チナウ


2004-05-07 (金) 私がロリコン苦手なワケ。 [長年日記]

ロリコントラウマ。

世の中にはロリコンという嗜好(嗜好?)の方がいらっしゃいますが、私は昔からこの手の方が大の苦手なのでございます。

基本的に、犯罪って言うか人に迷惑さえかけなければどんな趣味嗜好があってもいいと思うんですよ。

むしろ私はあるほうがイイカモ☆とかドキドキするほうなのですが。

しかし兄弟がいるせいか、ロリコンと近親相姦とスカトロは勘弁と、普段口をすっぱくして語る日々でございます。

うん、ステキだ。ステキな日々だ。そしてそれ以外の嗜好があまりおもいつかない。

私がロリコンの方が苦手になったのにはワケがございまして。

あれはワタクシまだ幼少のみぎり。

ここでも何度か書いた事がございますが、私が預けられていた保育所というものが、教会が平日だけ保育所として地元に開放していたものでした。

その関係で、私たちは日曜日には教会へと通っていたのです。

その教会には、某私立ミッションスクールのお兄さんたちもいらしておりました。なんかあれね、月何回は教会に行かなくてはいけないってやつね。

中高が男子校で、大学まであるお坊ちゃま学校でございましたよ。某有名朝ドラ出身双子が通ってる大学。

私が小学校3年生頃、島田さんという大学生のお兄さんがいらっしゃいました。

大学になると教会へは別に行かなくてもいいのですが、そのお兄さんはグリクラブ(コーラス部?)に入っておられるようで、毎週のように教会の大人の部へこられておりました。そして賛美歌を歌っていたようです。

大人の部と子供の部は時間差だったので、入替のときに顔を合わせるうちに私たちは島田のお兄さんと仲良くなっていったのでした。

そうなると島田のお兄さんもよく大人の部をサボり、2階の部屋で遊んでいる私たちのところへやってきて、一緒にゲームをしたりして遊ぶようになったのです。

年に数回、教会では近所の老人ホームへ行ってお芝居をしたり、夏はキャンプへ行ったりとなかなかイベントが盛りだくさんでした。

いつのまにか島田のお兄さんは、子供の部の引率者のような存在になっておりました。

弟しかいなかった私はお兄さんという存在に大変憧れており、あっという間に親しくなったのです。お兄ちゃんお兄ちゃんと慕っておりましたよ。

お兄ちゃんは、シマタと読むのですが、シマダ君と呼ばれると烈火のごとく怒っておりました。顔真っ赤にして口きかなくなるの。

幼心にしょーもないことで怒る人だなとはうっすら感じていたのですが、あまり気にもとめませんでした。

お兄ちゃんは誰よりも私に優しかったからです。

私より2つ下のマリちゃんは、いつもお兄ちゃんの後を付いて回っていましたが、お兄ちゃんは私を一番かわいがってくれました。

ある夏休の日。私たちは教会の人たちに連れられ、近所の河原へ行きました。

私は行きも帰りもお兄ちゃんに手を引かれて歩きました。手はラブつなぎです。私がしたのではありません。

男兄弟や幼馴染も全て男だった私にとって、手をここまでベッタリつなぐ文化はございません。

夏で手がじっとり汗ばむのも気持ち悪く、何度も離そうとしたのですが所詮10歳そこそこの子供が大学生にかなうはずがございません。

危ないからという名目で、手をつなぐか、腕を組むか、お兄ちゃんに肩を抱かれるかどれか選びなさいと言われたので、仕方なく手をつなぎ続けました。

すごい不快で、河原に着いてお兄ちゃんから離れて遊ぼうとするのですが、やっぱり危ないからとお兄ちゃんは私のそばにピッタリついて離れません。

ちょっと高い段を登ろうとすると、抱きかかえて持ち上げようとするの。キモイっつーの。

このあたりから私の中に、あのお兄ちゃんウゼーなぁという健やかでまっとうな気持ちが芽生え始めました。

そしてある日曜日。その日はお兄ちゃんと同じグリクラブのメンバーが教会にきていました。教会にお年寄りを呼んで、賛美歌を歌うというボランティアかなんかだったように思います。そこで私は初めて歌を歌うお兄ちゃんを見たのです。

決して広くない舞台で、一番の低音を、髪を振り乱して歌う姿に。

・・・これ、ヤバイ!

私の中でなにかがはじけました。そうなったらもうダメな。

よくよく見ると、クラブの中でもお兄ちゃんは孤立しているようでした。はじめてきたグリクラブの他のメンバーが、すぐ教会の大人や子供達に打ち解けるのを、それはそれは面白くなさそうに見ていました。これ見よがしにフテ腐れてましたよ。

隅の方から盛り上がる一角を睨むように一人で座っている姿は、子供でも充分おかしいとわかるものでした。

そして子供も交えての交流会が始まったのです。

そこで皆でゲームをする事になりましたが、たまたまその時お兄ちゃんはトイレで席を外していました。

小学生の子供はグリのお兄ちゃんたちと2人一組になる事になったので、私は隣にいたお兄さんと2人で組む事となり仲良く話しておりました。

いつの間に戻ってきたのか、島田のお兄ちゃんが遠くから私を睨んでいます。もう、本当にスゲー目で睨んでるの。

そして他の大人の人が島田君どうしたの?と聞くと、トモちゃんが裏切ったと言ったのです。

ビックリする私。たしなめる大人。あきれるグリクラブメンバー。

私と組んだお兄さんが、気にすること無いよと私に言ってくれたので、私はほっとしてお兄さんと話し出しました。そのとたん、島田のお兄ちゃんは「帰る」と一言残して立ち上がり玄関へと向かったのです。

ガシャーン!

