チナウ
2004-06-01 (火) 信じる事が出来るのか。 [長年日記]
■ 心理戦。
散歩の休憩にぶらりと立ち寄った町の飲み屋。
暮れ行く時間にまったりしながらビールを飲む平和な私と彼。
そこに大柄な人たちが団体で入ってまいりました。どうやら町の野球チームのようです。
力自慢のようなお兄ちゃんが、大声でビールを煽っております。すでにお酒が入っていたのか、少々はしゃぎすぎです。
負けずに私も悪ぶりたくなるお年頃。
「うるさいなー。でも強そうだね、あの人たち。」
「そうだな。大人しくしててくれよ。」
「ここでさ、クルミとか2つ持ってクリクリしてたら強そうに見えるかな。」
「ははははは。」
「目の前でバシッっと割って見せたら一目置いてくれるかな。」
「それぐらいじゃ無理だよ。」
「クルミ割るんだよ?!バシっと!びびるべ。」
「クルミぐらいあいつらでも割れるよ。」
「はぁ?!!うそん!!」
「俺も割れるよ。一つじゃ無理だけど、2つ持ってなら割れるよ。あれ、コツがあるんだ。」
「うそだ!!あれ割れるのは、西部劇に出てくる皮のベストから胸毛はみ出させてるマッチョデブだけだよ!!」
「その例え、具体的なのかそうでないのかサッパリ分からんな。」
「割る所なんか見たこと無いよ!」
「やらなかっただけだろ?信用しねぇのかよ。じゃあ賭けるか?」
「いいよ!何賭ける?」
「フフフフフ・・・。」
「!!!!!」
こんな時の彼は、アンタそんなんお母さん聞いたら泣くで的な、汚い大人テイストたっぷりのリクエストをたくらんでいます。恥ずかしげもなく。
まてよ。本気なのか?
「どうするよ。出来たらなにしてくれんの?」
「えーっと・・・あー・・・・ 惚れ直す?」
「いらん。」
いらんて・・。
しかし本当なのでしょうか。彼は昔割った事があると豪語しています。
コレは賭けに乗らぬが吉なのでしょうか。
「でもなぁ、あの頃は若かったから筋肉あったけど、最近まったく運動してないから握力すごく落ちたしな。」
「・・・・・。」
「自分でも分かるよ。まったく力が出ないのが良く分かるよ。」
「・・・・・。」
「今はもう無理かもしれないな・・・。」
私の中で、散歩の途中物色したサングラスがグルグル回っています。
さっき彼にお見立てしてもらったあのサングラス。
給料日前だったから買わなかったけど、もし賭けに勝てば・・・あのサングラスは・・・。
「あー、コレで無理だったらかっこ悪いよねー。」
サングラスサングラスサングラスサングラス。夏に向けてのサングラス。ボクによくあうサングラス。(歌?)
「・・・で?割れたら何してくれんの?なんなら割れるって方に賭けてもいいよ。」
・・・・・・・・。
イチかバチか。のるかそるか。
そんな感じで悩んでいたのですが、あまりにもリサーチ不足です。
とりあえずその場ではお酒を大量に飲ませうやむやにしました。
本当にヤツはできるのか?それともハッタリか?
