チナウ
2002-10-07 (月) もうヤケクソ。
■ ボクの神様【敵陣地】編。
Aちゃんとの待ち合わせの駅に降りたときはやっぱりちょっとどきどきしてきましたよ。
とりあえず不安になってきたのでオヤブンに電話してみました。もちもーち。
「おう、なんや。しのぎのない声やのぅ。」
「・・・しのぎのない声ってナニ?」
「キミと違ってボクは大変いそがしいんだよ。何の用事だよ。」(←超ヘタクソな標準語)
「えーっとさー、今から実は新興宗教の説明会に行くんだよね。」
「はあ?なんやそれ。お前そんな暇な人生送っとるんやったらちょっとぐらい手伝えワシの仕事。」
「ヤダ。オヤブンの仕事、新興宗教やマルチよりタチ悪いもん。」
「じゃかあしぃ。とりあえずお前が洗脳されまくるように呪いおくっとくわ。ほなさいなら。」
「いやーちょいまちちょいまち。ちょっと不安なのよ。テヘ。」
「何しに行くんや。」
「友達がハマっちゃって、一度話を聞いてくれの一点張りやねん。」
「とりあえずお前単純でアホそうやから、引っかかったときのために身元確認できるもんは駅のロッカーにでも入れてけ。」
「おー、なるほど。」
「それからなぁ、肉食え、肉。肉くぅて血の気多くしていけ。」
「うん、何か目の前に焼肉屋があるから行ってくるよ!」
「洗脳なんてシャブといっしょや。いざとなったら縛り付けてクスリ切れるまで暴れても監禁したるわ。」
「ありがとう。オヤブン。とりあえず行って来るわ。」
「おう。ほんまお前も宗教家と遊ぶなんて暇やのー。」ガチャン。ツー ッツー
人が真剣に悩んでるのに・・・。
とりあえずオヤビンのアドバイス通り、1万円札と携帯だけをポケットに入れて焼肉屋へ入った。
いつもは結構焼くのに、この日ばかりはほとんど生のような肉をムニュムニュムニュムニュたべた。
ビールも飲んだ。野菜は一切食べなかった。
骨付きかルビは手づかみでムチュムチュムチュムチュ食べた。口の周りがカナリ汚れた。
何だか楽しくなってきた。
追加注文しようとして約束の時間に5分過ぎていることに気が付いてあわててみせを飛び出た。
あぶない。またもや目的が変わってしまうところだった。フー。
元気一杯、油でギラギラした私をAちゃんは不安そうに見つめた。つか焼き肉くさかったかも。すまんすまん。
Sという宗教は、もともとアメリカで生まれた。
アメリカにいるSF作家が経典のようなものを書き、それを中心に動いている。
こう書くとどこの宗教か一発でばれると思うけど。
ハリウッドスターにも信者はいる。
しかしAちゃんの話をいくら聞いても、私には自己開発セミナーとの違いがわからない。
とりあえず向かったのはSの東京支部。事実上日本で一番中心となる場所だ。
日本の新興宗教の豪華な設備を見ているせいか、思ったよりそこはひっそりしていた。
1階はガラス張りのフロア。
ドコモショップを広くしたような感じだ。
入り口付近に所狭しと並べられた本。長いカウンターにはマンツーマンでなにやらにこやかに話し込む人たち。
料金表のようなのまで出して説明している人もいる。
なかにはいるとすぐに、Aちゃんの顔見知りらしき男性とすれ違う。
「よっ!Aちゃん!がんばってる?!」
「あ!○○さん!!おひさしぶりですぅ〜!!」
「今度また飲みに行こうよ!」
「わたし○○さんに聞いて欲しいことがいっぱいあるんですよ〜。」
「おう!俺でよかったらいつでも聞くぜ!!お互いガンガンがんばろうぜ!!じゃ!」
「はい〜!!」
・・・・・サムッッ!!!
文面からは分かりづらいかもしれませんが、これが、とてつもなくしらじらしい感じの男なんですよ。
なんか、うまくいえませんが、同じ方向を向いてる同士だぜ!俺たちは!!
