チナウ
2003-04-01 (火) 4月1日。ウソっこ劇場。 [長年日記]
■ 本当は犬も猫も別に飼いたくない。
『きみはペット』。ドラマ化らしいですね。
あれは面白い恋愛物ですね。SFの。
主人公スミレちゃんはハーバード大卒の新聞社に勤めるできるOL。
彼は出世頭の先輩。
テレ屋の彼女が唯一自分をさらけ出せる場所はペットのモモといるときだけ。
ペットのモモはプロダンサーの年下の男の子。
ね。SFでしょ。
彼とモモの間で、微妙にバランスが動く話しなんですよ。
そうなると読者の人気はペットモモへ集中。
そら飼いたいよ。そんなかわいくて都合のいい甘え上手なペット。
現実には落ちてないのかな。
ヒデちゃんは無口な格闘家のタマゴだ。
いつも遊んでいたやんちゃなギャングたちに連れまわされるようにひっそりとそこにいた。
ある日皆で飲んでいるとき、めずらしく少し酔ったヒデちゃんと話した。
ヒデちゃんは、相手に右耳を殴られていらいどうも聞こえが悪いらしい。
ちょうどその頃会社の聴力検査でじぶんの右耳のへっぽこさを知って落ち込んでいた私は、不謹慎な話だが嬉しくなって、聞こえにくくて人に聞き返すのが辛いことグチった。
右側に座っていた私。うるさい店内の音。ひょっとすると聞こえていなかったかもしれない。
ヒデちゃんは静かにわらっていた。
人見知りが激しく無口なヒデちゃんが、少し近づいたような。
猛獣使いの気分だった。
ある日の私はおなかを大変すかせていた。
仕事も忙しい日が続いていたため、外で食べる気にもなれず、ましてや自炊する気もさらさらなかった。
ピザ。ピザがたべたい。
胃は正直にほしいものを求めているのに、一人では食べきれる量じゃないので、しぶしぶ私は自宅マンションの1階にはいっているコンビニへむかった。
ヒデちゃんにばったりあった。
おなかのすいたお金の無い年下の男の子。お金はあるが食べきれないピザが食べたいお姉さん。
ナイスタイミングじゃないですか。
私はヒデちゃんのうちへ行き(めちゃめちゃ近く)、ピザを注文する。
ヒデちゃんは発泡酒をおれいにご馳走してくれた。
ヒデちゃんの部屋はびっくりするほど殺風景だ。
テレビすらない部屋で、私たちはピザを食べた。
お酒のあまり強くないヒデちゃんは又少し酔っ払って、めずらしく自分のことを話した。
お母さんを早くに亡くして、実家にはお父さんとお兄さんしかいないこと。
ずっと2人から暴力を受けて育ったこと。
高校に入った頃家を飛び出し、2年間友達の離れに居候したこと。
そんなあまり幸せとはいえない話を、ヒデちゃんはムリに明るく話すでもなく、辛そうに話すでもなく、ポツポツときわめて事務的に話した。
ほとんど私の尋問のようなものだったのかもしれない。
こんなボーっとしたヒデちゃんは果たして格闘技に向いているのかと私が心配すると、
向いているかどうかわからない。
ただ、人を殴ることになんの罪悪感も感じないし、勝ってもさして嬉しくないし、負けても悔しいとすら思えないと言っていた。
それって向いてんの?
その後酔っ払った私は、練習で汚れたので風呂に入るというヒデちゃんについて入り、ユニットバスの洗面台にはった氷水に買い足したビールを差し込み、便座に座ってまた色々話した。
左手を負傷していたヒデちゃんにかわり、髪をがしがし洗ってやった。
ちょっとイヤそうにしたけどさして抵抗もせず、ヒデちゃんはがしがしされていた。
細くてやわらかい茶色の髪は、驚くほどきめの細かい泡を立てた。
洗い終わったあと、なんだか一仕事をおえた充実した気分だった。
後になにかのマンガで年下の男の子の髪を洗う女の話を読んだ。
大型犬を洗う楽しみに似ていると嬉しそうに言っていた。
なんだ。年下の茶色いやわらかい髪の男の子は洗っていいんだ。
大型犬といっしょなんだ。
その後ヒデちゃんと私はよく遊んだ。
怖いビデオがダイスキな私は、でも一人で見るのは怖いので、よく夜中ヒデちゃん家にアポナシでおしかけた。
稲川淳二の早口をなれないヒデちゃんは聞き取れないので、私はいつも同時通訳した。
おかげでさっぱり怖くなくなった。
散歩がてら、ヒデちゃんの夜のロードワークにもつきあったりした。
ダイエットダイエットと言いながら、かえりにちゃっかりタコヤキを買い食いした。
大型犬には散歩も大切なのだ。
そういう私にナニソレと興味なさそうに笑っていた。
ある日やっぱりピザが食べたくなって、ヒデちゃん家のドアをたたいた。
ギャルが出てきた。
ドスのきいた声であんただれと言われた。コエー。
お風呂から出てきたヒデちゃんに、甘えるような声で私のことを問いただした。
わりぃ。
あわてて私は退散した。
ああ。ヒデちゃんも男の子だったんだ。あたりまえか。
そのまま皆の溜まり場Sへ向かい、来てた友人たちと飲んでいると、30分もしないうちにヒデちゃんが来た。
皆に、トモ姉にセックス邪魔されたといわれた。
いや、ほんと。わりかった。
皆大爆笑だった。
私たちの間に男女の感情はまったく無かった。
ヒデちゃんはあの性格だし、私はその頃付き合いかけの人がいた。
ヒデちゃんはいつも私といると気が楽だと言う。
セックスしなくていいかららしい。
ナニソレ。
その後ある事情でヒデちゃんは実家に帰った。
1ヶ月もしないうちにお兄さんをぶん殴って大怪我をさせ、夜中救急車で駆け込んだ病院から、着の身着のままで姿をくらました。
ヒデちゃん。逃亡。
その話を聞いたときは一瞬心配したけれど、でもすぐ忘れた。
毎日が忙しかった。
半年後、Sでバイトし始めたばかりの私はバーカウンターで他の客と話していた。
ふと外を見るとヒデちゃんが立っていた。
ビックリして店から飛び出したら、逃げようとするのでとっつかまえた。
あんた。なにしてんの。
うん。まあいろいろ。
皆心配してたから、集合かけるか?
いや、もう行くし。
じゃあみんなにちゃんと顔見せてから行くんだよ。
うん、分かった。
ヒデちゃんが去ってから時計を見たら、電車なんてとっくに無い時間だった。
そして結局ヒデちゃんを目撃したのは私だけだった。
アレは幽霊だったのかとか、酔った私が見た幻覚だとか。言いたいほうだい言われましたが。
依然としてヒデちゃんの行方は知れず、私も引越したのでもう会えないのかもしれません。
やっぱりヤツは野生だったのか。
私が一瞬手なずけた野生の動物は、そのままどこかへ行ってしまいました。
薄情なやっちゃ。
最初で最後、私が餌付けした動物。
そんなもんですよ。私のペット話なんて。
2003-04-02 (水) ゆれるキモチ [長年日記]
■ かき乱される心。
今から8年程前、まだワタクシが関西におりました頃。
友達と飲んでいると、隣の席にいたサラリーマン2人組みがこちらをちらちら見ては何か話しています。
無視していたら、話し掛けてきました。
ナンパかと思い適当にあしらっていましたが、そのうちの1人が聞き流せない一言を言いました。
「君、AVに出てないよね?」
又あるとき、友人とクラブにおりましたら、若いやんちゃ坊主が話し掛けてきました。
「お姉さんにすごく似てるAV女優いるよね?」
そして又あるとき、友人と警察官合コンに参加しておりましたら、やはりリーダー格の男性から一言。
「あんたにめっちゃよく似たAV女優見たことあるわ。」
そのことを友人たちに言うと、私が過去AVに出ていた疑惑や、ギャラがっぽりためこんでいる疑惑などが浮上いたしましたが、
まあ、本物の私の顔とスタイルでは商品価値ゼロと言うことで落ち着きました。
なんなんだ。フクザツだ。
そしてその後、そのAV女優を探し出すプロジェクトが発足されました。
『トモちんドッペルゲンガーをつかまえろ☆きっとそれではヌケません大作戦』
なんなんだ。
手がかりとしては、少し前に見たという情報が圧倒的で、本気かどうか知りませんがまあ男性陣はビデオやへ行くたびに、一応確認していたらしいです。
私に似た女性の濡れ場。
顔が似ているということは顔の骨格も似ているということなので、声とかも似ているのかもしれません。
みたいような。
みたないような。
つか。
みられたない。(←めずらしく恥じらい)
そんな私の気持ちや、ノリノリの友人たちの目をよそに、
結局そのAV女優を突き止めることが出来ませんでした。
所詮トモ似じゃ商品価値ねえよ、居たとしてもスグ消えちゃったんだよ。
散々な言われかたです。
なぜだ。がっくし。
時は流れそれから私は東京へと流れてきました。
先日ふとそのことを思い出し、一緒に飲んでいたギブっち先生にそのことを言ったところ、彼はじっと私の顔を見た後あっと言う顔をし
「あー、いたいた。そういわれれば似てるな。」
といいました。
いましたよネエサン!!こんな身近に幻の生き証人が。
「あー。君、稼いでたんだ。おごって。」
「イヤ、ちがうし。てかそんなに似てるの?」
「うーん、似てると思うけど見たのずいぶん前だしね。もう古いからビデオでは手に入らないけど、たぶんネットでならあると思うよ。送るよ。」
!!!!!!
なんと!!!!!
あんなに散々探して見つからなかったものが!!!!
こんなにあっさりと!!!!
つか。
こいつ何者?!!
ここにきて、こんなに年月を経て、やっと私は私のそっくりさんと対面するのでしょうか。
似ているといわれた頃、20代。
少し前の私にタイムスリップなのでしょうか。
20代の頃は写真すらあまり残していません。
いきなり若い頃の私の動画を得ることが出来るのでしょうか。
しかも本物よりずっとスタイルのいい、ずっとキレイな。
しかし濡れ場。
うーん。
みたいような。みたないような。
ダイスキな彼氏の過去一番愛した元カノの写真を見るような気持ちとでももうしましょうか。
イヤ、実は自分はもらわれっ子で本当のお母さんの写真を見るような。
イヤ、若かりし頃の両親のイチャ写真を見るような。
あー。うまくいえません。
どうしよう。ヤツがあっさりみつけて送りつけてきたらどうしよう。
今はびくびくしています。
「あー、古いからね。なんか企画物だったような気もするな。」
敵もツワモノ。
なんと・・・ 大胆な・・・
2003-04-03 (木) 相変わらず暴飲暴食。コノヤロ。 [長年日記]
■ 今日はね。ヤチニクを食べに行きますよ。
いや。止めてくれるな。絶対行く。
実は月曜日にも食べたんですけど、その時はスゲー食べたのに、なぜかすべて味付けは塩だったんですよ。
塩のほうが好きだし。
大変満足してたんですが、本日ふと焼肉のタレのコマーシャルが目に入ったんですよ。
そうだ。タレ肉を食べに行こう。
お!またまたJRの神様が降りてきましたよ。 ※3月11日の日記参照
しかしタレ肉て。字にすると不思議と自分が傷つくのはなぜなんでしょう。
いやいやいやいや、負けませんよ。がっつり食べて勝ちますよ。勝か?
