チナウ


2002-07-04 (木) 字で書くと怖いけどたいした事ない。そんな事実。 [長年日記]

とりあえずご連絡。

(・ε・)   みなさーん、コンニチハー。ムニーです。

(・e・)   チムニーです。

Σ(・ε・)  !!!!!チムニーッッ?!!! 

(・e・)   チムチム。

(・ε・)   ……。

     コンニチハー。2回連続登場のムニーでーす。

(・e・)   その弟のチムニーでーす。

Σ(・ε・)  !!!!!弟ッッッ?!!! 

(・e・)   じゃあ妹で。

Σ(・ε・)  !!!!!そんなの今はじめて知ったわ!!!!(←大混乱)

(・e・)   今決めたし。

(・ε・)   ……何しにきたの?

(・e・)   イヤ毎日暑いねしかし。

Σ(・ε・)  !!!!!漫談ッッッ??!!!!

(・e・)   ココにひとつの御知らせがあるのよね。

Σ(・ε・)  マギー?!!!

(・e・)   ラッキーラッキーラッキー  ん?

Σ(・ε・)  弟子のほう?!!!……ってか、そんなわかりにくいネタはいらないのよ。

(・e・)   トモちゃん酔っ払って眼球に傷がついて、あと2,3日は更新できません。

Σ(・ε・)  眼球に傷?!!!

(・e・)   先生に言われて火・水とまったく酒を飲みませんでした。

Σ(・ε・)  まじで?!!!

(・e・)   でもとうとう我慢できなくなって今日飲んじゃいました。そしたらまた炎症起こしてました。

Σ(・ε・)  たった2日でギブ?!!!

(・e・)   今日の眼球情報でした。バイナリ〜   どろん

Σ(・ε・)  キャーチムニー!!!チムニーッッッ!!!!!

     ………どうしろっていうのよ……。




そんなわけで2回休み。




本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

# マメ子 [ト、トモちゃん、大丈夫?!しかし、世界広しといえど、酒と眼球を即座に線でつなげるものは3人くらいしかいないとみた。そ..]

# どく [だだだ、大丈夫ですか?2日もよく我慢できましたね、とは言わない約束ですね。]

# たっちゃん [チムニーちゃん、業務連絡ご苦労様っす! それはそうと、最近のテニスプレイヤーのユニフォームってなんかスゴクない!? ..]


2002-07-08 (月) トラブル発生。 [長年日記]

なにかのバチなのでしょうか。

相方が急遽広島に長期出張に行く事になりました。

2週間とか言ってますが、1ヶ月ぐらいになるのは確実です。

しかもあさって出発です。

楽しかった(私だけが)名古屋旅行について書きたいのですが、

とりあえず今日明日はばたばたしてます。

必ず書きます。

のみ会してくださった皆様ありがとう!!!

必ず書きます!!(ってか書かないほうがいいのか?私?でも書く)

止められていた酒をまったく止めなかったため、

マジで目が痛いです。クスン。

でもなにより寂しさでションモリです。

これから地震がきたらどうしたらいいの?

ゴミの選別はどうしたらいいの?

高いとろにあるつっかえ棒にどうやって服をかければいいの?

夜中にめちゃおもしろいこと思いついたらどうしたらいいの?

東京と広島ってTVも結構ちがうんですよ。

面白いのみて

「いま6chみて!」

とか言えないのよ。

飲みに行けるのはうれしいけれど。

つかガンガン飲みにいくつもりだけど。

夜中に目が覚めて一人はイヤだ。

ションモリ。




本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

# マメ子 [まぁそうションモリするなよ。真夜中に目が覚めたら、一人で岩井志麻子の「ぼっけえ、きょうてえ」なんぞ読むのもまた乙ナリ..]

# たっちゃん [酒の友だったらいつでも呼んでね!]


2002-07-11 (木) 正直に言う。次回を待つまでもなく、オフレポは文中リンクの人たちのを読めばすごく楽しい。 [長年日記]