みたいなヌルいなれなれしさがあるんですよ。ゲーですよゲー。
「でもねトモ吉、あの人ミュージシャンなんだよ!!」
だからなんやねん。
この世の中ミュージシャンなんてなんぼでもおるっつーねん。あほくさ。
イヤイヤいかん。これは、先入観で見てはいけない。落ち着け私。落ち着け落ち着け。
2回の事務所に連れて行ってもらう。Aちゃんがいつも働いているところだ。
私たちと同じぐらいの女性が5,6人、テキパキと働いている。
私の顔を見るといっせいに皆が「コンニチハー!!」と明るい声をかけてきた。
「あ、友達のトモ吉です。」
「ああ、あの。」
どうやら私の話は回っているらしい。
その中でもリーダー格らしき女性が近寄ってきた。
「今日は来てくれてアリガトウ!!!」
・・・・うわ。もうだめかも。
私はできるだけ落ち着いてにっこり笑ってみせた。
「いつもAがお世話になってます。Aはちゃんとここで役に立ってますか?」
「モチロンです!!」
「Aちゃんはなくてはならない人材です!!」
全員が口々にAちゃんを褒める。
Aちゃんテレる。
そうか。分かった。
お前等全員オレの敵だ。
それでも私は人当たりのよさそうな、負けないぐらいうそ臭い笑顔で1階のフロアーに戻った。
1階では40代の男性が待ち構えていた。
「Aちゃんから聞いてますよ。今日はゆっくり見学していってください。
まずは私たちの教団をわかりやすく説明したビデオを上映いたしますので是非見ていってください。」
1階のフロアーの奥には、小さくちゃちながらもミニシアターのようなものが造られていた。
30人も入れば一杯になるくらいの。
私は一番真中の良く見えるところに座った。
あとは隅の方に2人連れの女性が座っただけだ。
3人だけの上映会が始まった。
まずはこの教団の経典を書いたアメリカのSF作家の生い立ちから始まる。
その家庭環境と時代背景。
そのうち彼はステキな考えを思いつく。
これを紙に書きとめたのが今ある経典の核だ。
それを友人たちに回し読みさせた。
友人たちはそれを見て大感激し、それぞれがコピーを取ってまたたくさんの人たちに勧めた。
また勧められた人たちが感激して、それをコピーし・・・
最後は地球の周りをその原稿用紙が取り巻くように舞ってビデオは終った。
・・・・・なにコレ?
つまりその皆が幸せになれるステキなアイディアってナニ?
きょとんとするところへ、先ほどの男性が登場。
今から説明&質問会を始めるというので場所を移る。
いよいよそのアイディアが明かされるのだろうか。
説明会は私達2人とAちゃんだけということもあって、パイプイスが5個3列に並んだ小さなスペースだった。
前の真中に2人組みが座った。
その斜め後ろに私とAちゃんが座る。
前の2人組みはともに30代後半から、40代前半。
一人は少し小太りで、化粧っけのない地味なタイプ。
もう一人はま逆な、痩せてぎすぎすしたハデな気の強そうな女。
今時前髪をとさかにしているのが悲しさをそそる。
男性が登場してにこやかに今みたビデオの感想を尋ねると、信じられないことにその派手な女はこういった。
「すばらしいです。彼の偉大さがよく分かりました!」
・・・・・マジかよ?!!!
いや、この2人、本当にサクラでもなんでもないんですよ。まじめに言ってるんですよ。
男性、大変満足そうにその2人に意見を求めます。
「どこが素晴らしかったですか?」
「自分ひとりだけじゃなく、皆で幸せになろうってところがすばらしいです!」
「読んだ人もコピーを取るほどだなんて!しかもそれを人に勧めたくなるようなすばらしさだなんて!」
本当に私一瞬魂ぬけました。
大満足気味だった男性も、黙っている私に目を向けました。
「あなたはどうですか?」
「・・・・すばらしいって・・・なにがですか?」
私の一言に、一瞬で空気が凍りつきました。
前の2人もすごい勢いで振り返ります。
わたしはできるだけ波風立てないように、穏やかに話しました。
「あの、正直に申し上げますね。
素晴らしいアイディアかもしれないけれど、ビデオではどんな内容かなんて全く触れてないじゃないですか。
だからこれを見てどうですかと聞かれても全く分からないんですけれど。
なんて答えればいいんですか?」
角が立たないように、イヤー私バカだからみたいな感じで言ってみました。
前に座っていた気の強そうなハデな女が馬鹿にするように鼻で笑いました。
なので私はその女性に聞いてみました。
「皆で幸せになろうっていう考えは確かに素晴らしいかもしれませんが、そんなの私たちだって普通に思いますよね。
あなたが素晴らしいと思ったこの教団の考えって何ですか?」
「だから、皆で幸せになろうとする気持ちです。」
「そんなの普通に子供の頃から学んできたはずですよ。じゃああれを見るまであなたは自分ひとりで幸せになろうとしていたのですか?」
「・・・そういうわけじゃないけど・・・」
「じゃああなたは既にもう素晴らしい人だったんじゃないですか。それ以外にあのビデオから感じることは何なんですか。」
「皆に勧めたくなるような素晴らしいアイディアってことで・・・」
「そのアイディアってなんですか?」
「・・・それは・・・」
「だからそれを今から説明してくださるんですよね。えーっと私トモ吉と申します。あなた様は・・・」
男性は慌てて高木ですと答えた。
