チナウ
2005-08-01 (月) ボクが。いったい。なにを。したと。 [長年日記]
■ いうんだーーーーー!!!
日々暑さに力いっぱいだらけながら、自分ルールの出社時刻を取り入れていた所、いい加減にしろと周りが責めてきます。
私は時間に対して自己解釈が発達しているというか、おおらかというか。
そんな私の超人ルールが凡人には通用しない事は百も承知なのですが、どうもこう時間というものに興味を抱く事が出来ません。
分かっているのです。私も社会人。時は金なり。
大切な面接にも平気で遅れていった過去を持つ私が、実は一度だけその言葉を実感しまくった事があるのです。
今から7年ほど前でしょうか。(うわ!7年経ったのか!!)
当時彼氏イナイイナイチャンの私に、一筋の光が見えかけておりました。
清らかにお食事だけのお付き合いを繰り返していた彼が、いよいよウチに来る事に。しかし前日になり翌日出張を命じられた彼。準備が忙しくなったので、とりあえず夜のお食事はナシにして、深夜ウチにきて翌朝早くに出るという大人プランに。
ワタクシも大人ですので、じゃあ待ってますねと余裕でお返事をいたしました。
その後、今から六本木のニューハーフショー観に行くぞとかいうオヤブンを完全に無視し、彼女とうまくいってないと泣きつくオオノのアフロを掴み膝蹴りし、ダッシュで家にたどり着いたのは夕方6時。それからオニのように掃除を行い、ぴかぴかになった部屋を満足げに見回した私は近所のチビッコギャング・タツの実家の居酒屋へと向かいました。
家を出てすぐ、近くに住む外国人夫婦、ジョゼとミッテに遭遇。2人仲良くアイスを舐めながら、トモサンノオウチ、ココデスカー?と聞かれたので元気よく、そうだよ!305号室だよ!と答え、ご丁寧にあの窓だよとコンビニから仲良く見上げたりしました。
ラブは人を雄弁にするものです。
そうして2人に別れを告げ、タツの店にタノモー!と元気に登場。カウンターに座るなり小さなタッパをゴロゴロ取り出す私。生中も忘れませんよ。
なにこれ?というタツと大将。
仕事を済ませ彼がやってくる予定時間は夜の11時ごろ。きっと小腹をすかせてくるはず。
しかし我が家のキッチンは一人暮らし用にありがちな、ママキッチンに毛が生えた程度のおそまつな電気プレート。
そんなわけで、ステキなちょっとしたおつまみ詰めてチョーとお願いしたところ、タツにソレは詐欺なのではと言われましたが軽く無視。懲りすぎたものやプロっぽいものだとばれるので、ポテトサラダとか、簡単な煮物とかその辺ヨロシクと大将とおかみさんにお願いし、食後のデザート用スイカまで頂いてまいりました。
準備はOK!
部屋の中でフッフフッフと腹筋(+軽い捻り)をくり返し待つ私。ピンポーンとチャイムが鳴りましたが時間はまだ9時。ハテ。
扉を開けるとそこには、涙を瞳イッパイにためたミッテが。
「ジョゼサントケンカシマシタ。家ニ帰リタクナイ・・・」
・・・そんなこといわれても・・・。
とりあえずまだ時間があることだし、ミッテを部屋にあげてお茶など入れて落ち着かせます。
ラブは人を優しくするものです。
ミッテが落ち着いた頃を見計らい、実は今日11時ごろ大切なお客さんが・・・と切り出した所、マー!ボーイフレンドデスネ!と。さっしがいいねコンチクショウ。
この人たちのボーイフレンドとは恋人の事なので、私のボーイフレンドは今はまだ日本基準なのですが、今日をさかいに世界基準へと・・・。
そんな感じにモジモジしているとあっという間に11時。ピンポーン。キタ!
「オカエリナサィマセダーリン!」
止める私を振り切りミッテが玄関を開ける。イキナリ金髪碧眼の小太りおばさんが出てきて、彼うぉ!とかさけんでおりました。
「私モジョゼサンニ会イタクナッテキマシタ!アトハ若イ人達デホットナナイトヲネ!」
元気に帰ってゆくミッテ。状況を飲み込めていない彼を室内へ招き入れ、私いそいそと晩酌の準備。
いいかんじで酔いが回った頃、お風呂どうぞ、イヤ君こそどうぞとか言い合っているとまさかのピンポーン。時間は深夜1時前。誰?!
扉を開けると警察官が。心当たりがありすぎて、一瞬心臓が止まりそうになる私。何?!