何事かと思いみなが廊下へ向かうと、そこにはなぎ倒されて割れた大きな花瓶が一つ転がっておりました。お兄ちゃんは謝りもせずそのまま帰っていったのです。

真剣怖くなった私は、翌週しんどいと偽って教会を休みました。テレビを見ていると、お母さんが私を呼ぶ声がします。

行ってみると島田のお兄ちゃんがそこに立っていたのです。しかもスゲー笑顔。

「トモちゃん、お兄ちゃんが迎えにきてくれたわよ。」

無邪気に笑うオカァヤン。おおらか過ぎるオカァヤン。

私絶望。

にこやかに笑うお兄ちゃんに手を引かれ、私は家を出ました。

「トモちゃん、今度から僕が迎えに来てあげるからね。もし良かったら平日も遊ぼっか。」

またもや手はラブつなぎ。

その日は皆でゲームをする時も、私の後ろから覆い被さるようにお兄ちゃんが座っておりました。

さすがにヤバさを感じた私は、デリケートに言葉を選びつつお母さんに言ったのでした。

「あのお兄ちゃんキモイから教会行きたくない。」

うん。ストレートだった。痛いほど伝わってた。

それ以来私は幼馴染たちと連れ立って教会へ行きました。もともと子供の頃から気の強かった私は、もういやだという態度をアリアリと表現しながら他の大人のそばを離れませんでした。

そのうち島田のお兄ちゃんは、マリちゃんとよく遊ぶようになりました。

マリちゃん。小学1年生。うそーん。

「トモちゃんがこないと、僕マリちゃんのほうが好きになっちゃうよ。」

マジでこんな事ほざきやがったんですよ。あのロリコン。

もちろん利発で優しいお子様だった私は、言葉を選んで教会の先生に言いました。

「島田のお兄ちゃん気持ち悪い。ずっと手をつないだりベタベタしてくる。今度はマリちゃんにするって言ってるよ。」

うん。ストレートだった。痛いほど伝わってた。

私への態度をみて、ちょっとおかしいなと思い始めていた大人たちは、お兄ちゃんに大人の礼拝へ行く事を勧めていました。

「トモちゃんがやきもちやいちゃったんだ。」

マジでこんな事ほざきやがったんですよ。あのロリコン。

ゲーーー。

それでも教会の行きかえりに待ち伏せされたりしましたが、いつも他の幼馴染たちとダッシュで帰りました。

私のまわりにいるやんちゃな男の子の幼馴染達が苦手だったのか、それ以上は寄って来ませんでした。

しかし。小学生に負ける大学生て。

ロリコンという言葉が今ほど浸透していなかった牧歌的な時代。

お兄ちゃんはいつも優しかった。でも私がなにか逆らうような事を言うと、いつもものすごい勢いで不機嫌になっていました。

子供相手に口きかなくなったりして。だんまりでフテりやがんの。

そんなお兄ちゃんに逆らう事は、いけないことなのかと思ってしまうのが子供というものなのです。子供は外見で判断しません。兄ちゃんと写っている写真を見ると、ああーナルホドー!な外見で、アヤシさヤバさプンプンな殿方でしたが分からないんですよ。子供って。

ひょっとしてこれは兄ちゃんが悪いんじゃなくて、そんな大人をも惑わす魅力が私にはあったのではないかと思いアルバムを開くと。

真っ黒に日焼けした小猿が1匹。

うん、見てはいけない世界だった。見なきゃ良かった。

でも一応髪を両サイドで高くくくってたよ。それでようやくメスって判別するくらい。

もし私がもう少し大人しい子供だったらどうなっていたのか。

もし私の家が商店街でなく、教会ももっと遠いところにあったら行き帰りどうなっていたのか。

考えると空恐ろしい話なのですが。

あれ以来、ロリコンじゃなくてもいたいけでかわいいアイドルが好きだという人を、チョッピリ冷ややかな目で見てしまう自分がいます。

あと、ロリコン女性もいますよね。

かわいいとか綺麗とか言われるより、幼いとか言われて喜ぶタイプの人。分からん。友達になれん。

ごめんね、それもこれもみんなあのお兄ちゃんのせいなんですよ。

むかしから、子供にはあんまり興味ないって感じの男性が好きでした。

ムリ目の女のほうがそそられるって言うタイプ。

私は昔から老けて見えるし今現在既にいい年だし、ましてや逆立ちしてもムリ目の女にもなれないし。

どうころんでもそういう対象から外れてしまうズッコケ人生ですが。

ただ、そういう男性のほうに激しく色気を感じるんですよ。

それもこれもあのお兄ちゃんのせいなんですよ!

全てをお兄ちゃんのせいにする私。

なんだ。便利なヤツじゃん。

あ!マリちゃんってどうなったんだ?!!

