

「結局目潰しは難しいんじゃなくて、本当に指を目の中に突っ込む勇気があるかどうかというところがポイントなんですよね。」

オオノ君がそう発言したとたん、オヤブン、シゲさん、コージさんの3人が鼻で笑いました。

「アホくさ。」

3人の後ろに広がるとてつもない闇が一瞬口をあけたようでした。ブルブル。

そう言えば昔、オヤブンとヤンチャ自慢な若い衆と飲んでいたとき、その若い衆が

「オレらよく学校でケンカしたときストーブ投げつけたりしたけど、オレらの先輩なんかもっと過激で、火のついたストーブ投げつけたりしてた。」

と言いました。

そのときオヤブンは心底不思議そうな顔をして、

「なんで?直接火つけたらええやん。火の中ほりこんだほうがはやいやん。」

といって相手を引かせていました。

ってか、オヤブンの街は浮浪者がナンにでも火をつけて焚き火をするからできるワザなの。

ふつうそんなでかい焚き火なんてやってないの。

やっぱりどこかずれてます。ヤな意味でな。

いつのまにか始まった和やかななべ大会も終わりに近づいてきました。

「なんも食わんと飲んで酔っ払うからケンカになんねん。腹にしっかり入れて酔うと、結構ケンカにならへんもんなんや。」

オヤブン、口の端にご飯粒をつけながらご満悦です。皆妙に納得してます。

ちょっと、若い衆、だまされてるよあなたたち。

なんだかわからない宴会が終り、気が付くと夜の11時。

「あ。」

「なやねんトモ吉。」

「・・・・・新幹線は?」

「・・・・・あ。」

「・・・・・とまるとこは?」

「・・・・・ってかもう帰らないの?」

私たちが心配してるのに、オヤブンとシゲさんとコージさんはまだ飲んでます。

「宿の心配はするな。」

「宿取ってるの?」

「おう、昨日の宿ならいつでも泊まれる。」

「今からまた3時間?!!!!!こんなに飲んで誰が運転すんの?!!!」

「安心しろ。こんな日はぜったいつかまらへん。」

・・・・・もう1泊・・・・・・・。

私は電話口で相方に詫びまくったのはいうまでもありません。

・・・・・かえりたいよ・・・・。 

次回やっと最終話です。ながくてすまん。ってか、おもんない?


  • 2004-02-14 (土) 19:29:26 彊? : 確実でホテルにGO!気に入ってもらえば〜詳しくは→http://www.80607.jp/?see21性欲旺盛な人をとことんサポートする。
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