隣でグスグスと泣くミッテが。
「あなたこの方のお友達?今ねぇ夫婦喧嘩がうるさいって110番通報があったんでね、このご夫婦に署まで来てもらったんだけどね、身元引受人がいないと帰せないんですよ。
申し訳ないんですけどね。あなたお友達らしいから、一度署まで身元引受人としてご同行願えませんかね。」
・・・そんなこといわれても・・・。
トモサンゴメンナサーイジョゼサンキラーイとか言いつづけるミッテをみて、何事かと出てきた彼。
「いってあげなよ。ボクもついていくから。」
結局パトカーに乗って近くの警察署へ。
車内の空気は重く沈みがち。少しでもましにしようと彼に、今から行く警察署、前に夜小学校のプールに忍び込んで捕まって連れて行かれたところだよっと小声でささやいたら、さっきの警察官にばっちり聞こえててしまい、ああ!あの時のおねぇちゃんか!!どうりで見たことあると思ったよ!!もうだめだよー、いい年してあんなことしちゃー!とわざわざ大声で諭されました。余計な事いわなけゃよかった。
警察署についたので、ジョゼに一言文句言ってやろうと勢いをつけて部屋に入った瞬間、その警察官が大声で一言。
「ホラ、皆、この前あれだよ、あの小学校のプールに入ったおねぇちゃんだよ!」
署内おおー!!という声とともに、又始末書書きにきたのかと茶化す他の警察官の一言でドっと笑い声が。ひどい。税金返せ!!(まともに払ってませんが)
「・・・君・・・有名人なんだね・・・」
彼が疲れたようにつぶやきました。ひどい。
別の部屋でふてくされてるジョゼも、私の顔を見たとたんさすがに悪いと思ったのか、オオー、トモーソーリー(ジョゼさんは日本語がほとんどダメです)と抱きついてきました。この根っからのイタリアンスピリットが今回のケンカの原因だというのに。
とりあえず2人を預かりかえろうとすると、パトカーで送ってくれるといわれました。気が利くじゃないの。ハイココですよ、ウチの家・・・って・・・なんで通り越すの?ナニ?2人きりで帰せないの?身元引受人とともにケンカ夫婦の家まで送り届けて、4人でもうケンカしないように話しあわなくちゃいけないの?なんで?いや、彼明日出張だし、朝早いし、何より限られた時間でしなくちゃいけないことあるんですよ私たち、日本基準の関係を世界基準にしなくちゃだから・・・その・・・。ねぇ? 結局間接照明だけが付いたムダにムーディーな部屋に、私と彼とケンカ夫婦が。ジョゼがバーボンをグラスに入れて手渡してくれますが。いや、そんなことより早く帰して。
2人がボソボソと話すのを5分ほど見てましたが、何言ってるかサッパリわかんないし。暗い部屋の片隅で、もう大丈夫そうだから私たちも帰ろうかとか彼と話していると、なんか、だんだん夫婦の声が荒々しくなってきたんですけど?なに?仲直りしてるんじゃないの?ファックとかって言ってるけど?
ナニ?
ガコーン!!
ものすごい勢いででっかい灰皿が飛んできましたよ。ミッテがよけたもんだから、灰皿私たちのすぐ近くで壁に激突、ガランガラン言いながら床に円を描いてます。エエエエエエーーー!!
「ファッキュー!!○×△□!!」
「私モウオワリネ!!ジョゼサンサヨーナラ!!トモサン!!ハニサン!!イキマショウ!!」
表に飛び出すミッテを慌てて追いかける私たち。時刻は2時半。
とにかくミッテに追いつき、なだめる私たち。
「トモちゃん、今日は俺帰るから。彼女泊めてあげな?」
そんな私たちのやり取りを見て、さすがに悪いと思ったのかミッテが「近クニ友達イル。ソコ泊マル。」と言い出しました。それ早よ言えよ。
ウチのすぐ近くだったので、明日早い彼を先に私の部屋へ帰らせて、私とミッテは友達のマンションへと向かいました。どこなの?ミッテ?
しかし2時過ぎという人様のお宅を訪問するにはあまりにも新鮮すぎる時間帯に、大丈夫かとし心配する私。ミッテいわく、なんでもその友人は六本木のサルサクラブでダンスの先生をしてるらしく、この時間ひょっとすると帰ってないかもしれないけれど、訪ねて行くぶんには全然OKだそうです。ビバ!ラテンタイム!