本日のツッコミ(全7件) [ツッコミを入れる]

# マワル [ぼ、僕は小柄好きなだけで、 ロリ好きではないっすよ。 いや、本当に。本当ですって。]

# (・ε・) [またまたぁ〜。あやちいなぁ〜。ぽっくんとマワルしゃんの仲じゃないでしゅか。心を開いて!!]

# (・e・) [たまには大柄もイイヨ!最近トモちゃん全てが大柄になってまいりました。その魅惑のお肉(主に腹回り)をムニムニした人は、..]

# (;´Д`) [なるほど。だからムニーちゃんなんですね!]

# (・ε・) [でたな本物、プロのロリコン。プロロリコン。プロポリスみたいでかっこいいじゃねーか。]

# (・e・) [プロリコン。なんのキャラクターだ。]

# pino [「ムリ目ってどっちにムリかによってかなり違うよね!(朗らかに)」とムリ目の僕が申しておりました。ダメだこりゃ。]


2004-05-11 (火) 人は迷う。 [長年日記]

惑わされる。

私の住む町には仙人がいる。

いつも世界の中心でお告げを叫んでいる。

先日は大通りにたたずみ、赤い車が通る度に、「それだ!」「それだ!」と叫んでいた。

続けて何台も通ったときなんかはどうなることかと一瞬ハラハラしたが、「それだ!」「それもだ!」「そっちもだ!」とちゃんとアドリブきかせたりしている。なかなかやるじゃん。

あるときは目をギラギラさせ、又あるときは絶望の色をたたえ、又あるときは目を閉じ行儀よく寝ている。道路という事を省けば。

昨日、私は会社からの帰り夕食用の買い物をして家路を急いでいた。両手には抱えきれないほどの食材。

強く両腕に食い込むビニール袋からはネギが覗き、料理酒が覗き、豆腐が覗き、焼酎が覗き、魚の切り身が覗き、ワインの赤白が覗き、日本酒の一緒瓶が覗いていた。

明らかにビニールの中の世界では、ある種の偏りというか秩序の崩壊が起こっていたが、我が家にとってコレが至極自然な事なのである。

大きな交差点で信号に足止めを喰らった私は、目の前にあるヤキトリ屋から漂ってくる魅惑的な香りの誘惑に負け、彼が帰ってくるまでのコッソリおつまみ用のヤキトリを3本買った。

最初は砂肝でコリコリっと。次にタレのレバーでねっとりと。〆は好物の塩ネギマで。完璧だ。

ご満悦で振りかえるとヤツがいた。それは仙人。

「モテルモノハソレダケカ。」

仙人は私に聞いた。私はセオリー通り無視をした。

「持てる限りを持っているのか。無理をしているのか。」

無視。

「まだ持てるのか。」

無視。

「重たくないのか。」

みりゃ分かるだろ。

「それ以上は持てないのか。」

なんかやけに深いことを言われているような錯覚に落ちる。

持てる物を全て持っているのか。本当に私は持てる全てを持っているのか。

怠けていやしないか?これでいいんだと自分を甘やかしてはいないか?コレが本来の自分の姿なのか?

気がつくと仙人は駅のほうへ消えていった。

持てる物全てか?

そう呟きながら、信号を渡って目の前にあるコンビニに入った。

ダブル絞りチューハイ500ml2本と爆風2本を買った。持てた。まだやれる。

家でコレを飲みながらヤキトリを食べ、フライング晩酌をしようとそいそと家へ帰った。

自分の持てる全ての力を出し尽くした。そんな自分へのご褒美だ。

満足だった。

彼がすでに帰っていた。

一緒に食べようと思って☆といいながら彼にヤキトリを2本あげ、自分も1本食べた。

彼にネギマと砂肝。私レバー。

なんか腑に落ちない。

私のネギマ・・・・・。

今朝仙人は出勤途中の信号待ちのOLに語りかけていた。

「急ぐのか。なぜ急ぐのか。急いでも歩いても誰も待ってやしない。」

あんたに言われたくない。

本日のツッコミ(全12件) [ツッコミを入れる]

Before...

# (・ε・) [おう、3日に1度は手がちぎれるくらい酒買ってるよ。このままじゃあ酒で破産すると思って、蛇口つきの業務用みたいな赤ワイ..]

# (・e・) [ワインとビールは樽で!焼酎は瓶(かめですよ。ホンとだ、同じだ!賢くなっちゃった。)で!死ぬときは日本酒の5mくらいあ..]

# (・ε・) [は!!この年にして初めて夢ができたよ!!これが将来のビジョンってやつね!!]

# ポゾポゾ [気がつけば我が家もほぼ毎日飲酒してます。 あれれ?冷蔵庫の飲み物お酒ばっかり??]

# (・ε・) [うちも3ドアの冷蔵庫使ってるんだけど、ビールどんどん冷やしてもどんどん飲んじゃうからおっつかない。酒専用の冷蔵庫が欲..]

# (・e・) [これから夏へ向けてビール消費がさらに進むしね。業務用ビールサーバー取り付けたいよ。業務用ビールの缶て、一番小さいのが..]

# pino [えーと、それは業務用ビールサーバーを買うべきだと思います!うわばみ一家にはビールサーバーは贅沢品じゃなくて、経済的な..]

# pino [酔っぱらいトモやんのハートを鷲掴みにする(たぶん)ミニコミ。まだ手に入れてないけど面白そう。 http://www...]

# (磁ε・) [さすがpinoやん。面白そうな情報ですな。]

# (・e・) [業務用サーバー欲しい・・・マジで。]


2004-05-13 (木) レッツ。 [長年日記]

