チナウ


2005-04-01 (金) 初めての飲みとおいしさを知った温泉卵。 [長年日記]

ネギとチクワ天と卵と汁と巨乳とカクテル。

最近セブンイレブンの釜揚げ風うどんにはまっている。

基本的にお昼は適当なお弁当(といえないようなもの)を作って持っていってる私。

夜の晩酌に命をかけるため、お昼は極力節約。

玄米を5合炊き、8つぐらいに小分けにして冷凍しておく。前日にゆで卵を作り、卵2つも入れればいっぱいになるような小ぶりのタッパに入れ、ポン酢で一晩漬け込む。

朝、冷凍庫から玄米と冷凍のエビシュウマイ1列(3個)を取り出しレンジでチン。

詰めてゆかりをふりかけてお弁当の完成。

いろいろ組み合わせを考えたが、ぽん酢が染みて逆においしくなるエビシュウマイが一番だとたどり着いた。

ほぼ毎日コレを食べている。

会社の周りにあまり食べるところが無いという事と、お昼は何を食べてもなぜかあまり満足感を感じる事の出来ない私にとっては、これで充分空腹をごまかせるランチだ。

が。

そのたまごを茹でる事すらせずに寝てしまった日(酔いつぶれ)は、コンビニをウロウロしにいく。

そこでめぐり合ったのが釜揚げ風うどん。新発売キャンペーンで50円引きになっていたのがなれそめだ。

丼のようなカップに、生麺とチクワ天とネギが入っている。

丸いフタの中央部はくぼみになっていて、温泉卵と少量の汁とすり下ろし生姜が乗っている。

フタの上の卵・汁・生姜をとりはずし、そのままレンジでチン。

ホカホカの麺とネギ・チクワ天を分けていたうすいセロファンを取り除き、汁・生姜をかけてまぜまぜし、最後に温泉卵を投入して食べる。おいしい。

チクワ天が暖めて微妙に生臭くなるのが残念だが、私はこの釜揚げ風うどんにであって初めて温泉卵をおいしいと思った。

私は卵がダイスキだが、基本的にがっちり茹でる派である。ゆで卵も目玉焼きも、できれば親子丼とかでもあまりドロドロしないで欲しい。いや、丼ものはあんまり食べないんだけど。

(ラーメンの味付け卵の場合だけ、中央がオレンジになったぐらいの湯で加減が好き。)

月見うどんなんて、私のうどん・バリエーション選択肢のなかでも一番遠い位置にあった。

が。

釜揚げ風うどんにはドロドロ卵がおいしい。温泉卵を崩して、濃い目の汁がよくしみこんだりまったくついてなかったりするうどんに絡めて食べる。

チンしたことでふにゃふにゃしてるくせに臭さだけは気合いの入ったネギとかと絡まって、なんともチープな感じでおいしい。

釜揚げ【風】とか言う所も謙虚でいい。これで340円。おにぎりをつけて450円ほどのランチ。ちょっぴり贅沢。

そんなわけで今日もおいしく頂いた。

麺を特に求める日。

二日酔い気味の昼。

さっきセブンイレブンで財布の中を見たら、長い長い和民のレシートが出てきた。

昨日は会社の納会で、会社の会議室にビールだの一升瓶だの出前すしだのビザだの色々準備されていた。

女性はタダだった。ヤタ!

私はドランク・ドラゴンのツカジじゃないほうにすごく良く似た新人君を駆使し、ピザや寿司を持ってこさせて貪り食い、紙コップに日本酒をナミナミと注ぎ、隣に来たエライ人の話に相槌を打ちながらガブガブ飲んだ。(何の話だったか忘れた)

そのくせ飲み足りなかったわたしは総務のおねいさん(といっても一つ上なだけ)を誘い、2人で初めて呑みに行った。

2人とも独身30代女性ということで老後のことを考え、節約しようとなぜか和民へ。なぜだ。

おねいさんが喉が渇いたといってジュース代わりにガブガブ飲んでたカクテルが5杯。ジョッキで飲んでいたのでWとかかかれている。私の焼酎ロックも5杯、元気にWだ。アツい。

そんでおねいさんが昔大沢幹夫が好きだったとか言う話になったのでレシートの裏に似顔絵を描いて見せたり、V6だったら私は岡田君だとかいったらおねいさんは桜井君だといっていた。

今気が付いたが桜井君は嵐だった。

このままだったらまた山手線逆周りコースだろと心配して合流した彼。優しいなと思ったのだが、今思い出したが彼が来ると決断を下したのは、「巨乳のおねいさんと飲んでいる」というダイナマイトワードが私の口から出た直後だった。

ついてすぐ私がトイレのため席を外し、戻ってきた時にはすでにおねいさんを下の名前でちゃん付けで呼んでいた。

今朝おねいさんに、「彼面白い人ね!又飲みたいんだけど!」と言ってもらえてホっと安心した。

そんな事を思い出しながらドロドロした黄身を絡めて啜る麺は、なんだかしみじみほのぼのとして、また格別においしかった。

唯一残念だったのが、おねいさんがカクテルを頼む所を覚えていない事だ。

カクテルの名前【初めての告白】。

30越えてなおういういしい私たち。ウィ。

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# 6-30 [「巨乳カクテル!」是非飲んでみたいと思ってチナウへ来て知ったのが「初めての告白」。カンパリベースですか。女の子が好み..]