夜焼肉と思えば仕事も楽しいもんです。
書類がたまりきってへしゃげたタナだって、ニッコリ笑ってるように見えますよ。(適当)
あれですね。焼肉を考え出した人は天才だな。うん。
わたしの尊敬する人リストに入れておこう。
ちなみに尊敬する人リストに入っているのは
・チーズを作った人
・フランスパンを作った人
・餃子を作った人
・キムチを作った人
・唐辛子を料理に持ち込んだ人
以上の方々が登録されております。
ま、食い物ばっかだけどな。
ちなみに酒を作った人は尊敬する人と殺したい人の間くらいかな。テヘ。
まあ今日はヤチニクで頭が一杯なので。ヤチニクとワインもいいな。
だから今日は酒作った人は尊敬する人に入れておこうかな。
私はよく焼いたほうが好きなので、よく焼いたハラミあたりをタレをつけてサンチュに乗せて、味噌とねぎを一緒に巻いて、一口でがっつりいきますよ。
ああ。噛み締めたとたん油がにじみ出てきて、ああ、気をつけないとやけどしちゃうな。そこ注意だな。
でもタン塩はたのもう。それもレモン汁かけてサンチュに乗せて、キムチと一緒に巻いて一口でガッツリいこう。
キムチ多すぎるとせっかくのタン塩の味が消えちゃうから、ああ、気をつけないキムチ巻になっちゃうな。そこ注意だな。
楽しいことは気が抜けないので、細心の注意を計って挑みます。
あすは『のれそれ』を食べに行く予定です。
なんかね、アナゴの稚魚かなんかを踊り食いするみたい。え?あってる?
じゃあ日本酒だな。
そう思うと仕事も楽しいです。
今年入って遅刻しなかった日が2日しかないと気が付いたときは愕然としましたが、まあ、手書きのタイムカードなのでどうとでもなります。
私は自分のタイムカード上では神なのですよ神。ゴット。そしてクビ。
家のネット環境が相変わらずサッパリプーなので、会社更新にもなれたもんですよ。
こうしてデキるOLは築かれて行くのですね。
ヤチニク。のれそれ。ヤチニク。のれそれ。バンザーイ。
のれそれ。
ナニソレ。
いっちゃった。
2003-04-08 (火) 【チナウ】いよいよ閉鎖 [長年日記]
■ !? ←(東スポ風味)
昨日からなんどここへ来ようとしても開きませんでした。
あー、【チナウ】閉鎖かーとか思ってたんですが。
おいおいおいおい、まてまてまてまて、ここ私のサイトじゃん。
どーなってるのよヒゲ油ッッ!!!
なんでもヒゲ油家のサーバーダウン。
サーバーダウンてナニ?バクハツでしたの?煙でもモクモク出たの?
そんなワケで徹夜で復旧したらしいですよ。2日間徹夜でね。
明け方4時ごろメール来てやんの。
テステスとか言いながら。朝4時。
ガハハハ、バーカバーカ。
私はかなり自分勝手なめんどくさがりやなので、自分はすぐウジウジするくせにウジウジする人は苦手と言う、
そんな王様人事で付き合う友人の傾向が見えてくるのですが。
私の女友達たちは実にアッパレで、はあ、アンタ30も過ぎるとこんなにも違ってきちゃうのねといつも微妙ブルーになります。
今日もゴージャスマダム・サコと飲んで、しみじみかなわねぇと思いましたよ。
このマダム・サコ。去年の暮れにその名に恥じぬゴージャスな結婚式を執り行った高校時代からの友人。
そのスキだらけに見せてじつはビッチリ張られた網に、コーちゃんたちもノックアウト。
見事なアーモンドの瞳で覗き込んでは男心をわしづかみ。
数々の浮世を流し、最終的には広告代理店につとめ、サイドビジネスにワインバーを大当てしたという資産家と結婚。
新居は恵比寿。ガーデンプレイス沿い。新築マンション。ご購入。
断言する。この世に神は居ない。
そんなサコちんと飲む約束をして、まあ、前の彼のことも知ってるので説教かと。
破棄、サコ、ダメ。みたいな。イヤ、ゴロぜんぜんよくないし。
覚悟を決めつつ飲みに行きましたよ。
「じゃあやっぱり破棄したのね。もう。もっと早くに言ってよ。悩んだでしょ。」
「うん。ありがとう。」
「私もしたことあるけど、あれは結構大変だものね。」
「うん・・・へ?したことあるの?」
「破棄ってほどでもないのよ。結納してないし。」
「あ・・・」
「指輪貰ってないし。」
「あ・・・」
「大学出て間もない頃よ。ほら、私ヨウちゃんっていう人と付き合ってたでしょ。ひとつ上の。」
「あー・・なんかうっすら・・・でもサコころころ変わるし。」
「まあ失礼な!!2年近く付き合ったのよ!!」
「スゲー!!やっぱ若い頃は一途で純粋だね☆」
「失礼な!!」
********************************
いつもサコのホームパーティーへ御呼ばれすると、私たちはいつも慎重に言葉を選んでいかねばならないのです。
でも毎回同じ挨拶が繰り返されるんっスよ。
「今日はお招きありがとう。えーっと・・・○○君も来るの?」
「は?それどなたのこと?」
「あ・・・。」
「今日は彼の△△君を紹介するわ。」
「・・・ハイ。」
1ヵ月後。
「今日はお招きありがとう。えーっと・・・△△君も来るの?」
「は?それどなたのこと?」
「あ・・・。」
「今日は彼の××君を紹介するわ。」
「・・・ハイ。」
さらに1ヵ月後。
「今日はお招きありがとう。えーっと・・・」
「ちょっと待ってちょうだい。」
「あ・・・。」
「今日は私から言わせて貰うわ。後で彼の※※君を紹介するわ。」
「・・・ハイ。」
こんな女の彼氏を覚えろと言うほうがどだいムリな話なのです。
********************************
「ヨウちゃんとはね、お家もご近所だったのよ。」
「ああ、あのでかい家しかないお屋敷町ね。」
「でね、まあ私もまだ結婚するつもりなんか無かったんでけどお家がご近所でしょ。
自然にヨウちゃんのママと仲良くなったのよ。」
「ああ。いいことやん。」
「もうね、ヨウちゃんがいなくても、ヨウママとお買い物に行くくらい。」
「へー。」
「そしたらあの地震で、ヨウちゃんの家ちょっとヒビ入っちゃってね。じゃあ建て替えるかってことになったの。」
「うちん家私の部屋ヒビ一周キレイに入ってるけど無視されたよ。」
「・・・・・。
でね、どうせ建て替えるなら二世帯住宅にしましょう、あなたたちどうするのって話になったの。」
「おー。そうきたか。」
「で、お話がどんどんすすんじゃって、どうせ住むんだからって新しい家の設計会議の時には必ず呼ばれるのよ。」
「ほへー。」
「でね、私は出窓がほしいって言ったら次の会議に行けば出窓だらけなのよ。」
「すげーな出窓屋敷。」
「でもね、その頃私仕事楽しくなってきたし、東京の本社のほうへ行くって話も出てたの。
そのころからなんだかヨウちゃんがダイスキなんだけど兄弟のように思えてきてね。」
「なるほど。」
「私も若かったのよ。
で、お家の会議のときももうどうしたものかと悩みだすんだけど、壁紙の話になって、
ヨウパパもヨウママもセンスないのを選ぼうとするからついつい私がチョイスして。」
「あーあ。」
「家中の壁紙私が決めて大喜びされたのよ。
あとはキッチン。私お料理は好きだから、ここはワガママ言わせて貰おうと思って。」
「つか、まよってんでしょ。」
「うん。でも床下収納。コレだけは譲れないからほしいって言ったの。」
「だから結婚まよってたんでしょ?」
「そうなのよ。だから家に帰って後悔するんだけど、次の会議に行くと5畳ほどありそうな床下収納が組み込まれてるの。」
「5畳て・・・。」
「全部で5畳じゃなくてね。いたるところにあるの。で合計5畳になりそうな勢いなの。」
「・・・ちなみにキッチン何畳?」
「14畳?」
「ぎゃーーーーーっっっ!!!」
「プラス、カウンター。木を一本をスパっと縦に切って作ったステキな一枚ものよ☆」
「・・・もう結婚しれっっ!!!つか紹介してくれっっ!!!」
「結局ね、お断りしたんだけど。
ママは泣くし、パパは勘当だって大騒ぎよもー。」
「どこの親も同じ反応ナノネ・・・。」
「逃げるように東京本社へ来たの。
あの後もママ近くのデパートでよくヨウママと会うんだって。気まずいっていってた。ウフフ。」
「ウフフて・・・。」
「でもね。別れて正解。
ヨウちゃんたらね、その後私との事私の友人にグチったりしたのよ。もーやんなっちゃう。」
「・・・いや、グチりたくもなるだろ。」
「私サイドの女友達にグダグダ言うなってかんじでしょ?
私ね、もっと男らしい人が好きなの。そんで、夢を追っかけてる人が好きだったのね。
それを応援したかったの。」
「あんた・・・よくそんなヌルい事いって今まで無事でいられたね。
キョウちゃんを見ろ。同じ男の好みで未だに男運最悪やん。」
「キョウちゃんは優しいのよ。
私はね、ダメだと思ったらスパっと切るわよ。」
「ひえー・・・知ってますー・・・」
「でもトモは何だかんだ言って、いつもちゃんとした人捕まえるわよね。
キョウちゃんも同じチンピラなのになぜトモだけって嘆いてたわよ。」
「チンピラて・・・。
夢を追う人も素敵だと思うけど、もうね、今までにそんなんと散々恋愛して懲りたの。
今はね、クールに現実を見てる人が好きなの。」
「ああ。トモ現実見えないタイプだもんね。」
「・・・・・。
私はね、サラリーマンとかネクタイとかダイスキなの。
朝眠たい目を擦りながらネクタイしめてる姿見るとクラクラすんの。テヘ☆」
「自分に出来ないことをする人に惹かれるのよね、恋愛って。」
「・・・・・。
つか、私私服だらけの環境で来たやん。アフロとか。パンツ一丁とか。タトゥとか。」
「・・・・・。」
「事務所内の移動手段はスケボーとかインラインスケート履いたまま仕事とか。」
「だからかたぎの人に惹かれるのね。」
「うん。不幸中の幸い。」
「でもまあ、確かに貴女男性見る目はあると思うけど、ひとつだけ欠点のある人たちばかりね。」
「ナニナニ?」
「女見る目は最悪。」
・・・・・。
出窓だらけの屋敷にしたり、小花の散った壁紙で家中包んだり、シェルターなみに床下収納ちりばめた女に言われたくありません。
しかも他人の家で。
その後彼女は結婚の素晴らしさを延々語った後、スポーツジム帰りのダーリンを迎えにタクシーに乗り込みました。
某超高級スポーツジム。タクシーでお迎え。
断言する。この世に神は居ない。
「また色々紹介してね。今度は和食作るね。日本酒もね。」
非常にチャーミングなウィンクを残して去っていかれました。
すごいですね。フツーにウィンク使える人って。
ブラブラと歩く帰り道、キョウちゃんからお電話が。モチモーチ。
「男運最悪で悪かったな。」
情報ハエー・・・。
私信:お花見中止で悲しいです。また飲み会しましょうね。
え?いや?