ミッテが少し迷った末、ココですという部屋へ突撃。元気よくピンポーン。シーン。誰も出ない。
最後の希望が絶たれそうで、おもわず涙ぐみながらもう一回鳴らす私。ピンポーン。
乱暴に開いた扉から顔を出したのは、サルサとは無縁の無精ひげにパンツ一丁、上半身に空間を余すことなく芸術的に現代風アートを彫り染められた若者が。その険しい表情はラテン率ゼロ。エエエエエエーーー!!
「・・・てめぇ誰だよ・・・今何時だと思ってるんだよ・・・・。」
「!!!!!・・ごっごごご・・・ごめんな・・・」
「アレェ、アナタ ミチャ サン知ラナイ?アナタ誰?」
「・・・オマエこそ誰だよ(怒)」
「ごごごごごごめんなさい!!」
慌ててミッテの手を掴み逃げる私。1階部分にたどり着き、改めてポストを確認。
「ミッテ。その友達何ていうの?」
「ミチャサンヨ。」
「・・・久我山?」
「ミチャサン!クガイワナイ!」
エエエエエエーーー。普通に間違いじゃん・・・・・。しかもポスト全員日本人だし・・・。
ミチャサンのマンション、白クテシカクカッタ・・・・と、くらがりにそんな漠然とした特徴を言われ途方に暮れる私。
その後ミッテをつれてトボトボ歩くも、今更彼女を連れて帰るわけには行かないし、世界基準格上げにはどれくらい時間が必要なのかと逆算しながらも、最後の望みをかけてキンキンに電話。
3時近くだという時間も、私と彼女の仲だしなんといっても世界基準目前だしとためらいなくコールする。
「モッシモーーーーシモダカゲキ!!」
・・・なにそれ。
ものすごく嫌なテンションで元気よく出たキンキンの背後は、2時という時間を無視した騒がしさ。嫌な予感。
「今タツの店だよー!トモもおいでよー!!」
・・・あっちゃーーー・・・。
とにかくミッテを泊めてくれないかというと2つ返事でオッケーが。
ありがたいが。タツの。店か。
行ってみるとやはりタツ・リッキー・ユウ・ジュンコが、人生ゲームをやりながらゴキゲンで呑んでいた。私が行くと、あれあれ?彼は?とか散々突っ込まれ、とりあえずキンキンだけ連れ出して逃げようとしたら皆がついてきてしまい、結局キンキンの狭いワンルームに私とミッテと酔っ払い5人が集結するという大惨事となった。
とにかく。俺様はダッシュで帰る!!
そう告げる私に、それはねーべと酔っ払い全員が邪魔をする。とりあえず店から持ち出した(大将ごめん!)一升瓶たちで更に酒盛り開始。私、逃げようとして又捕まる。呑む。又逃げようとして捕まり呑むのくり返し。
輪の中心で早くも真っ赤になったミッテが、トモサンタノシイデース!とコップ酒でゴキゲンだ。
こ・の・う・ら・み・は・ら・さ・で・お・く・べ・き・か!!!
前髪がワカメのようにメラメラペッチョリと額にくっつき、顔に縦線が豪勢に入りそうになるも(魔太郎。古。)、「コノウミ腫レ出タ?」とミッテにボビーばりに返されまた脱力。
それでも負けずに「皆が潰れなければ世界基準を逃す!!」と人が聞いたらサッパリ意味不明な言葉を叫びながら、ゲラゲラ笑う酔っ払い達に立ち向かうケナゲな私。
ココを逃げ出すには全員を潰して逃げ出すしかない。
すでにジュンコとタツ、リッキーは潰れている。落城寸前のキンキンと、後参加のせいか妙に元気なユウと、なぜかものすごいハイテンションのミッテに、のませのませて3時間。最後の敵ユウがトイレに入った隙に逃げ出す私。ダーリン!!待ってて!!(でもフラフラ。)
すでに朝日の差し込む部屋には、綺麗に整えられたベットと吸殻がテンコモリの灰皿が。その脇には小さなメモが1枚。
【毎日楽しそうですね。おつかれさま。行ってきます。】
世界基準・・・ならず・・・。
タイムイズマネー・・・・・
ゲームオーバー・・・・・・・・・(リセットなし)
その日の夜は彼から連絡がなく、こちらからもかけてみる気にならず早々に布団に入った。朝も着信履歴なし。昼もなし。夜はいつも行くインド料理のカウンターで、愛を逃してしまったと突っ伏し分かりやすくくじけた姿を披露していた私。常連たちから慰めのお酒をおごってもらってるうちにメラメラと怒りが。酔った頭で携帯を掴み、反省会じゃ集合!!とキンキン達を呼び出し、愛を逃したとまるでお門違いな怒りを先日のメンバーにぶつけ、気が付くとまったく関係のないはずのソジやタナちゃんやマリコまでいて、けっきょくまたアホのように呑み、私の部屋に移動、酔っ払い9人が集結し、何時の間にやら怪談が始まるというまったく訳の分からない状態となった。
酒と怪談で盛り上がった私たちは肝試しに繰り出す事となり、手荷物の準備をしていると携帯に着信記録が。彼からだ。キターーーーー!!と瞬時にテンションが急騰。その瞬間お電話がブルブル。彼からで、お土産を買ってマンションのスグ下まで持ってきてくれたとの事。出張先が名古屋だったからういろう?ううーんスキスキういろうダーイスキありがとー!!!と、ういろうまともに食べたことないくせに部屋を飛び出した。
すぐ下のコンビニで彼が待っていてくれた。時刻はすでに12時前。そこで我にかえった。
私の部屋には・・・酔っ払いが・・・8人も・・・イル!!
