チナウ
2002-08-01 (木) 夏の日の1ページ。
■ 久しぶりに。
モーレツにケンタッキーが食べたくなって。
そうなってくると頭の中はもうトリだらけで、
3本足の鳥ばかりで養鶏場みたいになっていました。(←都市伝説)
んで、ばんごはんがわりにガシガシ食べて、
カロリーとかきにせずガシガシ食べて、
辛いのとか普通のとかガシガシ食べて、
やっと満足してふと見たら、
残った骨がびっくりするぐらいちょっぴりしかありませんでした。
それを見て、なんか、こう、レディとしてはどうかなとおもったんですが、
ソレよりも達成感のほうが大きくて、
マアイイヤと思いながらがりがり君を2つ食べました。
アイスが2つ食べれるなんて、大人になって良かったと思います。
てか、箱買いって贅沢な気分になれます。
日記もつけたし、
これで朝ラジオ体操にでも行けばりっぱな夏休みの小学生です。
ええ、小学生レベルです。
小学生の頃のほうがもう少しまともだったようなきもします。
おやすみなさい。
2003-08-01 (金) 8月入ったから。
■ ちょっと不思議な話。
今から10年程前。ちょうど今くらいの時期のお話。
夜友達のマキちゃん(仮名)からベルが入った。近所のファミレスまできてるから出てこれないかという。
時間を見るともう10時過ぎ。
その頃は携帯なんか持ってなかったから、とりあえず向かった。
マキちゃんは少し怯えたような、混乱したような様子だった。
私はとりあえずコーヒーを頼んで、マキちゃんの話を聞くことにした。
話はこうだった。
その頃マキちゃんには、ヒデオくん(仮名)という彼がいた。
某J事務所にいたというヒデオくんは、小柄ながら整った可愛い顔をしていた。
両親は早くに離婚し、父親について東京にいたのだが、心臓に病気を抱えJ事務所をやめることになる。
かなり重い病気で、20歳まで生きられないと言われる。
母のもとで療養しようと大阪へやってきたのが17のとき。
その後マキちゃんと知り合い、なんとか20の壁をこえる事が出来た。
しかしヒデオくんのまわりでは、結構不思議な事がよくおこった。
数年前には東京にいる友達から、ヒデオくんを見たという電話が相次いでかかってきた。
しかも同じ日に5人の友人から、それぞれ違う場所で見たという電話だった。
ヒデオくんはイタズラだと思い相手にしなかったが、最後にかかってきた友人のすがるような問いかけに、ウンザリしながらずっと大阪にいたというと、その友人は半狂乱で泣き出したらしい。
じゃあ、俺が一緒にいたのは誰だったのだと。
他の4人が目撃証言なのにたいし、この友人だけはヒデオくんと2時間ほど行動を共にしたという。
さすがのヒデオくんも気味が悪くなり、その夜は眠れなかったらしい。
また別の日、夏のすごく暑い日の昼下がり。
ヒデオくんは学校の帰りでバイクに乗っていたらしい。
ものすごい猛暑に意識がもうろうとしてきたので危険を感じ、バイクを降り押して歩いた。
本当に、もうどこをどう歩いたか覚えていないそうだ。
気がついたら見覚えの無い団地の敷地内だった。
あれ、ここどこだ?とぼんやり思った瞬間、何かがドサリと自分の目の前に落ちた。
紺のワンピースの髪の長い女性。
顔を見る勇気はとうてい無かったが、ヒデオくんのスニーカーに、じわじわとどす黒い血が染み込んできた。
そのまま警察が駆けつけるまで、ヒデオくんは意識を失っていた。
その団地は地元でも有名な飛び降り自殺の多い団地で、私たちの通う高校のある小高い丘の上から見ると、とおく海辺に見えるその佇まいは、どんなに晴れた日でも、海が綺麗に光っている日でも、
スモッグがかかったようにグレーによどんで見えた。
マキちゃんは混乱しながらも、ゆっくりと確認するように話し出した。