ダメーーーーーーー。(←NO大人気)
2003-04-09 (水) 最低階級なボクタチ。 [長年日記]
■ ゴミメール。
Subject:井の中の蛙大海を知らず
拝啓、トモ吉様。
お元気でしょうか。
きっと貴女のことだから、お元気でいらっしゃることと思います。イヤ少しは黙れ。
さてさてボクは先日、恋をしました。
いつものようにいつものクラブで、寂しい週末を過ごしていたのですが。
体調が悪かったせいもあり、いつも飲んでるテキーラがちっとも効きませんでした。
仕方なく店の隅でぼんやりと座っていると、僕の前に天使が現れたのです。イヤ、舞い降りました。
彼女はけだるげに店内を横切り、ボクの隣に座りました。
反対の隣にすわっていた女(頭最悪)がぶつかったせいで、彼女の飲んでいたコロナが少しこぼれ、
ゴージャスな胸の谷間に消えてゆきました。
こんな美しい光るリバーをボクははじめて目の当たりにしました。何リバー?
いつも『悲しい色やねん』をバックにお粗末な溝をおもちのトモ吉さま、こんなボクの気持ち、分かっていただけるでしょうか。
美しいものを見たときのボクの胸のトキメキ。
そしてボクの股間のメキメキ。
彼女のでっかいリングピアスが触れると今にもちぎれそうで。
好きすぎて触れることが出来ないとはこおゆうことを言うのでしょうか。
ボーっと見つめすぎていたようです。ボクの視線に気づき、ゆっくりと彼女が微笑んできました。
コッテリとした長いまつげ。大きく縁取られた厚い唇。ねっとりとコロナの飲み口を舐める舌。
ゴージャスです。
ボクは濡れてしまいました。おもに自分のよだれで。胸元が。
家に誘ったのですがさすがにそれは断られました。
でも今度の休日デートの約束を取り付けました。
よかったです。よくよく考えたら今ボクはフロナシアパートに住んでいるので、充分なおもてなしが出来ませんものね。
イヤでしょ?フロなしは。ね?
トモ吉さま。
今度こそボクに春が来るように見守っていてください。
幸せを目前に、いつもボクはなにかためらっていたような気がします。
それは守る値打ちもほとんど無いちっぽけなミエだったり、
今更言うことすらはばかれる世間体だったり。
でも今度のボクはちがいます。
エイミーと幸せになるべく、すべてを捨て去る覚悟です。
ちっぽけな価値観とか。窮屈な常識とか。
ボクのエンジェルがそれらすべてからボクを解き放ってくれるのです。
行ってまいります。あちらの世界へ。
エイミーは怖くないといってくれました。
彼女こそがボクの勇気のシンボル、スイミーなのかもしれません。
ああ、薬が効いてきたようです。何書いてるかわからなくなってきました。
とにかくボクしあわせです。
エイミー(35才性別一応まだ男)と出会えてよかった。
今生理中!無理!!とか一生言われなくていいんです。八つ当たりもナシです。
行って来ます。
オオノ・今大海原へ漕ぎ出す
・・・ナニこれ。
■ 久しぶりだよオヤブン。
久しぶりにオヤブン更新します。
もうね、書いてコーちゃんに送ったのだ。ヨロティク。
昔の話しだし、上司の目を盗んでダカダカ打ったためちょいザツ目ですが、いつものことですね。すみません。
いつもオヤブンの話って本当のことですかとか聞かれますが、あんなの創作で書くなんてイヤすぎます。
すべて100%ピュアになっております。
ヨロチクワ。
2003-04-10 (木) 白く咲き誇る [長年日記]
■ 大輪の華。
好意というのは実にストレートに人の心にしみてくる。
それを気が付かなかったとか、まさかとか、そんなのやっぱり言い訳のように感じる。
気付かなかったんじゃなくて、それは気付きたくないだけだったんだ。
無意識下の計算。逃げ。
24歳の頃、友人の頼みで半年だけクラブでホステスをしたことがある。
昼夜の労働で正直もつかと心配だったけど、幸いお店の環境がよく、私はヌルく稼いでいた。
働くときの条件は2つ。
ミニスカートははかない。
触られたくない。
なめきった条件だったが、それでも許してもらえたのは本当に困っていたんだろう。
幸い店はかなりの高級店らしく、来るお客さんは皆高齢で、会話をゆっくり楽しむ人たちがほとんどだった。
たまに酔った客がいても、他のお姉さんたちががっちりブロックしてくれ、半年も勤めていたのにせいぜい膝を数回触られた程度だった。
私は時給で働くその店唯一の存在で、その分競争もなくお姉さんたちには大変可愛がってもらえた。
私が同伴に付き合えば、食事の時間にかかった時給以外の同伴料は私ではなくお姉さんに付く。
そんなシステムにあえてしてもらい、お水戦争に一切関わらない環境を作った。
貧乏だった私は美味しいものさえ食べさせてもらえれば十分で、プロとしてその世界に入る気は毛頭無かった。
カヨさんに逢ったのは店に入って1ヶ月もした頃だ。
その当時ナンバーワンを誇っていたお姉さんの友人で、飲食店を経営しているやり手女性実業家だ。
おそらく30半ばを過ぎたばかりといったところだろう。
きりっとした切れ長の一重が知的で印象的な、とても綺麗なお姉さんだった。
その日はカヨさんの店の男の子8人を連れての来店で、その日ばかりは店に不釣合いな若い客で店は繁盛した。
いつもおじさまの相手をしているお姉さんたちは嬉々としてこの団体を接客する。
私はいつもどおり、呼ばれるまでカウンターに座り、バーテンの中武さんと他愛もない話しをしていた。
「トモさんお願いします。」
ちょうど中武さんのお孫さんの話になったところでボーイの新庄さんに呼ばれ、ちょっと心を残しつつその団体の席につく。
「トモちゃん、ここ、ここ。」
お姉さんに指定された席は、まさにお姉さんとカヨさんの間のゴールデンポジションだった。
カヨさんはつまらなそうに細い指でタバコを吸いながら、はしゃぐ男の子たちをぼんやり見ていたが、
私が隣に座ったとたん、じっと見つめてきてちょっと戸惑った。
「・・・髪の毛がぐしゃぐしゃやん。」
あわてて洗いざらしの髪に手をやった。
私は昔から髪を整えるのがヘタで、どうもおかしなことになってしまう。
くわえタバコのまま髪を触られ、私は本当に恥ずかしくなった。
その店で髪をセットに行っていないのは私だけだった。
カヨさんは翌日も来た。その日は初老の男性と2人であらわれ、やはり私は席に呼ばれた。
その日の私は、他のお姉さんにもらったブラウスを着ていた。
いつも適当な格好で現れる私を見かねて、何枚か着なくなった洋服をもってきてくれたものだった。
その服は高そうで、派手で、そしてなによりその世界でしか着れない代物だ。
昨日カヨさんに髪のことを言われてすごく恥ずかしかったので、その日はきちんと巻いていた。どの席に行っても好評だった。
「今日は衣装をきちんと来たんやね。」
言われて又恥ずかしくなった。衣装て。
「・・・似合いませんか?」
「似合わん。」
「さいですか。」
そのやり取りを紳士はニコニコしながら見ていた。
2日後、カヨさんは大きな紙袋を持って現れた。
そしてそれをまるまる私にくれた。
中には膝丈のタイトスカートが3枚、ブラウスが5枚、靴が2足入っていた。
お古だからあげるといわれたがブラウスは3枚、靴、スカートにいたってはすべて新品だった。
靴は女性なら誰もが知る高級ブランドのもので、ブラウスはすべて1枚が数万する某イタリアのブランドのものだった。
どれも恥ずかしくなるくらい上品で、上質のものだった。
受け取れないとぐずぐずする私を無視してすぐ着替えるように指示がくだされ、私は慌てて更衣室に駆け込んだ。
席に戻るとカヨさんはなれた手つきで、長い髪をバレッタできれいにまとめてくれた。
最後にカヨさんのグロスをやっぱりくわえタバコのまま塗ってくれる。
「あんたは派手なの着たらとたんに下品になるから。襟のついた、きりっとしたのがにあうよ。」
なんだかテレてしまって、柄にもなくもじもじしてしまった。
「なに?きにいらへん?」
「・・・なんか・・・プリティウーマンみたいですね。」
カヨさんは一瞬目をまんまるにし、そのあとケタケタと笑った。
そのままボトルをキープし、私や他のお姉さんにも気前よく飲ませてくれた。
中武さんを季節はずれのフルーツを注文することで困らせ、ありとあらゆる果物が夜中でも手に入る店へ走らせた。
カヨさんは店のラストまで楽しそうに飲みつづけ、ずっと私は隣に座って。
笑った彼女をはじめてみたと気が付いたときには酔いが回っていた。
その後カヨさんは事あるごとに上質なお客さんを連れて来店してくれた。
決まって私は席に呼ばれ、カヨさんを紹介してくれたお姉さんには大変喜ばれ、ご褒美に真珠のピアスをもらい、
そのお姉さんはその店で他の追随を許さない不動のNO,1の座を手に入れた。
休日の昼にもたまにカヨさんから電話が入る。
買い物に付き合い、彼女の幼馴染の経営するエステで全身を磨いてもらった。
真昼まからシャンパンを飲み、ああ酒は明るいうちから飲んでもいいんだと教わった。
ある休日いつものようにカヨさんと遊び、そのまま酔って家に泊めてもらうことになった。
関西の高級住宅地にあるマンション。
馬鹿でかいリビングで、ドッチボールできそうですねと感心する私にカヨさんはまたお酒を勧める。
その頃私はひとつの恋が終ろうとしていて、酔って泣きながらカヨさんにぐちった。
ゆれる視界、静かな音楽、神戸の夜景、薄暗い照明、低く響くカヨさんの声。
そのまま私は眠りに落ちた。
ベットのきしみで少し意識が戻りかけた。
寝心地のいい広いベット。
カヨさんが着替えを持ってきてくれたらしい。
私を少しゆするが、酔いと眠気でうまくおきれない。
やれやれとか言いながら、カヨさんは私のブラウスのボタンに手をかけた。
カヨさんの冷たい手を頼りに意識を手繰り寄せながら、なんだか今更お礼を言ったのを覚えている。
ありがとう、カヨさん、いつもありがとう、すごく楽しくて、酔っ払ってごめんなさい
女の人の唇が、こんなに弾力があるなんて知らなかった。
口から少しずつそれた唇は私のあごを甘噛し、首筋へ移って行く。
私は混乱する頭の中で、それでもどこかでそれは意外な事ではなない気もした。