馬なみ。

ゴールデンウィーク前に、競馬ゲーム【ダビスタ】(なんか詳しく名前とか覚えてないけど最新のやつ)買った。

競馬好きの彼がビデオ屋で見つけて、しかも私も給料日後の酔っ払いっぷりで、「おう!いっちょ買うたるわ!」と買ってあげた。貧乏の癖に。

彼は大変喜んで、ブリーダーズガイドとかを買ってちゃくちゃくとすすめている。

このゲームは自分で馬を飼い、お金を出して種付けをし、いい馬を育て、レースに出し、うまくいけば自分の馬が種馬になって・・・と、どこまでも広がるゲームだ。

私の彼はなぜか一人でゲームをしない。

気を使っているのか、いつもしてもいいよといってもしない。

私が寝ていて、自分が寝付けないときに小さな音でやるとか、私がお風呂に入ってるときにやるとか。

ゲームは2人でやるほうが楽しいとは彼の弁だが、残念ながら私はあまりゲームをしない。(やるとしたらインベーダーゲームか、テトリス。どっちも負けるのがむかつくので長くは続かない)

さて話はダビスタに戻るが、彼がバーチャルに経営する牧場に子馬が生まれる。

メスだったら私の名前をもじって(トモテイオーとか)馬の名前を決める。

オスだったら彼の名前をもじって付ける。

私の名前の馬が勝つと私は嬉しい。私がすごく喜ぶので、彼は馬が生まれると名前を付けさせてくれる。

とてもたのしい。

の。

だが。

私はご存知の通り、ものごっつ飽きっぽい。2時間ほど遊んだら、名前を付けるのもめんどくさくなってきた。

彼がはじめて、自分の持ち馬で繁殖させた馬でなく、馬のセリでメスの子馬を買って来た。

彼は又目をキラキラさせながら、名前付ける?と聞いてきた。彼なりの愛情なのだろう。

しかしすっかりめんどくさくなってきた私。

「よそから来た唯一の馬だから、【よそん子】とか、【もらわれっこ】とかは。」

「酷い!それはかわいそうじゃないか!」

「でもさあ、今は私たちの名前をもじった馬たちしかいないけど、そのうちこの【よそん子】が産んだ馬達に巻き返されたりするのよ。また新しいドラマじゃん。」

私の心無い対応に酷く心を痛めた彼は、自分で愛のある名前を付けていた。

命名 : 花子

・・・・・まあいい。センスとか、他の馬とのバランスとか、もうこの際そんなことはどうでもいい。

普段クールぶってるが、この人は実はとても優しい一面を持っている。

総合的に見ても私よりはるかに優しい人間だ。

それを知っているからこの名前も輝いて見える。愛をもって彼が付けた名前だ。

花子を見つめながら、私はそのままぐっすりと眠ってしまった。

翌日。

彼が又私がお風呂に入っている間にダビスタをしていた。

お風呂から上がった私は、画面に信じられないものを見る。

・・・・・・・・
・トモテイオー
・トモギャロップ
・花子
・チンコ
・ガチガチチンコ
・ムテキチンコ
・トニカクチンコ
・・・・・・・・・

・・・・・。えー・・・あのー・・・

「あ、ふろあがった?みてみてこれみて!」

画面にはレースが映し出されている。

下には中継のコメントがどんどん流れてくる。

チンコ!チンコ!!強い強い!!

ガチガチチンコが外側からぐんぐんぐんぐん伸びてくる!!

ムテキチンコ○○プリンセスを刺すか?!!刺すか?!!ムテキチンコ刺すか?!!刺したー!!

トニカクチンコはやいはやい!!!

チンコねばれ!!チンコねばれ!!もうひとふんばりだ!!

・・・・・。

得意げに目をキラキラさせ、彼が私を見上げる。

こんな目をする時は、私に褒めてもらえると確信しているときだ。

私は優しく頭を撫でてやる。

うん、このゲーム観たときからこんな事やるヤツいるだろうなっておもってた。

まさかそんなヤツが同じ屋根の下にいるなんて・・・。

うん、いいんだ。これでいいんだよな。

ダビスタに新しい可能性を見出したんだね。

多分その遊び方の対象年齢は10歳から14歳までだと思うけどね。一瞬のきらめきなんだね。

楽しいゲームでよかったね。

ちなみに花子は、わが牧場一番の稼ぎ頭になっていた。

【東京種馬地獄 〜牝馬大奥勢力戦争】

新しい壮絶なドラマは、今始まったばかりだ。

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

# 浅野 忠信 [昨日コンビニでいつものように缶ビール買おうと思ったら、でっかい缶のビール、たぶん樽生とかいうガス付のやつがあって、そ..]

# (・ε・) [前から凍るグラス買おうかと思ってたんだけど、その分の予算で結局お酒買っちゃうから、いつもグラス濡らしたまま冷凍庫にぶ..]

# (・e・) [チェックしなくちゃだな。]


2004-05-18 (火) 勝ち組みとか負け組みとかいうまえに。 [長年日記]

その勝負にまぜてくれよ。

「マッチョなブラピは見たくないんだ。」(東京在住 会社員27才)

ワタクシの彼のソウルフルな一言で始まりました本日のチナウ。

ホモ湯気うっすら漂う男汁に溢れたお言葉でございます。

マチョブラピですか。

イメージの問題ですか。

そういえば、【血と骨】映画化にあたり、主役の金俊平をタケシがやるそうですね。マジですか。

金俊平という人物はですね、在日で戦後の混乱の中、大阪の朝鮮人街でヤクザをぶっ飛ばし、それ以上に女子供をぶっとばしながらその甘い汁を吸ってきたというとてもバイオレンス・バタフライな登場人物なのですよ。