2005-04-04 (月) こでまりの花咲く頃。 [長年日記]

もっとうまくあなたに想いを伝える事が出来たなら。

私が小学校低学年の頃、校内で竹馬がはやった。

子供は所詮新しもの好きであるからして、一瞬のうちに竹馬が大ブーム、親にねだってマイ竹馬を買ってもらう子供が続出した。

赤や青やと色とりどりの竹馬、筒部分に鈴が仕込まれており、歩くとシャンシャンと音が鳴る。

おもちゃ屋には急遽竹馬コーナーが設立され、今のうちにと大量の竹馬が仕入れられた。

幼馴染たちも次々と竹馬を購入、あいつが赤色買ったなら俺は緑だとか、ヒロシはガキ大将で青だからそれと同じ色は買ってはいけないとか、子供ナリのくだらない決め事が飛び交った。

当然流行に敏感で流されやすいステレオタイプのお子様だった私にも、にわかに竹馬熱がムクムクと膨れ上がる。

しかし子供の頃は利発だったワタクシ、親に物をおねだりする事が大の苦手。

グズグズしているうちに幼馴染(全て男)がどんどんと竹馬を購入し、とうとう一番トロイ豆腐屋のタッチャン(デブ)までが黄色(買うならカレー好き黄レンジャーカラー以外認めないというヒロシの鶴の一声で決定)を手に入れた時、とうとう私も親にねだらざるおえない状況に追い込まれた。

今まで人の竹馬をぶんどって遊んできたが、タッチャンまでが手に入れた今、もう人に借りて遊ぶのは私のプライドが許さない。

しかし問題は父親。うちの父親は、そう簡単に物を買い与えてくれる人物ではなかったので、私はどのタイミングで話を切り出すか必死に考えた。

時は4月頭。良くも悪くも時期的にはチャンス。私の脳裏を2つのパターンが駆け巡る。

その1:買ってもらえない。

     みもふたも無い結果だが充分にありえる。

     「ダメ!」といわれたら、「・・ですよねぇ〜・・」と引き下がるしかない。

その2:買ってもらえるが、4月末の誕生日までまってそのプレゼントとされる。

     子供にとって、1週間でも長く辛いもの。

     それが3週間も後となるともう買ってもらえないのと同意語。

     そのうえ、今年の誕生日に密かに狙っていたヌンチャクを諦めねばならない。

     ヌンチャクか。竹馬か。

そんな事をグルグル考えながらも、私は一大決心して父に歩み寄った。

お父さん。竹馬。欲しい!!

「お!竹馬か!お父さんも得意だったぞ!!よしよし、今度の水曜日にな。」

なんと二つ返事で快諾!水曜日は父の休みの日。(自営業)

後2つ寝ただけで、私は晴れて竹馬のオーナーである。ヤタ!!

翌日私は颯爽と登校し、青色の竹馬を買ってもらうと高らかに宣言。

当時ガキ大将のヒロシといえども、私の力には及ばなかった。子供の頃の女子は大きい、加えてその頃の4月生まれと3月生まれの体格・知能の差は馬鹿に出来ない。

ヒロシとて、トモちゃんよかったねと祝福するしかなかった。

後は寝て待て水曜日。

いよいよ当日、ダッシュで家に帰る私。おとうさん!!竹馬!!と息を切らして駆け込む私を、父はヨシヨシと迎え入れてくれた。

早速行くかと立ち上がる父。ウキウキと付いていく私。私は父の車の助手席に乗せられブーンと発車。

今思えばココからもうすでにおかしい。

我が家は自営業、商店街住まい。

商店街には、今まさに竹馬売り時と、商魂たくましく竹馬コーナーをいち早く設置したおもちゃ屋がある。歩いて数十秒。何故車に乗る必要があるのか。

しかしそこは所詮子供。タッケウマ!タッケウマ!と頭の中で連呼しながら、窓の外を流れる景色を見つめていた。はっきりいってバラ色だった。

景色はどんどんのどかになって行く。どんどん山へ入っていく。クネクネと山道を登って行く。

車はとうとう民家の前で止まった。中から人のよさそうなおじさんが出てきて、なにやら父と談笑をはじめる。おや、お嬢ちゃんだったのかいと、見知らぬおじさんにヨシヨシされ、父もヤンチャで困りますわといいながらも得意げだ。

さすがに私の中に、違和感が芽生え始める。

父が、花好きの母のためにこでまりの花を摘んでおいでと私に言う。

花を摘む私の後ろで、父とおじさんがなにやらガチャガチャ何かを運んでいる。

ものすごく嫌な予感が襲ってくる。

ものすごく・・・ものすごく・・・・・・もう・・・振り返る事が出来ない・・・。

そうなってくると子供ながらにケナゲに自分に自己暗示。いや、気付くまい、早く帰って竹馬を買ってもらおう、あの、シャンシャン鈴の音のなる、あの、王者の印ブルーの竹馬を・・・・

「トモー、ちょっとこっち来い。これ、握ってみろ。うん?どうだ?太すぎるか?ヨシヨシ、こんなもんか?」

手に握らされているのは、まさしく竹。青々とした立派な竹。みずみずしく、立派過ぎる、本物の竹。

そんな時にも私は、早く、家に帰って、竹馬を買ってもらおう・・・あのブルーの・・・と、念仏のように唱えつづけた。気が付いたら負け、気が付いたら取り返しのつかないことになる・・・・・。

帰り道、運転席と助手席の間を区切る立派な竹、車に納まりきらず後ろの扉を開けてなおも飛び出している立派な竹。

車がカーブを曲がるたび、私の頭にコツコツと竹の感触が当たるたび、見ない・考えない・ブルーの竹馬買ってもらうを念仏のように唱えつづける私。

家に着くや否やノコギリを持ち出しギーコギーコはじめる父。

ここまで来ると、今度はどうやってこの恐ろしく見当違いな行為を止めさせるべきか考え始めた。

私は確かに竹馬が欲しい。欲しいが、それは、竹馬であって竹馬でない、似て異なるものであって・・・。

うつろな目でブツブツつぶやく私。もう、これなら、いっそのこと竹馬なんていらない・・・・。

そんな私の繊細な心とは裏腹に、こんなことさせたらこの地区でナンバーワンの父の手にかかり、竹馬はサクサクしあがって行く。乗る部分ももちろん立派な竹!!