彼になんとかうまい理由をつけてどこかで待たせ、その隙にロクデナシ8人を叩きだし、酒と怪談ビデオが散乱するろうそくと線香の香り充満の部屋(怪談してたからね☆)を片付けたとして・・・20分・・・いや、15分。幸い私のマンションの地下には、麻布に本店を持つ大人居酒屋の支店が午前2時まで営業している。・・・イケル・・・・イ・ケ・ルーーーーー!!!と希望を胸にふと彼を見ると、私を通り越して上のほうを見つめて呆然としている。ナニ?
振り向き見上げると、私の部屋のベランダから酔っ払いの男ばかりが、ニヤニヤしながら覗いていた。
「・・・・お客さん?」
「いっっ・・イヤイヤイヤ、みんな酔っ払ってて、他にもオンナノコが何人もいて・・・」
「・・・そう。楽しそうだね。僕はコレで帰るよ・・・。」
「いや、でもみんなもう帰る所だし・・・」
「いいよ、無理しないでゆっくりして。じゃあね。」
立ち去る彼ボーゼンとする私。手にはサクラ味のういろうが・・・。
部屋に帰ると女子チームはアイスの取り合い(それ・・・私の冷蔵庫に入ってたものなんですけど・・・)、男子チームはなにやらら、これからの日本、愛国心ダベ?とか、壮大なのかなんなのか漠然としすぎたどうでもいい議論を熱く繰り広げていた。
おまえらのせいでーーーー!!と怒りに任せて投げつけたういろうが見事ワンバンしてろうそくにヒット、そばにいたソジを炙りかけ大騒ぎとなり、結局この日を境にその彼とは疎遠となっていった。
時間は大切だと思う。
タイミングだって大切だ。
でも。なにより。
友達選びが一番のネックになっていると悟った、酒臭い熱帯夜だった。
後日手をつないでイチャイチャあるく、ジョゼとミッテをみて全てを諦めた。
ゲームオーバー・・・・・ (フォーエバー・・・)
2005-08-12 (金) 夏の思い出。 [長年日記]
■ 戦いつづける子供たち。
黒い下着を身につけようが、ガーターベルトを所持しようが、Tバックだけははけません。はけません。何があってもはけません。
さて夏休ですね。
平日の電車は、かりんとうのようにこんがりと焦げた子供の手を、嬉しげに引くおじいちゃんおばあちゃんで一杯です。座席があくと、必死に孫を座らせようとする、どうみてもおじいちゃんが座ったほうが効率いいのではないかという微笑ましい現象が起きています。
今日も電車の中で、いかに夏休の宿題が大量で難しいかをうったえる孫に会いました。
おじいちゃんは、そんなん気にせんで遊んだらええ遊んだらええと、子育て第一線を完全に卒業した達観振りで無責任に甘やかしておりました。
私が小学生の頃の夏休は、楽しくも有り、そして戦いに満ち溢れた日々だった。
その戦い相手とは宿題ではなく、迫り来る始業式への恐怖と、そして両親、主にお父さんとの戦いだ。
ウチの父親は、父本人の歩んできた歴史と私の性格からは想像できないくらい、規律というものを重んじまくった子育てだった。
夏休の午前中、テレビではドラえもんクラスからワンランク落とした【パーマン】だとかをリーダー格に置き、巨乳狙いのはずが道を誤りとにかく問答無用にでかいヒロインにあるまじき太り方をした女と、それに付きまとわれながらもまんざらでもないというノミのように小さい男の、どういった年齢層がターゲットなのかサッパリ分からない【かぼちゃワイン】なんかを、毎年毎年執拗にくり返し再放送していた。
我が家は厳格な父のもと、午前中のテレビ権は一切与えられず、一番下の弟は1時間、次の弟は2時間、私は3時間という勉強時間という名の宿題消費枠を儲けられた。
子供が真面目に3時間も勉強できるはずがない。いや、今でも出来ない。
実家は商売を営んでいたので、お店が開店する9時以降なら、母もおいそれと2階には上がってこれない。
宿題をしているだけではとうてい出せない大音量をさせドタバタと暴れるが、母が2階に乗り込んでくるまでに、ダッシュであらかじめ広げておいた教科書を掴み知らん顔をすればセーフ。