身の丈もでかく、立っているだけで圧倒される体格を持ち、その体から獣のような殺気を立ち上らせる人物なのですよ。

基本的に誰も愛さず、愛せない事にすら気がついていないというか・・・。

世界のタケシですか。

主人公の持つ圧倒的な何かというのはムリかもしれませんが、タケシ自身の持つ力がどこまでタケシの金俊平を作るか楽しみです。

ちなみに私は【鈴木苑子物語】、主役の座を虎視眈々と狙っております。

でも私が「痩せたい人は食べなさい」とかいってもお笑いだしな。

つか、確実に無視される。

【妖怪人間実写版】にすっか。  ヒュンヒュン (ムチを振りながら)


2004-05-19 (水) あなたが噛んだ [長年日記]

小指が痛い。

「縄跳びをさせればいいんだ!」(東京在住 会社員27才)

手を波のようにくねらせて踊る女性が印象的な波ブラCMをみて、目をカッと見開いた私の彼のソウルフルな一言。

本日も平和にこの言葉をご挨拶の代わりとさせていただきます。皆様いかがお過ごしでしょうか。

昨夜遅く彼とレンタルビデオ店に行ったのですが、その帰りバッタリ仙人にお会いしました。

よかったですね、これからの時期外での生活が過ごしやすいのではないでしょうか。

そんな優しい私の目をよそに、彼は仙人と反対側へ私を導きます。

「あのおじさん、何本か指無いんだよね。」

・・・・・そうですか。

その無くなった指にはどんなドラマがあるのかと思いながらお家へ帰りました。

私の小指にまつわる思い出を書いたのですが、あまりにもこのハイソサエティなサイトには似合わないキナ臭さなので、とっととオヤブンのページ。に移しました

TOP→その他→オヤブンバラ色の半世紀へ。

よろしければそちらをどうぞ。

うん、思い出すだけでウンザリする。


2004-05-20 (木) ほぼ初体験。 [長年日記]

ヤベー。テレビ生活楽しい。

私の実家ではテレビが1台しかなく、夜の9時以降テレビは見せてもらえませんでした。

大学に入るころ、2台目のテレビが我が家にやってくる事になって、やっと2台目のテレビは自由に見れるようになりました。

しかし大学に入学すると同時に、私は深夜のラジオ放送のADをはじめまして、やっぱりテレビをみる時間はありませんでした。

大学4回の頃、まったく授業に出ず、このままやったら卒業に8年かかるでと教授にいわれ、ホナサイナラと大学を辞め、なし崩しに一人暮らしをはじめました。

そうなったら今度は夜遊びが楽しくて仕方が無い。ミホコ達とも会い、毎日飲み歩き、終電で帰るか帰れないかを続け、そのまま東京へ。

東京では終電なくなるまで仕事。早く上がれても8時は過ぎるので、一人でご飯食べるのが寂しいので毎日誰かを呼び出しておりました。そして深酒。

出勤は昼でも良かったので、昼のワイドショーとかわけわからん昼ドラとかは詳しくなりましたよ。

そしてここ1年ほど、私の人生ではじめて、テレビのゴールデンタイムを堪能できる時間に家におります!

8時くらいから11時くらいまでテレビつけてるの。

ほえー。グルメ番組ってこんなにあるんだ。

ほえー、すごい素人カップルが出てきて、別れるやなんやいうて泣いてますよ。

くだらないヤラセだといいますが、ヤラセでいいですやん、最初っから真実なんてもとめてないし、別に知らない人の人生なんだからおもしろければどっちでもいいし。お芝居みたいな事を素人にやらせて熱いことになってると思えばなかなか見ごたえありますよ。

くだらないっていうけど、そのくだらなさが楽しい。なんか、力抜いて見れるからお酒飲んで力抜いて何も考えずガハハって笑ってみるの。

偉そうな言い方かもしれないけど、私はテレビにクオリティの高さとか、知性とか、あんまそういうの期待してないんですよ。

ニュースとか見てたら、大丈夫かこの国はって思いますよ。世界のニュースがほとんど流れず、議員が義務である年金払ってないとか言ってもめてるし。主婦は節約とリフォームとグルメに情熱を注いでるし。その辺はテレビも心得てるからそんな情報しか流さないし。

だから最初から、だらっと時間を過ごす時のお供だと思ってればそれはそれで楽しいです。

深夜番組も見てますよ。

お笑いなんて知らない人がどんどん出てきてて、ウケたりおもんないって文句言ったりしてるの。テレビに向かって。

貧乏自慢ややっぱりグルメや無意味なお色気や。

そんな感じで私は人生で初めてまともにテレビを見る生活を送ってます。なかなか新鮮で楽しいです。

本日木曜日は。

1ヶ月1万円生活とかテレビチャンピオンとかどっちの料理ショーとかV6のグルメ対決とか貧乏自慢とか。

グルメと貧乏が充実したなかなか見ごたえのある曜日です。

ヨッシャー!晩酌しながらみまっせー!

あ。今日は横浜×巨人がある。

横浜ファンの彼にリモコン取られるな。

枝豆茹でて待つことにします。(←ハチ公)

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# 浅野 忠信 [俺とおんなじ番組観てるね。テレビターズより。]


2004-05-24 (月) なくしてしまったもの。たくわえてしまったもの。 [長年日記]

世界の中心で愛を叫ぶ

叫んどるらしいですね。日本中で。タスケテクダサーイー!!