私にはあんなにおもしろくかけないよマワルさん。

皆様ワンバンコ。(やめれ)

名古屋に行ったばっかりに、あちこちに波紋を呼んでいるトモ吉でございます。

ネットだけの存在にしておけば、ステキ美白お姉様のイメージでつっきれたのですが。

いや、ステキ知的美白女性。

いやむしろ、美的知的美白女性。

いやいや………

最近大人になったのか、空しさというものを覚えた今日この頃です。

みなさまごめんなさい。(あやまり逃げ。)

名古屋はステキでした。

楽しかったです。

仕事で行くと決めた時点でこの方この方に連絡をしました。

そしたらももちゃんが大勢で飲むの大スキーな私のために、飲み会を設定してくれました。

あとで後悔する事になるとも知らずに…。

マワルさんにも会ってみたいな、ウフっとおねだりしてみたところ、

マワルさんは快諾してくださったうえ、お友達まで呼んできて下さいました。

あとで信用をなくす事になるとも知らずに…

そんなわけで鼻息もフゴーっと荒く名古屋へ乗りこみました。

なんぼのもんじゃい名古屋!!!とホテルにチェックインしたら、部屋のシャワーが壊れてずぶぬれになりました。

恐るべし名古屋。

もも秋ちゃんやマワルさんとの待ち合わせ時間がま近だったのであせってフロントに電話したところ、

「申し訳ございません。ただいま係りのものがたて込んでおりました…20分ほどかかります。」

「イヤ、急いでるので大至急何とかしてください。」

そう申しましたところ、フロントの御姉さんがちっともあせらず超機械的に言いました。

「係りのものは忙しいので御待ちください。」

久しぶりに切れましたが、なるべく冷静に言いました。

「えーっと、そんなん知るかい。

忙しかろうが、ナンだろうが、完璧にセッティングして客をチェックインさせるのが基本でしょう。

なんのためのサービス料ですか。

こっちは大切な商談があるので、しのごのいわずに来んかいワレ。」

まあ大まかに言うとそんな感じのことを優しく言ってみたところ、新人らしいいたいけな女子がすっ飛んできました。

半泣きです。

ももちゃんに携帯で遅れるかもーっと連絡したのですが店の予約時間が迫っていて、このままでは迷惑をかけてしまいそうで私も半泣きです。

なのに電話の向こうでマワルさんとももちゃんの爆笑が聞こえました。

「もー、トモちゃん、どうしてそんなネタあるの。」

…いや、ネタじゃなくって…(哀)

とにかく急ぐ事を約束して電話を切りました。

新人の御姉ちゃんがいうには、係りの人は遅くなるので、新しい部屋を用意してくださったとの事。

最上階の景色も綺麗な部屋です。

一人で泊まるんだけどな。

こうなったら飲み会でオトコノコの一人や二人捕まえるぞコラとやさぐれていたのですが、

新人の御姉ちゃんが心底申し訳なさそうに、

「ご商談は間に合いますでしょうか!」

というので、

「ごめんなさい。飲み会です。」

正直にばらしちゃいました。

ほっと泣き笑いのような彼女に激しく欲情しましたが、今の私は浴場が大事。ガハハハハ!(自分がチライッッ!!!)

でも部屋を移るとき、いいって言ったのに荷物をもってくれたんですよ。

で、いざ出発しようとしたら、

「御客様!こちらは?」

と聞かれ振りかえると昼に食べ残した柿の葉寿司の残りの折り詰が。

「あ!それ大事です!」

と言った瞬間に、ひとつがボトリと落ちました。

気まずい沈黙が。

っつか、わざとやっただろおまえ。(怒)(後に哀)