今日はヒデオくんとものすごいケンカをしたらしい。
なんでも最近ヒデオくんに言い寄ってきているバイト先の女の子と、彼が2人で食事をしたらしい。
それを知ったマキちゃんは、電話でヒデオくんを問い詰め攻め立てた。
電話をしている最中混線のような雑音が混じりだし、あっという間にヒデオくんの声がかき消された。
今度はその雑音の中から小さなオルゴールの音が聞こえ出し、その音がどんどん大きくなってきた。
割り込みか保留をかけられたと思ったマキちゃんはすぐに電話を切り、すぐリダイヤルのボタンを押した。
3コールをまたずして電話に出たのは若い女性。
ヒデオくんには女兄弟がいない。
間違い電話かと思ったが、リダイヤルだ。そんなはずは無い。
苗字を聞くと、ヒデオくんの苗字ではない。
ただ。聞き覚えのある少し変わった苗字。
うまく聞き取れなかったが、間違えるはずは無いので恐る恐る聞いてみる。
違和感を感じながら女性と対話する。
「もしもし、ヒデオさんいらっしゃいますか?」
「ヒデオなら出かけてますけど?」
「あの、たった今まで電話で話していたんですけど。」
「そんなはずありません。ヒデオは2時間も前に出かけました。」
「は?何言ってるんですか。たった今電話が混線していったん切っただけで、たった今まで話していたんですよ。」
「は?何言ってるんですか。いったいあなた誰?」
「マキといいます。あなたこそ誰なんですか。」
「カナエです。ヒデオの彼女です。」
「はあ?!!冗談はやめてください。私がヒデオの彼女です。」
「もう悪戯電話はよしてください。」
そこで電話はたたき切られた。
怒りが収まらないマキちゃんはすぐにまたリダイヤルボタンを押す。
またカナエちゃんが出てくる。
「いたずらは止めよっっ!!!」
「そっちこそ!!いいからヒデオを出してよ!!」
「だから言ってるでしょ!ヒデオは2時間前にJ事務所のレッスンに行きました!!」
J事務所は大阪に出てくるときにやめたはず。
もう、5年も前に。
そこでマキちゃんは思い出した。
最初この女性が電話に出たときに名乗った苗字。
そう、ヒデオくんのお父さんの苗字だ。
ヒデオくんは大阪にきて、お母さんの苗字を名乗っていた。
「なんの冗談ですか?今ヒデオくんは大阪にいますよ。5年も前にJ事務所を止めてるじゃないですか。」
「もう、いたずらはいい加減にして下さい。」
「ヒデオは17のときに事務所を辞めたって言ってましたよ。」
「は?誰かと間違ってるんじゃないですか?ヒデオは16ですよ?」
「は?!!・・・・。あの、いま何年ですか?」
「198・・・・」
そこでまた電話が混線しだし、切れてしまう。
マキちゃんは慌てて電話をかけ返したら、今度は誰も出なかったそうだ。
そこまで一点を見つめながら話すマキちゃんを見て、私はその話がイタズラとしか思えなかった。
幼さの残るヒデオくんのくりんとした大きな瞳が、いたずらっ子のように輝いているように思えた。
しかし、話はそこで終らなかった。
その後やっぱりヒデオくんのイタズラだと思うと、ますます腹が立ってきたマキちゃんは1人で泣いていた。
大切な話のときに、こんなイタズラでごまかされるのが許せなかった。
マキちゃんの部屋へ、お姉ちゃんがやってきた。先ほどのすごい剣幕の電話が聞こえていたのだろう。
泣きながらお姉ちゃんにぐちるマキちゃん。
5,6年前の東京に電話がつながったなんて信じられる?
苦笑いしていたお姉ちゃんが、ふと思い出したようにこんな話をしだした。
「5,6年位前かな。家に変な電話があったよね。覚えてない?」
「?なんだっけ?」
「あんたあてに男のこから電話がかかってきて。そう、ちょうどコレくらいの時間。
駅の西口のモスで待ってるからって言う電話。その頃あんたって女子高だったし男にぜんぜん縁が無かったやん?
