チナウ
2005-01-13 (木) あけまして。 [長年日記]
■ おめでとーーーーーー!!!(あえて堂々と)
今年もよろしくお願いいたしますーーーー!!(日にちを気にせずおおらかに)
そんな私の新年の挨拶にあの髭油コーちゃんは、たった一行のメールをよこしただけでした。
#ドウデモイイケド はせやん続キサッサト書ケヤ。
アハハハハハハハブッコロス!
今年もこんな殺伐とした関係でお届けさせていただきます。ヨロチク!
■ 愛に生きる、その時君は暴走列車。⑤完結編
店はほぼ満席状態。はせやんと私は入り口に近い席に向かい合って座った。
はせやんが嬉しそうに何飲むぅ?お腹すいてない?とアレコレ世話を焼いてくれる。
とにかく喉の渇いていた私はビールを一気に飲み干し、揚げ出汁豆腐・シメサバ、そして熱燗を2合を頼んだ。
はせやんはカシスオレンジを注文した。
カシスオレンジとシメサバ・・・。
さて、イザ説教と言っても本人を前にどう切り出したものかと、私はチョッピリ躊躇した。
しかしここ数日の事を思い出し、自分の平和のためにもきちんと話すべきだと考えた。
「はせやん・・・あのさぁ・・・私の勝手な自意識過剰やったらごめんね。あのね、はせやんって私を恋愛対象として見てる?」
聞いた瞬間、はせやんはちぎれそうなほど手とクビを横にふった。
「ないないないないないよー!!トモはボクの大切な友達やん!!そんな目でみてないよー!!!」
そうなのか?
もしそうならそれはそれでいいことだ。ちょっと自意識過剰すぎたかなと内心反省しながら、ならいいけどココ最近の電話とか本当に迷惑だよと色々文句を言った。
はせやんは、うん、そうやね、ぼくもそう思ってたんだよとまったく他人事のように相槌を打ち、それでも今後は携帯で他人から電話をかけさせないと最底辺レベルな約束をした。
本当にわかってるのか心底怪しかったが、今度こんな事があったら私は携帯の番号変えて教えないとまでいっておいた。
そんな話をどれくらいしただろうか。
私の携帯に友達から電話がかかってきた。私ははせやんにわびて数分席を立った。
戻ってくると、彼はなにやら思いつめた顔で一点を見つめていた。
また狐でも降りてきたのかとさして気にもせず、私は追加注文したばかりの熱燗を啜ろうとお猪口を手にとった。
「トモ・・・あんなぁ・・・ボクなぁ・・・・ボクなぁ・・・・・」
「?」
「ボク・・・ボクトモとなぁ・・・・トモ、ボクとなぁ・・・・・」
その目、口調で先のセリフは予想できた。
なんだ?結局告白なのか?結局付き合ってとかそうくるのか?
さっきの友達発言はなんだったんだと思いながら、私は心の準備をちゃんとしながらお酒をすすった。
「トモ・・・・ボクと結婚してください!!」
結婚かーーーーーーーーーーーーーーーい・・・・・・・・・・・
いきなりすぎる予想を何歩も進んだ申し込みに、私は手に持っていたお猪口をマンガのように落とした。
お猪口はほんとうにマンガのようにゆっくりと私の手から落ち、テーブルの上でコロロと半円をくり返し描いた。
「あーーーー・・・無理?」
「なんで?なんでなんトモ!!ボクな、貯金もちゃんとあるで。マンションも買おうと思ったら買えるで。」
「だって・・・はせやんと住むんでしょ?ムリムリムリムリ。」
「毎日のみに連れて行くで?旅行もいくで?」
「無理やて。私はせやん男としてみれへんもん。セックスはおろかチューも無理。」
「大丈夫!!ボクな、好きな女の子とやったらセックスしなくていいねん。ぎゅーっと抱きしめて眠るだけでいいねん。むしろそんなことして相手を汚したくないねん!!」
「はぁ?!!セックスのない夫婦生活?!!そんなもんもっと嫌にきまってるっちゅーねん!!」
「なんで?あんなことせんでも、心がつながってたら大丈夫やん!!それは必要ないやん!!」
「あほくさ。そこらへん歩いてる女の子片っ端からつかまえて、その夢の夫婦生活語ってごらん。まぁまず市民権得られへんとおもうよ。」
「なんでや・・・心つながってたら・・・愛があったら・・・」
「いや、好きになった人がセックスできない何か事情があるならともかく、健康な男女でその理屈は難しいと思うよ。」
「でも・・・ぎゅーって抱きしめあって・・・・」
「はせやん。むりや。少なくとも私は無理。
もしはせやんがその夫婦生活を夢見るなら、そう思ってくれる女の子捜して下さい。」
「いや、セックスしても別にいいねんで・・・・・」