父は私の隣に2メートル以上はありそうな竹をそえては、どれくらいの高さがいいかとノリノリ。

皆どれくらいの高さかと聞かれ、膝ぐらいかな・・・とつぶやく私にニヤリとする父。

皆が膝ならトモは胸の高さだなと狂った事を言い出す父。

出来上がった竹馬は、小学生が乗るにはあまりにもダイナミックな大地の恵。

当然乗れるはずも無く呆然とする私に、父は乗り方をもったいぶって伝授する。

家の前にある塀の突起に足をかけてよじのぼり、そこから竹馬に乗り移る技をあみ出す父、又よせばいいのにマスターしてしまった私。

翌日頑なに竹馬について触れなかった私も、とうとう放課後幼馴染たちによって問い詰められる。

観念してマイ竹馬(本物志向)を登場させた時、その瞬間の幼馴染たちの驚愕の表情を私は今も忘れる事が出来ない。

開口一番のコメントは、「なにそれ!」だった。

カワイイ竹馬をシャンシャン鳴らせてヨチヨチ歩き回る幼馴染の中で、私一人カッカと歩幅もでかく闊歩する姿はさながらキリン。とにかくでかい。

現代的なカラフル竹馬に囲まれ、買ってもらえなかった貧しい子のような私。

しかもこの竹馬、高さがある分操作が難しく、はだしで乗らなくてはいけない。

益々広がるビジュアル的貧富の差。

そのうちガキ大将ヒロシが乗ってみたいと言い出した。何度かチャレンジして乗れるようになると、普段見なれない高い視界にすっかり夢中になった。

そうなってくるとオレモオレモと群がる幼馴染たち。乗りこなすのが難しかった為、乗れたときに芽生える優越感が子供たちを虜にした。皆が私のお手製の竹馬に夢中になったが、デブのタッチャンだけは折れたら困ると乗せなかった。

皆が私の竹馬に乗っている間、ヒロシの青の竹馬に乗った。あれほど欲しかった竹馬が、とても小さく物足りなく感じた。

子供用の竹馬は長さもなく、高さ調節ができるとはいえ限度があった。

そして軽さ、握りやすさは本物の竹にかなうはずも無く、災い転じて福となり、私の竹馬は超機能的ライドとなり、商店街の中でも有名になった。

竹馬かけっこ勝負にも、竹馬階段上り下り勝負にも、誰も私の前を走る事が出来ず、父は大変満足そうに、「トモだけだからな。誰にも作ってやらんからな。」と恩着せがましく私に語りかけてきたりした。

そんな肝を冷やした一大竹馬ブームだが、子供特有の飽きっぽさで無事終焉を迎える。終わりは私の中で特に分かりやすく訪れた。色んな道を乱暴にダッシュしつづけた上、雨風に当たる場所に毎日放置していたつけが回り、私の素材を大切にしたエコロジー竹馬は足元から割れだし、最後は自然へ還ることによりめでたく終止符を打った。

思えば父は生粋のガキ大将で、それがそのまま大きくなったような人だった。

休みの日は私や幼馴染を引き連れ近所の河原に連れて行ってくれた。

昔ながらの遊びを教えてくれ、何をやっても近所のお父さんたちより運動神経がよく、子供たちの憧れの的だった。

そんな父が私はダイスキだった。

実は一大竹馬ブームの後に、ひっそりと缶ポックリブームがやって来た。

商魂たくましい近所のおもちゃ屋は、缶ポックリの部分に可愛いイラストやマンガのアニメが書かれたものを入荷した。

そこそこ流行ったが、さすがに今度の事件に懲りた私は、父だけにはその事を言わなかった。

1メートルもある缶ポックリとか作りかねん。作られた日にゃこんどこそ死ぬ。

私の時代に一輪車ブームが来なくて本当によかったと思う。

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# 月経 [ブライアン・メイもこんな気持ちだったのかなあ。]

# (・ε・) [こうなったら歩くたびに何和音も出る細工してもらえばよかった。]

# (・e・) [お父ちゃん超人的にオンチだから、そのジャンルだけはムリ。]

# まわりゅ [や、僕の子供の頃にもありましたよ! 竹馬ブーム! 僕も、今は亡き父に勝ってもらった覚えがあります。 ステンレス製の奴..]

# (・ε・) [あとホッピングブームもありましたよ。ジャンプして近所の柿の実をこっそりとってやろうと企んで誕生日に買ってもらったんだ..]


2005-04-07 (木) ババァギュウギュウ [長年日記]

ボクブッチュ。

うちの近所に、かなり安い八百屋がある。

帰り道家を通り越した先にあるのでチョッピリめんどくさいが、時間があるときや金欠の時なんかは行くようにしている。

大体相場の3分の2ぐらい。

この店の人は全体的にアダルトだ。

商品を並べたりしているおじさん2人は、もう重いものは持たずに年金で暮らしたほうがいいんじゃないかと心配するぐらいクラッシックな作りだ。

そしてココのレジにいるおばあちゃん。すごい。

まず体がでかい。態度もでかい。

なのに野菜を入れてくれるビニール袋は異様にちいちゃい。

小さなビニール袋に、キャベツ1つとトマト3つをギュウギュウ詰め込まれたときは、いつトマトがブチュっと行くか生きた心地がしなかった。

しかしそこは名人芸、トマトはブチュッとならずものすごいギリギリのラインでその姿を保っていた。

おもわず惚れ惚れする入れップリは職人芸。

ハイと差し出されるが、今度はビッチビチに詰りすぎて持つところが広がって持ちにくい。

仕方ないので片方だけに手を通して家に帰ると、腕にはミミズ腫れを通り越して見事な赤い溝がくっきりとついている。

家に着いてそっとビニールを置いたら、キャベツの重みで一番下のトマトがブチュっと行った。

そもそもトマトを下に入れる神経がまったく理解できないが、おばあちゃんは怖いので文句が言えない。

いつも白髪の後頭部部分に、明らかに白髪と色のあっていない真っ黒なレディースマープがずれてへばりついている。

小粋過ぎて怖い。

昨日もお金が無かったので、勇気を出してその店に行った。レタスとキュウリを買った。

近所のスーパーではレタスが1玉230円、キュウリは3本で130円だったが、ココではレタス1玉150円で大玉、キュウリは一袋で100円なのに5本も入っていた。うれしい。しかもこの組み合わせならブッチュ被害も無いだろう。

相変わらずボスはニコリともしないで、まるでそれが使命だといわんばかりに小さな袋にレタスとキュウリをギュウギュウいれる。

勝手にキュウリの袋を破き、レタスの合間にグリグリ刺す。あの、普通に入れたほうが入ると思うんですけど・・・。

微妙にレタスに指が食い込んでいるところが恐ろしいが、なにぶん小心者の私は文句が言えない。

なけなしの最後の1000円札をボスに捧げる。

私はボスをなるべく見ないように、店に張ってある新しいラーメン屋のオープン案内チラシを見ていた。

「ハイおつり。650円ね。」

ぶっきらぼうに渡された手のひらには250円。ちょっとまて。

いくら私が小心者でも、650円を250円で納得するほどセレブじゃない。

「あの・・・250円なんですけど。」

「ああ!100円玉と500円玉間違えちゃったよ!!アハハハハ!!」

レタスまるまる1つ入るような大口開けておばあちゃんは笑う。500円玉をぺっと渡してくる。

断言しよう。わざとだろこれ。私が他に気をとられてたからだろう。

このボスの鋭い眼光が、500円玉と間違えて100円玉を選び取るはずが無い。

トマトもモーパイでグリグリ入れるゴットハンドが、染み付いた銭銭サイズを間違うものか!!