その電話お母さんが取って、てっきり私の彼だと思い込んで私にベル打ってきたのよ。
でもね、私その時彼と一緒だったの。
だからイタズラだろうってことで無視してたの。
ほら。駅前にモスないし。」
「今はモスあるよ。裏道のローソンの前に出来たんだよ。」
「そうなんだ。私最近自動車通勤だから駅使ってなかった。ふーん・・・。」
マキちゃんは嫌な予感がした。
そのまま自転車で駅前のモスまで行ってみた。
そこには。
イライラしながらコーラを飲むヒデオくんが座っていた。
「・・・。なんでここにいるの?」
「はあ?おまえ電話わざと出なかったんだろ。だから母ちゃんに伝言したんだよ。」
「だって・・・・」
マキちゃんは今あったことを話した。
ヒデオくんの顔色がみるみる変わっていった。
つぶやくように言った。
「カナエは・・・東京にいた頃、16ぐらいのときに確かに付き合っていた彼女の名前だ。
覚えてる。なんか、へんな女から電話があったとか言って後日俺たちスゲーケンカした。」
「・・・後日?」
「うん・・。電話がかかってきた日、俺事務所で倒れて。
その日だもん。心臓の病気が発覚したの・・・。」
マキちゃんは絶句した。
「俺・・・事務所辞めたくなかったんだけど・・・そのヘンな女が俺は事務所辞めるって言ってたって聞いて・・・。
事務所の誰かの嫌がらせかと思って・・・。実際人間関係もうまくいってなかったし辞めたんだ・・・。」
その後2人は何も話せず、ヒデオくんは真っ青のまま帰ったそうだ。
マキちゃんは何だか1人でいるのが怖くなって、3つ先の駅に住む私に電話してきたということだ。
その後私たちは終電まで、お互いあまり話さず気まずい空気のまま別れた。
ヒデオくんとマキちゃんはそれから1年ほどして別れ、その数年後、ヒデオくんは突然の発作のようなものを起こして亡くなったと聞いた。
死といつも隣り合わせの心臓を持っていたヒデオくん。
そんな彼だからこそ、こちらの世界とは違う世界につながりやすかったのだろうか。
そう思っていたんだけど、いまふと思った。
その後マキちゃんが付き合った彼といちど怖い話大会をしたとき、その彼も実によく不思議な体験をしていた。
オバケとか、そおいうものじゃなく。日常生活の中のちょっとした不思議とか歪とか。少し変わった体験とか。
ひょっとしたら、マキちゃん自身が何かを引き寄せているのか。
全然関係ないけれど、以前マキちゃんが言っていた言葉を思い出した。
「私今まで6人の人と付き合ったけど、ヒデオ以外は皆早くにお父さん亡くしてるのよね。
ヒデオのお家も離婚してお母さんについてたし。」
ほんとぜんぜん関係の無い発言なんだけど、なぜかひっかかった。
本人が気がついていないだけで何かを引き寄せている事。
それは怖い事だったり不思議な事だったり。あるいはラッキーなことだったり。
そんな力もあるんじゃないかなと私は思っている。
私も気がつかないうちにそんなことになってたらどうしようかと思い、彼になにか不思議な体験は無いか聞いてみた。
「俺さあ、昔一人暮らししてたときに夜中部屋の電気消してテレビ見てたんだよ。
そしたらトイレのドアが突然あいてさ。
なかから長い白い帽子かぶったコックさんが出てきた。
キョロキョロしながら風呂場に入っていった。
風呂場窓ないし。中身たら消えていなくなってた。」
それって幽霊じゃ・・・・・
「あいつ料理の一つも作ってくんなかった。使えないやつだったよ。」
ジーザス。
2005-08-01 (月) ボクが。いったい。なにを。したと。
■ いうんだーーーーー!!!
日々暑さに力いっぱいだらけながら、自分ルールの出社時刻を取り入れていた所、いい加減にしろと周りが責めてきます。
私は時間に対して自己解釈が発達しているというか、おおらかというか。
そんな私の超人ルールが凡人には通用しない事は百も承知なのですが、どうもこう時間というものに興味を抱く事が出来ません。
分かっているのです。私も社会人。時は金なり。
大切な面接にも平気で遅れていった過去を持つ私が、実は一度だけその言葉を実感しまくった事があるのです。
今から7年ほど前でしょうか。(うわ!7年経ったのか!!)
