チナウ
2005-02-04 (金) オニハーソト。 [長年日記]
■ 魔物ハ店内。
キャバクラの楽しさってナニ?ホストクラブみたいなものなの?
そんな平和でぼんやりとした好奇心を抱いて生きております、トモです、節分の豆年の数食べるの正直辛かった。
何故キャバクラかというと、ふと、正月実家に帰ったときに会った弟大ちゃん(柔道の吉田似)を思い出し、キャバクラといえばなんとなく大ちゃんだったナァと思い至ったわけなのです。
阪神淡路大震災の翌日、電気も水道もガスも止まり、不安と恐怖でブルブル震えている時、お隣で大ちゃんもブルブルしておりました。
お友達は大丈夫かなと心配している時、大ちゃんも隣で心配していました。
姉として弟を慰めようとがんばろうねと声をかけたのですが、奴の話を聞いて萎えました。
なんでも前日、奴は友人たちとキャバクラへ行こうと三宮に繰り出したそうです。
可愛い子がいると噂になった店に駆け寄ると、その店の前で屈強なボーイがスクワットをしている所を目撃してしまい、心がすっかりしぼんだ大ちゃんたち。
そこに忍び寄る影のような客引きの言葉。
「お兄さん(小声)。超イイコイルヨ!安くするよ!5000円!」
いつもなら耳も貸さない胡散臭い男の声に、よほどスクワットの男にやる気マンマンパワーをくじかれたのか、大ちゃんたちはフラフラと誘われるままついていったのです。
しかしほんの少しだけ残っていた理性が彼らを一度ファーストフードのトイレへ導き、ぼったくられて は大変と5000円一枚を財布に残し、その他の金品を各々カバンの底だの靴下の中だのに隠す知恵と勇気を与えてくださいました。
イザ出陣。
そこは鮮度を意識してかあまりにも薄暗い店内。どんなサービスをしてくれたかはさすがに私が姉であるからか、5000円というプライスを意識してか語ってくれませんでしたが、出てきたレディは確実におかんの方が若かったと皆の意見が一致したそうです。
どこまでサービスを受けたかは謎ですが、さらにぼられそうになったのを振り切って逃げる大ちゃんたち。
それでも怒りは収まらず、店の前に置いてあった客引きの兄ちゃんが乗っていた原チャリを思わず持ち上げて投げつけ逃亡。
その後も友人たちはリベンジすると、三宮の町に消えていったそうです。
すっかり心が折れてしまった大ちゃんだけが寂しく帰宅。後被災。
結局友人たちは無事で最後に三宮を制した男たちとして戻ってまいりましたが、それまでの間イマイチ慰めどころがつかめない私は、まあホドホドにねと何がやねんと自分でも突っ込むような言葉しかかけれませんでした。
あれから10年。
お正月迎えに来てくれた代ちゃんと私の会話。
「あんた、相変わらずキャバクラとかいってるの?」
「行ってへんわ。もう俺大人やで。」
「ふーん。」
「・・・抜きキャバ・・・」
さよですか。
2005-02-07 (月) そのほうが正しいんじゃないかと・・・。 [長年日記]
■ 鮮やかな女たち。
駅のそばのファーストフード。
後ろの席で、どうやらパートの休憩中と思わしきおばちゃん4人組。
「ほらほらほら、あれあれ、あのハデな色のピンク・・・なんていうの?」
「ああ、ああ、ああ、あのキツイ色のピンクでしょ?えーえーえー・・・ドッキンピンク!」
「そうそうそう!!!ドッキン・・・ドッキリピンク?」
「ちがうわよードッキンよドッキン!!」