「無理です!!はせやんとはできません。男性としては好きになれません。」
そんなやり取りをするうち、自分の家は由緒ある家だとか、はせがわ家の長男として奥さんを幸せにする自信があるとか、なんかそんな壮大な話を繰り広げだした。
私は好きでもない男のそんな話に興味を持てるはずもなく、ふーん、でも無理。とか聞く耳も持たず、お酒を飲んむ。
そのうちはせやんも分かってきてくれたのか、そっかーむりかーとだんだん和やかなムードになってきた。
そうだよはせやん、いきなりすぎだよーと2人で笑いあったりした。
そうだよ、セックスしないとかはせがわ家とか言う前に、そんなに焦らずゆっくり好きな人を探したらいいんだよと、私も呑気な発言を繰り返した。
酔いが回りだした私は、次は何を飲もうかなとか、おつまみもう少し頼もうかなとかぼんやりかんがえていた。
ふと、はせやんが無言なのに気がついた。
目を上げると。
そこには大粒の涙をボロボロこぼす、34才男性の姿があった。
カコーーーーーーーーーーーーーン・・・・・・
その日2回目のお猪口の落下であった。
「なななななななになになに?!!」
「あはは・・・グスッ・・・ごめんね、気にしないで・・・グスッ・・」
どんどん涙がこぼれていく。
泣く男。パニックになる女。逆やろ普通。
私は人の涙に弱い。焦りながらも必死になぐさめ、でも私は本当にアナタを好きになれないんですよということをきちんと伝えようとする。
はせやんの涙は止まらない。それどころか量を増して行く。
ボタボタと落ちる涙は、大げさでもなんでもなくテーブルを濡らす。
その後数時間かけてはせやんを慰め、分かってもらえるよう説得する。
はせやん、ごめんね、でもはせやん無理だから。
こういうことは、きちんと断らないといけない。泣かれても、きちんと。きちんと。
そして目を真っ赤に腫らし、ムッサリしたはせやんは何とか分かってくれた。
これからもいい友達でいてくれるかと聞かれたので、もちろん!と答えた。
結局はせやん説得に店の閉店時間午前2時までかかった。店から追い出された私たちは、疲れたけど、でもへんな晴れ晴れとした気持ちで、じゃあねとしっかり握手をして別れた。
ちょっとやっかいで変なヤツだけど、友達として仲良くしていけたらなと思った。
家に着いた。シャワーを浴びた。パソコンを立ち上げた。
メールが届いていた。
AM 2:12 Subject:今日はありがとう。 ボクたち、又一歩近寄れたね。 トモがセックスに積極的なのにはちょっと驚いたな。 ボクは正直経験が浅いから、今日から修行してトモを満足させれるようにがんばるよ! またゆっくりデートしようね。明日とかどうかな? 来年のお正月には、はせがわ家へトモを連れて帰るからね。 大きな家だけど怖がらなくて大丈夫。ボクがトモを守るよ!(きゃー☆) おやすみ☆
AM 2:15 Subject:忘れ物! XXX! (キスキスキスって意味だよ!!)
・・・・・ぜんぜんわかってない・・・・・・・。
その後もはせやんに待ち伏せされたり、インド料理屋の壁に【トモだぁ〜いしゅき☆】と書かれたメモ(付箋に鉛筆で走り書き)を貼り付けられたりと、チンケな愛情表現を捧げられた。
私は説得する事を諦め、とことん無視することにてっした。
そして静かに波が引くようにはせやんの求愛は穏やかになり、その後無事彼が元サヤ(はせやん、キャバクラに帰るの巻)に収まったと風の噂に聞いた。
そして時は流れた・・・・・。
都心の大きなターミナル駅。朝の通勤者の雑踏の中、はせやんはニコニコしながら立っている。
トモ、引越したの?今どこに住んでるん?まってメモ取るから・・・・・
その直後、彼が肩から掛けてた大ぶりのバックが、ホームへの階段を下りようとする集団の波に飲まれた。つられてはせやんも引っ張られる。
口をパクパクしながら雑踏にのまれて行く彼に、私はニッコリ笑いながら手を振った。
お元気で、はせやん。多分もう会う事はありませんよ。
カバンを必死に引っ張ろうとはせやんが視線をそらした瞬間、私は自分のホーム目指してダッシュした。
とりあえず久しぶりのコーちゃん出演にホッとした。
ははぁ・・・ん・・・さては油っこいもの好きですね。成人病に注意!!
コーちゃんはなぜかトリンプの新作バカブラが発表されると、いつもビックリのすばやさで教えてくれます。<br>自分のアンテナにだけは超敏感な男です。