そもそも100円と500円、入ってる場所違うし。

そんな疑惑炸裂な行為なのに、誤りの言葉も当然無くスルーされた私。

それでも許せたのは、負けなかった自分への感動と、おばあちゃんの笑顔をはじめてみたという驚きからだろう。

越してきて3年目。長かった。

勇み足で家に向かう私。

ちょっとまて。

150円のレタスと100円のキュウリ。1000円出しておつりが650円。

・・やられた・・・。

本日のツッコミ(全7件) [ツッコミを入れる]

# 6-30 [100円の3冊と150円1冊買ったら「450円ね」。1000円札出したらお釣りが650円でした。トモ吉さんの分取t返..]

# (・ε・) [1杯100円かぁ・・・コレは結構むずかしいぞ!]

# (・e・) [昨日花見をする時、350のチュハイ買ったのね。 普通の缶ジュースが1本120円。 缶チューハイ105円。 いい時代..]

# 浅野忠信 [壮絶な戦いです。ゴットハンドの知略の勝利です。経験に裏づけされた。それともベヘリットの魔力か? 探偵は、コンビニの馬..]

# 6-30 [スーパーのレジではよそ見厳禁。半額とか100円引きを打ち忘れるバイト店員が多い。レシートのチェックも忘れずに。そやけ..]

# (・ε・) [そういえばスーパーのレシートはチェックするのに、コンビニのはスルーしてた。こんどからちゃんとチェックしようっと。]

# (・e・) [スーパー5回に1回ぐらいなにか間違ってるよ。ほんと。注意!]


2005-04-14 (木) どうすればいいのベイビー。 [長年日記]

本当は結論を求めているわけじゃない。

「君の香りがしたから振り返ったら酔っ払いのおじさんだった。」

そんなくどき文句を言われた事のある私です。コンニチハ。

周りに言わせると、それどこをどう贔屓目に見てもくどいてないでと夢の無い事を言われてしまいますが、いや、コレは口説いていたに違いないと言い張りつづけて早数年。継続はちからなり。思い込みはココロのお守り。

そんな風に人とは、よくよく聞けばけっこうどうでもいい事を語り合いながら生きていると思う今日この頃です。

【恋愛と結婚は別か否か】という大変女性好みのする御題がありますが、あの話で盛り上がるのってたいてい未婚の人たちなんですよね。私も含めてですが。

やっぱり結婚してる人たちだとリアルになってしまうからでしょうか。それとも答えが一致してしまうからなのでしょうか。

私はどちらの意見に賛成かと言うよりも、【恋愛と結婚は別】という考えは、【先人の知恵】もしくは【おばあちゃんの知恵袋】的感覚でとらえております。

経験してみて、こうしたほうが楽だよと気付いたことを教えてくれてるというか、とりあえずガンバッテ勉強したほうが後楽だよ?みたいな両親の心遣い的な。頭では分かってても、その時当事者には出来ない系というか。

お相手もいる関係について、片方側だけの立場からアレコレ話題を繰り広げるのが、なんと申しましょうか女子によくある特長の一つだと思います。

【男女間の友情は成り立つか】議論も、比較的女性のほうが積極的に取り上げる御題。男性の、「友達だと思ってたけどきっかけで女を感じることもできる。抱ける。」発言に、じゃあどこまでが友情かともめにもめ、論点が微妙にずれてきたり。

スキスキなんていう燃え上がった気持ちは永遠に続くわけじゃないことぐらい百も承知だが、そのスキスキが導入点にない関係からスタートしてほんまにやっていけるんかとか。パンツ洗ったりそれ以上の事もするし、ルームシェアするわけじゃないんだし。スキスキという目くらましのような熱病期なくして他人と暮らしていけるのかなと。

そんな【恋愛と結婚いっしょのほうがいんでね?】派にたいして【分かってないな、子供の意見よそれは派】によると、男としても魅力のある男友達を選ぶとか。なにそれ、そんな人なら普通に好きになっちゃうじゃん、じゃあどこまでが恋愛?友情?とか。又論点はスライドしまくって、結局ダイエットや恋話やマンションの相場などに話は転げ転がり、何も得るものが無いながらもスッキリ、よく呑んだ感で結構満足して終るのです。

で、誰も人の話聞いてない。自分の恋愛・結婚観を語るのが正直な所一番楽しい。

どこに幸せの基準を持っていくかで違って来る、一言で言ってしまえば「人それぞれ」で終ってしまうような話を、あーでもないこーでもないと語り合う女子の集い。

先日、私の友人が離婚したという話を人から聞き、今度その友人も交えて女ばかり3人で飲む事になりました。

その友人と元オットが知り合うきっかけを作ったのがおもむろに私なため、どんな顔をすればいいのか少々複雑です。

友人は絵に描いたようなバリバリ恋愛その後結婚というパターンでした。

恋愛と結婚は別と考える人なら、多分結婚は踏みとどまるタイプの男性だったかもしれません。

今は子供を引き取り実家に帰っている友人。

本当は昨日飲む予定だったのですが、「子供発熱」という最優先事項により来週にお流れになりました。チビシー。

バツイチほやほやの友人と、バツ3の暴れん坊姉ェサンと、未婚の上負け犬にすらなれない私。

どんな不毛な会話が繰り広げられるのでしょうか。

便利だし感心すると思うんだけど特別見たいとも思わない【伊藤家の食卓】、知っている数少ない便利裏技を思い出したときだけポツポツ使う、その結果たまに得した気分になる程度というライフスタイルの私。

はたから見たらどう見えるか分かりませんが、コレで結構満足しております。はい。

本日のツッコミ(全8件) [ツッコミを入れる]

