チナウ
2004-10-26 (火) そんなわけで。
■ 流用とかいうの禁止。
うちの会社はあるお弁当屋と契約していて、朝の10時までに申告しておくとお昼にお弁当が届くようになっている。
普通でも400円、ご飯大盛で450円、小盛りなら350円だ。
小盛りでも充分の量なので、いつも350円という安さに負けて頼んでしまう。
このお弁当業界というものもなかなか熾烈らしく、どの会社も皆から愛され選ばれる弁当を目指して切磋琢磨している。
現にうちの会社も、前とは違う弁当会社に乗り換えたばかりだ。 お客に飽きられればアッサリ切られる。
今度のお弁当会社は小さいらしく、うちの会社の注文だけでも結構な量なので、配達係兼社長のオヤジも大張り切りだ。
とても350円とは思えないおおきなハンバーグを入れてくれたり、タップリの野菜サラダを入れたりと、私たちをワクワクさせてくれていた。
しかしここに来て、どうもこのお弁当会社、暴走し始めた。
先日もお弁当から何かがはみ出している。怪しげな触覚。開けて見るとイカの醤油焼き丸ごと1匹がでんと入っていた。そして歯ごたえありすぎで噛み切れない。
しかもソレがメインではなく、その隣にはでかすぎる鯖の味噌煮が控えている。
私は何かが引っかかりはしたが、350円という値段に負け、サービス精神だと思うことで拳を下げた。
しかし昨日のお弁当は衝撃的過ぎて、私たち全社員を震撼させた。
メインはエビの天麩羅と、ムダに小麦粉テリトリーの多い掻き揚げ。その隣の仕切りには、メニューには恥ずかしげもなくシーフードカレーとかかれていた、イカの足の先っちょが数本入っただけの冷えたカレールー。鯖の大ぶり切り身2枚の南蛮漬け。タクアンと、紅しょうが。一口食べただけで脳天をキックされたかのような塩分多過ぎのノリの佃煮。
野菜サラダにはなぜか揚げギョウザがでんと乗っかり、すっぱい味付けになっていた。
そして我々の度肝を抜いたのは、カレーの隣に入っていたチンジャオロース。
奴らの言い分も聞いてやろうとメニューを確認した所、
【エビと掻き揚げの天麩羅・シーフードカレー・鯖の南蛮漬け・チンジャオロース丼・中華風サラダ・お漬物・ノリの佃煮】
まてまてまてまて。
おかしいやろチンジャオロース丼。
カレーとチンジャオロース丼。もちろん味付けはサービス塩分で激濃、「さあご飯に乗っけてください」と言わんばかりだ。
もうどうしようもない暴走っぷりに私たちは途方にくれた。カレーと牛丼は世間では認められているようだが、カレーとチンジャオロースはあまり聞かないデュオで、その奏でるハーモニーはまるで予想つかない。
結局チンジャオロース乗せーのカレーちびちびなめーので、ごはん配分をつかめない社員が続出した。
イカのきれっぱしを入れただけでシーフードを気取ったり、揚げギョウザを乗せただけで中華を名乗るなかなか大胆なこの商法。
あのオヤジめ、いつも儚げなへりくだった笑顔に騙されていたが、なかなか大胆不敵な悪ボスだった。
そして今日、偶然弁当を届ける配達係兼社長のオヤジとエレベーターで遭遇した。
アナタは一体何を目指しているのかと詰め寄りたかったが、小さなオヤジが益々体を小さくしながら挨拶してきたので思わずニッコリしてしまった。
私は内弁慶だ。
朝10時までの注文で、オヤジとエレベータで出くわしたのが10時40分。
もってくんの早すぎ。