チナウ


2003-06-30 (月) ロマンスの神様。

この人でしょうか。



まいど。

忙しいですな。月末ですな。

しかし例によって上司様のハンコ待ちなこの身の上。忙しいのに身動きできません。

ああ・・・はやく成り上がりたい・・・。



えー。先日からラッパーだのドラッククイーンだの嘘ばっかり垂れ流しちゃってるムニのハニーpino君情報ですが。

いや、ホント申し訳ない。

私はどうやら彼をものすごく誤解していたようです。

私のイメージするpino君は、がっちりバデーに垂れ幕のようなでかいタンクトップを小粋に着こなし、

バンダナの上からキャップをかぶり、幅2センチはあろうかという金の編みこみ鎖のネックレスを大きな古時計ばりにぶらさげ、

6人ほど素手で無造作に握りつぶして殺害してそうな人かと思っていたのですが、

どうやらもっと華奢な今時のヤングボーイのようです。

どうもオオノあたりに近い匂いがして、微妙に嫌な予感がしています。

そんな彼から、今までで一番ロマンチックだった体験を披露しろとリクエストを名指しで頂きました。

おいおい坊や、冗談はよしてくれないか。

私ほど日々モテモテで、ショウジョウバエのように耳元でロマンスを垂れ流す男たちにウンザリしているのに。

そんな私に愛を語れと言うのでしょうか。

そんな膨大な経験の中から1番を探せと言うのでしょうか。

それよりもそんな小蝿どもを追っ払う方法こそ教えて欲しい所なのですが。

でもまあホレ、pino君のことは間違った情報を吹聴したりしたし、今でもまだ微妙に間違ってそうだし、

なんといってもお誕生日らしいので、お祝い代わりにおばちゃん引出しの多いところを見せようかと思います。

ナニナニ。ロマンチック?

・・・

・・・

いやいや、こうありすぎるとですね・・えー・・・ロマンチック?・・えー・・・





アレはワタクシが高校1年生の頃。女子高生の頃。今の年の半分くらいの頃。(ごめん、ちょっと泣くわ)