# 6-30 [「君の香りが酔っ払いのおじさんと同じ」だったとしても、口説き文句です。トモ吉さんの香りを覚えていたのやから。来週の報..]

# マワル [落として割っちゃった酒瓶にもあなたを感じる今日この頃です。]

# pino [やっても友達続けりゃいいじゃんと思う夜更けです。じゃんじゃん重婚とかしちゃえ☆]

# (・ε・) [ハイハイハイハイ、爽やかとか好青年とか言う形容詞から遠く離れたお花畑に住むお三方コンニチハ。今日もあなた方のようなス..]

# (・e・) [香りと音楽は密接に記憶と結びついてると思うのね。あ、6-30さん、ちなみにそのバツイチは、金メダルレベルに谷夫人に似..]

# (・ε・) [落としちゃった酒瓶には、香りどーのこーの言うレベルよりも、どんな失敗パターンより最強な喪失感が訪れて来ると思うんです..]

# (・e・) [pino君、このコメントは、夜更けにものを考えるとまあろくな事にならないという良い証明ですね。でも東大進学率ナンバー..]

# マワル [爽やか、好青年、僕の代名詞ですね。や、本当に。]


2005-04-15 (金) 書いててわけがわからなくなってきた。 [長年日記]

グ−ルグル。

さてさて。昨日日記のコメント欄に、もうセックスしても友達続けりゃいいじゃんとか、まあ噛み砕いて言うとばっくれちゃえ的な、とても教養のある書き込みがございました。

さすが我サイトです。重婚もしちゃえとか書かれているpinoくんは、過去日本を背負って立つレベルの頭脳をもち、神童といわれた過去を持つハードゲイです。(一つ憶測が混じってます)

そんなわけで来ますよ。セックスしても、俺たち私たち友達だよね!と言い切ればセーフの時代が!!ついでに言うと純愛ブームの次は重婚ブームですよ!【じゅ】しか合ってませんが。

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【表参道のコ洒落たキャッフェーにて】

「ねえねえチカ、彼元気?」

「どの彼?」

「あの、○○大の。」

「あれ友達だよ。」

「この前2人で旅行行ったって言ってたじゃん。やっちゃったって言ってたじゃん。」

「ああ、トモダチトモダチ。キスもペッティングもセックスも全部したけど、気の合ういい仲間だよ。」

「そうなんだー。」

「そうそう、セックスもなかなかマメでうまいから、本当にいい友達だよ。」

「私にも紹介してよ。」

「オッケーオッケー、皆でGW温泉でも行こうか。ユキも松下君や隅田君連れておいでよ。」

「えー、松下君はまあ体力あるからたのしいけど、隅田君ちっさいんだよねー。それに人数あわないじゃん?」

「いいよいいよ人数あわせなんて。だって私たち友達だから、男女関係無いじゃん。ちいさくてもいいじゃん。」

「そうだよね。友達だもん、ちいさくてもいいよね。」

【都内老舗ウェディング会場にて】

司会

「えー。新郎様は、本日ご出席の○○物産常務様の奥様の旦那様でも有り、常務の妹様の旦那様でもあられます。また同期の松下さんのお姉さまの旦那様にも当たられまして、松下さんご自身は本日の新婦の3番目の旦那様でもあられます。 さあ二人の新しい門出を祝して、乾杯の音頭を新郎の大学の教授でも有り、新婦の1番目の旦那様でもあられます、人類学科の権威、○○教授にお願いしたいと思います。」

教授

「えー、山辺君、本日は本当におめでとう。ユキさん、私と結婚した時、君はまだ学生でしたね。今日の立派な姿を見る事が出来て、私も君の夫として大変誇らしく思います。結婚は人生の船出とも言います。2人の新しい船出を、私たちも共に寄り添い、人生という大海原を豪華客船で渡っていこうではありませんか。新しい出発に、ボンヴォヤージュ!(号泣)」

司会

「○○教授、大変素晴らしいご挨拶ありがとうございます。 ご挨拶が遅れましたが、本日司会進行を勤めさせていただきます、○○○○と申します。 実は新郎様のお姉様がワタクシの妻で、その関係で本日の大役のお話を頂きました。なにぶん素人ですので、至らない所だらけかと存じますが、新婦はワタクシの7番目の妻ということも有り、この縁起の良い数字に後押しされる形でお引き受けする運びとなりました。   本日は皆様、どうぞ2人の門出を祝して、大いに楽しみおくつろぎください。(号泣)(会場のあちこちで自己紹介と握手の嵐)」

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黒人を見ればボブかボブサップにしか見えず(この2人の見分けが最近やっとつきました)、金髪をみればリバーフェニックスにしか見えず(古)、日本の政治家は小泉首相と扇千影と鈴木宗雄しか見分けのつかない、顔面識別反応がいちぢるしく欠落しているこの私。

こんな時代がきた日には、真っ先に社交面で支障をきたし、確実にドロップアウトするのが目に見えています。

やっぱりフリーセックス・重婚はダメです。

いくらヌルい物語で純愛を叫ばれて首をかしげようとも、それでも一人の人だけを愛し体をゆだね合う、そんな姿を本来の純愛と掲げて生きて行きたいです。でないと、困る、ついていけない!!

(親戚の結婚式に兄弟でいくら包むのが相場なのかサッパリ分からず、ご祝儀袋を覗き込んで途方にくれながら・・・)

本日のツッコミ(全15件) [ツッコミを入れる]

Before...