当時彼氏イナイイナイチャンの私に、一筋の光が見えかけておりました。
清らかにお食事だけのお付き合いを繰り返していた彼が、いよいよウチに来る事に。しかし前日になり翌日出張を命じられた彼。準備が忙しくなったので、とりあえず夜のお食事はナシにして、深夜ウチにきて翌朝早くに出るという大人プランに。
ワタクシも大人ですので、じゃあ待ってますねと余裕でお返事をいたしました。
その後、今から六本木のニューハーフショー観に行くぞとかいうオヤブンを完全に無視し、彼女とうまくいってないと泣きつくオオノのアフロを掴み膝蹴りし、ダッシュで家にたどり着いたのは夕方6時。それからオニのように掃除を行い、ぴかぴかになった部屋を満足げに見回した私は近所のチビッコギャング・タツの実家の居酒屋へと向かいました。
家を出てすぐ、近くに住む外国人夫婦、ジョゼとミッテに遭遇。2人仲良くアイスを舐めながら、トモサンノオウチ、ココデスカー?と聞かれたので元気よく、そうだよ!305号室だよ!と答え、ご丁寧にあの窓だよとコンビニから仲良く見上げたりしました。
ラブは人を雄弁にするものです。
そうして2人に別れを告げ、タツの店にタノモー!と元気に登場。カウンターに座るなり小さなタッパをゴロゴロ取り出す私。生中も忘れませんよ。
なにこれ?というタツと大将。
仕事を済ませ彼がやってくる予定時間は夜の11時ごろ。きっと小腹をすかせてくるはず。
しかし我が家のキッチンは一人暮らし用にありがちな、ママキッチンに毛が生えた程度のおそまつな電気プレート。
そんなわけで、ステキなちょっとしたおつまみ詰めてチョーとお願いしたところ、タツにソレは詐欺なのではと言われましたが軽く無視。懲りすぎたものやプロっぽいものだとばれるので、ポテトサラダとか、簡単な煮物とかその辺ヨロシクと大将とおかみさんにお願いし、食後のデザート用スイカまで頂いてまいりました。
準備はOK!
部屋の中でフッフフッフと腹筋(+軽い捻り)をくり返し待つ私。ピンポーンとチャイムが鳴りましたが時間はまだ9時。ハテ。
扉を開けるとそこには、涙を瞳イッパイにためたミッテが。
「ジョゼサントケンカシマシタ。家ニ帰リタクナイ・・・」
・・・そんなこといわれても・・・。
とりあえずまだ時間があることだし、ミッテを部屋にあげてお茶など入れて落ち着かせます。
ラブは人を優しくするものです。
ミッテが落ち着いた頃を見計らい、実は今日11時ごろ大切なお客さんが・・・と切り出した所、マー!ボーイフレンドデスネ!と。さっしがいいねコンチクショウ。
この人たちのボーイフレンドとは恋人の事なので、私のボーイフレンドは今はまだ日本基準なのですが、今日をさかいに世界基準へと・・・。
そんな感じにモジモジしているとあっという間に11時。ピンポーン。キタ!
「オカエリナサィマセダーリン!」
止める私を振り切りミッテが玄関を開ける。イキナリ金髪碧眼の小太りおばさんが出てきて、彼うぉ!とかさけんでおりました。
「私モジョゼサンニ会イタクナッテキマシタ!アトハ若イ人達デホットナナイトヲネ!」
元気に帰ってゆくミッテ。状況を飲み込めていない彼を室内へ招き入れ、私いそいそと晩酌の準備。
いいかんじで酔いが回った頃、お風呂どうぞ、イヤ君こそどうぞとか言い合っているとまさかのピンポーン。時間は深夜1時前。誰?!
扉を開けると警察官が。心当たりがありすぎて、一瞬心臓が止まりそうになる私。何?!