無言の殺気に御姉ちゃんも無言になってしまいました。

だまって私の荷物と柿の葉寿司を大切そうに持ってエレベーターに乗るお姉ちゃんと、ずぶぬれで浴衣をきた私。

2階上へ移ったのですが、エレベーターが到着するとすでに上品な初老の紳士が乗っていました。

またもや気まずい。

紳士も最上階の客だったのですが、おもわず

「…上で何かイベントがあるのですか?」

と、冗談混じりに言ったので、返事してみました。

「あ、女だらけの水泳大会です。」

……えーっと結論から言うとまったくウケず(あたりまえ)、さきほどより重苦しい空気が漂いました。

恐るべし名古屋。

何とか無事に着いて部屋で準備をし、ロビーまで迎えに来てくれたももちゃんとマワルさんと合流したのでした。

しかし当然の事ながら、はらんはココからがスタートだったのです。




次回予告

  会いたい人たちだったのに、会ってみるとはしゃぎすぎて空回り。今日も私は街角ピエロ。(道化師)

  ただ愛されたい、そんな気持ちが最後には嫌わないで…の弱気発言に。

  次回名古屋の夜に何が起こったのか。

  「あいつが来たら今度は無視しようぜ!!!」

  メンバーに敷かれた子供の喧嘩のような厳戒態勢とは。

  文章を短くまとめられないトモ吉、次週に後編!!!

   

  『名古屋に舞ったペットボトルフタ殺人事件〜イヤ、死んでないし。』

   

    【あらすじ】

    赤いリンゴはいつが食べごろか三越疑惑にまきこまれた

    漫画図書館経営夫婦がたどる数奇な運命。

    三越愛人(男。でもさいきんギスギス)、リムジンの男、

    胸の谷間が冗談のようにある女が織り成すトリックとは。

     

    【見所。多分】(←寝てて覚えてない)

    謎を解くカギはバーテンが磨くグラスにあったがそれすらも割れてしまう。

    【ゲスト】

    ムニーさんがまたもや言いたい事があるそうです。





えー、あしたも大きな飲み会なのでもう寝ます。





だみだこりゃ。






2002-07-16 (火) もう、嫁に行けなくなるとか、そんな問題はどうでもいい。 [長年日記]