彼がなんかよくわかんないんですが、お仕事のお付き合いでもらってきたものが我が家にも1冊転がっておりました。

小1時間ほどで読めちゃうし、やっぱり悲しい所ではしょんぼりするし、頭も使わなくていいし、お手軽すぎるほどお手軽な1冊でした。

お金出して買わなきゃいけないってところが一番のネックかな。

映画も予告の特集で、結構目頭熱なりましたよ。

悲しい場面とかじゃなくてね、好きな子を自転車の後ろに乗せて走るところ。

なんかテレてウオーッッってなってる所とか。結局タスケテクダサイーイって無力な所とか。

私は、これから起こるかもしれない未来の事よりも、なくしてしまったものにホロリとさせられるのかもしれません。

まあ、どっちに転んでもかなり涙もろいんですが。

土曜日はずっと観たかった【ビックフィッシュ】を目指してお出かけしました。

彼が、私の隣の女性がそうそうに鼻を啜りだしたので見たら、私のほうが号泣していたのでビックリしてました。

映画のほうは期待しすぎていたのでちょっとアレでしたが、それでも泣ける私。

次は【パッション】です。

泣くのか。私。

キリストカワイソー!!とかって?

うそん。

太りすぎて。

でももうここまでくるとどうにも出来ない私。

今日からダイエット宣言をするたびに、彼がコッテリとしておいしい夕飯を作ってくれるのです。あの人絶対デブ専。隠れデブ専。

大きくたるんだおなかを、ムニムニしながら満足してらっしゃいます。

そして彼の言いなりになってしまう私。バカバカバカ!私バカ!

そんなわけで切実なメールをミポコへ送信。

ミポコ・・・もうあかん・・・○○キロぐらいありそう・・・・イヤ絶対ある・・・

あかん!!あかんぞトモちん!!それはマジやばいって!!

・・・なんかさぁ・・・太らない酒のつまみってない?(←この時点でダメ)

野菜スティック食え!!
1本づつゆっくり。1本目は前歯だけで食べるとか。2本目は犬歯だけで食べるとか。3本目は斜めから食べるとか!!

切実すぎる・・・・・

運動なんかせんでいいぞ!!!腹減るからなッッ!!!

・・・・・。これです。

健康がとか、リバウンドがとか、もうそんなヌルい事言うてる場合ちゃうで的な勢い。

そういえば昔ミポコといっしょにダイエットして、カロリーメイトと酒だけで生きていて、最終的にはぶっ倒れた事を思い出しました。唇紫なって。

そうだ。大切なのは勢いだった。

ありがとうミポコ。がんばるよ、俺。

ちょっとまて。スティックサラダ斜めからかじるてどないやねん。

絶対無理。

お酒がエネルギーにならないなんて、大間違い!多すぎたら、しっかり太ります。
(【STRONG-S】より)

酒類は総じてカロリーが高く、食欲も増進させるので肥満の大敵です。
つまり、太らないためには1日の総エネルギー摂取量からアルコールの摂取量を考えていかなければなりません。
1日の摂取エネルギー量が2000kcalの人ならばビール中瓶1本くらいに止めておくのが賢明です。
(【Yahoo ヘルスケア】より。)

一日中瓶1本て・・・・・

禁酒レベルやん。

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# 浅野 忠信 [俺もぜーんぜんダイエットできないよ。頁嵐より。]

# (・ε・) [くそー。必要ないもんな。]

# (・e・) [幸せ太りはまだ遠い・・・。]


2004-05-26 (水) 日本はやっぱり平和ですよお母さん。 [長年日記]

みんながしゅやく。

色々ございまして、先日は今まで話したことも無かった本社や何やの女子たちと食事をしました。20代が4人、30代が私ともう1人という女子満載飲み会。

お酒も入り和やかに、徐々に打ち解けてゆきました。

「最近入った派遣の○○さん。使えないよね。」

「まあ卒業したばっかりだしね。」

「わかいよね。もー、年を感じるよ。」

こんな事を30代の私を前に20代半ばのヤツがほざくので、お前こそ使えん!空気読まんかいとかるくシメたろかとも思いましたが、私も大人のレディーとして微笑んでおきました。にっこし。(社交性)

しかし久しぶりに女子だらけともなると、なんかこう会話のタイミングを掴みにくいというか、なんか私バランスが悪かったですよ。

「私の友達の彼氏すごく車の運転下手で、運転下手だとどんなにかっこよくてもがっかりですよね。」

「ストップっていってるのにまだバックしてぶつけてるのよ。ありえなさすぎ!」

「そうだね。私も昔友達の車乗った時、信号で止まったらタイヤ1コはずれてコロコロ転がった事あるよ。」

「ウソー。またまたトモさんったらー。」

ほんとなのに。

前日自分でタイヤ取り替えたらしい。坂道の上で信号待ちしようと止まったら、タイヤだけがコロコロころがった。

住宅街で、犬の散歩してたおばさんが目を丸くしてましたよ。

バックしてぶつけるなんて、ありえすぎですから。ありまくりですから。

しかし私、女子たちとの会話が微妙にかみ合っていません。いけませんよ、何とかしなくては。

「私の元彼最悪でぇ、殴られた事あるんですよ。」

「うわーひどい!殴る男なんて最低!トモさん殴られた事あります?」

「ないなぁ。私の友達で、高速走ってる最中彼とケンカして、路肩に置き去りにされた子ならいたよ。」

「ひどーい!!」

お。どうです。コレで若干幅寄せできたんじゃないでしょうか。

女子との会話合流地点、みえてきたんじゃないですか?