サングラスか?それとも・・・・・
とりあえずこっそりクルミを買って、こっそり自分でリサーチしてみようとスーパーへ。
しかしここで新しい障害が。
たけーよクルミ。
新幹線の構内で売ってるミカンのネットみたいなヤツ、アレに沢山入って1000円。
つか、そんなにいらないよ。2つでイイの、2つで。クルミ割大会開けるよコレじゃ。
こっそりスーパーで握ってみたクルミはやっぱりかたくて。でもコツがあるといわれれば、なんか割れそうな気もするし。
会社の人に聞いても「やったことない、どうでもいいから仕事しろ。」みたいな愛の無い薮蛇状態だし。
ト 「ねえねえ元木さん、クルミ2個片手で割れる?」
元 「わけわかんねぇこといってんじゃない・・・あ!!銀のエンゼルだ!!」
元木さんの手に握られたチョコボールには、キラリと輝く銀のエンゼルが。
ト 「あ!!銀のエンゼルだ!!!」
元 「ヤッタ!!銀のエンゼルだ!!」
ト 「はじめて見た!!コレが銀のエンゼルなんだね!!」
元 「そうだぜコレが銀のエンゼルだぜ!!」
ト 「ワーイ!!」
元 「ワーイ!!」
部長 「銀のエンゼルあたったの?!ボクさぁ、金のエンゼルの当て方知ってるよ。」
元 「ほんとっすか?!!教えて下さい!!」
部 「前にネットで見つけたんだ。探して印刷してあげるよ。」
元 「ヤッタ!じゃあ帰りに又チョコボール買おう!!」
ト 「ヤッタ!じゃあ私も帰りにチョコボール買おう!!」
部 「じゃあ今日は記念すべきチョコボールの日だね!ボクもうれしいよ!」
心が一つになりました。
帰りにスーパーに寄って帰ります。
私子供の頃憧れてたけど一度も当てたことなかったもんな。大人になって叶う夢ってステキですよね。
やったね!
・・・・・で、何の話でしたっけ?
■ そんな職場。
生理痛の為昼出勤のかわいそうな私。フラフラ。
元 「やぁ、飲みすぎさんが出社だよ!!飲みすぎさんが出社だよ!!」
平 「絶対二日酔い。」
ト 「こんなにフラフラな私を見てよくそんな事がいえますな。」
元 「つか、出勤してきたホステスみたいだな。」
平 「昼にダルそうにしてるホステスみたいだな。」
ト 「きぃみぃたぁちぃ・・・・・(痛さの為腹に力が入らない)」
主任 「あ!トモさんおはよう。大丈夫?」
ト 「さすが主任・・・人の上に立つ人は優しい心配りが出来る人ですよね・・・」
主 「はい、これお見舞い。ウフフ。」
手に乗せられたのは小さなキャラメル。黄色いヤツ。
別に甘いもの欲しくなかったけど、その優しさが嬉しいですよ。
ト 「ありがたく頂きます。あーん。 !!」
主 「おいしい?」
ト 「・・・酒カスの味がする・・・・・」
机の上に、そっと箱ごとキャラメルを置いて立ち去る主任。
穏やかな草食動物のような微笑を残して。
キャラメル 〜サッポロビール黒ラベル味〜
・・・いじめだ。
2004-06-02 (水) 朝のすがすがしさで [長年日記]
■ 一日の仕事量が決まるような気がする。
微妙に二日酔い気味で出社。
一番に元木さんの前でガッツポーズ。
ト 「二日酔いなのに休まなかったよ。な。私は二日酔いじゃ休まないんだよ。」
元 「当たり前だ。」
ト 「今度から休む時は体調が悪い時だからね!!」
元 「酒でな。」
ト 「だから違うって!!」
もうだめ。あいつサル以下。話全然通じない。
プリプリしながら買って来たお茶を、二日酔いの喉の渇きに任せてイッキのみ。
ブーーーーーーーーーーッッッ!!!
元 「うわっ!!汚ねっっ!!」
だってだって・・・・【旨茶】って書いてあるのに・・・緑茶って書いてあるのに・・・・砂糖が入ってたよ・・・。
甘さほんのりカロリーオフってなんやねん。
おかげでえづきかけましたよオエー。
ト 「加藤君、飲む?まずいけどいる?」
加 「もらえるものは頂くっす。」
加藤君は毎日1リットル入りのお茶やジュースを3パックは飲むというツワモノ。
会社の飲み会でチェーンの居酒屋に行ったときも、皆がまずビールを頼むなかカシスオレンジをチョイス。
飲めないのかと思いきや、その店のカクテル系ドリンクを全て制覇してしまい、もう一度最初のカクテルから呑みなおして1週半した男。
うん、全部で20種類以上あった。
酒が強いとかそれ以前に水分取りすぎ伝説を持つ、身長190近くある頼れるダイダラボッチ。
えづくわたしにひるまずイッキのみ。すがすがしいね。
ト 「どないや。」
加 「まずいっすねー。」
そんな爽やかな朝でした。
仕事?したよ!したした!