試合に負けて勝負にもならなかた場合。心はどこへ。

皆様コンバンワ。

えー、またもや先にあやまっておきます。

今飲んで帰ってきたところです。

酒気帯びです。

でも1週間も遅れてオフレポなんてだめすぎて、

悲しいので一日でも早くと今更ながらがんばってみます。

名古屋はステキでした。

先日も書いたように合流前はどたばたしましたが、

なんとか名古屋ゴールドメンバーにお会いする事ができました。

私はマワルさんがリムジンでお迎えに来てくれるというので、胸と背中がバックリ割れたディオールのドレスに身を包みでかけました。

しかしお店が歩いても行けるというので、ガラスの靴をシャキシャキ言わせながら向かいました。

初めてお会いしたマワルさんは、ごじぶんではデブだとか石ちゃんだとか、マイウーだとかおっしゃってたのでどんなおデブちゃんかと

デブ専なわたしはドキがムネムネでしたが

おあいしてみると、残念ながらデブではなく、がっちりとしたかんじのかたでした。

オーバーホールよりもむしろモーツアルトみたいな格好が似合いそうな方でした。

もちろん白いマキ毛のかつらもな。

ももちゃんが店までの道を赤いカーペットをくるくる敷きながら進んでくれ、

マワルさんが背後で通りすぎた後のカーペットをくるくるまいてくれるので、

私のきゃしゃなヒールは折れずにすみました。

まきとったカーペットが直径5メートルほどになったところで店につきました。

中での詳しい内容はマワルさんがおもしろくかいてくださったのでわたしはもう何も逆らいません。

でもトモちゃん、もっと可憐なかんじだったのではないかと自負しております。

マワルさんは笑顔がとってもステキで私の隣でニコニコなさってたのですが、

その笑顔がもうなんでも許してくれそうな、そんな自愛に満ちたかんじだったので、

思わず私はそのがっちりした胸に飛び込もうとしたところ、よくよくそばで聞くと、

「アハハハハ、アンタ最低な人間だよアハハハハ」

と、菩薩のような笑みでシュールな言葉を吐いていました。

もう、二重人格とかそんなヌルイ次元の問題ではありません

みそかつにされるかとおもいました

でもワタクシ、そんな毒男がこれまた大好物なので、もう少しでその毒のとりこになるところでした。

あぶないあぶない。

ペニ夫さん(ってかこの名前って……)は、マイペースで話す方でしたが、

「オレね、この前ゲームしたら、チャンピオンだったの。」

と、おっとりと母性本能をくすぐるテンポと、ごはんにサンマをカシスソーダーで流し込むといういまどきの若者的アピールに、

おばちゃんの心はわしづかみです。

キヨシー!!!(氷川)

ももちゃんはあいかわらずでかいチチをゆさゆささせていました。

私は本当に誰の顔も覚えないというムニー的知能の持ち主なのですが、

いつもももちゃんはチチで判断できるからステキです。

その日も、冗談のような胸の谷間で、思わずそこだけ3トーン暗いファンデーションを塗ってるのかと疑うほどでした。(オークル50)

世界では飢えている子供もいるというのに…。

その胸をアンパンマンのように活用すべきです。

夢と希望と一歩間違えると18禁という、医食同源です。  …………パプ?

さくらさんとやなぎさんはステキな夫婦でした。

何がステキって漫画好きなんですって。

家に漫画が何万冊もあるんですって。

そんな家の子供に生まれたらどうでしょう。

多分ジャンプは月曜日の早朝どころか、前の週の土曜日くらいに親が自らゲットしてくれそうです。

もう学校でのいじめも怖くありません。

誰よりも早くジャンプをゲットすることが子供たちの憧れだからです一部社会人にも…

私は将来子供がいじめにあわないよう、空手よりも本屋さんと仲良くしようと思っています。ホラ立て看板とか。

でも香さんが死んでたとは驚きです。(XYZ)

Mさんは本当にもう、私の人生3本の指に入るくらいの見事な赤い顔でした。

あのベルベットルビーな輝きは、良くある下品でオイリーなテカリとは違い、接収したアルコールが見事に内側で熟成し、

きっとトイレに行ったらシャトーマルゴーになってんでオイ!みたいなかんじでした。

飲ませるべきです、ナオミカワシマに。(………スマン。)

またもや医食同源に話が戻ってしまうところでした。

そんなMさんを時には憎らしく、そして狂おしいほどの視線で見つめているSさんが印象的でした。私の脳内で。

でも絶対目を合わせてくださらないところが、野生の感が鋭い人なんだなと御見受けしました。

愛してくれよ…。

そんなかんじで皆様とてもキャラ立ちしたステキな方たちでした。

そんな感謝感謝ななか、ワタクシ御手洗いに行ったのですが、ペーパーがもうちょびっとしかなかったんですよ。

まあ節約すれば私ぐらいはセーフかなと思ったのですが、

清潔感溢れる私はいつも15メートルくらい使うし、他の皆様が困っては大変と御店の人にソッコーペーパーを要求してみました。

こんなに人の役に立っている私を見てもらおうと思ったら、たまたまマワルさんが、優しい目で見ていてくださいました。

マワルさん!もう大丈夫!ペーパーがあるよ!不安なんてノンノノン★

この瞬間の私達2人を、ぜひともサキちゃんミキヒサクンにやってもらいたいです。

芸能人は歯が命。

まあそんな事を言っていたのですがそんな調子じゃ酔っ払わないはずもなく、次の店へ行くまで、

マワルさんの全長10メートルもあるロールスロイスでシャンパンを開けたらその純金でできたコルクが飛んで行方不明になったりしました。

まあいいよ、やるよソレ。とっとけよ。(最低)

そして深夜なんとか野上さんの店につきました。

でももう私はオネムです。

たまに目が覚めます。

御誕生日席のようなところに座っています。

おきあがると皆が一瞬こっちを見るので、なにか面白いことを言わなきゃとおもうのですが眠気に負け、

もういいやメンドクセーと寝てしまうという黄金パターンを、これまた御約束に120回ほど繰り返しました。

家に帰ると腹筋がくっきり割れていました

いまもおなかにできた田んぼの田をみるにつけ、名古屋の皆様の優しさや楽しさ、

もっと飲みたかったと口惜しさでいっぱいです。

皆様、本当にありがとうございました。

楽しかったです。

私だけが?