「高木さんですね。宜しく願い致します。この時点で私たちに言える感想なんてないですものね。」
にっこりしながらじゃあ説明お願い致しますといってみたら、高木さんは慌てたように説明を始めた。
小者め。
ホワイトボードに高木さんは不細工な円を重ねていく。
この中心がそのアイディアで、次の円がそのSF作家の友人たち、
次の円がその友人たちが勧めた人たちで、
次の円がそのまた・・・・
眩暈がしてきました。
つまりそのステキなアイディアは何かと聞いたところ、結局は入信しないと教えてくれないというオチでした。
なんじゃそら。
「教団の教えを聞かずに入信するかどうか決めるんですか?」
「そうです。」
「どうしてですか。」
「皆様にそうして頂いています。」
「皆で幸せになるんじゃないんですか。」
「・・・しかしこの皆を幸せにするために広めていく活動にも維持費もかかりますし・・・。」
「つまりはお金ということなんですか。」
「・・・そうとっていただいて構わないです。」
「なおさら、それを信じるかどうか内容を聞いてみないと決められないと思うんですが。」
「あなたは幸せですか?」
「幸せです。」
「でも、なにか不満や不安はあるでしょう。」
「当たり前です。ない人間なんていません。」
「それを取り除いて幸せになれるんです。」
抽象的なことのくり返しで私はイライラしてきました。
つまり肝心なことは何も説明しないつもりのようです。
「あなたの不安なことは何ですか。それもなくなるんですよ。」
「私の今一番不安なことは、私の友人がここに来て、1万円で入れるサウナに10数万はらって借金まで勧められているという事実です。」
言った瞬間相手の顔色が変わりました。
前の2人もビックリして動揺しているようです。
「じゃあ、こちらでゆっくりとお話しましょう。」
私はその2人と引き離され、別室に連れて行かれることになりました。
あーあ、落ち着いて対応するつもりがいっちゃったよ・・・・・。
時計をみたら8時を回ったところです。
外の暗さに不安を覚えつつ、でも怒りでなんか強気になっていましたよ私。肉のせいかな。
でも一応出口だけはチェックして、別室に向かいました。
ポケットで握った携帯の短縮1番はオヤブン。
いざという時は頼むでオヤブン。
別室は・・・・・圏外でした。
2003-10-07 (火) けっこう難しいな。これ。
■ 中間管理職からのメッセージ。(←えらそう)
きのうから寒くて寒くてたまりません。
がたがたいってます。風邪?
つよがっていても所詮乙女な私。今日は早引けしたい気分です。
くたびれながらもまあ一応は定時まで働きましたけどね。
かなりダルダルです。
わたしが学生の頃やっていたバイト先で、一番に要求された事。『空気を読め』。これだけ。
かんたんにみえて、これがなかなか難しいのです。
つしま君という後輩がいました。彼がまったく読まないタイプで皆手を焼いておりました。
ていねいにいってもダメ。根本から分かっていない。
くるなと言っても勝手に飲み会に付いてくるし、平気でくだらないことを延々と離す。
れんらくしてないのに。よばれてないのに。人の企画した飲み会でど真ん中に座り込んでいる。
るすがちだった先輩の家にお留守番がてら皆で行ったときも、平気でベットに寝そべったり。
のりがいいのと、遠慮がないのがごっちゃになっていました。平気で人を不快にさせるような発言したり。
かわいそうな話ですが、失礼な事を言う事で人の気を引こうとしていたのかもしれません。
あれから10年以上経ちます。
のばなしのままあの性格が育っていたらと少し恐ろしくすら感じます。
ろくに説教もせず来てしまいましたが、もう少し言ってあげたほうが彼のためだったのでしょうか。
くるしいよ。君がいる空間は空気が少なくなるよ。皆がどう思ってるかゆっくり落ち着いて一度見回そうよ。
のばしのばしのまま何も言わずにあわなくなった人でした。ねえその後大丈夫でしたか?
ひとからアイツが来るならその飲み会行きたくないとか言われて、私は間に入ってなかなか複雑でしたよ。
とても損をしてるとおもいますよ。でもあまり偉そうな事、私が言える立場でもないのです。
はじめに言えって言われそうですが。言ったのに。さりげなく言ってるのに気がついてくれないんだもん。
つしま君、お元気ですか。偉そうな事いってごめんね。
っつか、私が空気読めない人間なんだけどな。
こんな私だから、周りに叱られながら生きていますよ。
みんなと楽しくとか、嫌われないようにとかそんなことはする必要ないと思うけど。
すくなくとも、人の家に土足でドカドカ入る人間にならないよう気をつけようと思っています。
きれいごとかもしれませんが。皆がいる場所は入るのも自由なかわりに多少は気も使うのです。
なかなかダルイことだけどな。
ひとの事いえないけどな。私。
と、散々書いたつしま君から、結婚しますハガキが届きました。
は?マジっすか?
2010-10-07 (木) お久しぶりです!
■ 生きてます!相変わらず生きてます!
太りました!相変わらず太りました!
会社がまったく誰もいない日が多くて、もうスパーダーソリティア、ゲーム再生回数が8000を超えようとしています。
1万が見えてきました。
# ジョニー・デップ ["圏外でした。"って、どうなったの? 無闇に心配させないよーに。 星ひゅーまじゃないんだからさ、目から炎出たとこで"..]