■ そしてクルミ勝負。
昨日の更新を終えてすぐ、先生からメールが。
Subject: クルミ割り なんて簡単です! 賭けはしないほうが…絶対不利です。 てかカレ手ェデカイし、3つくらい一度にいきそう。
ありがとう先生!!そういう情報が欲しかったんダスよ!!
ウチの彼と微妙ホモ疑惑もあるのですが、やっぱり私の気にしすぎでしたね。ありがとうございます!
早速お返事。
Subject: Re:クルミ割り ありがとう先生!!助かりました!!! そろそろ更新してください。
Subject: Re:Re:クルミ割り 更新は・・・・・
やんわり拒否ですか。相変わらずカッコイイ放置っぷりです。
先生、もう過去ログ何回も読んでしまいましたよ。そろそろ新鮮な空気入れてください。
そんなわけで彼に賭け中止のご報告を。
「izmiさんが・・・・君の味方するなんて・・・・・」
いやいやいや。そんながっかりの仕方やめてください。
うん。ホモいから。
2004-06-03 (木) なんつーか。 [長年日記]
■ 年を感じる。
会社の新規取引先の商品を調べようと、その会社のHPを探してチェックしてたら新卒用求人広告のページがあった。
何気なくそのページを開いてみてびっくり、5年近く前数ヶ月だけ付き合った元彼の写真が載っていた。
なんか、本当にビックリした。うへー、転職してたんだ。
別れた人たちは当然消えていなくなるわけではなく、この東京の空の下どこかにいて当たり前なワケなのですが。
いやビックリした。風の便りに前の会社辞めたって聞いた時、なんとなく勝手に田舎に帰ったものだと思い込んでいた。(家庭環境が複雑な人だった)
なのにまだ東京にいたんだ。
しかも電話してるショットもあって、電話を持つ左手の薬指に指輪が。ああ、時がたったのね。束縛されることを嫌っていたあなたが、落ち着いたのね。
うん、薄情そうな薄い唇とか、仕事できそうに見えるメガネとかそういうのは変わってなかったけど、前の少し生意気そうな表情は消え、穏やかな大人の顔になってました。
私より2つぐらい上だったっけ。あれ。それすらも覚えてないや。
ちょっと変わった名前の人だったからすぐ分かったけど、名前載ってなかったら気がついたかな。正直自信ありません。私も薄情なもんだな。
なんかいつも忙しい人だったな。1ヶ月に2回は出張で、あっちこっち行ってた。
彼の会社は私の会社と関係のあるところ(同じビルに入ってたし)だったから、事情は痛いほど分かってたけどやっぱむかついてむくれた。
毎回あんまりすまなそうな顔はせず、でもきっちりお土産もって機嫌取りに来てたっけ。
私の家で彼がお風呂に入ってる間に、彼の携帯が元彼女の名を着信した。元彼女と彼は同じ会社だった。だから私はもちろん彼女の事もよく知ってる。
私は仕事の関係があるので、彼に付き合い始めたことを周りに絶対もらさないようにお願いしていた。めんどうやん。
結局この着信の事知らん顔してたら、私に何も言わなかったね。
私はその時、ああ、この人のことはあんまり信用しちゃダメだってなんとなく思った。
あの頃の私たちは一緒にいたいという気持ちと、もっと自由に遊びたいという気持ちが奇妙に同居している時期で、私の人生最初で最後の自然消滅というお別れになった。
お互いがお互いの事をあんまり好きじゃないのかな、あんまり好かれてないのかなっていう感じで、それを確かめるのはなんだかかっこ悪いような気がしてて。
まあ自然消滅したんだからそういうことだったんだろうな。
一番印象に残ってるのは、彼がはじめて休日私の家に遊びに来た日。夕方から私は近所のインド料理屋でのバイトが入っていて。
店は駅をさらに50メートルほど通り過ぎた場所にあった。たったそれだけの距離を送るって言いだして、なにいってんのって振り返った時に見た彼のテレ笑い。
普段クールだった人が、ものすごく恥ずかしそうに子供のように笑ってた。
うん。今の私があの頃に戻るなら、もっと上手にかわいがってあげれたのにね。
クールぶってたけど、本当は結構不器用な人だったのかもね。
驚いたのは、ときめいたとかではまったく無く、ましてや会いたいとかも思うはずもなく。
うん、昔コッソリやったイタズラが今ごろばれたような、そんなドッキリ感でした。
てれくささと気恥ずかしさってところでしょうか。
おひさしぶりですね。ご結婚されたんですね。
おめでとうございます。
ねえ、あなた。
私のこと好きでしたか?