下着をはずされ、直接手が胸に落ちたとき、私はようやく上体を起こして抵抗した。
小さな小さな抵抗に、カヨさんの動きがゆっくり止まった。
そのままぎゅっと頭を抱かれ、そしてパジャマに着替えさせてくれた。
着替え終わると布団におしこまれ、そのまま私は気絶するように眠った。
目が覚めるとよく晴れた月曜の昼で、私はサクっと会社をサボった。
見事な二日酔いだったけどカヨさんのつくるけんちん汁がおいしくて、私はすごい勢いでおかわりをした。
あんたは何があっても食欲だけはなくさないタイプだと言われたが、それは後の人生で立証中だ。
いつもと変わりない空気が流れる。カヨさんの態度はいつもと変わらない。私も昨日のことで不安は無かった。
彼女なら気まずい空気を作ったりしないと信じていた。
その後も変わらずカヨさんと付き合い、普通に遊び、食事をし、酩酊した。
でももう二度と家に行くことはなかった。
私はというとひとつの恋が終り、新しい恋が始まろうとしていて。
東京へ行くことをあっさり決意した。
誰の意見も聞かず、誰にも相談せず。
最後にあった日、恋愛の話になった。
カヨさんは言った。
私の好みのタイプは、ずうずうしくて、デリカシーが無くて、ワガママで、自分勝手で、図太い人が好みだと。
何だかけなされた気持ちになりますと言う私に、
あんたのそういうところが好きだと言われた。
私に対して好きという言葉を口にしたのはそれが最初で最後だ。
「あんたの物事を深く考えないむちゃくちゃさや、たくましさには正直呆れるわ。
でもどこでもやっていく図太さがあると思うから心配はしてない。」
又連絡しますと言う私に、彼女は笑顔で首を振って拒否した。
拒否されるだろうとは思っていた。
そんな都合のいい話は無い。
それでも1週間後電話した。
ゲンザイツカワレテオリマセンだそうだ。
それ以上私も探すつもりは無かった。
ちょっとドキドキしたりしたので、私にもひょっとするとそういう願望があるのかもしれないとか考えたんだけど、
それはやっぱり違ったように思う。
だって私はカヨさんの中に、多分自分の理想の男性像を見ていたんだと思う。
頼りになって、決断力があって、いさぎのいい。
そのうえ私をすごく大切にしてくれる。
私はそんな彼女にただ甘えきっていた。
そのくせ答える気はまったくなくて、ずるいところでストップをかけた。
彼女なら絶対私が嫌がることをしないと確信して。
その後東京に移り住んだ私は3年経って人生一番の苦悩の日々を送る。
毎日無気力に、怯えるように時間が過ぎるのをじっと待った。
くる日もくる日も携帯だけを握りしめ、忘れようとしながらも必ず電波の入る所にしかいなかった。
かかってくるはずの無い電話が一番大切で。
みじめで絶望的な日々が一月は続いた。
ある日電話がなった。
期待するとかそんなレベルより、先に体が条件反射のように動いた。
「もしもーし。」
一瞬誰か分からなかった。
私はかなり戸惑った声を出していたらしい。
「薄情な子ね。お久しぶり、カヨです。」
「カヨさん?!わぁ、お久しぶりです!!」
「どしたん?なんか景気の悪い声やね。こっちにまでうつりそうやわ。」
久しぶりの声に、私の涙腺はぶっこわれた。
ひたすらすすり泣く私を、カヨさん問いただしもせず、落ち着くまでまってくれた。
「とりあえず、あんたゴハン食べてる?」
「・・・たべでまず・・・」
「うんうん、ゴハンだけはちゃんと食べるのよ。あーもう。元気かなと思ったらどん底やん。
不景気がうつるから、切るよ。」
「ごべんなさい。」
「ゴハンしっかり食べて。あんたみたいに何も無い子はハッタリだけが命やねんよ。得意でしょ。」
「ハッタリて・・・」
「そうよ、気合いれて行きよ。じゃあね。」
「はい。ごめんなさい・・・」
「トモ。」
「ハイ?」
「今度あったらチューしようね。」
「はぁっっ?!!!」
「予告チューやん。ガッツリと。」
「イヤ何いってるんですかッッッ!!!しませんよッッ!!ホントにッッ!!」
「イヤする。絶対する。あんたももうそんなけ泣いたら男なんか懲りたらええのに。」
「それとコレとは別ッッッ!!!」
「さっきまで泣いてたくせに。」
「イヤッッ、ホントまた彼氏とかできるかもしれませんし!!!」
「あっそ。ほんならその時彼氏おれへんかったらも少し先進もか。」
「無理ですッッ!!!」
「ケチな子やねー。セコーい。」
「いやケチとかセコイとかいう問題じゃないですッッ!!」
「あっそ。ま、ええわ。うちも会社一回ひどかってんけど、最近又持ち直して絶好調やねん。
今度会うときは何でもこうたるわ。おいしいモンでも食べに行ってね。」
「ヤッター!!!!」
「そのあとチューな。」
「ダメーーーーッッッ!!!!」
「アハハハハ。ほんならまたね。まあせいぜいがんばってな。」
当然のごとくカヨさんの着信は非通知で、今現在に至るまで連絡は取れていない。
私の唇は幸か不幸かカヨさんには奪われず、今日も元気にメシ食ってます。
今ごろ彼女はどこにいるのでしょうか。
あの人のようなタフで頭がよくて、そして優しい女性はなかなかいない。
ステキな恋人ができているのでしょか。それとも誰かに予告チューをしているのでしょうか。
うん。チューくらいならされてもいいかな。
# 中礼カヨ [自分の名前で検索して びっくりした]
2003-04-11 (金) 反省します。 [長年日記]
■ ジロウくん教えて。(←猿)
ウチの母ヨシコは、ハッキリ言ってあまり頭がよくない。
すごく単純で、スグきーきー怒ったり、スグ機嫌がよくなったり、スグ泣いたりと忙しい。
いつも私達兄弟に泣かされていた。親の癖に。
でも30分もしたら機嫌が直る。見計らって謝るとたいていの事は許してくれる。
だってお母さんだもんが口癖だ。ナニソレ。
基本的に。本当にいつも笑っている。
笑い上戸みたいで、人と話していても一人大ウケして笑っている。
もともと8人兄弟の末っ子に生まれ、両親と兄・姉達から甘やかされまくって育った。
就職し、初めて好きになった人と結婚した。
フリルとお花がダイスキで、トイレには7人の小人の人形がかざってある。
私の部屋は半強制的にピンクの小花の散った壁紙にされ、小物は赤っぽい色で統一された。
末っ子特有の人懐っこさで、私の友人たちが遊びに来ると、すぐ話の輪に加わりたがり、
人一倍ウケてよく笑った。
化粧品屋ということもあり、友達が来ると色々在庫の化粧品を出してきては、
ユカちゃんにはこの色が似合うよとか、聞いてもいないのにアドバイスしてお土産にしてしまう。
アンパンマンのような丸い愛嬌のある顔も手伝って、我母ヨシコは友人たちの間でも大好評だった。
昼間うちの店には、毎日のように近所の奥様連中が、入れ替わり立ち代り遊びに来る。
商店街の、小さくてちっぽけなオアシスみたいだ。
彼女はいつも、私が好きになる人を精一杯好きになろうとしてくれた。
友人も。恋人も。
大学時代の彼氏はうちの家によく遊びに来た。
彼女と彼はスグ仲良くなった。
私と彼が別れるとき、私以上に彼女は泣いた。私は自分が言い出したことだから、ぜんぜん辛くなかった。
その後彼も仕事でうちの近所を通るときは、必ずお土産を持って現れ、私の知らないところで立ち話をして帰っていくほどだった。
尊敬はされないが。
イヤ、どちらかといえばなめられているが。
それでも皆から愛される母が私はダイスキだ。
先日親戚の結婚式のため里帰りしていた熊本で、彼女は生まれて初めて倒れた。
健康だけがとりえだったから、自分でもビックリしていた。
ここ10何年、カゼ一つひいたことがない。
お店をはじめて、一度も病気で休んだ事が無い。
それだけが自慢の人だったから、それはそれは驚いただろう。
私も驚いた。
結果は過労らしい。
念のため今度頭も検査するらしい。
ホラ、あの脳みそを輪切りにしたようなヤツよと無邪気に言っていた。
泣けた。
今年に入ってからの2ヶ月、彼女は人生で一番泣きつづけたといっていた。
瞬発力なら、末の弟のユウスケが18才で東京に出たときらしい。
その時は1週間枯れることなく泣きつづけた。
今回は思い出しては泣き、思い出しては泣きを続けていた。
それでも私には、スグに今回の婚約の事は諦めるから。あちらに失礼のないようにしなさい。
何よりも幸せになりなさい。応援します。
父より先に吹っ切って、そういってくれた。
彼女自身が気が付かないところで疲労はたまっていたらしい。
わんわん泣く私に満足げに、大丈夫よ、ママは強いから。お母さんだからといっていた。
かあちゃん、それ意味わかんねぇよ。
そして検査を受けた病院で、幼馴染の友人が1ヶ月になる息子を抱いていた事をちゃっかり報告してきた。
どんなときでもプレッシャーをかけることを忘れない。そんな母ヨシコ。
強くなったなお前。
ユウスケからメールが届いた。
留守電にこれでも読みやがれと捨て台詞が入っていた。
ユウちゃんへ
明日からタミちゃんの結婚式のため、熊本に帰りまーす \(^。^)/
久しぶりなのですごく楽しみです。
お母さんにはもうお父さんもお母さんもいないので、
もう熊本のお家はやっぱり少し帰りづらいです。
だからお母さんも100歳まで生きて、ユウちゃんやお姉ちゃんが何かあってもスグかえってこれるお家にしておきますね。
いつでも帰れると思うと、東京にいても気楽でしょ?
がんばるからね。
熊本に帰ったらお姉さんたちが温泉に連れて行ってくれるそうです。
兄姉っていいもんでしょ。お母さん本当にそう思います。
だからユウちゃんも、お兄ちゃんお姉ちゃんと仲良くね。
今回お姉ちゃん色々あったけど、責めちゃだめよ。
ユウちゃんは優しいけれど、少しキツイところがあるからね。
兄弟仲良く。これが一番の親孝行ですよ。
それでは行ってきます。
その間お父さんは一人でお留守番です。ウシシシ。\(^。^)/
楽しんできますね。
ユウちゃんも体には気をつけて、バイク、気をつけてね。
お母さんより。
追伸:残念ながらお土産はナシです。ウシシ。
・・・なんてタイムリーな・・・
顔文字の使いかたおかしくね?