宿題も犯罪も現行犯逮捕が基本。
敵ではない。お母さんは。
問題はお父さんだ。
9時に帰ってくる父に、普段はおやすみなさいと挨拶し、入れ替わりにお布団に入る私たち。平和な一日の終り方だ。
そんな日々の中、父は不意打ちに宿題をもってこいと言い出す。
夏休に入る前に、通信簿と出た宿題の量を申告している私たち。ご丁寧に、1日の宿題消化スケジュールまで書かされている。
それに間に合っていなければ何故間に合わなかったのか意地悪く聞かれ、どう答えてもゲンコツが降る。
そうなったらまた子供は知恵がついてくる。
とりあえずいつも算数ドリルのノートには、問題にあわせて3桁か4桁の適当な数字を殴り書き、赤鉛筆で丸をつけ、丸ばっかりじゃ怪しまれるからと10問に1回ぐらいの割り合いでバツをつけるという、一番手間取る算数ドリル10ページを、ちゃんとやったかのようなウソッこノートを3分で製作するという日常を繰り返す。
漢字ドリルは殴り書き。ごまかしようのないピアノの練習20分が一番の難関だったが、それ以外は概ね快適にズルできた。
しかし敵もなかなかやる。
ある日いつものように算数ドリルを見ていたお父さんが、いきなり私に15ページの問1の答えを言ってみろと言い出した。
答えのページを見ながらおそるおそる数字を読み上げる私。あっている筈はない。
次の問題もその次も、あってもいない数字に丸がついてる始末。
その後私はゲンコツをもらい、すべて消しゴムをかけ、やり直しを命じられた。
しかしそれでくじけていては、楽しい夏休は手に入らない。
次から私は、算数ドリルの問1〜5ぐらいまでを真面目に解き、その後を適当数字に丸という技で実際数回父の抜き打ちチェックを乗り越えた。
すっかり味を占めた頃、父はイキナリ最後の問の答えを言えと言い出した。
またゲンコツ。やり直し。
今度は1や5や10などの分かりやすい数字の前後だけ真面目に解くというように方針を変え、数回パスするもののまたバレてゲンコツ。
完全にいたちごっこになった頃、真面目にやったほうが肉体的にも精神的にも楽なのじゃないかとふと気がつき、所詮子供の浅知恵と我が身をはじ、そうして子供は夏休に一回り大人になって行く。
しかしそれでも懲りずに悪巧みは進む。子供にだって意地はある。
一番時間を食ったと言い訳に使えるのが読書感想文というやだ。
読書感想文は何を読んでもよかったのだが、各学年ごとに推薦図書が決まっていた。
私が小学校3年生でチャレンジしようとしたのは【アンクルトムの小屋】だ。
1ページが2段に分けられ、小学生が読むには一番長くて難しい本とされてた。あえてコレを選ぶ。
そうすれば、今日はココまで読んでたからと言い訳し、ドリルで稼いだ分の時間をごまかす事ができるのだ。
もちろん本は全部読まない。
小学校の図書準備室に、過去の読書感想文が綺麗にファイリングされているのを、図書室掃除当番だった私は知っていた。
推薦図書だった【アンクルトムの小屋】の読書感想文はたくさんあり、それを夏休み前に事前に読んでいた私は大体のあらすじを知っていた。あとはあとがきとか、最後の数ページを読めば充分感想文が書ける。
しかし普段まったく本を読まない私がこんな作戦を仕掛けた所で、宿敵お父さんに見破られれないほど夏休は甘くなく。
どこまで読んだか聞かれ、4分の一あたりをさした頃、イキナリ本を取り上げられ最近出てきた登場人物の名前を言えと言われた。
あらすじは知っていても、細かなデティールは再現できるはずもなく。
結局ゲンコツ→倉庫コースを辿り、翌日には大人しく【僕は王様】を読む3年生らしい私がいた。