私はね、好きだったと思いますよ。
忙しい日々を大切にすくい上げて
それでも一瞬で終った関係でしたね
お元気で
お幸せに。
2004-06-10 (木) ジェネレーションという名の。 [長年日記]
■ 僕らを隔てるにくいヤツ。
彼がアジカンを歌うのですが。
アジカンって、【アジアンカンフージェネレーション】って言うんですってね。
つまりはジャッキー世代って事?と彼に聞いたところ見事にスルーされました。
つまりはジャッキー映画をテレビで観て、コマーシャルの間にアチョーとか思わずやっちゃったことのある人たちのことでしょ?と、しつこく聞き返してみました。
それ君だろと言われたので、私はおもちゃのヌンチャク振り回してた世代だときっちり伝えておきました。
そこらへんの違いはスルーされがちですが結構重要ですよ。
あと深夜にやっていたヤクザ映画を観て、やっぱりコマーシャルの時にお母さんに輩入れて叱られるのも、関西の正しいヌンチャク世代です。ほんとかよ。
そうそう、輩入れる(やからいれる)というのがこちらでは通じなかったので補足させていただきますと、柄悪く相手を威嚇するような言葉遣いという長ったらしい意味を、関西ではスマートにさらりと、え?何か入れるの?ぐらいの会話の調味料感覚で使っております。
さて。
わが社ではいまダビスタブーム到来。
社内の人間で、いま牧場のお金がいくらになっただとか、強い馬が育っただとか言い合っております。
このゲームは前にもお話したとおり、自分で牧場を持ち、馬を飼ったり買ったり種を買ったりして競走馬を増やしていきます。
馬が強いとレースに出て賞金を稼ぐので資産が増え、又設備投資やいい種をかったりと夢を膨らませていきます。ま、せいぜい6畳ほどの部屋で一般サラリーな独身者がプレイしてるのですが。
又馬が弱いと、月々の馬のえさ代でどんどんお金が減ってゆき、現実に負けない切なさでしょんぼりするわけです。
このゲームにはもう一つの楽しみがあります。
馬が強くなると登録するシステムがあり、そうするとパスワードが発行されます。
このパスを同じダビスタ仲間に教えると、自分の登録した馬と戦わせたりできる、なかなか社交的な一面も兼ね備えております。
まあせいぜい6畳一間の社交場ですが。
そんなわけで、会社ではこのパスを教えあい、各々がおうちに帰って戦わせ、翌日は勝っただの負けただの言い合っているのです。
うちは彼がこのゲームをやっているので、ゲームにそんなに情熱の無い私はサッパリプーなわけですが、それでも会話には加わりたいお年頃。
元木 「ウチの馬つよくなったぜ。G1、3回も勝ったよ。」
トガ 「ウチもなかなかやるようになってきましたよ。」
トモ 「ウチだってすごいもん。なんかわかんないけど試合勝ってるもん。」
元 「試合ってなんだよ。レースだろ。ウソくせぇなぁ。」
トモ 「ホントだもん!!彼がやってるからよくわかんないんだもん!!
