チナウ
2003-04-21 (月) やんちゃな男性はダイスキなんだけどね。
■ それってこのヒトの影響かしら。
あるところにね、男の人がいたのね。
どこにでもある容姿で背も高く無くてね。
お家も別にお金持ちじゃなくて、遊んでばっかりだったから学歴もあまり高く無くてね。
でもね、口だけは達者だったのよ。
昔から女関係だけは結構華やかだったのね。
高校時代は3又かけてたのね。
一人は同じ学校のそれはそれはきれいで清楚なお嬢さん。
一人は近くの女子高に通う純情な女の子。
一人は通学途中のバスの中から歩く姿を見初めて、強引にバス止めてナンパしたちょっと奔放なキレイなお姉さん。
毎日学校ではお嬢さんと過ごし、放課後お姉さんと町で遊び、帰り道が暗くて寂しいから女の子を呼び出して家まで帰りながらデート。
そんな毎日では進学できるはずもなく、
さっさと地元を離れ都会で就職したのよね。
その後もスグ彼女を作り、同じ職場の後輩にも手を出すしまつ。
言い訳が又いかしてるのよ。
彼女はきれいでしっかりしていて嫁にするには最高で、
後輩は純情で妹分みたいに可愛くて仕方が無い。
どうよこれ。許される?
しかもこっからが酷いのよ。
後輩には彼女を紹介し、彼女には俺が会社で可愛がっている後輩だからお前も可愛がってやれって、3人で会ったりするようになったの。
お姉さんぶって後輩を可愛がる彼女と、無邪気さを装って彼女に甘える後輩。
2人の心中はどうだったのかしら。
それでも2人を合わせることで、彼女たちにライバル心が芽生えて彼をとりあうらしいわよ。
怖いわよね。つかひどくね?
彼女はね、そろそろ30に手が届きそうになってきたのね。そうなるとさ、ホラ、やっぱ結婚とか考えるでしょ?
でもね、彼は独立したかったからお金が必要だったの。
だから彼女にもお金を溜めさせて、自分も貯金したんだって。
でもさ、彼女からしたらたまったもんじゃないよね。
自分の後ろにはまだ若い後輩が控えてるんだよ?こわくね?
だんだん焦ってくるのよね。
一方後輩は後輩で、大人の2人の駆け引きについていけなくなってきててね。疲れてきてたんだって。
でもね、すごくすごく好きだったのね。
だからね、3人で遊びに行く前日なんか、胃が痛くて眠れなかったんだって。
体が先に反応しちゃったんだね。え?なんかエッチな言い方しちゃった?ごめんごめん。
その後ね、いつまでたっても嫁に行かない彼女に痺れを切らした両親が、お見合いの話を持ってきたんだって。
お見合いをちらつかせて約束を取り付ける作戦ね。意外に単純な手を使うわね。
でもね、彼は独立するまでは結婚しないって一蹴したのね。
他にも女がいると余裕よね。
彼女は失意の中故郷へかえってしまったのね。
ちょうど同じくらいの頃、後輩には転勤の辞令が出たのね。受けようかと思ったのね。
そしたら彼が彼女とは別れたから一緒に金を溜めて独立しようってささやいたのね。
純情だった後輩はいちころ。
会社を辞め、彼を支えたのね。
つくづく馬鹿な女だと思うわ。どう?
結局スグ独立するチャンスが訪れて、2人はめでたく結婚したのね。
3年経って計画妊娠。生まれたのは女の子。
ほら、遊んでる人は最初に女の子が生まれるって言うじゃない?
その後彼は今までの自分の悪行を経験に、徹底的に厳しく育てたんだって。
娘。もうじき32才。婚約破棄。
「トモ。お前はなんてふしだらな女なんだ!情けないぞ!!」
うるせぇオヤジ。
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追伸:お父様へ。
我が家にはオリンピック疑惑というものがあるのご存知かしら。
4年に1度ほどの間隔で、4月に1本の電話がなるのです。
お母さんが取るとね、女の声で
「おたくのご主人浮気してますよ。」
って一言いって切れるんだって。
私が5歳くらいの頃最初の1本がかかってきて、お母さん半狂乱になったの覚えてらっしゃるかしら?