隣でグスグスと泣くミッテが。
「あなたこの方のお友達?今ねぇ夫婦喧嘩がうるさいって110番通報があったんでね、このご夫婦に署まで来てもらったんだけどね、身元引受人がいないと帰せないんですよ。
申し訳ないんですけどね。あなたお友達らしいから、一度署まで身元引受人としてご同行願えませんかね。」
・・・そんなこといわれても・・・。
トモサンゴメンナサーイジョゼサンキラーイとか言いつづけるミッテをみて、何事かと出てきた彼。
「いってあげなよ。ボクもついていくから。」
結局パトカーに乗って近くの警察署へ。
車内の空気は重く沈みがち。少しでもましにしようと彼に、今から行く警察署、前に夜小学校のプールに忍び込んで捕まって連れて行かれたところだよっと小声でささやいたら、さっきの警察官にばっちり聞こえててしまい、ああ!あの時のおねぇちゃんか!!どうりで見たことあると思ったよ!!もうだめだよー、いい年してあんなことしちゃー!とわざわざ大声で諭されました。余計な事いわなけゃよかった。
警察署についたので、ジョゼに一言文句言ってやろうと勢いをつけて部屋に入った瞬間、その警察官が大声で一言。
「ホラ、皆、この前あれだよ、あの小学校のプールに入ったおねぇちゃんだよ!」
署内おおー!!という声とともに、又始末書書きにきたのかと茶化す他の警察官の一言でドっと笑い声が。ひどい。税金返せ!!(まともに払ってませんが)
「・・・君・・・有名人なんだね・・・」
彼が疲れたようにつぶやきました。ひどい。
別の部屋でふてくされてるジョゼも、私の顔を見たとたんさすがに悪いと思ったのか、オオー、トモーソーリー(ジョゼさんは日本語がほとんどダメです)と抱きついてきました。この根っからのイタリアンスピリットが今回のケンカの原因だというのに。
とりあえず2人を預かりかえろうとすると、パトカーで送ってくれるといわれました。気が利くじゃないの。ハイココですよ、ウチの家・・・って・・・なんで通り越すの?ナニ?2人きりで帰せないの?身元引受人とともにケンカ夫婦の家まで送り届けて、4人でもうケンカしないように話しあわなくちゃいけないの?なんで?いや、彼明日出張だし、朝早いし、何より限られた時間でしなくちゃいけないことあるんですよ私たち、日本基準の関係を世界基準にしなくちゃだから・・・その・・・。ねぇ? 結局間接照明だけが付いたムダにムーディーな部屋に、私と彼とケンカ夫婦が。ジョゼがバーボンをグラスに入れて手渡してくれますが。いや、そんなことより早く帰して。
2人がボソボソと話すのを5分ほど見てましたが、何言ってるかサッパリわかんないし。暗い部屋の片隅で、もう大丈夫そうだから私たちも帰ろうかとか彼と話していると、なんか、だんだん夫婦の声が荒々しくなってきたんですけど?なに?仲直りしてるんじゃないの?ファックとかって言ってるけど?
ナニ?
ガコーン!!
ものすごい勢いででっかい灰皿が飛んできましたよ。ミッテがよけたもんだから、灰皿私たちのすぐ近くで壁に激突、ガランガラン言いながら床に円を描いてます。エエエエエエーーー!!
「ファッキュー!!○×△□!!」
「私モウオワリネ!!ジョゼサンサヨーナラ!!トモサン!!ハニサン!!イキマショウ!!」
表に飛び出すミッテを慌てて追いかける私たち。時刻は2時半。
とにかくミッテに追いつき、なだめる私たち。
「トモちゃん、今日は俺帰るから。彼女泊めてあげな?」
そんな私たちのやり取りを見て、さすがに悪いと思ったのかミッテが「近クニ友達イル。ソコ泊マル。」と言い出しました。それ早よ言えよ。
ウチのすぐ近くだったので、明日早い彼を先に私の部屋へ帰らせて、私とミッテは友達のマンションへと向かいました。どこなの?ミッテ?
しかし2時過ぎという人様のお宅を訪問するにはあまりにも新鮮すぎる時間帯に、大丈夫かとし心配する私。ミッテいわく、なんでもその友人は六本木のサルサクラブでダンスの先生をしてるらしく、この時間ひょっとすると帰ってないかもしれないけれど、訪ねて行くぶんには全然OKだそうです。ビバ!ラテンタイム!