# (・ε・) [ハイハイハイハイ、pino君賢そうだけど、語ってる内容は重婚ですから。イカス!]

# (・e・) [そういえば昔テレビで大竹まことが言ってたよ。2股かけると女って離れてっちゃうんだって。でも3股以上だと女どうしてもめ..]

# (・ε・) [あ!しぎたにさんごめんなさい!ボブじゃなかったボビーだ!からくりテレビ格闘家の。]

# (・e・) [前、利き酒は出来ないけど、ビールと発泡酒の違いぐらい馬鹿でもできると豪語して、見事間違えた過去がありますよ。(公衆の..]

# (・ε・) [赤+月+エモ(+エモしゃんってところが大切★) 子供をなるべく作らないようにして、1人の子供に父親1,7人とかいう割..]

# (・e・) [でも親戚づきあいは地獄。 寝たきりのおばあさんがまだ5人に、ボケたじいさん9人いるよーとか嘆くの。1週間に1度の割り..]

# (・ε・) [【渡る世間〜】も、登場人物のおさらいだけで30分!]

# 6-30 [重婚しても子どもができなかったら・・・毎日Hして鼻血も出なくなった姿を想像してしまった。悲惨]

# (・ε・) [毎日せんでも・・・。]

# pino [>ハードゲイはスルーでした。受け入れた!(色んな意味で) 女の人にそう思われても差し障りないんでオッケーです! 男..]


2005-04-19 (火) 自己防衛のために言っておきますが。 [長年日記]

卯の花はおいしくてお褒めの言葉を殿から頂きました。

彼がめずらしく、おからが食べたいと言い出しました。よござんしょと早速卯の花を作る私。

近所の豆腐屋が開いてる時間に帰れなかったので、スーパーにて300g60円のおからを買います。見た目紙粘土。どう見ても紙粘土。

コレを、こんにゃくやら干し椎茸やらニンジンやらひき肉などをガショガショ炒めた所に入れて炒るわけですが、紙粘土をもっそりとフライパンに入れたところでなんかものすごい視線を感じました。

ちょうどコンロの目の前にある窓を開けて炒め物をしていたのですが、窓の前は駐車場を挟んでマンションが建っております。

このマンション、半分以上の部屋に外国の方々が入居されていて結構中が良く見えるのです。とても同じ部屋が並んだようには見えない、実にバラエティーに飛んだ部屋がいくつも構築されております。

1階の角部屋では、8畳ほどの所に(畳)机とパソコンをギッシリ並べ、中近東系の人が5人みっしり詰って黙黙と仕事をしています。事務所というよりアジトです。3階にはゴミ屋敷のような部屋が見えますし、2階には休みの日の昼になると、下着(下はパンツのみ。食い込んだお尻丸出し)姿でお尻をブリブリふりながら洗濯物を干す、開放的で奔放で豊満すぎるチョコレート色の肌のおばさん(テロリスト確定)が彼を心底萎えさせたりと、なかなか攻撃的で個性豊かな住民たちです。ゴミの日になるとマンションの前には、【分別】という言葉を自由奔放に解釈したゴミ袋がうずたかくつまれます。

彼らにかかれば、ペットボトルも酒瓶もなんだかよく分からない針金の束も【燃えるゴミ】になるようです。

そんな風に見えてしまうマンションですから、おそらくこちらのキッチンも良く見えるのでしょう。

フライパンで紙粘土のようなものを炒め始めた日本人を、不思議そうに見つめる中東系の人が2人あちらのベランダに見えました。ちょっと怖い。新たに大声で電話する人が加わりました。何語かサッパリ分からないけど、確実に汚い言葉でののしってるらしき人がウロウロしていましたが、こちらの紙粘土に焦点を定めたとたん、弾丸トークしながらも目だけはこちらに釘付けです。更に怖い。

おからが軽く炒まったところに、干し椎茸の戻し汁と出汁と醤油と砂糖とみりんを入れてまたグツグツ煮るのですが、これがまた見た目汚い。色の薄い泥のようなものがフライパンでグツグツ言ってる姿はとうてい食べ物に見えない。今度はケニア出身っぽい人が見物に加わりましたが、ケニアかどうかは本当のところ分かりません。ただ真っ暗闇に目だけが浮いてる状態です。

なんとなく気まずくなってそっと窓を締めるシャイな私。

おからをときどきかきまぜながら、あまったひき肉に酒ニンジンタマネギ卵黄味噌を加え、冷蔵庫の中で忘れ去られていたピーマンにギュウギュウつめました。ダメになるギリギリの柚があったので、フル活用して鰆の柚庵焼きにします。(コレは彼の指示です。遠隔操作です。)

おからも何とか形になったので器に移し、今度はあまったこんにゃくを辛くいためることにしました。彼が帰って来たので、向うのベランダにいたギャラリーについて報告をしたところ、換気扇を常時かけてなるべく窓はあけないようにと指示が出ました。

そんでフライパンにごま油をしいて、ちぎったこんにゃくをいためて、辛いの好きだから輪切り唐辛子とさらに七味をガンガンふりかけ、強火でガショガショやったところ、催涙ガスがものすごい勢いでフライパンから発生しだしました。

台所でゲヘゲヘせきこむ私に、何事かと飛んできた彼もガスにやられてゲヘゲヘ。

うわっっ目が痛い目が痛い!!喉にきた喉にきた!!息が出来ない息が出来ない!!ゲヘゲヘゲヘ!!慌てて窓全開、玄関も全開、それでもモクモクと立ち上る煙に、いぶされた唐辛子の成分が容赦なく人体に被害を及ぼします。

逃げ腰の私にかわって彼が火を止めフライパンをコンロから離し、窓を開けワーワーやってるうちに何とか落ち着いてきましたが、向かいのマンションのギャラリーがさらに増えておりました。

異国の人たちの目には、紙粘土を炒め泥をグツグツと煮、モクモク煙の中でのた打ち回る日本人はどう映ったのでしょうか。実験に失敗して毒ガスに自爆する日本人。負けずに怖い。

会話の無い誤解が多そうな異文化コミュニケーションが成立した夜。

そんな騒ぎの中、チョコレート色の肌の下着おばちゃんは、テレビを見ながらレディーボーデンのようなでっかいアイスを、そのまましゃもじですくって食べてました。(そんなところだけアメリカン!)