つかウシシて・・・。
私たちの周りでは親が倒れたなんて話しょっちゅうあって。
ああ、もうそういう年なんだなと覚悟していたはずなのに。
しかも今回確実に心労掛けまくったのは私で。
みっともないほど取り乱してしまいました。
「お母さん死んだらトモも生きていいけないよ〜・・・」
とか電話口で思わず弱音を吐いてしまいました。
「いや、嬉しいけど30過ぎて言うせりふじゃないでしょ。しっかりなさい。」
冷静じゃん。ぎゃふん。
今お母さんに死なれたら、もう申し訳なさ過ぎてと思ったら涙が止まらず、
私のせいでお父さんまで独りぼっちになっちゃったらと思うとさらに泣けてきて。
当の本人は泣く私に大変満足げに、
大丈夫よ。お母さんだから。と誇らしげに言っていました。
かあちゃん、だからそれ意味わかんねぇよ。
お母さんごめんね。
もっといい子になるようがんばるよ。ホントホント。
夜寝る前も色んなことを思い出して、がらにも泣く涙ぐんでしまいました。
強くならないと。
でもやっぱり今日も遅刻しました。
だめじゃん。
2003-04-14 (月) そういや全巻。 [長年日記]
■ コーちゃん家に置いたままだった。
映画『ぼくんち』を観に行った。
もう。原作と比べてどうとか。できがどうとか。
そんな事はどうでもいい。
10分ほど前についたら、意外に人が多くて少し列が出来ていた。
まあいいやと思って並んでたんだけど。
ま わ り の 奴 等 ネ タ ば ら し す ぎ 。
特に私の後ろに並んでた3人組。(男1人女2人)
やい、チェックッッ!!!(←チェックのへんな帽子かぶってた)
おまえ何だよベラベラと。お前が描いたんか。え?おまえのものか。てがらは。
コウイチロウくんの○○のシーンは外してほしくないよね。
俺としてはねー、あの○○のシーンのニ太の○○っていう台詞、いかしてほしいなー
あの○○なセリフが○○って意味をかもし出してると思うんだよ。
どうでもええねん。君の感想は。そのシーン生かしてもお前はコロスぞ。死刑な。確実。
私は原作読んでたからいいけど、一緒に行った連れは原作知らなくて、
得意げに話す彼らを見てすこしあきれたように一言。
「なに?この映画は原作よんでいてあたりまえなわけ?」
明らかに数名原作読んでなさそうなおじさんおばさんもいましたよ。
なのに。チェック。お前はしゃぎすぎ。
とうとうオチまでいいだしそうな勢いですよ。
やっぱりさー、ラストの○○のシーンでは、ニ太には・・・
思いっきり振り向いて睨んでやりました。
思いっきり。
さすがにビックリしたようで、だまりましたよ。
すかさず私は連れに、後ろに聞こえるように話し掛けました。
「イヤ、皆が皆原作読んでるわけじゃないと思うよ。
読んでたとしてもネタバラしなんて論外だし。
そんなはしゃいだ常識ないヤツばっかりじゃないよ。耳ふさいどきな。」
チェックはそそくさとトイレに行きました。
戻ってくるときは伏目がちなの。ガハハ。
さすがにやりすぎと連れに叱られました。だってー。もー。
映画の最中にも、原作を忠実に再現しているところがあると、
そうそうこれこれとか声あげて喜んでいる人がいました。
感想言いあうヤツとか。映画の最中で。
次に来そうなシーン小声で予測しあうヤツまで。
足組み替える振りして後ろから席蹴飛ばしましたけどね。
もう。かんべんして。
なんなんですかね。
マンガが原作だからって、そんなんありなんですかね。
日頃温厚な私も、久しぶりにキレそうになりましたよ。
今思い出してもムカつく。特にチェック。おまえ。調子乗りすぎ。
もー。
まあ。一言で〆るとすると。
一太。かわいすぎ。(←ツボ)
ショタコンいうなー
2003-04-16 (水) 誕生日プレゼントは代打ち日記がいいです。イヤまじで。書いてよ誰か。 [長年日記]
■ ある昼下がりの大人のメール。
おえーっす。今駅に着いたよ。
なんか買ってくもんある?
ビックリマックリなハンバーガーと
氷のザクザク入ったコーラー。
飲んでみたいなぁ・・・・・
コーラーね。
コーラなら売ってるんだけどな・・・
それっていくらくらいなの?
ひゃくまんえん。
ごめん。
そんな大金無理だから。
水飲んでください。
えー。
もうすぐ32歳になります。
ヨロピコ。
2003-04-17 (木) イヤでも行かないっスけどね。 [長年日記]
■ ステキな夢をありがとう。
は?マジっすか?
25前後?小奇麗?年上が三度の飯よりダイスキ?
またまたまた。
そんな事いってもコッソちゃっかリモー娘。にお気に入りの子が1人はいるんですよ。
え?ちがうの?
彼女は?いるのといないのと半々?!
まじで?
いやいやいやいやそんな都合のいい話ないっスよ。
え?私誕生日だから?プレゼント代わり?
じゃあ持って帰ってもいいの?いくつでも?
4対4?ビミョーにみんな本気?
女子のメンツの中では私が一番ヤング?!!!
嘘だ。
そんなできすぎた話あるわけねぇ。
まじでまじでデジマ?(←大混乱)
2003-04-18 (金) そしていつものように矛盾している私。 [長年日記]
■ 酒と愛と無計画で出来ている私。
いつもお世話になっている姉さんと飲んでまいりました。
姉さん。44歳。バツ2。はっちゃけすぎ。
「姉さん最近どないですか。」
「もーラブラブね。」
「そのラブラブってのはダンディー鹿島さんのことですか。
それともバリ島で知り合ったおにいちゃんのことですか。
それとも年下の彼ですか。」
「今スケジュールの調節が大変。
週3回は年下君と会って、週末は鹿島さんでしょ。」
「ものごっつ楽しそっスね。」
「もー、年下君とラブラブ。激ラブ。」
「年下君ていくつでしたっけ?」
「27才。」
「すんませーん、警察呼んでくださーい。」
「なによなによ!失礼ね!!」
「・・・・・姉さん・・・・・。
多分今まで8回くらい言われてるでしょうが、やっぱり言わせて貰っていいですか。」
「ダメー!!」
「親子ですやん。」
「イヤーーーー!!!」
「17才の時の子ですやん。」
「イヤーーーー!!!」
まあさすがに姉さん、痩せてツヤツヤしてましたよ。ツヤツヤ。
「これくらい年が離れちゃうと、お金では買えないサプリメントよ。」
名言が飛び出しました。
2003年度名言集 【LOVE:鬼畜】の項目にエントリーしておこうと思います。
「なんかね、彼の友人たちも皆年上好きみたいなのよ。」
「イヤ、ゆうても17も上は例外でしょう。むしろ突然変異?細菌兵器?」
「失礼ね!!もう合コンしてあげないわよ!!」
「ヌナッッ?!!!何だか今すごく懐かしく甘酸っぱいキーワードを聞きましたよ?」
「知ってるんだから。トモ最後の合コンって4年前の【アジアのエース争奪戦】以来でしょ。」
「あああ・・・古傷を・・・」
「皆が狙ってた男前、首根っこ掴んだんでしょ。」
「あああ・・・古傷を・・・」
「そのまま2次会途中抜けして、別の飲み会に行っちゃったんでしょ。」
「もう・・・ヤメテ・・・(←虫の息)」
まあこの【アジアのエース争奪戦】はそれはそれで色々あったんですが。また書く機会があればその時にでも。
その後ワタクシは前の彼と付き合いだし、合コンは封印されたまま今日までいたるんですよ。
ま。合コンで勝ったためしはないんだけどな。
「4:4よ。」
「微妙に本気狙ってそうな人数ですね。」
「あとチハちゃんとユミちゃんを誘おうと思ってるの。」
「てか、姉さんメンバー入ってるんですか。」
「彼氏来るからね☆」
「イヤー、今回はパスっす。」
「あら、トモが最年少なのに。」
「ヒジョ〜に興味深い集いなんですけど。まあ。パスしときますわ。」
まあ。ほらあれだし。
でも正直飲み会は好きだけど合コンはめんどくさくてあんまりスキじゃないんですよ。
いやいやホントよホント。
その後はお互いの毎日の生活や、姉さんの仕事の話なんかをしました。
トモは今後どうしたいのと聞かれて、ちょっと困ってしまいました。
だってねぇ。夢とかって浮かばないし。将来のビジョンもろくに無いし。いや、もう32になるんですけどね。
まあご飯は毎日食べれて、発泡酒でもいいから毎晩晩酌が出来て、たまに外食できたらいいって答えました。
ホントにそう思うも。
好きな人と一緒にいて、友人たちをまじえて飲んだり。スゴク幸せ。
私は今やりたい仕事とか、こうありたいとか、あんまないんですよ。
芝居やってるキョウちゃんたちと飲んでると、ホント、夢の無い人間だなとしみじみ思いますよ。
ずっと。自分のやりたい事だけをやってきた人生でした。
夢という言葉を言い訳に。
東京に出てきて4年間。
たくさんの人たちの夢と情熱を手伝うのが自分の夢だと自分自身に言い聞かせ、金に変換する仕事をしてきました。
驚くほど儲けて、驚くほど借金をしました。
驚くほど感謝され、驚くほど恨まれました。
お金の感覚が人より大分ずれて、もともとなかった常識がコッパ微塵に粉砕しました。
今は。
暖かく寝れる場所があればよくて、そこに一緒にいてくれる人がいればそれでいいのです。
静かに生きたいとかじゃなく、誰からも干渉されたくないんですよ。
誰かに見られていたいと誰にも見られたくないっていうのは同じくらい自意識過剰で。
私は確実に後者なんですよ。
キョウちゃん達みたいに、誰かに何かを与えたり、そんな事は私には出来ないし、別にしたくも無い。
みんな生まれてきたからには何かを残したいっていうすごいパワーがあって、本当に感心します。
前もなんか書いたかもしれないけど、30代の女性のドキュメントがあって、
生まれてきた以上は歴史を変えることは出来なくても、何か引っかき傷でもいいから残したいって言ってましたよ。
すごい。そして私にはまったく思いもよらなかった発想ですよ。
私は自分のペースで生きてひっそり死にたい。
私が愛した人たちだけが、私のことを覚えていてくれたらもうそれで最高です。
私の歴史は私と極少数のダイスキな人たちの間だけで築かれ、皆死んだら何も残らず終っていくのです。
ダイスキな人たちの付けた引っかき傷で私は形成され、極少数の人たちだけに私は爪を立てるのです。
それすらも癒えてしまう傷を。離れていれば簡単に。
これを書くとまあ、なんか、変な感じに取られそうなのですが。
私はね、いつも思うんですよ。
なんでHPを作ったのかなって。
子供の頃からね、学校から帰るとお母さんにまとわり付いて、あった事を聞いてほしがる子供でした。
面白い事とか、くだらない事、すべてだらだらしゃべっちゃうんですよ。
ね。過去ログ読んでみてくださいよ。そんな感じでしょ。
いいたいこと言ったら一人で満足して、さっさと遊びに言っちゃうような子供だったらしいです。
書いてスッキリ。それを読んで運良く誰かが笑ってくれたら、それは同じ笑いを共有できたってことで楽しいじゃないですか。
その直後に忘れ去られていいんですよ。
ここは居心地がいいですよ。だって顔が見えないし。ヘンなしがらみも無い。
だから私は結構素直に言いたい事を書き、後日自分がああ、こんなことあったあったって読み直すために書いてるんですよ。
「自立しなくちゃ。トモ。」
「ガハハ。ムリムリ。」
思いおこせば。一人で生きてきたようでいて、全くそうじゃない人生でした。
いつも誰かに世話になりここまでやってきたようです。
まあな。だめじゃん私。一人で生きていく気なんてゼロだしな。
「誰かに好きって言われて、自分もすごく好きで、チューチューしないと生きて行けないんですよ。」
「だれだってそうよ。」
「ですよね。ガハハ。」
「もう年取ったら誰もいなくなるわよ。男って結局若いの好きだし。」
「17歳下の彼いるくせに。」
「だから私だって怖いのよ。」
「じゃあ、孤独なおばちゃんになったら合コンして下さい。」
「もう手遅れです。」
「じゃあ老人ホームに入るために金ためます。若くして入るの。おじいちゃんたちと恋愛するの。」
人に好きって言われると、なんか大切な勲章を貰ったような気持ちになります。
そんな人たちを、私は好きにならずにはいられません。
それは本当です。
でもそれに対して何かをするとかは出来ないし、求められるとトンズラしちゃうんですよ。
しかし好きと言う気持ちは、なるのも自由、冷めるのも自由、どこにも約束は無いのです。
ダイスキな人から愛されるという事は。私にとって生きる上での最高の喜びで。
最高の幸せは最高の不安を伴い、いつもドキドキさせられます。
いつも幸せな腕枕で眠りに落ちると、夜中目が覚めて、相手の寝顔を見つめて、いったいいつまで続くのか不安になって、ぐずって、
抱き寄せてくれる腕の強さに又安心して眠るのです。
強く抱きしめられて、その胸に顔をうずめて、息苦しさにしびれる脳が、私に快感を与えてくれるのです。
それは安心というものでは残念ながら無いんですが。好きだからこそ。まだ無いの。
それだけあれば幸せなんです。だからね。とっても大切なのね。
「ね。私欲がないでしょ。」
「それが一番贅沢なのよ。」
「でも貯金ないですよ。」
「それはマズイわね。」
「借金ならありますよ。」
「論外。」
自分勝手だけど。でもね。女ってそおゆうものでしょ?