宿題はめんどくさかったけど、昼からはずっと出ずっぱりで帰ってこず、真っ黒になるまで思いっきり遊んだり、お昼ご飯の素麺にブーイングを出したり、小学校のプールで水中カンフーをあみ出し鼻血が出るまで戦ったり、近所の神社の裏山にある獣道を辿った先に無人プールを見つけ(後に某銀行の保養所だった事が判明)、フェンスがあまりにも高かったので2日がかりで下に穴をほり、子供一人やっと通れる抜け道を作り服のまま泳いだり、線路をどこまで歩いていけるか試そうとしたとたん後ろからきた電車が急停車したので慌てて逃げたり、小学校のトイレにあった空気口?みたいな奴に入り込んでスパイごっこをしてたら迷子になりかけてものすごく怒られたりと、毎日が楽しく目まぐるしく過ぎていった。
夏休の自由工作に、ダンボールで家を作ると言い出したダイちゃん。いまいちどんくさいのを見かねてお父さんが手伝い出したら何時しかノリノリになり、とても子供では手におえない立派なごつい城のような物を作ってしまい、玄関はおろか階段すらも通らないような大作だった為急遽解体し、一部折りたたみ・取り外し・組立可能なオブジェとなり、悪乗りした私にセンスゼロのサイケなペインティングを施された。そのなんだか分からないけど迫力だけはある見事な出来に押されたのか、全学年の中から【大変よく出来たで賞】(大賞)をとってしまい、申し訳なさでブルブルするダイちゃんを尻目にご満悦だったお父さん。
その年の夏、私たちの間で【関取!】というギャグが熱病のように大流行。
何の脈略もないところでイキナリ半ズボンとパンツを一気にお尻に食い込ませるという、大胆で知性の欠片もない荒技に皆大爆笑。男ばかりの幼馴染のなかさすがにそれは辞退した私だが、ずっと笑うばかりの立場の自分に憤りを感じた。
そんなある日、また宿題の不正がばれ、いよいよゲンコツを食らおうかという瞬間。
私は一度やってみたかったという憧れと、ゲンコツを喰らう前の奇襲攻撃として、やおらスカートを捲り上げ、パンツを食い込ませ、「関取!!」と声高に父に宣言し披露して見せた。
放りこまれた倉庫はムシムシしてとても暑かったが、それ以上に腫れるほどひっぱたかれたお尻が焼けるように熱くて、座ることも出来ず中腰のまま私はシクシクと泣きつづけた。
そんな大騒ぎの夏休の宿題だが、よく漫画とかで31日に皆で必死になってやってる奴を見て、よくやるよと子供ながらにあきれていた。(おもにカツオ君とか)
実は私は最初の夏休の宿題申告を少なめに父親に提出、31日時点で申告漏れして出来上がってない宿題があったがさらりと無視。新学期が終ってものらりくらりといって逃げ、提出しないまま終る宿題もいくつかあった。
先日その事を彼に思い出話として話したら、もし君に子供が出来たらその話だけは絶対しないでくれとビックリする程真剣に懇願され、墓場まで持っていってくれとまで言われた。ご丁寧に。3回ぐらい念押しで。
あの時ちゃちい宿題をしなかったばかりに、こんなくだらない話を墓場まで持っていかなくてはならないという、
人生で一番情けない宿題を授かってしまった。
# (・ε・) [それはたおやかな女性だからです。]
# (・e・) [関取後遺症ともいいます。]
# ほそぼそ [・・・娘に「関取!」やられてもきちんと指導するお父様に感服。 私なら凹みはしても、お尻はたいたりできないと思ふ。]
# ほそぼそ [ちなみにわたしも提出しないまま終る宿題いっぱいありました。 動かせそうにないタンスの裏側とか下側とかに隠してた。]
# い・ち・ご汁 [つまり、「関取」を叱責されたトラウマが、現在Tバックを履けなくしていると。]
# (・ε・) [お尻ものすごく腫れた覚えがあるんですよ。怖いんですよ。あと食い込むのが気持ち悪いんですよ。]
# (・e・) [そんな話を彼にしたところ、「ああ、スパンキングね。」と言われました。ゲームしながらサラリと。]
# 浅野忠信 [「おはようスパンキング」]
# (・ε・) [お!そうくると爽やかだね。]
# (・e・) [チョッピりドジでおっちょこちょいだけど憎めない可愛いスパンキング。 つか、ペット(オーバーホール着て歩いてるけど)に..]
2005-08-19 (金) 真夏の世の夢。 [長年日記]
■ 酔っ払って立て続けに3回歌った記録保持者です。もす!