「そうそうそうドッキンピンクドッキンピンク!!」
・・・ショッキング。
2005-02-08 (火) おかし貯蓄。 [長年日記]
■ そんなぼくのじんせい。
子供の頃、一瞬おかしを貯蓄していたのを思い出した。
そうだ、アレは確か地元の地蔵盆の時、子供たちは袋にいっぱいのおかしがもらえた。
一日で食べきれない量で、たまたまもっていた箱に綺麗に詰めてみたらピッタリ納まった。
何時食べてもいいんだと思うと嬉しくて、何度ものその箱を覗いた。
実家が商売をしていたので、毎日のオヤツは100円玉を握って駄菓子やへ行くのが日課だった。
翌日は確か、買った駄菓子のうちの一つを箱に入れて食べないようにした。一つ増えて嬉しかった。
翌日も確か同じ事をした。嬉しくてやっぱり何度か覗いた。
そしてふと思った。
もしこのオヤツが一つなくなるととてもとても悲しい。
しかし、そのためには毎日少しづつ我慢して増やすしかない。
私は貯蓄という幸せと、なくしたらどうしようという不安を同時に手に入れたことを知り、
そんな思いするぐらいならと、3日目の夜すべて食べてしまった。
なくなったらと不安になるぐらいなら全部食べちゃえと。めんどくさくなったのだ。
確かに少し悲しくなったが、ホッとしたのも事実で、その夜はご飯が食べれず母にものすごく心配された。(おやつ食べたとは言えなかった)
根性とか根気とか子供の頃から皆無だった私は、努力して得られる幸せより、開放を選んだのだ。
思えば私の人生そのものだなと、しみじみとお布団にもぐりこんで眠りについた。
ものっそチコクした。
2005-02-14 (月) 度重なる [長年日記]
■ 負の一致。
東京ではただ今ミュシャ展が開催されております。
ミュシャというと、絵画に詳しくない人でも見ればああと分かるなかなかメジャーな作家さんです。
全体的にドロドロと溶け合うような作風が先日は缶コーヒーに使われたりして、疲れた親父が駅でロマンチックなロココ柄のコーヒーをダルそうに飲むという、実にシュールな光景が展開されておりました。
さて。
このミュシャ展にいかれたらしい方を私は電車の中で10人ほどお見かけいたしました。
実際にはもっと見ているのかもしれませんが、とにかく手にミュシャ展のパンフレットを持った人という形で限定させていただくと、10人という数字が浮かび上がってくるのです。
さてさてこの10人。まあミュシャらしく全員女性。それはいいのですが。
なんと申しましょうか、判で押したように似てるんですよ。いや、ソックリなんですよ。
まず髪が黒くベッチャリしている。長めの髪を無造作に後ろで一つにくくっている。年は20代前半で乙女の盛り。なのに全員ノーメイク。小太り。暗く無表情。何故だ。
私も8人ほど確認した所で、いやーほんとに偶然ってあるんだなと思っていたんですよ。
で、日曜日。
ワタクシちょっとお出かけしておりまして、いつもより丁寧にお化粧をし、髪もふんわり巻いたりしちゃってたわけですよ。
電車に揺られる事数分。
その間。
隣に座ってたお嬢さんが、ものすごい勢いでもたれかかってくるんですよ。
グーグーいびきまでかいてるし、ぺっちゃりした油っこい黒髪が、私の肩から鼻先にかけて電車の揺れにあわせてユラユラ近寄ったり離れたりするんですよ。たまらんのですよ。軽く私の中で異臭騒動が起こってるのですよ。