え?違うの?つかそもそも私女って言うカテゴリーに入ってもいいの?
ダイジョーブ!!!ダイジョーブよ!!!(パンツを覗き込みながら) ←失格。
2003-04-21 (月) やんちゃな男性はダイスキなんだけどね。 [長年日記]
■ それってこのヒトの影響かしら。
あるところにね、男の人がいたのね。
どこにでもある容姿で背も高く無くてね。
お家も別にお金持ちじゃなくて、遊んでばっかりだったから学歴もあまり高く無くてね。
でもね、口だけは達者だったのよ。
昔から女関係だけは結構華やかだったのね。
高校時代は3又かけてたのね。
一人は同じ学校のそれはそれはきれいで清楚なお嬢さん。
一人は近くの女子高に通う純情な女の子。
一人は通学途中のバスの中から歩く姿を見初めて、強引にバス止めてナンパしたちょっと奔放なキレイなお姉さん。
毎日学校ではお嬢さんと過ごし、放課後お姉さんと町で遊び、帰り道が暗くて寂しいから女の子を呼び出して家まで帰りながらデート。
そんな毎日では進学できるはずもなく、
さっさと地元を離れ都会で就職したのよね。
その後もスグ彼女を作り、同じ職場の後輩にも手を出すしまつ。
言い訳が又いかしてるのよ。
彼女はきれいでしっかりしていて嫁にするには最高で、
後輩は純情で妹分みたいに可愛くて仕方が無い。
どうよこれ。許される?
しかもこっからが酷いのよ。
後輩には彼女を紹介し、彼女には俺が会社で可愛がっている後輩だからお前も可愛がってやれって、3人で会ったりするようになったの。
お姉さんぶって後輩を可愛がる彼女と、無邪気さを装って彼女に甘える後輩。
2人の心中はどうだったのかしら。
それでも2人を合わせることで、彼女たちにライバル心が芽生えて彼をとりあうらしいわよ。
怖いわよね。つかひどくね?
彼女はね、そろそろ30に手が届きそうになってきたのね。そうなるとさ、ホラ、やっぱ結婚とか考えるでしょ?
でもね、彼は独立したかったからお金が必要だったの。
だから彼女にもお金を溜めさせて、自分も貯金したんだって。
でもさ、彼女からしたらたまったもんじゃないよね。
自分の後ろにはまだ若い後輩が控えてるんだよ?こわくね?
だんだん焦ってくるのよね。
一方後輩は後輩で、大人の2人の駆け引きについていけなくなってきててね。疲れてきてたんだって。
でもね、すごくすごく好きだったのね。
だからね、3人で遊びに行く前日なんか、胃が痛くて眠れなかったんだって。
体が先に反応しちゃったんだね。え?なんかエッチな言い方しちゃった?ごめんごめん。
その後ね、いつまでたっても嫁に行かない彼女に痺れを切らした両親が、お見合いの話を持ってきたんだって。
お見合いをちらつかせて約束を取り付ける作戦ね。意外に単純な手を使うわね。
でもね、彼は独立するまでは結婚しないって一蹴したのね。
他にも女がいると余裕よね。
彼女は失意の中故郷へかえってしまったのね。
ちょうど同じくらいの頃、後輩には転勤の辞令が出たのね。受けようかと思ったのね。
そしたら彼が彼女とは別れたから一緒に金を溜めて独立しようってささやいたのね。
純情だった後輩はいちころ。
会社を辞め、彼を支えたのね。
つくづく馬鹿な女だと思うわ。どう?
結局スグ独立するチャンスが訪れて、2人はめでたく結婚したのね。
3年経って計画妊娠。生まれたのは女の子。
ほら、遊んでる人は最初に女の子が生まれるって言うじゃない?
その後彼は今までの自分の悪行を経験に、徹底的に厳しく育てたんだって。
娘。もうじき32才。婚約破棄。
「トモ。お前はなんてふしだらな女なんだ!情けないぞ!!」
うるせぇオヤジ。
*******************************
追伸:お父様へ。
我が家にはオリンピック疑惑というものがあるのご存知かしら。
4年に1度ほどの間隔で、4月に1本の電話がなるのです。
お母さんが取るとね、女の声で
「おたくのご主人浮気してますよ。」
って一言いって切れるんだって。
私が5歳くらいの頃最初の1本がかかってきて、お母さん半狂乱になったの覚えてらっしゃるかしら?
その後お母さんもなれちゃって。
最近かかってこないんだって。ちょっと寂しいらしいよ。
もうモテないんだね、パパ。
トモも少し寂しいよ。
2003-04-23 (水) 春だから。 [長年日記]
■ ミンナダレカヲサガシテル。
おえーっす。おえーっす。
イヤ。ごめんなさい適当で。いやほんと。
最近なんか、ほんと適当さに磨きがかかってきましたよ。あれ?なんかへんくね?
えー、適当さに適当に磨きがかかてきましたよ。ま、こんなもんか。
あれかなぁ、五月病だなきっと。仕事したくありません。年中。五月病じゃねえじゃん。(お約束)
先日、久しぶりにキョウちゃんと、その後輩のお嬢さんとで飲んでまいりました。
1人はキョウちゃんとはいえ、女子率高いのは楽しいですね。
後輩ちゃんも芝居をやっていて、なんかほら、カワイイどころの役しか来ないってイキオイの可愛さでしたよ。
砂糖菓子みたいに甘ったるいの。匂いと声が。
キョウちゃんが後輩と飲むのに、何で私を呼んだかよく分かりましたよ。まあ、もてあましてるんですね。実際。
「トモ吉さんって楽しい方ですね☆おねぇさまってお呼びしていいですか?」
会って5分。
いやいやいやいやちょい待てや。
「ね、おねぇさま☆」
「マジかんべん。」
キョウちゃんがマンガみたいにビールを噴出しましたよ。私の即答に大ウケ。
ひどーいとか言いながら、ほっぺをふくらませてますよ。アヒルのお口で。
おいおいおいおい、誰かこの絶滅寸前の生き物保護したれや。
え?もう26才なの?
おいおいおいおい、誰かこの天然記念物剥製にしたれや。
「私ね、こんなしゃべり方だから子供っぽく見られちゃうんですよ☆」
「つか無駄にアニメ声?」
またもやキョウちゃん大噴射ですよ。お。楽しくなってきましたよ。
「アタシね、人よりテンポが遅くて・・よく天然って言われるんです。」
きたきたきたーーーッッッ!!!
私自分で自分の事、天然とか、例えるなら猫?とか言う女性、大好物なんですよ。
そうですかそうですか。
「ふーん。ちなみにミサ(仮名)ちゃん、動物に例えるならナニかな?」
「よくネコっぽいって言われるんです。気まぐれなんです。」
ひゃーくてーん!!よくできました!!
「束縛されるのはイヤなんですけどね、でも寂しがり屋なんです。」
よっしゃーッッ!!2ポイントアップ!!!
「よくかわってるって言われちゃうんです。」
うわー!!一気に30ポイントアップだよ!!
つかよくこんな完全体残ってたよね。
「うんうん、そうだね。ミサちゃんはネコだね。気まぐれな血統書つきのネコってとこかな?」ニコニコ。
「・・・っていうかぁ、誰にもなつかないイリオモテヤマネコっていわれるんですよ☆」
ダレダーーーーーーッッ!!!!
そんなおもろいこと言ったやつはダレダーーーー!!!!
神だよ神ッッ!!!そいつ神ッッ!!!サイコー!!!
キョウちゃんは聞きなれているらしく、目をキラキラさせる私をみてウケていました。
しかし、これは出来すぎだと思うんですよ。やつも一応女優の卵。これは演技なのか?それとも罠なのか?
出てきた櫛切りのトマトを口に運びながら一言。
「私ね、口が小さいから入んないんですよ☆」
すごいな。これ。
イヤ、実際口も小さいんですけどね。なんかコレ、もって帰りたくなってきましたよ。
まあ私の口はムダにでかいので、小ぶりトマトなら一口なんスけどね。
なんだか私の心に、さっきとは違う、本当に暖かな小さなあかりがポっと灯ったような気がしてきましたよ。
コレが愛おしさというものなのでしょうか。イヤマジで。
漫画みたいに口の端にケチャップつけてますよ。可愛く感じてきましたよ。
親指でぬぐってやったら、こやつ。あん☆とか言うんですよ。いや、マジスゲーな。タミヤ製かな?
キョウちゃんが外にちょっと電話しに行ってたんですよ。
ミサちゃんがね、なんかこれからもまた飲んでくださいって言うんですよ。
うんうん。そうかそうか。ヨシヨシ。
携帯の番号?いいですよ〜。あ、ミサちゃんのプリクラ、携帯に貼ってくれるんですか?勝手に?
いやいやいやいや、もったいないからいいですよ。え?いいの?
あーもー、そんなアヒルのお口しないしない。ん?意地悪?私?いやいやいやいや。
すねないですねないで。ね?・・・ん?いやいやいやいや嫌いじゃないですよ。むしろ面白いし。
ホントホント・・・。・・・え?指キレイって?ああ、ありがとう、指だけは褒められるんですよ。
いやいやいやいや、そんなそんなオーバーな・・・。・・・・・。え?ああ、確かにミサちゃん肌キレイですね。
え?ああ、ほっぺツヤツヤですね。いやもう、触ったよ、分かったよ?え?ほんと触ったよ?え?
じゃあ・・ほら、ツヤツヤだね・・・え?私手が冷たい?そうですかそうですか・・・・・
・・・・・・・・・。
・・・あのさ・・・なんかさ・・・これってちょい変くない?
いや、ほら・・・そないに指絡めてる女同士もどうかなって・・・ね?
え?いやいや、そんなイヤとかそおいう事じゃなくて・・・なんつーの?・・・あー・・・
ほらほらそんなアヒルのお口しないしない・・・えー・・・キョウちゃん遅くね?