よっしゃよっしゃ。

「大学のとき、もうほんっとに単位ギリギリでぇ・・・泣きましたよ。教授に問題児だって泣かれましたよ。」

「私大学1回の時取れた単位8単位だったよ。」

「!!!!」

「授業3コマ分。うち2つテストはレポート。」

「・・・トモさん・・・卒業できたんですか?・・・」

「卒業してないけど卒業文集載ったよ。謝恩会もでたよ。」

「・・・・・。」

あ。

確実に引いてる。

「で、そこでその人とまた再会したんですよ。もう超運命感じますよ!これっていっとけってことですよね!」

「トモさんないですか?運命系感じるときって!!」

「ああ、なんか私の知ってる人で、ナンパしたら中学時代の彼女の娘だったって人いたな。あれには運命感じたな。」

「・・・・・。」

「すごい運命だよね。」

「・・・はぁ・・・。」

とうとう同意させたよ。ヤタ!

「でぇ、やっと彼氏とうまくいくかと思ったのに元カノが乗り込んできたんですよ。もう私波乱万丈すぎる!」

「ああ、そういうのつらいよね。」

「トモさんもあります?そういう辛い事。」

「私は無いなぁ。

 友達の芝居手伝ってたら、同じ日にその友人の奥さんと、愛人1号2号が来ちゃった事あったよ。

 狭い芝居小屋の中で、それぞれがお互いの存在知らないから、バッティングしないように皆で配置についてごまかしたよ。

 あれは辛かった。かんべんしてほしい。」

「・・・・・。」

「本妻と親しく話してる時は、1号2号の横についてるメンバーが、アレが脚本家の○○さんだよとかウソ噂するの。」

「・・・・・。」

「愛人1号が振付師で2号がファンクラブ会長ってことにしたかな。」

「・・・・・。」

「地方公演だったから、結局その3人同じホテルにとめて。

 その友達あっちの階こっちの階って走り回ってた。夜中に「本読みだ!」とかワケわかんないこと言って抜けてた。」

「・・・・・。」

あ。また引いた。

「元彼が、タトゥ入れてて。小さいんですけどね。」

「やんちゃそうだよねー。」

うん。さすがに私もオヤブンのパールについてはふれなかった。

さすがに友人関係疑われる。

あのですね、いつからこうなってしまってるんですか。

運命や波乱万丈や問題児やカリスマや、なぜこないに敷居が低なってるんですか。大安売りやん。

私の感覚がおかしいのでしょうか。

でももしそうなら私が悪いんじゃなくて、私の周りが悪いと思うんですよ。

この女子たちからの基準からすれば、私の周りには運命や波乱万丈が渦巻きまくってるカリスマ問題児がゴロゴロいるってことになっちゃうんですよ。あなたたちのせいで私が女子から引かれてますからね。

もうめんどくさいから、波乱万丈の一サンプルとしてオヤブンでも呼ぼうかと思いましたが、確実に暴力どころのレベルでない被害が及びそうなので辞めておきました。

そういえば前、オヤブンに波乱万丈ですねっていったら、「どこがやねん。フツーやんけ失礼な。」と怒られた事があります。

うん、まあほんとの問題児って自覚してないモンなんだよな。

そんな私の憂いをよそに、酒の入った女子たちはお互いに胸をもみ合い、チューチューしてますよ。

なんの儀式だ。

「もう○○ちゃんかーわーいーいーコノヤロー!」

「○○さん肌すべすべじゃないですか!」

「トモさん、女の子って柔らかくていいですよね!」

「私男の人の硬いのが好きだな。」

うん。ごめん。今のは私が悪かった。

答え合わせ。

【タイヤコロコロ事件 → コーちゃん】

しかも買ったばかりの車だった為、納車から1週間もしないうちに修理へGO!

【高速道路路肩置き去り事件 → キョウちゃん】

後から来た老夫婦の車に救助され事なきを得る。

【元カノの娘ナンパ → オヤブンの友人ヨンペーさん】

オレは初志貫徹!と無意味に納得。

ちなみにヨンペーさん、お兄さん2人。ニ平さんと三平さん。

3人合わせてカブだとご両親ご満悦。

しかし2年後思いがけずヨンペーさんに弟が出来、ブタじゃとご両親がっかり。

けっきょくカブのルールそのままに、家族の幸せも流れる。

そして末っ子なのに名前は1平。

【同じホテルブッキング犯 → ケンちゃんの先輩】

ちなみに似たような悪事は、オヤブンをはじめその周囲で私が知るだけでも数件アリ。

こうやって書くと、問題児って言うよりただの笑い話だな。

本日のツッコミ(全8件) [ツッコミを入れる]

# 浅野 忠信 [俺も幅寄せし鯛。もみ合い隊。ロンゲの浅野くんより。]

# (・ε・) [そうだよ、もうもみ合うパートナーがいてもいいお年頃ですよ、浅野君。]

# (・e・) [さあ、ゲームのコントローラーを離して。パソコンの電源を落として町に出るんだ!!ウリャー。]

# 浅野 忠信 [パソコン持ってないもん(T-T)]

# (・ε・) [治釈(釈´Д`゜)゜。]

# (・e・) [治釈(釈´Д`゜)゜。]

# (・ε・) [やっぱ化けるな。]

# (・e・) [心がこもってないからじゃね?]


2004-05-28 (金) 固まっていた砂が何かの拍子に砕けて [長年日記]

