チナウ


2002-10-03 (木) あーあ。これみたらコーちゃん怒るんだろうな。かんべんな。 [長年日記]

信仰と恋愛は似ている。きっと信じれたほうが幸せで、思い込みとのめり込みが勘違いさせる。

Aちゃんがうちにきた次の日の夜、Aちゃんの彼から電話がきた。

会って話をしようという。

Aちゃん彼は私も良く知っている人なので、ご飯を食べることになった。

久しぶりに会ったヒロさんは、相変わらず穏やかな人だった。

最近はAちゃんとはほとんど同棲のようになっていたらしいが、お互い仕事のため毎日入れ違いだったらしい。

ヒロさんはAちゃんから、彼女が私に神様話を告白したことを聞いたらしい。

困ったもんだよね、と、優しく笑った。どこか他人事みたいにいうのが気になった。

でも疲れているのかもしれないと思った。

実際昨日Aちゃんが家に来て、私も相方もコーちゃんも疲れていた。

話が通じないことがこんなに疲れるとは思わなかった。

コーちゃんがその教団の資料を見せ、ゆっくりと説明したが、

そんな事しっていたのか、どうでもいいのか、彼女はどこか聞いてないような思いつめた顔をしていた。

私と相方は、教団のパンフレットに載っていた、自分の修行のレベルがどこまで進んだか計れる機械というとてつもなく怪しいものに心惹かれたが、

値段が100万以上もしたので泣く泣く諦めた。イヤ、マジで欲しかった。

コーちゃんは、顔は油で肩はなで肩だが、付け加えるとアニメでめがね萌えで信号も見れないどうしようもないやつだが、声だけはいい。

低くてずっと聞いてると催眠効果がありそうだ。

これはいいんじゃないのーと期待していたが、やはりそう簡単にAちゃんの洗脳は解けなかった。

やっぱりコーちゃん人間的にステージが低いからイケナインジャナイノー。

うじうじいうAちゃんに私がキレてウリャーッッッ!!とかどなると、コーちゃん相方2人がかりで取り押さえられた。

しばらく黙ってろといわれた。ちぇ。

コーちゃんは根気強くAちゃんの言葉をまとうとする。

でもAちゃんは、「私は口べただからうまくいえない。いちど教団まで来てもらえれば分かる。」をくりかえすばかりだ。

そのたびにコーちゃんも優しく繰り返す。

「分かるよ。でも下手でもいいから話してみて。俺たちは教団まで行くことは出来ない。

俺たちが聞きたいのは教団の話じゃなくて、Aちゃんの話だから。」

「でもうまくいえない。来てもらえれば分かってもらえると思う。」

これを呆れるほど2人で繰り返していた。

コーちゃんはAちゃんが何を言っても彼女の意見を否定しない。

ゆっくりゆっくりうなづきながら、静かに根気強く問題の核に入ろうとする。

来るときは責められるのかと泣きそうな顔をしていたAちゃんは、帰る時にはとても落ち着いていた。

もし私達が彼女のそばにずっといたら、彼女は戻ってくるかもしれない。

でも実際問題つきっきりにはなれなくて、いいところで帰る時間になってしまった。

最後はやっぱり教団を実際見てもいないのに悪く言わないで欲しいというのが変わらない結論だった。

Aちゃんが帰った後、私は相方とコーちゃんにびっくりするぐらい釘をさされた。

「トモ吉。Aちゃんに何度誘われても教団まで行っちゃダメだよ。」

「お前はお前が思っている以上に思い込みが激しい単純バカなんだからな。」

なんだよ2人して。

今日は私を責める日なのかよ。

「どんなにバカバカしいことやってたって、向うにもそれなりの人を勧誘するテクニックがきちんとあるんだ。

だから、あまりなめてかかっちゃダメだよ。」

しつこく念を押された。

ヒロさんは、時間のある限り話し合いはしたと言った。

でももう疲れたと。

ヒロさんにも教団に来て見てくれの一点張りだという。

私が教団まで行って、それでも否定したら聞いてくれるかなと言ったら、ヒロさんはそうしてくれという。

私は少し悲しくなった。

なぜ私に頼むのか。なぜ自分でそうしないのか。

ヒロさんはオレはああいうのはだいきらいだから、これ以上そんなAちゃんを見たくないという。

彼氏なんだから、ヒロさんがAちゃんを守ってやってよ・・・と、ノドまででかかった声をがまんした。

これ以上、Aちゃんを嫌いにならないでいて欲しかった。

Aちゃんはヒロさんと付き合っていて幸せだったのかな。

ヒロさんという人がいながら、なぜ神様にすがったのかな。

どうしてもっと早くに私に打ち明けてくれなかったのかな。

ものすごく寂しい気持ちになった。

昨日、相方に言われた言葉を思い出した。

「もしさあ、私が新興宗教にはまったらどうする?」

「縛って家に監禁する。冷静になるまで何日でも。」

「仕事は?」

「そんなこといってる場合じゃないだろ普通。」

目の前にいるヒロさんが、落ち着いた人じゃなく、頼りない人に見えた。

ずっとそばにいる人が、目をそらしたらいったいどうなっちゃうんだろう。

私が新興宗教に入ったら、コーちゃんは根気強く私を説得しつづけ、相方は力ずくでも私を教団から遠ざけるんだろう。

ヒロさんは、自分がその問題から遠ざかりたがっていた。

だから、Aちゃんにはもう力ずくでも教団から引き離してくれる人は近くにいない。

ずっと見守る人がいない。

Aちゃんが信じているものをやめさせようなんて、それは私達のエゴかもしれない。

いいんだ。エゴだよ。ざまみろ。

今日、Aちゃんに電話した。

ここ最近毎日のように1時間以上電話してるけど埒があかない。

今から会ってくるよ。

コーちゃん相方ごめんな。いざとなったら頼むよ。なんとかしろよ。(←この態度)

人には偉そうなことばっかり言って干渉しまくるくせに、

とてつもなく自分には無責任な私だと自覚した。




とりあえずいってくらぁ。





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