チナウ


2002-02-01 (金)

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

# ko [ムーニーちゃん顔文字の国からきたわりには文字だけで登場かよ。]

# ko [酒の細道は本を紹介するときの書き方例だよ。]


2006-02-01 (水) Do you remember? Oh!

積み木崩し

大阪にいた頃、毎日のようにミホコと飲み遊んだ。

夜出会う人たちとは独特のあうんの空気を共有していて、友達どころか知り合いとすらいえないような、でも顔を見れば知っているという人たちが出来てくる。

目が合えば、よう、とか軽く声を掛け合ったり、たまに立ち話したりもする。

でもお互いの素性はほとんど知らず、夜見かけた情報だけが全てだ。

隣で変な踊りを開発しては笑わせてくれるガボちゃんはなぜカボちゃんと呼ばれているのか分からないし、それを見て涙を流して笑っているマユちゃんは本当にマユなのかも分からない。

その挨拶する程度の、深く関わらない関係が気楽で私たちはクラゲのように夜を漂う。

その日も、ズンズンと低音が腹の底から響くクラブの片隅のちゃちなテーブルを陣取り、私とミホコは部長の悪口とか同僚のモノマネとかして遊んでいた。

かろうじて名前はわかるぐらいの知り合いが、一人、又一人と加わってきた。加わった一人の連れ、又その連れというかんじに、8人ぐらいで飲んでたように思う。

その中にミサエがいた。

ミサエとちゃんと話したのはその時が初めてだった。ミサエはあまり評判のよくない女だった。

しかし、今目の前にいるミサエはごく普通の女の子だし、第一印象は別段不快に思うところはなかった。

話し始めてスグ、ミサエが何故この輪に入ってきたのか分かった。

名前を忘れてしまったが、その輪の中にお笑いの麒麟の声のいいほうに似た男の子がいた。どうやらその子が好きらしい。

麒麟が話すときは、体全体をそちらに向け熱心に聞き(隣の人とは背中で壁を作って2人の世界を演出☆)、他が話しているときは普通で、その話に麒麟がつっこむと積極的に笑ったりと、ものすごい勢いで分かりやすい態度をとっていた。

しかし麒麟はミホコに熱心に語りかけている。しかたない。ミホコはモテる。

いきなりミサエが、麒麟以外の人間に初めて話し掛けた。ミホコだ。

「ミホコの彼って、キアヌリーブスに似ててすっごくかっこいいんでしょ?」

これは本当の話で、当時ミホコが付き合っていた彼は白人で、キアヌリーブスに本当によく似た男前だった。

男性というものはなぜか外国人と付き合う女性には何かあるらしく、一瞬麒麟の勢いが弱まる。

また他愛もない話をしていると、またミサエが口を開いた。今度はサユリにだ。

「サユリって彼いるの?いるんでしょ。だって指輪してるもん。どんな人?」

何故イキナリそんな事を聞くのか。サユリが同じ会社の人で〜と戸惑いながら答えても、聞いたミサエはもうほとんど聞いていなかった。

しばらくすると又ミサエが口を開いた。ミカコにだ。

「ミカコ、そのネックレス男の人にもらったでしょ。彼?いいなぁ。」

「え?!あ、うん、そうなんだけどどうしてわかったの?」

「なんとなく。ほら、私たちだと自分ではえらばなそうな感じのものかなって。男の人がなれないながらも一生懸命選らんだっぽい。それをちゃんとつけてるってことは大事な人からもらったのかなって。いいなぁ、すっごく愛が込められてる感じがする!」

よくよく聞くと微妙に失礼ちゃうんかという言葉だが、ちゃんとうらやましがってフォローしてる所があざとい。つかおまえ探偵か。

ミサエがあまり女子から評判がよくないのがなんとなく分かった。

あれだ。気に入ってる男性の前で自分をアピールするんじゃなく、その他を一つづつ蹴り落として排除していくタイプの女なんだ。誰も狙ってなくても人の条件を落として自分をよく見せようとするやつ。

合コンなんかでたまにコレ系の女は出没するが、ココまでハッキリしたタイプにお目にかかったのは初めてだった。

そんなミサエの視線が、麒麟を見ながらもこちらに注がれだした。次は私の番なのか。

しかし当時私に彼はおらず、身に付けている装飾品も自分で買ったピアスとバングルのみ。さあ。どうするミサエ。

「トモにソックリのAV女優がいるんだってね。ウフフフ。」

そう来たか。

いや、ちょっとまて。絶妙な止めかたしないでくれ。

もっと笑うとかしないと、本当に出てるみたいだから。いや、それが狙いなのか。

しかしココでミサエに誤算が。

だれだれに彼がいるとか言う話題はあまり盛り上がらないが、この手の話による男の食いつきのよさを甘く見積もっていたようだ。

皆でどんな作品かとか、商品価値ゼロとか、失礼な発言連発されながらも場は盛り上がっていた。他の女の話題で麒麟が盛り上がるのが微妙に面白くないらしく、ミサエは彼と2人のトークに持ち込もうと必死だ。

「私もね、難波とかで変なスカウトマンによく声かけられるんだけど、あれ、うざいよね。キャバクラとかでもいやだけど、もしAVとかだったらものすごく嫌!そんな目で見られるなんて!失礼だよねそんな話持ち出すなんて!」

「いや、オマエ今そんな話持ち出したやん。」

ミサエ。自爆。

思わず小声で、「ミサエ、自爆。」とミホコにささやいたら、奴はマンガのようにコロナを噴出しながら大爆笑。その姿に私も連鎖反応を起こす。私たち2人は笑い出したら止まらないたちで、お互いが笑うお互いの姿に更に笑いが止まらなくなり、のた打ち回るくらい笑った。サユリとミカコも敏感にミサエの放つ空気を読み取っていたので一緒になって爆笑。麒麟は自分の突っ込みに皆がウケたのが嬉しいらしく、ミサエのことほったらかして一緒に爆笑。気がついたら居心地が悪いのか、すっと席を外すミサエの後姿が見えた。

策士策に溺れる?人を呪わば穴二つ?

そんなかんじ?

テレビをつけたらスマスマで、Earth, Wind & FireがSeptemberを歌っていた。

とても懐かしく優しい気持ちで観ていたが、スマップの歌唱力とかそんな事より、Earth, Wind & Fireのメンバーのなかに、一人異様に顔が長い人がいて釘付け。しかもノリノリ。

ミホコがここにいてくれたら。

耳元で「顔ながっ!」っていったら絶対爆笑してくれるのに。

「トモちん、それアウトアウト!ばちあたる!!」って絶対いってくれるのに。

ばちてアンタ・・・。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

# 6-30 [特攻自爆したみさえさんのご冥福をお祈りします。しかし、とも吉さんもいつもばちが当たっているようですな。6-30は自分..]

# (・ε・) [罰当たり人生です。ヤタ!]


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