チナウ
2002-12-11 (水) ボクの友達デビルマン。
■ 一応彼女募集中。
世間様ではボーナスですか。
こちとら自慢じゃありませんが、ボーナスなんかいっぺんももらったことないもんねー。
ほらあれだ。チンピラにはボーナスなんか無縁なんだ。
私の人生に欠けているの。
それはあれだ。配慮と情緒とボーナスだ。
ざまみろ。
今更無くてもへっちゃらだもんねープップクプー。
と強がっていましたら、社内はまさにボーナス明細書配り真っ只中。
経理の方が・・・ワタシの机の上をきれいによけて・・あの魅惑の青い紙を・・・
その中にはいかほどの夢と希望が詰っているのでしょう・・・ ワナワナワナ
・・・・・。ちょっとトイレで泣きました。
しかしそこは私も大人の女。自分を励ましながらお席に戻ってお仕事開始。
あれあれ?ギブッちからメールが届いてますよ。
ちょーもー今年のナスボー最悪ー。
なによーあれ、○十万カットってどゆことよ。
まあ世の中には50%カットっていう世知辛いところもあるらしいから、
それ思えばアレか。まだずっとましか。
でもなんか、ふにおちんのー。
腑に落ちんのはこっちです。
○十万カットて・・・しかもそれが半額じゃないなんて・・・・
ワタシとチンピラ度はどっこいどっこいのこの男が、なぜに・・・なぜに・・・なぜに・・・
神様・・・・・
5時間後
「はい、生中お2つ。」
「・・・・・。」
「鍋はねー、なんにするハニー★。」
「・・・あのさあ・・・」
「なんですかお財布様。」
「・・・・・。」
「あ、あと生牡蠣★」
「・・・お財布て・・・」
「白子ポン酢もたべるー★」
「・・・・・好きにして。」
心優しいギブっちが鍋をご馳走してくれました。
メールの返事で鍋って字を数が分からなくなるくらい叩き込んだら即効お返事が。
俺が悪かった。
世間の弱者に対して配慮がたりなかった。
俺の知ってる店で鍋おごるからそれでがまんしてくれ。
優しいなー。
そんな優しいギブっちのために、せめて楽しませてあげようと僭越ながらワタクシメ、一生懸命おしゃべりしましたよ。
身振り手振りで、演技派に。
ガツッ
タラー
「!!!!!!!!!」
テーブルの上に置いてあった醤油とビールのジョッキを叩き落してしまいました。
イスの上に。ギブっちの。コートのおいてある。
・・・・・
ぎゃーーーーーーーーーッッッ!!!!!
「ごめんごめんごめんギブっち!!!!」
「(ため息)あーいいよいいよ。お話を続けてください。」←自らお絞りでコートを拭く
「もっとパンパンってやらなきゃダメだよ!!!もっと強く!!!」←偉そう
「・・・あーも、これでいいよ。」
「とれた?とれた?」
「なんか、香ばしい臭いのするコートになった。」
ごめんギブッち。
ギブっちがその後トイレに行ってるうちにコートもっかいチェックしましたが、
これ、バーバリーの、高そうなコートですわ。あちゃー。やらりた。
でもちょっとむかつくので、もう少し醤油をたそうとしたらギブっちにみつかりました。チッ。
「ホントごめんねギブっち。」
「そんな、膝蹴り・コートに醤油ぐらいでワシは怒りません。」
「でもコーちゃんにいわせると、それぐらい最小被害っていわれるよ。」
「・・・・・。」
「でもね、ワタシも被害を与えるだけじゃないんだよ。たまにはいいところもあるんだよ。」
「あんのかよそんなこと。」
「うん、ワタシが酔っ払ってナンパした男の子とワタシの友達付き合いだして、結婚したんだよ!」
「まじかよ!すぐひっかけてきてくれ。たのむ。」
「あれ?ギブっちいるじゃん。キレーな・・・」
「 別 れ た ん だ よ 。」