ミッテが少し迷った末、ココですという部屋へ突撃。元気よくピンポーン。シーン。誰も出ない。
最後の希望が絶たれそうで、おもわず涙ぐみながらもう一回鳴らす私。ピンポーン。
乱暴に開いた扉から顔を出したのは、サルサとは無縁の無精ひげにパンツ一丁、上半身に空間を余すことなく芸術的に現代風アートを彫り染められた若者が。その険しい表情はラテン率ゼロ。エエエエエエーーー!!
「・・・てめぇ誰だよ・・・今何時だと思ってるんだよ・・・・。」
「!!!!!・・ごっごごご・・・ごめんな・・・」
「アレェ、アナタ ミチャ サン知ラナイ?アナタ誰?」
「・・・オマエこそ誰だよ(怒)」
「ごごごごごごめんなさい!!」
慌ててミッテの手を掴み逃げる私。1階部分にたどり着き、改めてポストを確認。
「ミッテ。その友達何ていうの?」
「ミチャサンヨ。」
「・・・久我山?」
「ミチャサン!クガイワナイ!」
エエエエエエーーー。普通に間違いじゃん・・・・・。しかもポスト全員日本人だし・・・。
ミチャサンのマンション、白クテシカクカッタ・・・・と、くらがりにそんな漠然とした特徴を言われ途方に暮れる私。
その後ミッテをつれてトボトボ歩くも、今更彼女を連れて帰るわけには行かないし、世界基準格上げにはどれくらい時間が必要なのかと逆算しながらも、最後の望みをかけてキンキンに電話。
3時近くだという時間も、私と彼女の仲だしなんといっても世界基準目前だしとためらいなくコールする。
「モッシモーーーーシモダカゲキ!!」
・・・なにそれ。
ものすごく嫌なテンションで元気よく出たキンキンの背後は、2時という時間を無視した騒がしさ。嫌な予感。
「今タツの店だよー!トモもおいでよー!!」
・・・あっちゃーーー・・・。
とにかくミッテを泊めてくれないかというと2つ返事でオッケーが。
ありがたいが。タツの。店か。
行ってみるとやはりタツ・リッキー・ユウ・ジュンコが、人生ゲームをやりながらゴキゲンで呑んでいた。私が行くと、あれあれ?彼は?とか散々突っ込まれ、とりあえずキンキンだけ連れ出して逃げようとしたら皆がついてきてしまい、結局キンキンの狭いワンルームに私とミッテと酔っ払い5人が集結するという大惨事となった。
とにかく。俺様はダッシュで帰る!!
そう告げる私に、それはねーべと酔っ払い全員が邪魔をする。とりあえず店から持ち出した(大将ごめん!)一升瓶たちで更に酒盛り開始。私、逃げようとして又捕まる。呑む。又逃げようとして捕まり呑むのくり返し。
輪の中心で早くも真っ赤になったミッテが、トモサンタノシイデース!とコップ酒でゴキゲンだ。
こ・の・う・ら・み・は・ら・さ・で・お・く・べ・き・か!!!