その後ホテルで残りの柿の葉寿司を食べたらイキナリ食欲に火がつき、

夜の名古屋を吉野家を探してさまよったり、

テレビをつけて髪を乾かしていたら、有料エロチャンネルを見つけ、お!旅の醍醐味!っと思っていたらいいところで切れやがるので、

怒りに任せて、どこじゃい、100円ぐらいいれたらあ!!と

100円玉をTVのふちにガチガチぶつけて威嚇していたら

有料チャンネルは1000円のプリペードカードでちゅ★

いまどき100円なんて、寂れた温泉でも行ってろハゲ★

と小馬鹿にされたので、 廊下を猛ダッシュで走ってカードを買い、(大人でよかった)

TVに差し込んだ時点で満足して寝てしまいました。

朝の爽やかな日の中、ご婦人の喘ぎ声で目が覚めました。

10時57分。爽やかな朝です。

おう、まあもったいないから見るかと自分に言い訳しつつコンタクトをいれてTVに集中したところ、ブチっと消えました。

有料チャンネル11時までだそうです

わざとやろ、名古屋。

どっかのモニターで誰かがチェックして操作しているとしか思えません。

でもまたきたいです。

そして今度こそ、夜の10時から朝の11時までじっくり見て1000円のもとをとってやりたいです。

なんだかまた当初の予定を大きくずれています。




次回こそムニー選手登場です。

皆様にご心配をかけたり、新たなリンクを発見したり、

色々ご報告します。

ホントです。




本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

# ko [俺もジャンプさえあれば…。]

# マワル [ノン・ノ・ノン 「最低な人間だよ」なんて言ってませんがな。 「最高に駄目人間だよ」です。(誉めてる) おかしいなぁ..]

# ぺに夫 [この名前どうなんだ?つか今度はもっと完全な体調で迎撃する所存。]


2002-07-30 (火) 九ちゃんの言いたかった事はそんな事じゃないとかはカンベンな。 [長年日記]



              見上げた空を

           木が横切るように伸びている。

            視界いっぱいを横切り

          もう一本のまっすぐ伸びた大きな木に

           もたれかかるように伸びている。

             そのいびつな2本の木を

             いつまでもいつまでも

         私はバカみたいに口をあけて見上げていた。



週末相方が帰ってくるというメールが入った。

金曜日のクソ忙がしい日に私は神業を繰り出し、

定時きっちりに会社を飛び出した。

6時半到着の飛行機。

私が羽田についたのはちょうどその時間。

待ちきれなくて6時32分に電話した。

私の携帯の時計が4分進んでいる事を思い出して慌てて切る。

飛行機が墜落したらどうしようかとちょっとあせった。

もう一度確認しようとメールを見た。

到着は明日だった。

しょんぼりして帰りの電車に乗った。



          横に伸びる木はとても細く

         驚くほど葉をつけていなかった

          みすぼらしく実りのない木

           