でももう50億近くたまってるもん!!」
元 「ほんとかよ。じゃあパスもってこいよパス!!」
そんなわけで今日も泣かされておうちへ帰りました。
しかし彼は彼で、自分の知らない人たちと戦わせても別に面白くないのか、私の訴えを真面目に聞いてくれません。
私 「強いおんましゃん登録してよ!!」
彼 「はいはい。もう少し強くなってからね。」
私 「今すぐ欲しいよ!!勝ちたいのよ!!」
彼 「勝つためには強くしないとね。」
この調子です。私の涙の訴えにもまともに耳を貸さず、悠長に酒飲んでます。
しかし、私の次の一言が、彼の心の琴線にふれる事になるのです。
私 「ビックリマンカードもたずに学校に行くようなモンだよ!!」
彼 「!!!」
私 「私だけ持ってないんだよ!!皆バトルしてるんだよ!!」
彼 「・・・それは・・辛いな・・」
私 「!!!
悔しいよ!!!ビックリマンカード欲しいよ!!!」
彼 「うん、それは悔しいな。
俺小学生の頃小遣いもらってなかったから辛かった。まあカツアゲ同然でクラスのヤツのカード取り上げてたんだけど。」
私 「強いカード出してよ!!!」
彼 「わかった。強い馬作ってやる!!」
私 「スーパーゼウスカードにしてね!!」
彼 「分かった!」
こうして彼は、強い馬を2頭作り上げ、無事登録を果たし私にパスワードを書いてくれました。
しかも馬券を買うカードの裏にパスを書きなぐるという本物ぶり。
彼もニコニコしながら、コレでいじめられないだろう、肩身の狭い思いをしなくていいだろうと安心しているようです。
私も会社でもハブられず仲良くやっていけます。
うん、うれしいです。
嬉しいんですが。適当にあやふやな記憶で言った事が驚愕の事実を私に突きつけました。うん。微妙にショックです。
私ビックリマン世代と付き合ってるんだ!
切腹!
# 浅野 忠信 [自業自得。ビックリマンカードどころかキン消しも知らないよ。せいぜいスーパーカー消しゴムだよ。画鋲を裏につけてBOXY..]
# (;´Д`) [ちょっと待ってみんな!ビックリマンは、カードじゃなくてシールだぜ?]
# (・ε・) [うるせぇっっ!!カードだかシールだかしんねーけど、あのサクサクチョコウエハスはうまいんだ!!]
# (・e・) [(;´Д`)←なんて、若ぶってっけど、ポケモンの話してても35歳に間違われたくせに!!]
# pino [チョコだけじゃなくてアイスもあったんだぜ!しかもそのアイスがくそマズかったんだから!!!]
# (・ε・) [あっ・・・アイスがあったなんて・・・!!!]
# (・e・) [驚愕の事実ですよヘッドロココ様・・・(ってひといたよね?)]
2004-06-14 (月) 色々な意味で。 [長年日記]
■ 分かる人にしかおもんない話。
ボクタチは確かにビックリマン世代ではなかった。
でもボクタチなりの素晴らしい時代だってあったのだ。
ビックリマンとか、ポッケモーンとか、あれは結局財力の勝負なんだ。
カードを買って、バトルという名の一瞬で終るなんか、ピ!とかプ!とかで勝負が決まる。
歯医者の息子に所詮化粧品屋の娘は勝てない仕組みになってるんだ!