5駅ぐらい我慢した所、どこからともなく似たような小太りノーメイクベッチャリヘアーのお嬢さんが現れ、私の隣のお嬢さんを起こしのっそりと立ち去って行きました。
2人の手にはやはりミュシャのパンフレットが。
私の友人にもミュシャ好きの、それはそれはステキなレディーもいるのですよ。それなのになぜ、私が目撃する人たちは一様に似ているのか。ミステリーか、コレは。
ここまで来ると、坊主憎けりゃ袈裟まで憎い。ミュシャが憎くなってまいりました。
私がミュシャ広報部だったら(なにソレ)、悲しくて悲しくてそんなレディーたちを片っ端からつかまえ、とりあえずシャンプーしてしまうかもしれません。
私が目撃したお嬢さん達。絵画を観に行くというステキな情緒があるのなら、まず髪を洗って下さい。
美しいものに触れたいのなら、せめて人に異臭騒動を起こさせない程度には清潔にしてください。
人に散々もたれかかって、途中目が覚めても別に気にする風もなく、又眠りについてもたれかかるを繰り返した、あの心臓に毛が生えたようなお嬢さん。
とりあえず、ミュシャと私に謝ってください。
# 6-30 [人間はとかく自分にないものに憧れるのでしょうね。「アルフォンス・ミュシャ→プラハ→ビール」という発想は6-30だけで..]
# フィネガン [ぼくも行ってきました。女子率高かったです。NASAの調査によれば、ミュシャはなぜかオタク女子に人気があります。]
# pino [乙女は王朝期フランスに憧れているため臭いのです!!!! よって異臭面=乙女と考えた方が正しいのであります。 ジョセ..]
# (・ε・) [プラハっていうと、なんか住んでる人みんな歌がうまそうな気がします。なぜに。]
# (・e・) [あー、言っちゃった。そうそう、まさに夏のイベント会場の匂いがしましたよ。(行ったんかい) 歩き方ものそのそしていて、..]
# (・ε・) [王朝期フランスへ思いを馳せてる割には、半端な長さのボックススカートはいてましたよ。足男前に開いて寝てるし。変な色のハ..]
2005-02-21 (月) 恋する女は何をしても許されるのか。 [長年日記]
■ 怖いって。
ココに何度も書いた事があるが、数年前私には行きつけにしていた【S】というインド料理屋があった。
そこによくゴハンを食べに行くうちに、その店を通じて知り合いが増え、オーナーとも仲良くなり、お金がない時はバイトをさせてもらったりした。
とにかくそこに行けば誰かいるという、大変居心地のいい店だった。
そしてそんな店だからこそ、常連同士の恋愛沙汰なんかがあって、それを観察するのがなかなか楽しかった。
私はオーナーに頼まれ、その店で月に一回パーティーを企画していた。
その月は10月、パーティーの日も月末に設定し、ハロウィン仮装パーティーにする事にした。
私とキョウちゃんが司会進行兼バーテン兼フロアー係。もちろんそれでは人手が全然足りないので、友人のヒロスエに助っ人を頼み、常連のジュンコにも協力を要請した。
DJも欲しいという事になり、知り合いのDJヒロさんに頼んだらたくさんの機材とともに当日やってきてくれた。
店は40人も入ればイッパイイッパイというところに、入れ替わり立ち代り200人以上が集まった。
当日のルールは仮装。
私はオーナーの奥さんにサリーを着せてもらい、キョウちゃんは町娘にカツラ、ヒロスエはピンクのナース服、ジュンコは女子高生になった。
お客さんの中には仮装をしてこない人も居たが、そんな場合は受付のヒロスエにフェイスペイントを小さく入れてもらうというルールにした。
嫌がるお客さんにはやめておこうと思ったのだが、予想以上に皆ノリノリで、パーティは終電を越えても収まらなかった。
そんなわけで私とキョウちゃんは色んな人と挨拶をしたり、適当なお酒をつくったり、お約束ビンゴやゲームをしたりして走り回っていた。
そこにカズ君がやって来た。
カズ君は、2週間ほど前に友人たちと店にやって来た新規のお客さんだった。