           分っているあれは私だ



ションボリついでに最近仲良くなった美容師さんのところに行き、

しまりかかったシャッターをこじ開けて入った。

ありえない時間にありえない価格で髪を染めてもらう。

トムくんはイイやつだ。

本当は白っぽいミルクティーみたいないろにしたかったんだけど、

あんたそれやめれの一言で強制的に落ちついたくすんだ茶色い髪が出来上がった。

バックヤードの小さな冷蔵庫にぎっしりビールが詰め込まれていた。

タオルを洗う大きなバケツに氷と水をいれ、

持てる限りのビールと焼酎を入れてビルの屋上に登った。

トム君はひとっ走り近所の酒屋へ行き、

スパークリングワインのガンチアを買ってきてくれた。

はじめてあったとき、スキだといったのを覚えていてくれた。

ポンといい音を立て、コルクはどこかへ飛んでいった。

小さなグラスに3つのキャンドルの灯りだけを頼りにそそぐ。

あんのじょう私の手に冷たいものがくすぐったく伝う。

なぜこんな甘いワインが好きだったんだろう。 



            見ていて恥ずかしくなるくらい

           私の木はその木にもたれかかっている

         あの人の木は相変わらずまっすぐでおおきくて

            うそくさいぐらいどっしりしている

                背の高い人だった

             ヒールを履いて背伸びをして

          それでもたやすくキスさせてくれなかった



「涙がこぼれないように上をむいて歩こうってキューちゃんいってるやんかぁ。

あれムリや。

どんなに上向いても、こぼれるときはこぼれるよな。」

「ああ、そうだね。表面張力もおっつかないね。」

トムくんは私をウソツキだという。

だからいつも話しても半分しか聞いてくれない。

だから私は安心して話せる。

だからトムくんは半分しか聞かないようにしてくれる。

やっと暗がりにも目がなれてきた。

ビールの3分の2が泡だ。

「ねえ、これも表面張力?」

「そうだねぇ。」

私の指差したものを確かめもせず適当に答える。

多分私が何を聞いても同じ返事かもしれない。

トムくんが煙草を吸うのをぼんやりみていた。

私は彼の手が好きだ。

細くて長くて、でも男の人特有の骨っぽさがある。

この手でシャンプーをしてもらうと、

自分が小さな子供のようになった気がする。



            まっすぐ生えた木の根元は

              意外にも細かった

              この木も必死なんだ

          一緒にいたとき私は見上げるのに必死で

           彼の足元を見ようとしていなかった

                

                私の木の根元は

            なんとマンションの一室から伸びている

                根元は見えない

           丈夫で硬いコンクリートの中に隠れている

          だから実りのない木でも生きていけるのだろうか



「相変わらず切実な夢みてるね。」

「欲求不満かな、ガハハハ。」

「………誰にでもあんじゃないの。」

私はトムくんのなかにある木を想像した。

なんとなくだけど思う。

この人の中にも実りのない木が見えた気がした。

「東京の空には星がないとかなんとか言うやん。

本当にないけど、それはソレでまったく気にならないもんやな。」

「てか、星みることすら忘れてるしね。」

「見えなくても困らんもんやねんな。」

「だから田舎とか行くとかえって怖くなるよね。」

人生は一度きりで

私は一人だけで

誰だって一人だけで

なのに答えはひとつじゃない

体はひとつで

心はひとつで

なのに想いはいくつにもちぎれて

まるで田舎の夜空のようだ

「わすれてるもんやねんね。」

「いちいち思い出してらんねえよ。」



 

           根元をおおう小さなマンション

            硬くて 窮屈で でも安全で

          守られているのか 囚われているのか

              私が侵略したのか

             そんな私を見下ろして

         大きな木は涼しげに風に葉をゆらしている



「その木の上に星は見えたの?」

「見えんかった。」

「あっそう。」

「昼間やったから。」

「なんじゃそれ。」

私の木と平行に

飛行機雲が見えていた。

家に帰るとジャストタイミングで相方から電話があった。

私は今日羽田まで行った事を言わなかった。

今日見た夢がうしろめたかったから。

明日帰るとちょっとぶっきらぼうに相方が言う。

こんな時のこの人は照れているんだ。

本当に心から愛しさがこみあげる。

久しぶりだねタノチミーとラブなうけ答えをしてみた。

それより寝るときはパンツぐらい履けと言われた。

基本的に私は裸族だ。

東京の空には星がない。

でも雲は平等にある。

ちょとスモッグがかってても、

一応白い雲だってある。

寝る前に夢で見た飛行機雲を思いだし、

そのまっすぐな白さに、

なんだか少し救われたような気がした。





本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

# 浅野 忠信 [ハヤトチリ。或いはアワテンボウ。サビシンボウでもある。]


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