そんな切なさを抱え、自分たちの子供時代を振り返った。
浅野君も言うように、子供の頃コカコーラのヨーヨーあった。あったあった。
確かあの頃で、瓶のコーラが60円くらいだったと思う。パン屋とかの店先に、でっかい冷蔵庫のようなものがあって、扉についてる王冠抜きでガコッと外すと、王冠の裏に白いビニールのような薄いまくが張り付いている。
爪が付いてるからそれをつまんでベロっと剥がすと、当たりとかハズレとか書いてある。
実は私はくじ運があまりよくないのだが、このヨーヨーは立て続けに2本一気に当たった。たぶん配達のお兄ちゃんがうまく混ぜてなかったんだと思う。
パン屋に言うと、ヨーヨーがもらえた。
うろ覚えなんだけど、コレが子供心にかっこよかったように思う。
銀色で、中心には赤い円のシールが貼ってあり、お約束のコカコーラのロゴが入っていたように思う。
結構ずっしりしてた。
そして私はこれを自慢げに幼馴染達に見せびらかす。
当然私はヨーヨーなど旨いわけがないから、とりあえずみようみまねでブンブン振り回す。なにせ2個あるもんだから、両手につけてアチョーとか言いながら振り回す。糸の長さがわからないから、ヨーヨーは予想だにしない距離の半径を描いて私の手元を離れる。
右手のヨーヨー豆腐屋のたっちゃんの顔面直撃→たっちゃんの前歯破損(乳歯だった。よかったよかった。)→お母さんからゲンコツ。
左手のヨーヨー自分の頭に直撃→コブガできる→お父さんにマヌケといってゲンコツを喰らう。
こうして私のヨーヨー所有時間は1日と持たなかった。親にこんな凶器持たせられんと没収された。泣いた。
そして子供同士のバトルというと、ベッタン。関東で言うメンコ。
私たちの時一番流行っていたべったんのルールは、段のあるところにベッタンをおき、3分の1ほど段からはみ出させる。
そこを靴でひっぱたき、どこまで飛んだかを競うといういたってシンプルなものだった。
薄い靴のほうが良く飛ぶので、スニーカーより、子供のはくキャラクターの絵が書いてあるゴム靴のようなものがより飛ぶ。
ある日何を思ったのか、カーペット屋のカズヒコがお母さんのヒールを持ってきた。
薄く硬い靴底に見事ヒットしてとてもよく飛んだ。
一番飛んだものが総取りが私たちのルールだったから、カズヒコはどんどん仲間のベッタンを巻き上げていく。
そうなったらみんなタイムを仕掛けて、いっせいに家へ帰り、コッソリ下駄箱から母親のヒールやパンプスを持ってくる。
靴がベコベコになるもの、砂で白っぽく汚れるもの、ヒールについてる飾りが取れるもの続出。
最後はケンカ。ヒールのかかとで殴るという暴挙に出た散髪屋のヒロシ。
脳天をヒールのかかとで殴られたお茶屋のしょうちゃんが、血を出した所でバトル終了。
当然のことながら、その日は家に入れてもらえず、泣きながら家の扉を叩く子供が商店街の中に続出した。
そして一番ブームになったものはビー玉。近所の駄菓子屋には色とりどりのビー玉が置かれていた。
しかし、買ってビー玉を集めるものは、私たちの中ではヘタレの烙印を押され仲間に入れてもらえない。
基本的なルールとしては、駄菓子屋で一番安い、100円で10個だか20個だか網に詰め合わせになっていたものを買ってくる。色も柄も平凡でかわいくない。しかし全てはここから始まるのだ。
そして勝負をし、買ったものが相手のビー玉を取り上げる。
仲間内で一通りやり取りしたら、もっと大きな獲物を狙うべく他の学校からも子供が遊びに来るような大きな公園へ遠征に行く。
そこでまた勝負をする。
その頃には、買ったほうが負けたほうのビー玉を取り上げるだけではなく、事前に自分の一番大切なビー玉を賭けると宣言する。
宝物というからには、色が綺麗だったり、作る工程で何かしらミスが生じて出来たようなレアものだったり。
それを欲しいと思ったものが、そのビー玉に負けない位のレアもののお宝を賭ける。そしてバトルする。
ルールは長くなるのではしょるが、1試合最低15分はかかった。
ケンカが弱くて、運動が出来なくても、ビー玉だけは強いという子供もいた。おもに手がでかい子だ。
そんなヤツを見つけてきて団体戦に持ち込んだりして、私たち商店街チームはかなりの数のビー玉を持っていた。
最終的には、最初の10個からスタートしたビー玉は、私個人で手元に5000個を超えるほどとなった。
散らかして親に捨てられそうになったり、まだ幼かった弟が飲み込みそうになったり、クラスで一人や二人は鼻に詰めて大騒ぎになったりの様々な事件を起こし、この一大ビー玉ブームは、他校生とのケンカの種ということで全校朝礼で注意されて以来なんとなく終息を向かえる。
あの頃は、なんだか大人にケチつけられたとたん白けてしまっていたのだ。
子供は秘密が好きだ。
雨上がり、粘土質の校庭の土で作る泥ダンゴの乾燥場所。
公園で一番高い木の上に作った鳥小屋に見せかけた宝物入れ。
校庭を取り巻くフェンスの下に穴を掘って、コッソリ外に出れるように作った脱出通路。
どれも大人の介入しないところにロマンがあった。
お母さんにおねだりして筋肉マンけしごむを買い集め、一人遊びにふける弟を、よくヘタレといっていじめた。
強さ、勢いだけが私たちの中を駆け巡り、支配していた。
こうして、私は見事におままごととか、着せ替え人形とか、そういうメルヘンなものとは無縁な幼児期を過ごした。
木から木へ飛び移った時に落ちて折った肩の骨。
顔面にはうっすらだが二度と消えない傷が2ヶ所。
左足には、破れたトタンの上でビョンゴビョンゴはねた拍子に切った10センチの大きな傷。
お約束で花火を振り回して出来た手の焼けど。
そんなやんちゃで男の子のような私をいつも心配していた母親。
ある日母親は近所の本屋さんで、ポストカード集を買って来た。安売りしていたからだ。
ほら、女の子はこんな天使みたいな絵のカードとか好きでしょ。ね、コレを真似てお絵かきでもしたら?