また砂時計はサラサラと流れ始めた。

10年以上も前、一人の女の子が姿を消した。突然の失踪だった。

女の子はお世辞にも柄がいいとは言えない町に、お母さんと2人で暮らしていた。

周りの人たちは家出じゃないかとささやきあったが、仲間達は違うと訴えた。

いなくなった日の翌日は女の子にとって大切な日だった。

女優を夢見る女の子は、初めてもらった役で舞台に立つ予定だった。

遅くまで練習して、その日をとても楽しみにしていた。

女の子は劇団の先輩と付き合っていた。先輩は何度も警察に呼ばれ事情徴収をうけた。

先輩も心当たりがまったくなく、警察の尋問は体力と心を消耗させていった。

仲間達は休みの日には探し回った。

女の子は見つからない。

見つかるのは噂ばかり。

隣町で派手な格好をしている女の子を見た。

中学生の頃グレていた。

夜の繁華街で男と歩いてるのを見た。

シンナーを昔吸っていた。

色々な噂や憶測に振り回され、しがみつき、傷つけられ、皆がボロボロになっていった。

そしてとうとう女の子は帰ってこなかった。

時間だけが飛ぶように過ぎた。

いや。

女の子のお母さんや、恋人だった先輩だけをとり残して、

時間は無情にも過ぎていった。

5年経った。

女の子のことが少しづつ想い出になりだした。

10年経った。

忘れたわけではない。

ただ、それぞれの人生で次の時代に移ってしまっていた。

そして今。

誰もが自分の人生を歩んでいた。

今になって。

女の子の失踪は、連れ去られた可能性が濃厚になってきた。

日本中に、女の子のように家出かそれ以外か分からない人たちがたくさんいた。

その中でも女の子は、特にその疑いが濃厚だと言われた。

女の子のお母さんは涙を流した。

それは嬉しさなのか、無情にも過ぎ去った時間を思ってなのか。

それでもお母さんは、暗闇に突然射した小さな光に夢中になってすがった。

女の子の写真を集めて、警察に渡した。

それだけじゃ足りない。もっと女の子の特徴を分かって欲しい。

女の子の失踪直前の頃の映像を手に入れようとした。

持っていたのはかつての恋人だった。

女の子の恋人だった先輩は、暗闇をもがくような数年を過ごした。

自分に本当に落ち度は無かったのか。

女の子は自分を愛してくれていたのか。

もし家出だったら。

自分たちがささやきあった言葉はなんだったのか。

事件に巻き込まれたのであれば、

何故自分は守る事が出来なかったのか。

苦悩の日々は、何日も重なり、年という一塊になり、

それが十数回繰り返された。

先輩と一緒に女の子を探し、先輩を支えつづけたのは女の子の後輩だった。

先輩と後輩は数年前に結婚していた。

波風は立てたくない。

先輩にはもちろんこのまま幸せでいて欲しい。

ただ、あの頃あの子と練習中に撮った映像、それをくれないか。

女の子の母は、すがるような、とてもつらい気持ちで先輩に頼んだ。

何年ぶりかの再会だった。

先輩と奥さんとなった後輩は、快く映像を提供してくれた。

切り取られた時間が、画面を通じて流れてゆく。

仲むつまじいかつての恋人たちが、子猫のようにじゃれあっていた。

年をとらない女の子が、

輝くように微笑んでいた。

それは愛する人にだけ見せる、

花のような笑顔だった。

この花を

無残にむしりとったというのだろうか。

流れる映像を、誰もが直視できなかった。

先輩はこの映像をどんな気持ちで見ていたのだろうか、

そんな先輩を、奥さんとなった後輩はどんな気持ちで見つめていたのだろうか。

それは分からない。

ただあまりにも鮮やかで、

目の奥に火がついたように、

胸の奥に異物があるように、

誰もが溢れてくるものを押さえる事が出来なかった。

こんなに綺麗で悲しい映像を見た事がなかった。

テレビに映る初老の夫婦は伏目がちに語っていた。

娘がいなくなった時、誰もが家出じゃないかといった。

それでも夫婦はそれを信じられなくて、

毎日毎日泣きながら浜辺を探して歩き回ったと。

泣きながら浜辺を歩き回る夫婦を想像し、

たまらなくなってきた。

女の子を捜して夜の町を歩き回った、

あの日々が鮮明に蘇った。

今絶望がこの夫婦たちを襲っている。

礼をのべるのが先だったんじゃないかという、目先の事をわめきまくる第三者の抗議の嵐に晒されながら。

そんなこと子供が見ても分かる。礼を言う言わないの問題ぐらいなら。

どうしてその先にある闇を、大人として見つめる事が出来ないのか。

この夫婦たちはもっと先の、もっと大きな嵐に翻弄されている。

そんな太刀打ちできない大きな嵐の中から、

愛する人を取り返そうと戦っている。

誰も摘み取る権利なんて無い

そんな小さな花をただ静かに咲かせて

静かに一生を終えさせたくて

誰もが普通に持てるはずだった時間を取り返してやりたくて

自らを嵐の中に投じる家族たち

まだまだ闇は深い

まだまだ先は見えない

私たちのもとにも

女の子はまだ帰っていない


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