えー・・・・
・・・・・・・・・。
キョウちゃーん・・・ヘルプミー・・・
一気に酔いが覚めましたよ。
携帯は悪いけど着信拒否。
ほら、私めんどくさがりだから・・さ。
イヤ、ホント、かんべんな。
イリオモテヤマネコをこの目で見ましたよ。私。
まだまだ世界は広いね。
2003-04-24 (木) ギリギリやばいかな。 [長年日記]
■ まあいいや。コレは冗談です。妄想でやんす。
なんかね。
生きてるうちで、ほら、何回か自分の事ヤダナーって思ったり、
今この現状ちょっとヤダナーって思っちゃうことってあるじゃないですか。
なんか、これははたしてどうよ?みたいに疑問に思っちゃうこと。
まあなければ無い方がいいんですですが。
私は恋愛で自分がイヤになった事と、仕事がイヤでイヤで仕方が無かった事が1回づつあるんですよ。
ほら、恋愛はしょっちゅうウダウダ言ってるので、本日はちょっとお仕事の話でもしようかと思います。
ジョブよジョブ。今日はほんのりジョッバーな気分なんですよ。(適当)
最近の私しか知らない方々は、私のことをきっとソリティア・マスターとか、フリーセル・番長とか、マインスイーパー・奉行とか思っているかもしれませんが。
私だって昔からプロの給料泥棒だったわけではありません。
それには汗と涙の日々があったんですよ。多分な。
私が東京に出てきた理由の一つは、オヤブンの会社の支社を東京に出す事でした。
東京支社といっても別会社なんですがね。
オヤブンが既に持つ会社の東京支社を作り、そこを拠点に活動して資金を集め、
別の会社を株式会社で作るという計画でした。
東京支社といっても正式社員は私とオヤブンと川辺さん。3人だけ。
その他はフリーで出入りするライターが2名、カメラマンが2名、そしてバイトが1名というかんじでした。
川辺さんはじつに優秀なデザイナーさんで、某サーキット場の宣伝デザインとか、メジャー小洒落冊子のデザインとか、
個人的にも多忙な人です。
デザインの腕もさることながら、使うコピーや写真までこなしてしまう、まさに1人で3役こなす戦力でした。
オヤブンという人は。
その性格とか、人生とか、思わず目を背けたくなる部分で出来ているような人ですが、
この人は私が今までの人生で、あ、この人天才だ。そう思った2人のうちの1人でした。
ちなみに1人は私が学生時代からの恩師で、某テレビ局の偉いさんに異例のスピード出世をなさいましたが、
この方は正統派な頭の切れる方でした。
オヤブンは又少し違ったタイプで、そうですね、天才詐欺師といったほうがぴったりきます。
オヤブンを見て思いましたよ。あ、こおいうヤツが神様なんか信じてないくせに教祖とかなって大もうけするんだろうなってね。
オヤブンの才能は大きく分けて3つ。
1つは企画力。
なんてこと無い企画を話していくうちに、サブの企画も次々と思いつき、気がついたら色んな企業、人を巻き込んだでかいイベントになってるなんてしょっちゅうでした。
しかもリスクを恐れない子供のような部分がありましたから、参加者たちも、実はこんなイベントやりたかったんだと共感して盛り上がっていきます。
コケたこともありましたが結構打撃は軽く、逆に成功すると金額てきにというか、知名度的にものすごくアップするものばかりでした。
オヤブンは金よりも、そういうのを東京で築きたかったようです。
2つ目の才能は、その企画力をより魅力的に見せる独特な企画書。
私は多分たくさんの企画書の中でもオヤブンの企画書は見分けられると思います。
ぱっと見分かりにくいんじゃないかと思われる図。
コレがものすごくフクザツに入り組んでいながら、実に分かりやすく的確に表現しているのです。
未だに5年前オヤブンの持ち込んだ企画と企画書を何回も焼きなおして、実行している会社を私は知っています。
そして3つ目は営業力。
これが一番すごくて、気がつけば皆オヤブンのペースに巻き込まれてしまいます。
オヤブンはどんな大きな会社にもTシャツジーパンで行くずうずうしさ。
50人を越すスーツ軍団の前でオヤブンただ1人そんな格好だったときはさすがに生きた心地しませんでしたが、
本人はケロリとしていました。
そしてそれが許されるあの空気こそ誰も真似の出来ない才能でした。
そして私に与えられた役。それは宴会部長。
酒飲んで皆と仲良くなるの。本当にコレだけ。
楽しそうでしょ。
楽しくねぇっつーの。
私たちの仕事の核は、いつもオヤブンの頭の中だけにあったんですよ。
その内容、今後の展開を、オヤブンは私と川辺さんだけに話します。
書類では相手に渡す企画書とか以外はほとんど残さないの。
川辺さんは頭のいい人でオヤブンの一番のブレンであり信者でしたから、
1を伝えると10提案してくるキレ者でした。オヤブンも川辺さんを信頼していました。
私は利口ではなかったので、全部理解はしきれませんでした。
でもそれでちょうどよかったのです。
私が出す一般人らしい素朴な疑問が、結構2人に刺激を与えるようで、
そこから話がどんどん転がっていきました。
形になりつつある企画はオヤブンの頭と、それでも入りきれない分はハイデオの中に。
ハイデオはオヤブンのパソコンで、開くパスワードと、オヤブンルームに入るための2重のカギは、
私と川辺さんには許してくれました。
パソコンに名前て・・・と思われるかもしれませんが、これにもちゃんとイミがあって。
オヤブンといるといつもスパイごっこをしているような気分でした。
オヤブンは他の会社に行くときは、必ず私を連れて行きます。
私は何枚もスーツを買い与えられ、いつもキチンとするよう命令が下されました。
ラフな格好の隣で不釣合いにキチンとした私は変に目立ちました。
オヤブンと行動していくと、顔見知りの輪が広がり、私はよく食事に誘われます。
いつも午後10時11時まで仕事をしていた私たちですが、そんな時オヤブンは気味が悪いくらい気前よく早く帰らせてくれます。
東京に来て初めての企画を実行している頃。
共同に作業を進めてきている小さな会社の社長に食事に誘われました。
オヤブンにも、交流がお前の仕事だといわれ、とりあえず仲良く食事をしました。
事務所にもどるとまだオヤブンも川辺さんもいました。
オヤブンはニコニコしながらどうだったかときくので、いつもやっているように私もあった事を素直に話しましたよ。
ハイデオに向かうオヤブンの後ろから、この2時間ほどの事を事細かく聞かれたので、深く考えずに素直にね。
オヤブンの手が止まりました。
少し考えた後、川辺さんに何事が指示が下ります。
翌日出来上がってきたポスターの共催社名から、その会社の名前が消えていました。
驚いてオヤブンに訴えたのを覚えています。
私が何か言ったから?いい人だったよ?オヤブン、あの人今度の企画に社運をかけてるって言ってたよ!!
オヤブン、オヤブン、社長、先月赤ちゃんが生まれたばっかりなんだよ!!
騒ぐ私を驚くほど冷静に、それがどうしたといわんばかりの目で見ながらオヤブンは言いました。
「社運かけとるんはそこばっかりとちゃう。ウチもかけとる。みんなかけとる。
ヌルいこといちいち言うな。」
その後その会社はこの業界からあまり名前を聞かなくなってしまいました。
この事が決定打かどうかは知りませんが、影響を与えたのは確実です。
これが私の最初の仕事でした。
いつも私は会議の間中、親分の隣でメモを取るように言われます。
誰がどんな発言をしたか。どんな席順で、誰と誰が親しそうか。又は逆か。
オヤブンの商品は企画です。
皆その企画の今後の展開はなにか探りを入れてきますが、オヤブンを分かってくるとそれが危険な事だと気がつきます。
逆に探られてしまうのがオチだからです。
そうなると、まわりはオヤブンじゃなく私に接触してきます。
そして私はなるべく他の会社の飲み会に接触し、社内の飲み会にも参加できるよう入り込んでいくのです。
入り込むのは結構簡単でした。酒好きだし。宴会好きだし。初対面の人たちばかりでも人見知りしないし。
仕事の事を聞かれると、よくわからないとのらりくらりと逃げます。
実際分からない部分もあったので簡単な事でした。
後は皆が仕事についてもらす話を聞き逃さず、その日のうちにオヤブンに報告するのです。
ある時ある会社の若手社員から、色々な会社の若手が集まる会に誘われました。
皆で成功しようぜ!!みたいな胡散臭い自己開発セミナーとマルチを足しで割ったような会でしたが、
驚いた事に参加者は、25歳〜35歳くらいまでの、優秀で有名大学を出て、私たちのいた業界ではそこそこの会社に入ったような人たちが大半でした。
その人たちが、お互いの毎日を腹を割って話し、よりお互いを向上させるべく熱く助言しあっているのです。
びっくりしましたよ。こいつらバカかと。
だって、それってお互いの会社の内情を曝露しあうってことでしょ。
まあ私もちゃっかり楽して色んな事が聴けたからよかったのですが、どうやら主催者も結局それが目的らしく、
その後半年ほどしてその会の噂が広がり、慌てた会社の人事によって参加者のリストが探られ、
参加していた若手たちは軽くても出世から見放され、酷い場合はクビにまで追い込まれたそうです。
この事件で業界激震。
どうなってるんだ日本。
女子社員とも仲良くなるのも大切なお仕事です。
女子社員との飲みは、社内の人間関係を探るのに欠かせないものでした。
テレビやドラマ以上に、彼女たちは噂話に敏感です。
そして男子社員よりもっと冷静で、皆で向上しようなんていう胡散臭い集まりにも全くの無関心で、食えない軍団でしたよ。
そんな時にはオヤブンの後輩のサーファーを引き連れて合コンもします。
女子社員と手っ取り早く親密になるには、お互い共通の知り合いでおこる恋愛事情。
これについて語るのが一番の近道でした。
私の東京での仕事は。
疑似餌の形をしたチクリ屋だったんです。
私たちはある企業と組んで大きなイベントを立ち上げました。
オヤブンのねらいはもちろんイベントの成功とその後の継続。そして出資。
そしてそのためにいよいよ自分たちの会社を立ち上げる事。
その企業は出来てまだ10年程しかたっておらず、社員もまだ若く、でもイキオイのある会社でした。
そして実際に1部上場企業となったのです。
私が驚いたのは、そんな企業でも内情は結構ずさんだったりするものです。
イキオイがあればあるほど、組織編成が追いついていないのです。
1部上場企業となる直前の2年ほどは、まだ内部も移動が激しく、誰もが大切な社内情報を持てず、しかし誰もが簡単に見るチャンスもあったのです。
そしてそれがどれほど大切な事かも自覚できていないほど、社内の教育は行き届いていませんでした。
ある時オヤブンは、どこからそんな情報を仕入れてきたのか、私にその会社の経理の関さんと飲みに行くよう指示しました。
関さんのカバンに書類を入れた社名も何も入っていない茶封筒がある、その内容を送るように言われました。
そんな封筒分かるのかと不安になりました。つか、それって泥棒じゃないの?
焦る私にいつになく、オヤブンと川辺さんはがんばれと力強く送り出してくれました。
幸い関さんは、私たちがクライアントと食事をする時によく使うある店をとても気に入っていました。
小さな小さな店ですが、隠れた名店で、アルバイトのAちゃんは関さんの大のお気に入りでした。
そしてオヤブンの息が店員にも店にも行き届いていました。
関さんをそこに誘うと即OKが出ました。
呆れた事に、オヤブンはその作戦の何日も前にその店にFAXを取り付けていたのです。
つまり、その茶封筒の中身をそくFAXしろという事なのです。
無理。出来ない。
嫌がる私に2人してニッコリ微笑みながら、ダイジョーブ、トモちゃんなら出来るよといってくれます。
ちなみに失敗したらどうなるの?
