チナウ


2002-11-06 (水) キミニ幸アレ。 [長年日記]

オレニ金クレ。

いってきました結婚式。

新郎新婦にももちろん関心がありましたが、私たちの心はもう料理一色。

久しぶりにあう友人たちに近況報告もそっちのけで、私たちのテーブルはもっぱらメインは何にしたかの報告会。

カモカモ、あー、やぱりそうきたかー、羊で、ここわ。いや、やっぱウシでしょう、カモいや羊羊ウシウシウシ。

こんな調子でした。

しかしさすが新郎新婦も私たちと付き合い長いだけあって、今回の料理には気合が入っていましたよ。

某高級ホテルの、しかもその中に入っているフレンチレストランで披露宴でしたので、それだけで味は保証つきというものです。

しかもですね、今回のコースは普段のウェディングコースでもなく、レストランの通常コースにもない完全オリジナルコースでした。

新郎新婦が金と注文をたっぷりかけて出来上がった料理は本当に美味しく、

しかも新郎が副業でワインバーを経営しているため、

料理につくワインなんかも厳選されまくった大変素晴らしいものでございました。

ウシや羊や言っていた自分たちを恥じましたよ。テヘ。

しかし、そんなステキテイストをぶっとばす予期せぬ障害がまっていたのですよ。

「えー皆様。本日はお忙しいところを(略   

本日のお料理はどのようなものをご用意させて頂いているか、出てくるまでのお楽しみでございます。

お料理ごとにわたくしのほうからご説明させていただきます。」

まずは新郎新婦が大好きだというシャンパンで乾杯。

あまりのうまさにイッキのみです。プヘー。

着席すると最初の1品目がしずしずと運ばれてきました。

キャビアで真っ黒に溢れたミルフィーユです。スゲー、こんなにたくさんのキャビア一気に食うの初めてカモ。

そのキャビアにあわせてウェッカが注がれていきます。パーフェクト。

「えー、まず一品目は、

黒い宝石を敷き詰めたサーモンのミルフィーユ

ラスベガスの思い出 媚薬を添えて

でございます。」

・・・・・!!!!!

ラスベガス?!!なぜにラスベガス?!!!しかも媚薬?!!!!

でございますってアンタ・・・・

「えーラスベガスは新郎新婦が旅行をしてみたい場所で、新婚旅行でいかれる予定でございます。」

・・・っつか 行ったことないのに思い出?!!気はやっ・・・

みんなざわざわしてます。コレ媚薬?!コレ媚薬?!と大変大人気ないです。

しかし、大口をたたくだけあって美味しかったので、私たちはこの最初の衝撃をすぐ忘れてしまっていました。

油断したところへ2品目が。

「皆様、2品目でございます。新郎新婦からの

2人の愛を包み込んだ心のこもったスープ

オニオンスープをパイ生地で包み込んだ当店自慢のスープに、

新婦様からの強いご要望で、ハート型に膨らむよう工夫を施してございます。

お2人の熱いハートをあらわすかのように、激しく盛り上がっております。」

なにもそこまで・・・と声を漏らしてしまいそうなほど盛り上がりまくったハートをなんの迷いもなくガスガスつぶして食べました。ウメー。

次に出たのはオマールエビ。コレが最強に美味しかったです。

安い結婚式でグラタンみたいにされたかすかすエビとはちがって、ガーリック風味で最高でした。

それに添えられた白ワインもきりりと冷えて、とてもよくあっていました。

「3品目でございます。

やきもちを焼くオマールエビのロースト 秘密の蜜に絡めて

お2人の幸せに、エビも赤くなってやきもちを焼いております。

それだよ。

そのコメントが料理に合わないんだよ。

3品目にしてやっと気がつきましたが、もう食欲は止まらないので聴覚を止めて全身味覚に集中したいと思います。

「それでは皆様も2人に当てられて少々熱くなってきたのではないでしょうか。

ここで少しクールダウン。

カシスとシャンパンのシャーベット 2人の愛をさましてみよう  」

・・・かってにしてくれ。

新郎新婦を冷やす前に、客がものすごい勢いで冷めていきました。急速冷凍。

しかしそんな私たちとの温度差を敏感に察知してか、レストラン内にメインディッシュをもったシェフたちが終結しはじめました。ブラボー!!

それぞれ3人が1チームになってメインを調理し始めます。

その長さ必要あるの?的身長を誇るブラックペッパーをガリガリ。

だからその長さ必要あるの?的身長を誇るナイフとフォークでお肉をギコギコ。

だからその長さ(略    的な位置から振りかけられるワイン、ファイヤー!!!!

冷め切った私たちの体に、驚くほど熱い血が流れ出しました。ウォー。

ウシカモヒツジ論争再熱です。

ウシウシヒツジヒツジカモカモカモー!!!