そんな安易な親心だったのだろう。
トモ、小学生。
そのポストカードは【風と木の詩】。
うん。堕天使に扮したジルベールを、天使のセルジュがなんか矢みたいなので射してた。
バラの中で抱きあっとった。
どんな情操教育やねん。
2004-06-15 (火) 占いを通しての自己主張。 [長年日記]
■ 前から不思議だった。
よくネットで占いってありますよね。
古くは回転寿司占いから、なんかのアニメのキャラとか、もう星の数ほど。
中にはどう見ても、占いの結果を面白く書きたいだけやろみたいな信憑性ゼロのものとか。(そういうのに限ってねらいすぎてあまり面白くない)
で、色んなサイトで、こんな占いあったよーとか紹介されてるんですよ。
それは分かるんですよ。
私も占ってみてほほーとか言ってるし。
紹介しているサイトの人が、ちなみに私の占い結果は【さくらんぼ】。甘えたなんですって!ぐらいならまだ分かるんですよ。ほほえましいし。
ただね、占い結果をながながと全部載せて、その上で僕との相性占いしてみるといい!みたいな人っているじゃないですか。
そういう場合の読む側の楽しむポイントってなんなんでしょうか。私はいまいちわかんないんですよ。
人の占い結果つらつら並べられても、最後まで読めない。正直面白くない。
あれは、よく知ってる知人どうしや、恋人や、好きな人と占ったり、その人たちの結果を見たりするのが面白いのであって、ネットの人が発表してるのをみるとビミョーだなと思わずにいられないのです。
だって、ネットでの人格が必ずしも本人と一致するとは限らないし。結果見せられても当たってる当たってないとか楽しめないし。
結局は、本人が結果を長々と発表して、ここが当たってるとかこれはどうだとか言うのを、ああそうですかと聞くしかないんですよ。
変化球型の自己紹介というか。そない何回も自己紹介されてもなぁ。
載せてる人はどんな反応を待っているのでしょうか。
そして大体、まあおそらくですがその人にとって気に入った結果が出たものが発表されてるわけですよ。
私の占いの結果:トマト あなたはそこにいるだけで人の目を引いてしまうタイプ。 そして実際友達も多く、いつも周りには人がいます。
こんな結果がでました。結構当たってる?