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# 浅野忠信 [腱鞘炎?卯の花は美味しいね。]

# (・ε・) [泥んこ卯の花は、なんか懐かしくて優しい味がしたよ。]



2005-04-21 (木) きみが笑ってくれるなら大丈夫。 [長年日記]

幼児期のトラウマ取扱注意。

子供の頃から苦手な言葉がある。【食す】と【美味】だ。

こんなにも毎日、それこそ朝から晩まで食べる事ばかり考えている私なのに、この2つの言葉だけは脳味噌が綺麗に迂回して、私の口をついて出る事や、指先から打ち出される事は無い。

あれは小学校に入る前だったと思う。

私は店番をする母の代わりに、風邪気味の弟を近所の小児科に連れて行った。

小児科といっても同じ商店街の中にある気のいいおじいちゃん先生の所で、手ぶらでいっても大丈夫な病院だった。

弟が診てもらっている間、私は待合室で絵本をパラパラとめくっていた。ふと見るとそこに、大人の雑誌があった。子供の頃は近所の美容院にあっても絶対見ちゃいけませんといわれていた、続に言う女性週刊誌というやつだ。

いつもは母や他の人の目もある為手にとったことは無かったが、その日はたまたま待合室には誰も居ない。受付にいた看護婦のお姉さんも、おじいちゃん先生とのんびり談笑をしていた。

そうなると好奇心旺盛な私はさして葛藤も無く、アッサリとそれを手にとり、ワクワクしながらページをめくった。

しかしそこは所詮子供、字と写真のシロクロページが面白いはずも無く、たいした事ねぇなぁとだんだん興味を失いつつあった。

が。

そこに登場したのがマンガのページ。パラパラしていた指先が止まる。お!マンガだ!と一気に興味が湧く。

どうやら時代劇らしく、今思えばものすごい勢いの劇画調マンガだった。皆険しい顔をしている為、全員が悪者に見える。

最初のページは、魔女のようなお城のお姫様が高らかに笑うところから始まっていた。

明らかにちょんまげの似合ってない、彫りの深い男の人に向かって挑発的に挑んでいる。何を言うにもけんか腰だ。漢字は読めなかったが、全てルビが打ってあった為なんとか読み進む。どうやらお姫様は偉くて、男の人は家来らしい。

ところがここに来て、雲行きが怪しくなってきた。

男の人が、お前はいやしい女だとか言い出した。いやしんぼなら私にもわかる。いつも弟たちと食べ物で争っては、母にいやしんぼとしかられたからだ。そうだ、このお姫様もいやしんぼなんだ。そう思うと、吊りあがった目に挑戦的なトゲトゲまつげにも少し親近感がわいた。

が、次の瞬間、家来が思わぬ逆襲に出た。

「おまえはこれがほしいんだろ。」

あろう事か家来は、はかまの股間からなにやらポロンと取り出した。しかしその部分は、消しゴムをかけられたように白くまるく消されている。でもわかる。お風呂上りにお父さんが、よくふざけて弟達にポロンしていた。あの汚い奴だ。だからきっとそこにあるものは・・・!!!

自分の目上の人に対して、しかも異性に向かって恥じらいもなく、いきなりポロンするとは何事か!!しかもこの男微妙に自慢げだ。気が狂っているとしか思えない。私はますます目が離せなくなった。しかしお姫様も慌てない、不敵な笑みを浮かべて切り返す。

「わらわにしょくせというのだな。」

漢字の読めない私には、何の事だかサッパリ分からない。ただ、【わらわ】とは私ということだろう。ドリフの時代劇コントでも聞いた事がある。「私に【しょくせ】というのだな」と言っているんだろう。

しょくせ・・・・・

するとお姫様は【しょくせ】に取り掛かったらしい。なんと、家来の前にひざまずき、そのポロリにどうやら噛み付いたらしい!!例のごとく肝心な部分は丸く白く抜き取られている。これは妖怪漫画だったのだろうか。ポロリを食い尽くす妖怪!!お父さんに教えてあげなくちゃ!!

しかしここで雲行きが一変、明らかに妖怪お姫様が責められだした。うっとりとした恍惚の表情を浮かべる。家来も苦しそうだがどう見ても立場が逆転している。

「どうだ、わたしのは。」

「びみじゃぁぁぁぁ」

!!!!!【びみじゃぁぁぁぁ】????

いったい今何が起こっているのだろう?!!!お姫様はいっこうにポロンを噛み切る様子もなく、いつまでもだらしなく口に入れている。私は縁日で買ってもらって、大切に大切に舐めたリンゴアメを思い出した。

でも、これは、これは、ポロンだし・・・・・

悩みと同時に襲ってくる不快感、子供とはいえそれ系に関しては敏感になるのか、なんとなく見てはいけないものを見ているのではないかという予感が背筋をゾゾゾとなぞりだした瞬間、トモちゃーんと看護婦のお姉さんに呼ばれて飛び上がった。慌てて雑誌をおき、何食わぬ顔で先生と看護婦さんにお礼をいい、弟の手をひいて家に帰った。が。私の頭は【????】で埋め尽くされていた。

家に帰ると店先で、母と隣の電気屋のおばちゃんがペチャクチャとおしゃべりしていた。「タダイマー」と声をかける。しかしそこは母親、私のなにあるかふに落ちない気持ちを表情から読み取ったらしい。

「トモちゃん、どうしたの?」

「あのね、【しょくす】ってなぁに?」

「食べるって事よ。どうしたの?」

「あのね、先生の所の雑誌で、お姫様が男の人のオチンチンしょくしてた。」

「!!!!!!!!!」

「でもしょくされた男の人のほうが強そうだった。」

母・おばちゃん 「!!!!!!!(大爆笑)!!!!!!」

「そのお姫様何ていってた?」

「【びみじゃぁ】って言ってた。」

母・おばちゃん 「!!!!!!!(大爆笑)!!!!!!」

笑われてふにおちずムッとする私に、母はヒーヒー笑い涙を拭きながら、ね、変な本だったでしょ、これからはあんな本読んじゃいけませんよ、恥ずかしい事ですよとたしなめた。

でも私にはその一件がなぜかずっと忘れられず、数年後国語の授業中に「あ----!!」と絶叫することとなった。

おおおおお大人って・・・・・汚い!!

ふとしたときに、自分と母を重ねる事がある。

私と母はあまりにていない。私はあごの尖った確実に父方家系の輪郭をしているのに対し、母はえらの張ったまん丸な顔をしている。性格も私と違い、おおらかを通り越して少し足りない人のようだ。

でもやはりそこは親子、朝目を覚ましてぼんやり鏡を見ると、そこに母の面影が色濃く見えるようになった。最近ではキーボードを叩く指先が、私の手と重ねて弾いたピアノの、あの鍵盤を追うたどたどしい指先と重なる。

母はいつも笑ってる人だった。よく泣きもしたが、概ね色んな事を笑い飛ばしてくれる人だった。さっきまでクヨクヨ泣いてたくせに、すぐケロリと店先で爆笑してるような人だった。

母が笑ってくれる限り、何があっても多分大丈夫だろうと思える私だった。

あと数日で60歳という伏目を迎えるお母さんへ。

・・・・・ちょっとまて!!こんな話かよ!!