前髪がワカメのようにメラメラペッチョリと額にくっつき、顔に縦線が豪勢に入りそうになるも(魔太郎。古。)、「コノウミ腫レ出タ?」とミッテにボビーばりに返されまた脱力。
それでも負けずに「皆が潰れなければ世界基準を逃す!!」と人が聞いたらサッパリ意味不明な言葉を叫びながら、ゲラゲラ笑う酔っ払い達に立ち向かうケナゲな私。
ココを逃げ出すには全員を潰して逃げ出すしかない。
すでにジュンコとタツ、リッキーは潰れている。落城寸前のキンキンと、後参加のせいか妙に元気なユウと、なぜかものすごいハイテンションのミッテに、のませのませて3時間。最後の敵ユウがトイレに入った隙に逃げ出す私。ダーリン!!待ってて!!(でもフラフラ。)
すでに朝日の差し込む部屋には、綺麗に整えられたベットと吸殻がテンコモリの灰皿が。その脇には小さなメモが1枚。
【毎日楽しそうですね。おつかれさま。行ってきます。】
世界基準・・・ならず・・・。
タイムイズマネー・・・・・
ゲームオーバー・・・・・・・・・(リセットなし)
その日の夜は彼から連絡がなく、こちらからもかけてみる気にならず早々に布団に入った。朝も着信履歴なし。昼もなし。夜はいつも行くインド料理のカウンターで、愛を逃してしまったと突っ伏し分かりやすくくじけた姿を披露していた私。常連たちから慰めのお酒をおごってもらってるうちにメラメラと怒りが。酔った頭で携帯を掴み、反省会じゃ集合!!とキンキン達を呼び出し、愛を逃したとまるでお門違いな怒りを先日のメンバーにぶつけ、気が付くとまったく関係のないはずのソジやタナちゃんやマリコまでいて、けっきょくまたアホのように呑み、私の部屋に移動、酔っ払い9人が集結し、何時の間にやら怪談が始まるというまったく訳の分からない状態となった。
酒と怪談で盛り上がった私たちは肝試しに繰り出す事となり、手荷物の準備をしていると携帯に着信記録が。彼からだ。キターーーーー!!と瞬時にテンションが急騰。その瞬間お電話がブルブル。彼からで、お土産を買ってマンションのスグ下まで持ってきてくれたとの事。出張先が名古屋だったからういろう?ううーんスキスキういろうダーイスキありがとー!!!と、ういろうまともに食べたことないくせに部屋を飛び出した。
すぐ下のコンビニで彼が待っていてくれた。時刻はすでに12時前。そこで我にかえった。
私の部屋には・・・酔っ払いが・・・8人も・・・イル!!
彼になんとかうまい理由をつけてどこかで待たせ、その隙にロクデナシ8人を叩きだし、酒と怪談ビデオが散乱するろうそくと線香の香り充満の部屋(怪談してたからね☆)を片付けたとして・・・20分・・・いや、15分。幸い私のマンションの地下には、麻布に本店を持つ大人居酒屋の支店が午前2時まで営業している。・・・イケル・・・・イ・ケ・ルーーーーー!!!と希望を胸にふと彼を見ると、私を通り越して上のほうを見つめて呆然としている。ナニ?
振り向き見上げると、私の部屋のベランダから酔っ払いの男ばかりが、ニヤニヤしながら覗いていた。
「・・・・お客さん?」
「いっっ・・イヤイヤイヤ、みんな酔っ払ってて、他にもオンナノコが何人もいて・・・」
「・・・そう。楽しそうだね。僕はコレで帰るよ・・・。」
「いや、でもみんなもう帰る所だし・・・」
「いいよ、無理しないでゆっくりして。じゃあね。」
立ち去る彼ボーゼンとする私。手にはサクラ味のういろうが・・・。
部屋に帰ると女子チームはアイスの取り合い(それ・・・私の冷蔵庫に入ってたものなんですけど・・・)、男子チームはなにやらら、これからの日本、愛国心ダベ?とか、壮大なのかなんなのか漠然としすぎたどうでもいい議論を熱く繰り広げていた。
おまえらのせいでーーーー!!と怒りに任せて投げつけたういろうが見事ワンバンしてろうそくにヒット、そばにいたソジを炙りかけ大騒ぎとなり、結局この日を境にその彼とは疎遠となっていった。
時間は大切だと思う。
タイミングだって大切だ。
でも。なにより。
友達選びが一番のネックになっていると悟った、酒臭い熱帯夜だった。
後日手をつないでイチャイチャあるく、ジョゼとミッテをみて全てを諦めた。
ゲームオーバー・・・・・ (フォーエバー・・・)
# 6-30 [帰ってきた酔っ払い。綺麗なねーちゃんに囲まれて美味しい酒を飲む酔いどれ天使を夢見たのに、怖いカミサマに追い出された。..]
# 6-30 [きっとチムに引き戻されたんだろー。この世に。でもなんか生まれ変わったみたい。……そんなことはないかー。]
# (・ε・) [復活早々お元気そうでなによりだッチョ。180度横転て。]
# (・e・) [生まれ変わった6-30楽しみにしてるチム。]
# 6-30 [車が6-30の言うことを聞かず、駄々をこねて、仰向けになったんだ。シートベルトで宙づりになって、車の天井で道路を1メ..]