「あーそー。まあねえ、ギブっち性格悪いもんねー。フラレてもくじけないでまたボーナスもらえるようにがんばって。」
「向こうがおれに惚れてたんだっつーの。」
「ハイハイ。そんなむなしい事後報告はいいからいいから。」
「くっそーッッむかつくッッ!!!今すぐ電話してより戻してやろうかッッ!!!」
「あー、鍋食べた後にして。今忙しいから。何鍋にする。」
「・・・あんた・・・、酒で死ぬか刺されるかだな。」
そこに店のお姉ちゃんが愛想よくあらわれました。
ギブっちのことをちらちらみています。
「あれ?お客さん前にもいらっしゃった事ありますよね。というか、何回か。」
「うん。あるよ、奥の席ね。」
「お客さんだけ名刺下さらなかったんですよね。横浜にすんでらっしゃるんですよね。」
「うん。よく覚えてるね。」
「海近いですかってきいたら、海の中にすんでるって言ってたじゃないですか〜もうオオウケしちゃった〜キャハハハハ★」
「アハハハハ。」
「お鍋何にします?」
「お勧めはなに?」
「えっとー、チゲ鍋かあ、ちゃんこもお勧めですよ〜」
「じゃあハーフ&ハーフで。」
「やだーそれこの前も言ってたじゃないですか〜キャハハハハ★」
「だね〜。じゃ、カモ鍋で。」
「やだ〜お勧め関係ないじゃないですか〜キャハハハハ★」
「アハハハ〜。」
すごいです。
コレが営業の力というものなんでしょうか。
「あの子さぁ、ウチの先輩がきにいっちゃってさ。あの先輩とオンナ取り合う事一生ないな。」
「・・・・・。」
「あ、ポン酒でいいっしょ。冷酒に牡蠣ついかで。」
「ギブっちって爆笑問題の太田ににてるのに、オンナ関係はちゃっかりしてるね。」
「つか、オレと太田に失礼だろう。それ。」
このお店には20代前半の女性が2人いるのですが、どうやら看板娘らしく、このオッサンしか来ない店でかわいがられているようです。
営業マンのギブっち相手にがっちり営業してきます。
「カモ鍋お待たせしました〜それとこれ、名刺です★もらってください★」
「へぇ〜シオリちゃんっていうんだ。カワイイ名前だね。」
「うそだぁ★でもね、マキちゃん(もう一人の女性)にはハタ坊っていうあだ名があるのに私にはないんですよ〜」
「あっそう。じゃあオレが考えるよ。」
「本当ですか〜★楽しみにしてます〜★」
「次来るまでに考えとくね。」
「ウレシー★」
そういいながらギャルはさっていきました。
「きまり。あいつウナギいぬな。ウナギいぬ。」
「・・・・・あんたって・・・・。」
「ウナギいぬ。」
シオリちゃんがまた戻ってきました。
「これおつけもの。サービスでーす。」
「ありがとう。シオリちゃん日焼けしてるね。サーフィンとかしてるの?」
「ダイビングしてるんです。」
「あっそう。健康的だね。」
へへ〜とかいいながら彼女は去って行きました。
「やっぱりあいつウナギいぬな。ウナギいぬ。海に返そうぜ。」
「・・・・・あんた・・・なんか・・・尊敬するよ・・・・。」
えー、そんな最低なギブっちにたらふくゴチそうになった私は。
人間として。どうなのかと。
そして酔っ払った挙句ほとんど手をつけていなかった御漬物を持って帰るとわがままを言い、
お持ち帰りようにしてもらい、
自分では持って帰らずギブっちのかばんに押し込んで帰ってきました。
本日ギブっち先生からメールが。
本日大切なプレゼンあり。
有能なボクは自信に満ちてクライアントを訪れたのですが、
かばんをあけたとたん会議室中に漬物の匂いが充満しました。
たぶんダメだとおもいます。
・・・・かさねがさねごめん。ギブっち。
でもウナギいぬて・・・
鬼だ・・・。