私たちがワイワイパーティーの打合せをしていると、何があるんですかと人懐っこく聞いてきたのが彼だった。
私はパーティーがあることを伝え、もしよかったら是非おいでと言っておいた。
やって来た彼は、律儀にアフロのズラを被り、鼻メガネだった。
少しだけ立ち話をした。
その日以来、カズ君はちょくちょく店に来るようになり、1人でもふらりと現れては私たちと楽しくお酒を飲んだりした。
ある日。
私はいつものように【S】へ行き、一人できていた常連のリッキーを飲んでいた。
2人でくだらない話をしながらだらだらしていると、女性が1人やって来た。
私たちの隣の席に腰を下ろす。
店にはその後も顔見知りが何人かやって来た。
入ってくるなり私たちを見て、「リッキー、トモー、まいどー」と声をかけてくる。
混ざったり、挨拶だけだったりまちまちで、私もカレーを食べ終わり、そろそろ帰るかなと思ったその時だった。
「トモさんですか?」
隣に座っていた女性がイキナリ声をかけてきた。
ビックリした。
その当時の私は酔っ払うとムダにフレンドリーになるという癖があり、気が付けば知らない人たちと一緒に飲んでいたなんていうことはしょっちゅうだった。
その界隈で飲んでいるといきなり女性にこの前はどうもとか声をかけられ、あせる事がたびたびあった。
又そのパターンかと思い、私は曖昧に笑いながらも記憶をものすごい勢いで手繰った。
「私の友達がよくこの店に来るらしくて。トモさんとか常連さんがすごく楽しい人たちだって言ってたから。」
と、言う事は初対面か。私はほっと胸をなでおろし、改めて自己紹介をし、その友人が誰かを問うた。
が。
彼女は曖昧に言葉を濁すばかりで教えてくれない。
「彼は私がこの店に来たって知ったら、嫌な気持ちになるかもしれないから。」
「彼は私に会いたくないかもしれないから。」
ものすごい思わせぶりだ。彼彼彼。彼って誰やねん。
私もめんどくさくなって、じゃあいいやとあまり詮索しなかった。
すると今度は、
「そういえば彼ね、インド料理とか好きだったんですよ。」
「彼ね、一人で家で食事するの嫌いな人だから。ついここにきちゃうんですね。」
「彼から話を聞いて、一度来てみたかったんですよ。」
だから彼ってだれやねん。
大体こういうパターンの時は、話題を深追いしないに限る。あまり関わらないに限る。
そう判断した私は、じゃあそろそろ・・・と腰を浮かし始めたとたん、彼女はぺろりと白状した。
「彼って、カズ君のことなんですよ。」
・・・・聞いちゃった。これでまた、あっそ、ホナサイナラっていかなくなってきた。
彼女も隣で、楽しいな、今日はもう飲んじゃうとか言い出してワインをおかわりする。
楽しいも何も・・・・あんた・・・ねえ?
オーナーが彼女にワインを持ってくるついでに、頼んでもいないのに私にも持ってきてくれた。ますます帰れない。
その後一度封印をといた彼女の唇から、ものすごく滑らかにカズ君との思い出が滑り出してきた。聞いてもいないのに。たくさんたくさん溢れだす。
もうこれはよっぽどのアホか酔っ払いでもない限り、ああ、彼女とカズ君はお付き合いなさってたんですねと。そお言うことなのですねと。
「もうね、正直に言ってしまうと、私たち別れたばっかりなんですよ。」
まあ、そうなんでしょうね。流からすると。
それでも私は、へーとかほーとか言っておいた。
今度は質問攻めが始まった。
「カズ君て、いい子だと思いませんか?」
「人懐っこいですよね。」
「トモさんって彼氏いるんですか?」
・・・なんだこれは。
つまり、その、なんだ。この方は何か疑っているのかと。
言っておくが、私とカズ君はまだ知り合ってまもなく、せいぜいその他大勢の人たちを交えて数回飲んだ程度だ。もちろん彼女がいて別れたなんて知るはずもなかった。
「実は別れた時って、大切な話してるのに彼、ハロウィンパーティーに行くとか言い出して。
それでケンカしてそのままに・・・。