飲み物で一番好きなものと聞かれたら、ビールだとか焼酎だとか答えると思ったら大間違い。
二日酔いの朝に飲む麦茶が世界最強のおいしいと思います。つか今朝もおいしかった。(床に転がるワインの空瓶を見つめながら)
こんな日は最悪水道水でもおいしく飲める。ひねれば水が出てそのまま飲める国ジャポン!幸せ。
そういえばどっかのHPで、公共料金未払いの場合、電話・ガス・電気・水道の順に止められるとか書いてあって、じゃあ私リーチじゃん、水道止められたらツモ!とか思っておりました。水道はエライ!
お盆休み皆様いかがお過ごしでしたか。
ワタクシのこの夏の近況報告というと、夢に男の人が出てくるんですよ。知らない人が。
顔も普通にどこにでもいるタイプの人で、やっと会えたね系のことをいつも言うんです。
お!欲求不満か?とかヒネリもなければ答えるのもおっくうなツッコミを入れられそうですが、でもちょっと変なんですよ。
知らない人が夢に出てくるのはよくあることだと思うのですが、何回も出てくるってちょっと変ですよね。同じ人が。
夢に出てくる知らない人はもうこの世にいない人とよくいいますが、この前数えたら3回ぐらい連続で出てきたんですよ。しかも時期はお盆頃。あれ?なんで知らない人が夢に何回も出てくるんだ?って気が付いた日からぱったりと見かけなくなりましたが。
あの人。誰?
大阪で一人暮らしをしていた時、まあこちらでの生活とあんまりかわんない、相変わらず酒臭い日々を送っていたんですよ。
ある日ね、まあ金曜日だったからいつもより更に調子に乗ってミホコ達としたこま飲んで、その後行ったバーでミホコがジントニック頼んで、んでもっといっぱい飲みたいとか言い出して、結局3人でジン1本あけて、今思うとあれってそんなガブガブ飲むお酒でもないと思うのですが、そんなわけで飛び乗った終電で私ほろ酔いだったんですよ。
でね、冬だったし、車内の暖房がポカポカしてうつらうつらしてたんだけど、乗り過ごしたら大変だと思って気合入れなおそうと顔を上げたらね、なんか真正面にいる若い男の人がこっちをじっと見てるんですよ。その後もずっと。
お酒飲むと人間攻撃的になるもので、何じろじろ見てるのよ!ってかんじで私も睨み返したんですがね。すぐ気がつきました。あ。この人ちょっと違う世界の人だって。
まばたきしないで、ずっとブツブツ言ってるんですよ。人の顔見ながら。
気持ち悪いから自分の駅付いた瞬間にダッシュして逃げたんですよ。改札出て振り向いておってこないのを確認しました。ホ。
で、明日の朝の事も見越してコンビニで麦茶買って、他の商品物色してたらね。
商品と商品の間から視線が。シャイニング状態で。イルーーーーーーーー!!!
不思議の国の人、じっとこっち見てるんですよ。怖!!
駅前なのでまだ人通りは多く、でも自分の家に行く道を辿るうちに人も減るだろうし、何よりどこに住んでるか特定されたくない。
で、私は人にまぎれて駅前の大通りを歩き始め、角を曲がったとたんダッシュ!自分の家に向かいながらも普段使わない道で遠回りしながら、角を曲がるたびにダッシュを繰り返してたんですけど、ふと嫌な予感がして、角を曲がった瞬間に人の家の庭の隅に入り込んで隠れてたんですよ。
じっとしてたら、あの不思議の国の人がものすごい勢いで角を曲がってきたんですよ。
私のしゃがんでる植え込みのスグ目の前で立ち止まってキョロキョロしてます。はいてたジーンズが夜目にもはっきり見える至近距離でハアハア言ってるんですよ。で、キョロキョロウロウロしながらブツブツつぶやいてるのが聞こえるんですよ。
「どこだ・・・どこに行った・・・やっと見つけてやったのに・・・SOS聞いてから今日で45日・・・やっと開放してやるのに・・・それは俺が意思というより・・・それはどこにも売ってませんから・・・・気球が浮くのは・・・海は遠くて・・・それは・・・ああ・・かゆいかゆい・・・つぎは・・あぃЙФС×⑳йНФ・・・」
コッワーーーーーーーーー!!!!!