飲食店でアルバイトを始めました。

その店の店長代理が、まああなたビックリなほど国民的アイドルにそっくりだったんですよ。

ブラウン管から飛び出してきたんじゃないかと言うほど。

誰が見ても一発で結びつくそのそっくりさに、私たちは影で親しみを込めてこう呼んでいましたよ



カツオちゃん。



まあ彼はバイトの面倒見もよく、26歳という年齢から皆から一応慕われておりました。

私は長女だったため、昔から年上の男性にはすごく甘える乙女でした。

だるいからもう帰らせろ。とかね。

そんなある日、私は仕事おわりにカツオちゃんに食事に誘われました。

当時厳しい女子高に通う乙女だったワタクシ。

男性の車で食事だなんて、何だか大人になったようでドキドキでした。



でもカツオちゃん。



そんな彼が連れてきてくれたのは、その庶民派なお顔からは想像もつかない夜景のきれいな小洒落たレストラン。

そんな設定ハセガワマチコ先生も思いつかなかったはずです。

当時まだ飲みなれていなかったワインを少し飲んだりして、卓上にゆれるキャンドルの火にうっとりしたりしました。



でも顔を上げると目の前にはカツオちゃん。



彼も普段のバイトのときとはうってかわって、落ち着いた頼りがいのある大人の男性に変身です。

私に一通り食事のマナーを語り、食材の薀蓄を垂れ流し、なかなかご満悦な様子でした。

食後のデザートのシャーベットがビックリするぐらいおいしくて、喜んで食べる私に惜しげもなく自分の分もくれたりして。

ああ、大人のデートだなと感激しておりました。



でも顔を上げると目の前にはカツオちゃん。



その後彼はスマートにお会計をすませ、私を車に乗せ(あ!今思うと飲酒運転じゃんカツオの奴め。)、

夜の神戸の町をひとっ走り。

ついた先は夜の海。

私と彼は並んで海を眺めます。



「トモ、ガムもってるか?」



「もってません。」



「あかんな。女はガムの一つも持っとかなあかん。食後にさっと差し出せるくらいの気配りが大切や。」



彼は落ち着いたよく響く声でゆっくり笑いながら言いました。

今聞くとそれもどうかと思うアドバイスですが、当時小娘の私。ああ、それが大人のエチケットなのかと感心しました。



でも隣を見るとカツオちゃん。



その後話は恋話へと発展します。



「俺はな、トモが入ってきたときから見てたよ。

お前は皆が思っている以上に繊細で、寂しがりやだな。

俺はお前の事なら何でも分かるよ。ずっと見守ってきたからな。」



そんなセリフをバイトまだ4回目の人間に言う彼。

ずっとて。

それでも何だか悪い気もせず、彼の落ち着いた大人の声を聞き入る私。



でも隣を見るとカツオちゃん。



その後なぜか彼に背中合わせに座る事を指示される私。

背中越しに響く彼の声は、ますますステキに聞こえてきました。



「今はな、お前に触れない。

今の俺たちはこの背中合わせの距離がちょうどいいんだよ。

お前もまだ子供だから、俺は手を出さない。

お前がもう少し大人になるまで俺が育ててやるよ。」



私はこの人に、大人の女になるまで育てられるんだな。

ステキなレディーになって行くんだな。

そんなマイフェアレデイートモ吉が、脳裏を走馬灯のように駆け巡ります。



「いつかお前が俺のために紅を引くとき、

俺はお前を抱きしめるよ。」



・・・紅て・・・。

一瞬ゾウリ虫が体中を這いまわるような感覚に襲われました。

しかしまた背中越しに響く彼の声に、私の心はまたうっとりモードに切り替わっていくのです。



「お前にもっと綺麗なものを見せてやるよ。

綺麗なものしか見たことのない女にしてやる。

いいものだけを身に付け、うまいものだけを食べ、

俺だけを見て贅沢でゴージャスな女になっていくんだ。」



うっとりする私。

ゆれる神戸の夜景。



ふりむくとそこにはやっぱりカツオちゃん。



その後私は車で家まで送ってもらいました。

家に入ろうとすると彼が窓から手を出してきて、私の腕を掴みました。



「・・・今日はこれ以上は触れないよ。約束だからな。ゆっくりおやすみ。」



その後プップーっとクラクションを軽く鳴らして去っていく彼。

曲がり角で手だけを出してVサインをする彼。

家に入りゆっくりお風呂につかりながらしみじみ考えていました。



カツオちゃんのことを。



キザなカツオのことを。





つかあいつカツオやん。



やっと冷静さを取り戻しました。

彼の声は催眠効果があるのかもしれません。

その後とてつもなく寒気が襲ってきました。

そんな所へカツオとともに帰った私を心配したバイト仲間からお電話が。

どうやら彼は新しくバイトが入るたびに同じ事を繰り返しているらしいです。

その後の私は当然のようにカツオとの接触は避け、1ヶ月が過ぎようとした頃新しいバイトの子が入り、

1週間もしないうちに彼女は彼に送られ帰って行きました。

その後その女性はまんまとカツオの罠にはまり、めでたくお付き合いをしたそうです。

男性の皆様。

大切なのは顔じゃないようです。

堂々とした態度と恥ずかしげもなく同じことを繰り返す根性。

コレが愛をゲットする道のようです。

その後カツオ催眠術にかかりっぱなしのその女性は、カツオとのことをのろけてくれました。



「この前彼とお泊りしたときね。

私の裸の後姿見て彼が『森 雪』みたいだねっていうの。いや〜ん。」



森雪て。ヤマトのな。

つかそれ褒め言葉なのか?!!



相変わらず言葉の魔術師カツオちゃんなのでした。





・・・つか、何の話だったっけ?





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# pino [わーい。ありがとうございます。でも、ロマンチックつうよりあれですね。いかにして私は害虫を呼び寄せる誘蛾灯になったかっ..]

# 6-30 [生ける誘蛾灯のトモ吉様へ引き寄せられる6-30も害虫の一匹。今日も世の中の女性のためにトモ吉は夜な夜な妖しいオーラを..]

# (・ε・) [ヤバめの人ばっかり寄せ集めるこの体質、何かの役にたたないかしら。]

# (・e・) [デート商法にもつかえまへん。]

# pino [なぜヤバめな男は素敵な勘違いをしてくれるのか調べて下さい! かわいい後輩の役には立つはず。ビバ☆自己犠牲ですね]

# (・ε・) [ステキな勘違いをしないと世知辛い世の中渡っていけないのね。そうやって精神を守るのね。]

# (・e・) [人体の神秘。]

# 6-30 [人体の神秘て・・・熱帯のジャングルのような世の中で、生き生きとしている食中草。高嶺の花じゃないから、勘違いして寄って..]


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