そんな大事な時なのに、それでもパーティー行くって言うからよっぽどかと思って。」
・・・あの日か。アフロかぶってる場合とちゃうやん。
まあもううんざりしてたんだろうな。
「もうね、正直に言いますね。
私ね、彼あんな人懐っこい性格だから、トモさん彼のこと食べちゃったかなと思って。」
おいおいおいおいおいおいおいおいおい。
ちょっと待って。初対面の人間に対してなんちゅう無礼な女なんだ。
なにか、私はそんな下半身食いしん坊か。
彼が食ったんじゃなくて。あくまでも私が動いたッちゅうことなんか。
アホか。
あまりの発言に、さすがにムッとしかける私。あまりにも失礼な話だ。
結局この女性は、彼の口から聞いた女性の名前全てを疑って、別れた後も未練タラタラで新しい女探しをしているのか。
アホだ。そらここでカズ君きたら嫌な顔されるわ。
「どうでもいいけど、カズ君来たらどうするの?」
「いや、今日はなんかライブいくって彼の友達が行ってたから。」
そこまでリサーチ済かい。
結局彼女は私の人となりを見て安心したのか(それも失礼な話だな)、その後は「トモさんのほうが年上だしカズ君なんかじゃこどもっぽすぎますよね」とか、ご丁寧に釘までさしだした。
「ここ、いいお店だけど私の家からは遠いんですよね。」
そうか。安心したらもう用なしか。私は。
むかついたので、私もいらん一言を言ってみる。
「そうだよ。カズ君も他のお客さんたちとすごく仲良くなってるよ。
今日は来ないけど、ジュンコとかキョウちゃんとかまさるとか幸恵ちゃんとかユミちゃんとか、たくさんノリのいい子がいるよ。
アナタとも年が近いオンナノコ達だから、すぐ仲良くなれるのにね。うちが遠いのはちょっとネックだよね。」
片っ端から女の子の名前を出してやった。(キョウちゃんまで総動員)
「・・・トモさん、今日とても楽しかったです。
でも遠くてなかなかこれないのが残念だな。もっとトモさんと仲良くなりたいな。
たまには別の所とかに呑みに連れて行ってくださいよ。また恋バナしましょうよ。」
恋バナて。君一人で語ってただけとちゃうんかと。
つまり今後も私からカズ君の動きを探ろうという事なのか。
その後はもうめんどくさくなって、酔っ払った振りして逃げた。
この人、もし私が本当にカズ君の新しい彼女だったらどうするつもりだったんだろう。
彼女になる前の微妙な時だったら、こうやって叩いておいたんだろうか。
聞いてもいない2人の過去の甘い生活を吹聴しに来たのだろうか。
ほんと女は恐ろしい生き物だ。
アレだな。恋する女はひどいな。
あまりにも妙で微妙にムカつく体験だったので、人に話て皆で笑おうかと思ったんだがカズ君の名誉を考えるとそうもいかない。
勝手に元カノが自分の周りに出没し、自分の過去を垂れ流されてはたまったもんじゃない。
そう思った私はめずらしく貝のように口を閉じ、じっとする事にした。
その後カズ君は、結局付かず離れずで店にやってきては、大人な距離感で店に馴染んでいた。
私も彼には黙っていてもしあの女性から私の事はなされても嫌なので、一応元カノっていうひと来てたよとだけ言っておいた。
お互い大人な呼吸の取り方で、この話題はお流れになった。
2005-02-28 (月) で、結局。 [長年日記]
■ 食べ物の番組の話かよ。っていう。
テレビ東京はかっこいい。
オリンピックやワールドカップ、世界が熱狂するイベントに他局が飛びついても、
いつもマイペースにグルメや旅番組を放映している。
重大事件や政界の組織改変、世間の関心事が集中する情報に他局が飛びついても、
やっぱり呑気にラーメン特集なんかを放映している。
しかし、ただのマイペース呑気さんな局なのだろうか。
いや。違う。
テレビチャンピオンを見てもらっても、あの局のただならぬ仕事ぶりが見て取れるではないか。
一時期はやった大食い大会。
テレビチャンピオンの看板企画を、さっさと他局がパクってなにやら大げさなセットを作り、フードバトルと横文字に直し、挑戦者たちをカッコイイファイターに仕立て大当てした。