その後お母さんもなれちゃって。
最近かかってこないんだって。ちょっと寂しいらしいよ。
もうモテないんだね、パパ。
トモも少し寂しいよ。
2005-04-21 (木) きみが笑ってくれるなら大丈夫。
■ 幼児期のトラウマ取扱注意。
子供の頃から苦手な言葉がある。【食す】と【美味】だ。
こんなにも毎日、それこそ朝から晩まで食べる事ばかり考えている私なのに、この2つの言葉だけは脳味噌が綺麗に迂回して、私の口をついて出る事や、指先から打ち出される事は無い。
あれは小学校に入る前だったと思う。
私は店番をする母の代わりに、風邪気味の弟を近所の小児科に連れて行った。
小児科といっても同じ商店街の中にある気のいいおじいちゃん先生の所で、手ぶらでいっても大丈夫な病院だった。
弟が診てもらっている間、私は待合室で絵本をパラパラとめくっていた。ふと見るとそこに、大人の雑誌があった。子供の頃は近所の美容院にあっても絶対見ちゃいけませんといわれていた、続に言う女性週刊誌というやつだ。
いつもは母や他の人の目もある為手にとったことは無かったが、その日はたまたま待合室には誰も居ない。受付にいた看護婦のお姉さんも、おじいちゃん先生とのんびり談笑をしていた。
そうなると好奇心旺盛な私はさして葛藤も無く、アッサリとそれを手にとり、ワクワクしながらページをめくった。
しかしそこは所詮子供、字と写真のシロクロページが面白いはずも無く、たいした事ねぇなぁとだんだん興味を失いつつあった。
が。
そこに登場したのがマンガのページ。パラパラしていた指先が止まる。お!マンガだ!と一気に興味が湧く。
どうやら時代劇らしく、今思えばものすごい勢いの劇画調マンガだった。皆険しい顔をしている為、全員が悪者に見える。
最初のページは、魔女のようなお城のお姫様が高らかに笑うところから始まっていた。
明らかにちょんまげの似合ってない、彫りの深い男の人に向かって挑発的に挑んでいる。何を言うにもけんか腰だ。漢字は読めなかったが、全てルビが打ってあった為なんとか読み進む。どうやらお姫様は偉くて、男の人は家来らしい。
ところがここに来て、雲行きが怪しくなってきた。
男の人が、お前はいやしい女だとか言い出した。いやしんぼなら私にもわかる。いつも弟たちと食べ物で争っては、母にいやしんぼとしかられたからだ。そうだ、このお姫様もいやしんぼなんだ。そう思うと、吊りあがった目に挑戦的なトゲトゲまつげにも少し親近感がわいた。
が、次の瞬間、家来が思わぬ逆襲に出た。
「おまえはこれがほしいんだろ。」
あろう事か家来は、はかまの股間からなにやらポロンと取り出した。しかしその部分は、消しゴムをかけられたように白くまるく消されている。でもわかる。お風呂上りにお父さんが、よくふざけて弟達にポロンしていた。あの汚い奴だ。だからきっとそこにあるものは・・・!!!
自分の目上の人に対して、しかも異性に向かって恥じらいもなく、いきなりポロンするとは何事か!!しかもこの男微妙に自慢げだ。気が狂っているとしか思えない。私はますます目が離せなくなった。しかしお姫様も慌てない、不敵な笑みを浮かべて切り返す。
「わらわにしょくせというのだな。」
漢字の読めない私には、何の事だかサッパリ分からない。ただ、【わらわ】とは私ということだろう。ドリフの時代劇コントでも聞いた事がある。「私に【しょくせ】というのだな」と言っているんだろう。
しょくせ・・・・・
するとお姫様は【しょくせ】に取り掛かったらしい。なんと、家来の前にひざまずき、そのポロリにどうやら噛み付いたらしい!!例のごとく肝心な部分は丸く白く抜き取られている。これは妖怪漫画だったのだろうか。ポロリを食い尽くす妖怪!!お父さんに教えてあげなくちゃ!!