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

# 6-30 [最初はポロッ(ニヤニヤ笑い)だと思っていたのに、いつのまにかホロッ(涙ぐむ)。]

# (・ε・) [お母さん、還暦だね、女は還暦ないらしいけど、でもありがとうねって優しく言ってみたらさ。 「お母さんアナタの年にはもう..]


2005-04-26 (火) ボクノカチカン [長年日記]

キミノシアワセ。

どこに飲みに行こうかという思いがいっそう弾む給料日という夜に、隣の席のクボちゃんはメイド喫茶に行ったそうだ。

何をどう思って「オサワリ!」だの「バビっとキャバクラ!」等といってた男がこの企画にたどり着いたかは謎だが、立役者は間違いなくエンドー君だ。

普段はおばさん社員に【おぼっちゃま】と呼ばれるおどおどした彼も、ことメイド事に関しては間違いなく【兄さん】だ。

うちの会社は聖地に近く、デビューを飾るには申し分ない立地条件。

メイド初心者のクボちゃんを導くべく、エンドー君が厳選した5店舗をリストアップしてきたものをみせてもらった。そんなにあるものなのかというのが一般市民の正直な感想だ。

そんなわけで昨日はエンドー兄さんを筆頭に、初心者のクボちゃんと田舎者新人君の3人は、定時を告げるチャイムが鳴ると気もそぞろになり、上の人が目を離した隙にそそくさと退社していった。イザ出陣。いや、初陣だ。

今日会社に来て真っ先に、昨日の戦果を報告してもらった。

「最初に行った店は人気店で入れなかったんですよ。」

「すごいね。」

「で、2番候補に入ったんですよ。お酒も飲めるしね。」

「ほうほう。楽しかった?」

「【萌え萌えウィーク】てのやってましてね、カレーとジュースのセットなんですよ。」

「どこが萌え萌え?」

「フーフー付です。」

「?」

「熱いからフーフーしてくれるんです。」

「ナイスオプション!」

「セット料金2100円でした。」

「高ッッ!!!」

「単純計算でいって、1000円のカレーに500円のジュース、500円のフーフーです。」

「フーフーだけなら、1フーにつき250円だよ。」

「どれくらいフーフーしてくれるもんなのか知りたかったけど、しゃばしゃばのうっすい黄色いカレーと粉ジュース溶かしたような奴に2100円は例え給料日といえど・・・。」

「・・・ねぇ・・・。」

「あと、他にもセットがありました。」

「どんなやつ?」

「チューチューがつくんです。」

「うっそ!!すごい!!そんなことしてくれるの?!!」

「一緒にジュースストロー2本さしてチューチューしてくれるんです。」

「そっちか。」

「ジュース1杯500円のが1000円に跳ね上がります。」

「高っっ!!」

「だってそこ、ヤキソバパンが750円なんですよ。」

「たっけー!!じゃあ、ちぎって口に入れてくれるぐらいのオプションつかないと納得できないよね。」

「あと、もう一つのセットがありました。」

「どんなの?」

「秘密です。」

「おしえてよ!」

「いや、ジュースと、メイドさんの秘密がセットなんです。」

「!!!」

「メイドさんが注文したお客さんだけにこっそり秘密を教えてくれます。」

「!!!」

「これまたジュースが1000円に跳ね上がります。」

「たかっっ!!」

「エンドー君がチャレンジしてました。どういう秘密かムリヤリ聞いたら、【テストで赤点とっちゃいました。エーンエーン。】だそうです。」

「極悪だね・・・」

「あとねぇ、僕に合わせてカクテルを作ってもらったんですが、なんか紅茶とカシスなげやりに割った奴で、ほとんど午後ティーの味しかしませんでした。

 お酒は詳しくないのダ☆てへ☆ だそうです。」

「泡盛1瓶軽く飲むあなたには辛い空間ですね。」

「しかも机が学校の机なんですよ。」

「学校の机にメイド。シュールだナァ。」

「僕ね、もっと楽しいメニューがあると思ったんですよ。モエモエパフェとか。ハニャーンバーグとか。」

「ハニャーンバーグて・・・(駄洒落かよ)」

「なのにフツーにタコわさとか食ってました。」

「学校の机でメイドが作ってくれた贋カシスウーロンみたいな奴でタコわさ。

 世界観が・・・・・。」

同じ日本のほんの数駅しか違わないあの町で、物価も価値観も大きく違う世界が繰り広げられているようです。

田舎からきた新人君は、東京はオレンジジュース薄めた奴に貧乏臭いオタク女のコスプレに付き合って(私が言ったんじゃないですよ!)1000円なんて、まっこと恐ろしい所じゃとブルブル震えておりました。

結局クボちゃんはというと、メイドカフェにいまいち乗り切れず、あまりはまれなかったようです。

しかし一番はまり込めなかった理由というのが。

「まず最初の挨拶からして気に入らなかったんですよね。【いらっしゃいませ】って・・・・

 【お帰りなさいご主人様☆】でしょうフツー・・・。」

・・・えーっと・・・・・・メイド喫茶初体験?

追記

「ク〜ボちゃんクーボーちゃん。ワンフーフーで500円〜。」

「あーん☆ も付くんですよ。」

・・・お前本当はやってもらっただろ・・・。

本日のツッコミ(全6件) [ツッコミを入れる]

# 6-30 [4/28はトモ吉さんのゾロ目の年の卒業式。みんなでお祝いに飲みましょう。ということは明日は23才か(遠い目、ちゃう)]

# (・ε・) [お!覚えててくれたんだ!!嬉しいなぁアリガトウ!! でもいちいち年書くあたりがものっそ6-30さんだね。]

# (・e・) [今夜は自棄酒でチュ☆。めったにいけないおいしいお店にいくんでチュ☆]

# Mr.○ディ [ほとんどのログを印刷して寝る前に読んでます。 笑いすぎて寝れませんワ★]

# (・ε・) [とてもとてもありがたいことなのですが、その後一体どんな夢見てるのか心配でなりません。]

# (・e・) [Mr.フレディ?(←ケンカ強そう)]


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