が、よく考えて欲しい。テレ東の作り出す大食い大会とフードバトルは、出演者が被れど企画内容がまったく違う。
いくらセットをかっこよくしようが、ドギャーンとかズガーンとか効果音を激しく鳴らそうが、テレ東の繰り出す企画には遠く足元にも及ばない。
いかに早く多く食べるかを、アングルを変え、セットを変え撮ろうとも、テレ東のロング巻寿司イッキ食いの迫力には叶わない。
台の上に置かれた5メートルはあろうかという巻寿司を、端からモクモクと食べていく。食べた長さで勝敗が決まる。
余計な効果音は一切無し。せいぜいポコポコとなる太鼓かドラ程度で、あとは学際のようなモールで縁取られたチープな看板と、司会者の持つ先端にすしやラーメンのミニチュアが引っ付いたマイク一つで番組が構成される。
寿司を頬張る女性チャンプ赤坂さんの顔がアップになる。鼻水が垂れている。そんなあられもないフェイスのアップに寿司のミニチュアがついたマイクがチラチラ被る。司会者の大げさな蝶ネクタイのキラキラが被る。
最初はただのおばはんだった赤坂さんが、回を増すごとに微妙におしゃれに気を使い出す。
女性チャンプ大会では、決勝戦で参加者全員がウェディングドレス姿でケーキを食べた。赤坂さんも強風の中ウェディングベールをなびかせ、ものすごい勢いでケーキを頬張る。
顔中ケーキだらけにした赤坂さんに、司会者がウェディングドレス姿を誉めると、ケーキの間から一瞬乙女のような恥じらいをみせる。
ドラマだ。そこにドラマがある。
そうだ。テレ東は職人なんだ。
自分たちの進む道で、誰もやらないやり方でドラマを作る。職人だ。
出演者がムダに豪華で、さして必要にも思えないクイズをムリヤリ交えて他局がグルメを扱う時にも、
テレ東は、それ誰やねんと突っ込みたくなるような、よく食べる事だけがとりえのやかましい小太りおばさんが豪快に料理を頬張る。せいぜい顔と名前が一致するのは阿藤快ぐらいで、あとは髭きってほしいなぁとイライラさせるおじさんや、何を頬張っても無意味にエロいお姉さんなんかが番組を盛り上げる。グルメを取り上げる以上、余分なもの入らない。あくまで料理が主役。
取材拒否のお店一挙公開と、頑固と傲慢の区別が出来てないようなしかめっ面のジジィのラーメン屋を他局が自慢げに放映しても、テレ東はあくまでも独自取材で裏づけされたおいしい店の情報を、たとえそんなん教えてもらっても行けないよといいたくなるような山奥だろうが堂々と紹介する。
職人。職人だ。
かっこいい・・・・・・。
テレビ画面では、アイフルで一躍有名になったおじさん夫婦が、温泉をのんびりとめぐる映像が映し出されている。
普通ならまったく興味の湧かない赤の他人夫婦水入らずねぎらい合戦も、コマーシャルで実直・小心者そうなイメージを植え付けたおじさんに、あんた嫁さん外人やったんかい!という小さなサプライズを添えて見るものの目をひきつけてくれている。
小柄で意外にお洒落ぶったおじさんのせなかと、肉厚パツキンな嫁の後姿越しに夕日をとらえたシュールな絵で、今日もステキな温泉にこっそり夫婦のドラマを匂わせ、テレ東はマニアックに番組構成を展開させている。
渋い・・・。
# 赤ちんこ [液キャベ?]
# (・ε・) [あーあーあー。 それ最後までどっちにしようか悩んだんだよ。 あーあーあー。 赤さんとボクは結婚するしかないね。]
# (・e・) [でも最終的な選択では別れるチム。液キャベ。]
# pino [ビバ☆抜きギャバ!!!! と言いながら、さっぱり行かない自分が不思議です。 やっぱ夢は夢として取っておいた方がいい..]
# (・ε・) [なんかね、優良店にあたると、ほんと申し訳ないくらい可愛い子がいるらしいよ。自分の実力じゃ一生彼女に出来なさそうな可愛..]
# (・e・) [でもそんなステキな店の前でお兄さんスクワット。がっしがっしと。]