しかしここで雲行きが一変、明らかに妖怪お姫様が責められだした。うっとりとした恍惚の表情を浮かべる。家来も苦しそうだがどう見ても立場が逆転している。
「どうだ、わたしのは。」
「びみじゃぁぁぁぁ」
!!!!!【びみじゃぁぁぁぁ】????
いったい今何が起こっているのだろう?!!!お姫様はいっこうにポロンを噛み切る様子もなく、いつまでもだらしなく口に入れている。私は縁日で買ってもらって、大切に大切に舐めたリンゴアメを思い出した。
でも、これは、これは、ポロンだし・・・・・
悩みと同時に襲ってくる不快感、子供とはいえそれ系に関しては敏感になるのか、なんとなく見てはいけないものを見ているのではないかという予感が背筋をゾゾゾとなぞりだした瞬間、トモちゃーんと看護婦のお姉さんに呼ばれて飛び上がった。慌てて雑誌をおき、何食わぬ顔で先生と看護婦さんにお礼をいい、弟の手をひいて家に帰った。が。私の頭は【????】で埋め尽くされていた。
家に帰ると店先で、母と隣の電気屋のおばちゃんがペチャクチャとおしゃべりしていた。「タダイマー」と声をかける。しかしそこは母親、私のなにあるかふに落ちない気持ちを表情から読み取ったらしい。
「トモちゃん、どうしたの?」
「あのね、【しょくす】ってなぁに?」
「食べるって事よ。どうしたの?」
「あのね、先生の所の雑誌で、お姫様が男の人のオチンチンしょくしてた。」
「!!!!!!!!!」
「でもしょくされた男の人のほうが強そうだった。」
母・おばちゃん 「!!!!!!!(大爆笑)!!!!!!」
「そのお姫様何ていってた?」
「【びみじゃぁ】って言ってた。」
母・おばちゃん 「!!!!!!!(大爆笑)!!!!!!」
笑われてふにおちずムッとする私に、母はヒーヒー笑い涙を拭きながら、ね、変な本だったでしょ、これからはあんな本読んじゃいけませんよ、恥ずかしい事ですよとたしなめた。
でも私にはその一件がなぜかずっと忘れられず、数年後国語の授業中に「あ----!!」と絶叫することとなった。
おおおおお大人って・・・・・汚い!!
ふとしたときに、自分と母を重ねる事がある。
私と母はあまりにていない。私はあごの尖った確実に父方家系の輪郭をしているのに対し、母はえらの張ったまん丸な顔をしている。性格も私と違い、おおらかを通り越して少し足りない人のようだ。
でもやはりそこは親子、朝目を覚ましてぼんやり鏡を見ると、そこに母の面影が色濃く見えるようになった。最近ではキーボードを叩く指先が、私の手と重ねて弾いたピアノの、あの鍵盤を追うたどたどしい指先と重なる。
母はいつも笑ってる人だった。よく泣きもしたが、概ね色んな事を笑い飛ばしてくれる人だった。さっきまでクヨクヨ泣いてたくせに、すぐケロリと店先で爆笑してるような人だった。
母が笑ってくれる限り、何があっても多分大丈夫だろうと思える私だった。
あと数日で60歳という伏目を迎えるお母さんへ。
・・・・・ちょっとまて!!こんな話かよ!!
# マワル [トモ吉さんの生き方は、「血」なのですね。 小さくまとまってしまった私には破天荒な生き方は憧れです。]
# (磁ε・) [じゃあムニがカワイイのも「血」のおかげなのね。]
# (・e・) [文字化けしてこえぇよ。]