「さて本日のメインでございます。

本日のメインには、厳選された3品をご用意させていただきました。

お好みで召し上がっていただきます。

鴨のロースト 夜のため息   」

ウシヒツジ 「夜のため息!!!」

「牛フィレ肉のポワレ 柔らかな2人のハート

ヒツジカモ 「柔らかな2人のハート!!!!」

「骨付き仔羊のロースト 情熱のリゾート

ウシカモ 「情熱のリゾート!!!(←おそらくベガス)」

ウワーやっちゃったよ、情熱のリゾートだって・・・・ヒツジと関係ねーじゃん

なにいってんだよ柔らかな2人のハートだってよ・・・しったこっちゃねーよ

まだいいじゃん夜のため息だよ・・・・・・・・・・・生々しすぎ

ヒソヒソ言っていたらキャンドルサービスに現れた新郎新婦にキャンドルつけるやつで後頭部殴られました。ゴン。

「皆様、ただ今新郎新婦が

お2人の熱い情熱を、各テーブルにお届けにあがっております。」(←自身満々)

ウワー・・・

「そこで皆様のお手元にある、サングラスをおかけください。」

今まで料理に夢中で気がつきませんでしたが、手元には紙で出来たサングラスが。

皆いっせいに装着します。

「そのメガネで炎を見ていただくと、

2人のハートが浮かび上がってまいります。」(ご満悦)

ウカビアガリスギデス。

ろうそくの炎に限らず、照明なんかの周りにも見事なハートがうかびあがっております。

しかしそんなロマンティックな演出(?)よりも、サングラス掛けた客全部が、

着飾った電撃ネットワーク(リーダー)になっているのは演出的にOKなのでしょうか。

ハートに囲まれた着飾った電撃ネットワーク(リーダー)。それも複数。

いいのか。これでいいのか。木を見すぎて森を見れなくなったいい例がここに展開されております。

こちら、横浜から中継でお伝えしてまいりました。スタジオに返します。(←締めくくり)

さて披露宴もおわりに差し掛かりました。

ヒツジは大変美味しかったですが、新郎新婦がカモを食っていたのがひっかかります。

それがうまいのか。いちばんなのか。

最後はワゴンで10種類のデザートが運ばれてきました。

何種類でも食ってくれといわれました。食えるか。

かわりに赤ワインボトルごと持ってきてもらいました。この赤ワインがまたエクセレント。

相方も2次会から参加しましたが、2次会はイタリアン。

ビュッフェ形式だったのですが、どの料理にも専門のシェフと助手がついていて、披露宴並みの豪華さでした。

ワインもシャンパンもめちゃめちゃうまかったのですが、ビールがほとんどなかったので相方しょんぼりでした。

しかし残念なことに披露宴と1時間しかあいてなかったのでほとんど食べれませんでした。ずっと飲んでた。

ビンゴ大会で相方が、新郎が経営するワインバーのワインボトル8000円分券をゲットでトモちゃんジャンプ

さらに自らも、新郎が経営するワインバーのワインボトル10000円分券をゲットでさらにジャンプ

ワインに囲まれた幸せな1日でした。

帰りに新郎新婦に私たちの結婚式に招待してくれと言われました。

こんな豪華な式やらかしたやつよべねーよと嘆いていると、相方にしかられました。

「甘えるな。人は人。ウチはウチ。」

「おぇーっす。」

「大体お前、あんな柔らかなハートだの夜のため息だのいえるか。」

「まずむりでーっす。」

「な。その時点でお前は気迫で負けてんだ。己を知れ。」

「おぇーっす。」

・・・てか気迫?

披露宴ってそんなものが必要だったのかと始めて知りましたが、

実は一番必要なものかもしれません。

そこで私なりに気迫のこもったメニューを考えてみました。

  乾杯 (テキーラ ショットで強制的イッキ。飲み残し→退場)

  2人の燃えるバーニングハート スパイシーヘブン (チャンジャ + ビール)

  骨まで愛して とろける夜  (モツ煮込み + 焼酎お好みで冷でも梅でも)

  2人の愛をペッチャリ冷やしてみましょう  (レバ刺し + キリリとひえた冷酒)

  炎のロマンス やけどに注意  (ハラミ炭火焼 + ホッピー)

  2人の愛で皆様も甘くなってまいりましたでしょうか  (デザートナシ)

内臓ばっかじゃねーかと言われてしまいました。しかもパクリかよ。

当然却下かとおもいきや、それなら披露宴してもいいとか言い出してしまいました。



ちなみに今回の新郎新婦、

新居は恵比寿に新築マンションご購入だそうです。




ギャフン。





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