私と相性を占ってみたい人は行ってみるといいよ。(←この時点でけっこう何様感漂う・・)→ http://www.・・・・・・
【コメント】 コウジ:あたってるよね!そんなイメージイメージ!トモキチさんて! マユミ:人をいやでも惹きつけちゃうなんてトモキチさんらしい! トモ吉:そんなことないですよー。意外に人見知りするし!>ユウジ 私友達だけは多いんですよ。でもそれは私の魅力じゃないですよ!>マユミ
・・・・・。なにこれ。
自分で書いててさぶいぼたってきました。勘弁。
ウソとはいえ恥ずかしすぎる。地味だし友達少ないです。すんません。
文句言うならみるなと言われそうですが、そういう時はみてないから大丈夫です。
あたってる?とかかかれても、知らんがなと答えるしか出来ないもんな。
と。
ここまで書いて見回してみると、結構な数のサイトがやってるなぁ。
特に女の子が多いのかな。やべ。
うん、まあこれは、思春期の流行という事で。うん、ひとつ今日のところはそれで勘弁してください。
なら自分でふるなよ。
私も結構一人遊びが好きみたいです。
2004-06-21 (月) ほらあなたにとって [長年日記]
■ 大切な人はスグそばにいるよ。
他人に対してどこまで言っていいものか悩む時がある。
子供の頃は相手のためなら何でも言ってやるのが当たり前だと思っていたが、あえて言わないときや言うにいえないときというものがあるんだと知ったのは中学生の頃。
学年でも1,2をあらそうべっぴんさんの友人の家に遊びに行った。
その子にはお兄ちゃんがいて、つまりこの絶妙なバランス感覚を顔面に持つ遺伝子の家族なわけだから、お兄ちゃんともなると・・・と、思春期の私たちは照れながらも淡い期待を抱いていた。
しかし彼女曰く、お兄ちゃんは超ブサイクできもい、そしてアニメオタクだとばっさりと切り捨て。お兄ちゃんの部屋まで惜しげも無く見せてくれた。どうやらこの家のヒエラルキーではお兄ちゃんはおもっくそ底辺らしい。
壁にはアニメのポスターがはられ、ビデオが溢れていた。
絶妙なバランス感覚を顔面に持つその友人は、その分他のことには疎いと見えて、お兄ちゃんにもさほど興味を抱いていなかった。
だから私は床に転がっていたビデオテープの背に、走り書きで【くりーむ・れもん 3】と書かれていた事にふれなかった。
よけいなことは いわんでええ。
すこし人のことを考えられるようになった瞬間。
大学を卒業した頃、ユカに神妙な顔で相談された。
ユカが大学時代共に部活で青春を燃焼した友人ナオ。彼女が見合いをしたという。
お相手はなんと、私たちの中学時代からの友人ニシちゃんのお兄ちゃん。
私はニシちゃんと高校時代仲がよく、家にも遊びに行った事がある。
そして知った。お兄ちゃんは筋金入りのミンキーモモファンだった。
壁にポスターが貼られていた。ミンキーモモのヘアバンドが吊るされていた。ピピルマな魔法の棒が立てかけてあった。
見なかったことにしよう、ここは魔法をかけられてしまった人の住む部屋だ。魔法を信じる事の出来ない私達には見えない、ドッキンハートに瞬きショットが炸裂してるんだ。
そして件のナオは小柄でロリっぽい。ニシちゃんのお兄ちゃんはごっつ乗り気らしい。
何も知らないナオも、まんざらではないらしい。
真実をいうべきか。(あの人ミンキーモモのほうを愛してるよ!)
言わざるべきか。(ナオを通してミンキーモモ見てるよ!!)
結局何もいえないまま話はトントン拍子に進み、こちらの不安がいらんお世話だったとなるほど幸せに暮らしていた。
よかった。よかった。
ナオ。出産。女の子。
・・・・大丈夫だよ・・・うん。
言うにいえないということを知った大人への入り口。アニメの世界から現実世界の幸せを見つけたニシちゃん兄。
なんでもズケズケ言うように見られている私でも、言うことによって相手が傷ついたりしないか一応考えたりしてるんですよ。
そんなことを考える昼下がり。
目の前で・・・目の前でフワフワ・・・・
社内でも私が苦手とする人が・・・目の前で・・・フワフワさせてる・・・・
あんま好きじゃない人とはいえ・・・恥をかかせては可哀相だし・・・・フワフワフワ・・・・・
「トモさん、さっきからじっと見ないでくださいよフフフフフ。」
「鼻毛出てますよオマケ付きで。」
あ。言えた。
# 6-30 [ライバルからの北海道土産はビール味のキャラメル。絶対毒入り]