もう怖くて怖くて酔いなんか一気に覚めましたよ。その後も5分ぐらいその人ウロウロしては戻ってきたり、意味不明の言葉を言ったりと積極的に活動してましたが、そのうちどこかにフラフラと立ち去ってしまいました。
冬だし寒いし、その上雨まで降り出して、でも怖くてその場から動けずずっとガタガタ震えてました。そんな私に非情にも雨は容赦なく襲いかかり、このままでは凍死してしまうと身の危険を感じ、雨音にまぎれて何とか家に辿り着いた時は唇紫全身グッショリ。
怖くて寒くてシクシク泣きながらシャワーを浴びようと蛇口をひねると、勢いよく冷水が全身に噴射されました。頭から。
うん、ガス止まっとった。冷水しか出んかった。
・・・・・ 覚えてろよ大阪ガス・・・・・・・。
翌日は見事な二日酔いの上風邪をひき、なんとか出した私のSOSをキャッチしてくれたミホコがガス料金を払ってお見舞いに駆けつけてくれました。おかげで夜にはあったかいお風呂につかる事が出来ましたが風邪は治らず、そのまま土日を見事に潰してしまいました。
そしてミホコの土産はなぜかまたジン。1本。
「大丈夫か?!コレで風邪菌消毒しぃ!!」
・・・自分飲みたいだけちゃうんかと・・・。
・本日の教訓 飲んだ次の日の麦茶はうまい 不思議の国の人の目は見ない 大阪ガスは根性がない ちゃんとしたお見舞いを持ってきてもらえる人間関係を構築する
総合すると自業自得かと。
2005-08-31 (水) 宿題ノナイ大人ノ夏ハ [長年日記]
■ 自堕落デチョットセツナクテ。
酔っ払って「武勇伝!!武勇伝!!」とオリエンタルラジオ気取りで暴れてたら腰を痛めた。
ジャスミンハイを初めて飲んでその香りを気に入ってガブガブ飲んでたんだけど5杯を越えたあたりから香りがまったく感じなくなりただの甘い水と化していた。
旅行に行きたかったが急な出費でお金がなくなった私はそんな事を知らない彼がどこへ行こうかと無邪気にパンフレットを広げるたびに酒を飲ませゲームのコントローラーを握らせXファイルを見せごまかした。
連休中は午前中二日酔い午後酔っ払いで一日中酒の抜けない日で埋められた。
最近のマイブームは意外にも【節約】で会社の近所で2リットル100円のミネラルウォーターを見つけ喜んで買ったが持って帰るわけにも行かず会社の冷蔵庫に入れた。
節約からまわりも切ないが3本も買ってしまったため冷蔵庫を独占し皆からヒンシュクを買って更に切なくなったのでとりあえず逆ギレでごまかした。
クボちゃんが隣の席でジャガリコをサクサクさせていてつまみますかといってくれたのでつまんでたら止まらなくなりクボちゃんの会議中に全部食べてしまった。
慌てて新しいのを買いに走ったがバレた。
大阪にいる知り合いがお酒を送ってくれたがその人の思想的な問題と届いた日が微妙な日で公職選挙法ギリギリラインのグレーな代物になった。
クボちゃんの机の上にある壷に入ったガムをパクろうとして手を突っ込んだら抜けなくなり一杯掴んだら手が抜けないということを改めて知り初心に戻った。
日焼け対策は万全だったのに明らかに黒くなった。どす黒く。
会社の帰りに呑みに行ったら彼がカバンを膝において離さない。乾杯ししばらくしたらカバンから小さな水色の箱を取り出した。
今年の夏はどこにも旅行に連れてってあげれなかったからかわりにコレをあげるよといわれ、開けてみると綺麗なペンダントが店の薄暗い間接照明に照らされ鈍い光を放っていた。
ずっとペンダント欲しがってたでしょといわれ、正直に旅行にいけなかったのは私にお金がなくて意図的に仕組んだからだと告白したらじゃあ秋にでもどこか連れて行ってあげるねといわれ涙が出た。
そんな夏。
# ふさふさ [もう感動すら覚えた あなたは変わらないでそのままでいて。]
# pino [いや、本気で切なすぎるんですけど。。。 その男の人もかわいそうにね。。。。]
# (・ε・) [ミッテを押し付ける為にはなんでもやった。]
# (・e・) [今デハ反省シテイル。]
# 浅野忠信 [彼も疲れたろうね、きっと。。。分かるような気がする。]
# (・ε・) [そんなしみじみ言わんでも・・・。]