え?その会社からいっきに見放される?イベントも当然中止?
ムリムリムリーーーーー!!!
オヤブンも川辺さんも、まあダメになったらなったで別の方法考えるからいいよと気軽です。
しぶしぶ私は関さんと食事に向かいました。
茶封筒は、すぐに分かりました。分かりました・・・けど。
書類、50枚くらいありそうな勢いです。カバンの中で目立ちまくってます。
これじゃあ家庭用のムリムリ動くFAXじゃ、結構な時間を費やします。
あらかじめ店の子と打合せをしてお荷物預かります作戦に出たのですが、
関さんは貴重品とその封筒だけ丁寧に自分の背中とイスの背もたれに挟んでいます。
あー・・・もうだめだ・・・。
さっそくオヤブンに電話で報告。
飲み始めて10分もたたない頃、オヤブンから荷物が店に届けられました。
同じ茶封筒。中身は破棄する予定の書類。
つまり入替えて、その間にFAXしろというわけです。
簡単なことですが、でもばれたら書類の内容で私たちだと一発でバレてしまいます。
最低2回はトイレに行ってもらわねば。
関さんを飲ませ飲ませ飲ませまくり、トイレに立った瞬間に封筒の中身を入れ替え。
コレが、たくさんの資料を無理やり入れた封筒だから焦るとうまく取り出せないし、かわりの書類も入んない。
封筒も用意したのと微妙に違う(封筒に走り書きとかしてやがんの)から破れたら大問題。
うまく入替えてFAX開始しても、すり替えている最中気付かれたらどうしようとヒヤヒヤし、
ちょっとでも書類の確認をしようと後ろ振り返るたびにバカ話をしてひきつけて、
なかなか次のトイレに行かない事にイライラし、
やっと全て終了したときは、本当にイヤな汗かいてましたよ。
書類の内容はよく分かりませんでしたが。つかみたくも無くて。ほら、見たら自分のしたことの重大さを知りそうで。
結局何だか知らないまま、私たちは数千万の資金と、まんまと株式会社を立ち上げたのです。
もちろん私のFAXした書類だけのおかげではありませんが、それでもオヤブンと川辺さんは、
あの書類が無かったらヤバかったな、もっと時間かかってたなとか言い合ってました。
そのせいかどうかは知りませんが、関さんは次の移動でなぜか遠くへ。
もともと愛社精神のない彼はアッサリやめてどこかへ行ってしまったそうです。
そしてこれも後で気がついたのですが、あの時すり替えように使った書類。
あれはどこから手に入れたのか、関さんの会社で裏紙利用に出されていた破棄用書類だったのです。
最初からばれてもばっくれるつもりだったのです。
それなら先に言ってくれと怒る私に、それぐらい危機感ないとお前きばらんやろと言われました。
もう。イヤ。
あの頃を思い出すと。
今は正直フツーの事務をフツーの会社でコツコツと繰り返すだけなんですが。
それで大きく儲けなくても決まったお給料が、遅れることなく私の元に振り込まれるのです。
ああ・・・幸せ。
オヤブン達との毎日は、刺激的で、楽しくて、辛くて、胃が痛くて、毎日がジェットコースターのようでした。
今もたまに手伝うんですけどね。もう毎日は精神的に持ちませんよ。まじで。
たまにオヤブンから電話が入ります。
私がいた頃の取引会社の担当が、今ちょうどいいかんじに育って上のほうになってきてるので、
ちょっと飲み会に参加してくれという内容です。
オヤブンの元には今、女性2人と男性4人が修行しています。二束三文で。
もう。マジ宗教ですやん。
たまに事務所によると、新人君たちがいぶかしげな顔をします。
自己紹介をすると、ああ!あの!とか言われます。
オヤブン、オオノ。あんたらまたなんか余計な事吹き込んでるな。
事務所で私の使っていた部屋(個室)は、今は誰も使っておらず私が使っていたままになっています。
たまに行くとそこで作業するのですが。
この前行くと机の上にダンボールに入ったエロビデオがつまれていました。
ソッコーオヤブンとオオノを呼びつけ、撤去させました。
また新人君たちがおお!とかいってます。
強くなってください新人君たち。私のように壊れないで。
人間としての大切なものを、私達のように金で換算しないで下さい。
# 6-30 [事実は小説より奇なり。トモ様の人生は、妄想を実現する所にあり? 平凡なサラリーマンに憧れるのも納得。 32回目のお誕..]
2003-04-28 (月) ハッピーバースデー私!! [長年日記]
■ バンザーイ!!(←ヤケクソ)
毎年恒例。
誕生日の前日に、私の人生設計を改めて見つめなおしてみたいと思います。
つか、もうそんな行為無駄を通り越してむなしさすら感じまくってますが。
いいんだ。もう諦めたおまけ人生じゃないの私。
そんな悟りを開いたようにすら見える諦めの目で、私の人生、そしてこれからの抱負なんかを考えてみたいともいます。
えー、毎年嘆いているように、やっぱりエレガントな31才になりきれませんでした。
あー。終っちゃったよ。
いやいやいやいや。だめですよ。負けちゃダメ!!
そうだ!自分に自信が持てないときは、人から褒められるのが一番!!
そんなワケでチンピラオオノにお電話ですよ。モチモーチ。
「もしもーし。アニキっすか?」
「あ、モー娘。新規メンバー養成事務所ですか?」
「ああ、新規メンバーのトッチーですね。おつかれさまです。」
「おつかれさまです。ってゆうかぁ、トッチー、衣装ピンクのイチゴ柄がよかったなぁ。」
「じゃあトッチーあと10キロダイエットしてみようか。」
「あ。トッチー、中間テスト始まるからレッスンお休みしマース。」
「つかアニキ、いい加減大人になってください。」
「わりぃ。」
「なんの用っすか。こう見えて今日は忙しいんすよ。」
「あのさあ。私のいいところってどんな所かなとおもって。
ざっくばらんに言っちゃって☆アハ☆」
「お!それは難しそうなとんちですね!!よーし、ちょっとまてよー!!」
「ちょっと待てや。なにがとんちやねん。真面目な話やっちゅーねん。」
「お!!ますます難しいですよ!!よーし、ちょっとまてよー!!」
「あるやろ。おい。腐るほどあるやろ。あぁ?」
「あ!チンコでかいところっすかね!」
「つか、ないから。フツーにないから。」
「嘘つき☆ご自慢のわんぱくチャッキーはお元気ですか☆」
「うわぁ・・。ちっさそうな名前。」
「まあわんぱくもほどほどに。じゃあおつかれーっす。」
ガチャン。ツー・・ッツー・・・
あのアフロ。マジ役たたん。あんな役に立たない生物もめずらしい。
もうね、空気吸わせるだけでももったいないですよ。
おまえ吸うな。マジ空気吸うな。
いや、吸うならアフロで光合成ぐらいしろ。もしくはアフロで空気中のホコリとれ。とりやがれ。
あー。
なぜこんなレディになっちゃったんだろう。
そうだ。楽しかった事をおもいだそう。(←マッチ売りの少女現象)
小さい頃貰った誕生日プレゼントってなんだったっけ。
・ドッチボールのボール(しかも青)
・グローブ
・ローラースケート
・・・なんか微妙に違うな。
もっと女の子らしいのおねだりしなかったっけ。人形とか。
うー。
あ!した!しましたよ!!
たしかお父さんに、もっと女の子らしいものないのかと聞かれて、その頃女子に大人気だった【小枝ちゃんと木のお家】貰いましたよ。
そうだそうだ。本当はあんまりほしくなかったんだけど、本当はおもちゃのヌンチャクが欲しかったんだけど、言ってみたら親が異常に喜んだからまあいいやって思ったんだ。
妥協したんだ!!
なんかね、木の形した家なのな。木のてっぺんを押すとガっとひらいてお家がでてくるの。
でね、木の幹のところが手でカタカタ回すと上り下りするエレベーターになってるの。
そうだそうだ。
最初の30分くらいは遊んでみたのね。でもさ。飽きるじゃんそんなのって。
で、弟の超合金ロボ、エレベーターに押し込んで無理やり回したらつまっちゃったんだ。
そうだそうだ。つまってとれなくなったの。
もうその時点でやる気ゼロだよね。
で、それでも【小枝ちゃんと木のお家】で遊ばないと悪いなと思っちゃうような、気を使う利発なお子様だったわけよ。
で、それつまったまま公園もっていって、でもつまってるから遊べないよね。
で、最後は滑り台の上から滑らしたんだ。
木のお家はイキオイ良く滑り台の上を大回転して、砂場に激突。
砂が詰りまくって、木のてっぺん押しても開かなくなっちゃったんだ。
そうだそうだ。思い出したよ。
【小枝ちゃんと木のお家】。その命わずか3時間。
さすがに隠してたんだけどお父さんにスグばれて怒られた。
遊んでないのを目ざとく感じ取られて、持ってきてみろっていわれたの。
持っていって、箱から出したら、すごい勢いで砂が床に散らばったの。
パパ激怒。ママ激怒。
木のお家。漂流教室なみ。
親もまさか初日で壊すなんて思ってないよね。しかも砂がざらざら出てくるなんてさ。アハ☆
だめだこりゃ。
人生。たぶん4歳くらいからやり直さなきゃおっつかないかも。
そういや、【小枝ちゃんと木のお家】ってシルエットがオオノに似てるな。
あの形は鬼門なんだな、きっと。
なんだ。じゃあ私悪くないじゃん。
もういいよ。エレガントなんていらねぇよ。
# マワル [4歳からやり直してもアレかと、「三つ子の魂、百まで」って言うし。 エレガントな33を目指してください。 飽くなきチャ..]
# コイズミ [ソ連みたいに五ヵ年計画とかそういうスパンで考えた方がいいんじゃないかな、って思いました。]
# 6-30 [最近30台の女性がお疲れで、40台の女性の方が元気ハツラツ若く写るんですよネ。ということで10年計画にご協力したいで..]
# (・ε・) [どいつもこいつもお誕生日コメントがこれかよ。]
# (・e・) [みんなまとめてラッキーポイント没収!!]
# 6-30 [仕事中に自分の日記をチェックするのも余裕だけど、年齢なんて関係ないような魅力を備える方が先決?内心が表面に出て来るか..]
# マリ [お誕生日おめでとぅゴザイマス。えーっと、エレガントじゃなくてもステキだからいいんじゃないかと。。]
# 浅野 忠信 [こえーだちゃんと、きのおうちー♪「小枝ちゃんジャンボマシンダー」を購入すると抽選で「木のお家」(実物大)があたります..]
# (・ε・) [マリちゃんだけいいコ!!マリちゃんだけムニのラッキーポイントあげりゅ。]
# (・e・) [後はまとめてチョウジンパワーくらえ!!ムイムイムイムイ・・・]
# 6-30 [のれそれ、ポン酢もいけます。白子ポン酢。生ホヤ貝。 この2週間のうちに食べた中で、日本酒にあうおつまみのベスト3 月..]
# 浅野 忠信 [良く焼きます。何処へいってもウェルダン。焦げるくらいにウェルダン。タレです。コチジャンたっぷり。肉汁がタレに混ざれば..]
# (・ε・) [アノネ、のれそれ食べ損ねたの。その分間違って2人前も寿司食ったの。]
# (・e・) [浅野君泳げないんだ。ふーん・・・・クスッ]