チナウ
2003-12-05 (金) ヘタレでもいい。 [長年日記]
■ 負けて勝ってほしかった。
毎朝毎朝自衛隊だの派遣だののニュースばかりでうんざりだ。
派遣を考えた時点で今回のように犠牲者が出るのはわかっていただろう、何を今更騒いでいるんだと思っていたけれど、ああコレも一種の情報操作だったら怖いなとふと思った。
こんな事件が起こると闘争心に燃えるアメリカうろたえる日本。
そもそも一緒にする事が間違っていると思うのは私だけだろうか。
戦争がはじまったとき結構あちこちで戦争論をみた。
私はどちらとも言えなかった。それは卑怯だという意見もあったし自分でもそう思ったけど、言う事が出来なかった。
ただ私はヘタレな日本が結構好きだった。
そのダメぶりが日本の弱点でもあり逃げ道でもあった。
そして私もヘタレで、他国の復興より自分の身の回りの幸せだった。
当たり前の話だけど、お上は今回のような犠牲者最初から計算している。
遺憾だといいながら、これから先起こるもっと沢山の犠牲者の数を冷静に勘定している。
その数が正しいかどうかは別として、もっと沢山の血を考えている。
それは今回の派遣か。それともこれから先、未来に流されるものかは分からないけれど。
子供の頃、広島で被爆した教会の先生。
彼女がいつも言っていた。
日本はもう戦争をしなくていい国なんだと。
たくさんたくさんの犠牲を払った分、そのかわりもう戦争をしないと拒否できる稀有な国なんだと。
そういいながらも先生は、人々が戦争の恐ろしさを忘れていく事に酷く怯えていた。
多分自衛隊は派遣されると思う。
そうしなければ今回の犠牲は犬死になるとか言いながら。
いや、派遣を検討した時点で、日本はもう戻れない道を進み始めていたんだ。
自衛隊が派遣されたとする。
私は全くの無知な人間なのでどんな約束、法律があるのかは知らないが、今朝観たニュースでは色々なパターンに応じて介入するしないがあるらしい。
海外の兵士が襲われていたらその場合は介入するとかしないとか。
あほである。あほだ。
そんな事行ってる時点で死ぬ。ほんとに。
イラク復興支援という名目で行く。戦争しに行くわけじゃない。
そんな言い訳を持ってあの混乱の国へ行くわけである。通じるわけが無い。
できるだけの武器を持たせてやりたいのが親心というものだ。とても危険な場所なんだから。
日本には殉職という場合の対処方法があっても戦死したときの対処方法がないらしい。コレも考えて少しづつ法は改訂されていくのだろう。
そして戦争に対処しやすい国が生まれる。
話が違うじゃないか。
日本という国はつくづくいろんな国からなめられている。
なぜかと聞いたら、それが敗戦国というものなんだよと誰かが言っていた。
そうだ。日本は敗戦国なんだ。
むちゃな喧嘩をふっかけて、こてんぱんにやられたんだ。
アメリカの言いなりになり、金銭的に支援しても金しか出せない根性ナシの国と馬鹿にされる。お金を出しているのに金しか出さないと言われるんだ。割に合うあわない以前にはなから相手にされていない。
だからきっと自衛隊を派遣したってやっぱりこのなめられ方は変わらないと思う。
そして日本国民が想像している以上に世界は日本なんか眼中にない。
それなら国にあった支援の仕方があってもいいんじゃないか。
根性ナシと言われようと、今不景気とはいえ世界から見れば充分裕福な国日本。力じゃなく金銭や物を提供したって良いじゃないか。
根性ナシ?そういわれても結構。
派遣?むりむりむりむり、勘弁してよこっちは原爆2つも食らった国なんですよ、他の国の兵士の皆様やイラクの人たちに、おなかを満たすものを提供いたしましょう、復興のためにお金や食糧を提供しましょう。
血だけは流したくないんです。相手にも流して欲しくないんです。
ヒロシマ!ナガサキ!!
コレを合言葉に逃げろ。
逃げてもいいじゃないかそれだけの血は流したんだから。
無理だから。豊でほとんど無宗教な国の住人が、
貧しさやいろいろな問題を現世来世レベルで話す国の住人に勝てるわけ無いから。
残念だが分かり合えるとも思えないから。
戦争というものは終らない。
終ったためしがない。
あるの?本当に終った戦争はあるの?
ほら、そういってる間にビルに飛行機が突っ込んだじゃないか。
流された血は新しい血によって洗い流される。そのくり返し。
アメリカだって引き返せない道であがいている。だから少しでも多くの国を参加させたい。
日本が自衛隊を派遣する。極限状態の中、人は人を殺める。
それは止められない。責められない。
殺されたほうの人間には、恨みというものしか残らない。
そして日本の兵が殺され、ひょっとするとこの日本国内でも何かが起こるかもしれない。
そうなったら私たちだって相手に憎しみを持つ。
こうして戦争は広がっていく。
とことんくらって、踏みにじられたわが国は
あそこまでぼろぼろにされたからこそ国民が一丸となって戦争を拒否できた。
その時の強い気持ち、強い衝撃はもう昔。少しづつ日々に洗い流されていく。
被害を受けた国の人間である私たちですら薄れていくんだ。
ほかの国はもっと他人事だ。
多分皆分かってる。
解決方法なんて思いつかない。だから流されるように上の判断の元話が進み始める。
せいぜい飲み屋で戦争はイヤだなあとか、そう言い合うだけで気がすんでしまう。
あきらめてしまえる。
兵を派遣もせず、戦争が終った後石油だけくれだなんて言えない。そういっている政治家をテレビでみた。
終わりだ。こんな事平気で公の場で言える日本。バカな私でも聞いていて恥ずかしくなる。
高い給料もらって、税金から払ってもらっていう奴のせりふか。そのぶん何が何でも確保して来い。土下座して来い。
もっと安い給料で働くサラリーマンは、日々そうやって戦っているんだぞ。
知恵絞れや。根性見せろや。
それができないなら政治家やめろ。
政治家だっていろいろ考えてるんだろう。そう信じたい。
そしていろいろな戦略の上でこうするしかなかったのかもしれない。
でもそんなことテレビで言わすな。
萎える。
兵を派遣するという事例を作って欲しくなかった。一度行った以上、今後渋る事は難しくなる。
あの時は出したのに何故今回はだめなのか必ず言われる。
なめられている日本、兵を出してもあまり評価されず、それ以上を又求められる。
そんな日本をテロが標的にする日が来るかもしれない
いつの日か日本にも徴兵制度ができるかもしれない。
断固拒否をといた時点で、後はもう進むしかなくなってくるのが私は怖くて仕方が無い。
そして解決法が思いつかない自分が情けない。
いや多分、思いついたとしても何もできない。
そして犠牲者になるのはブッシュや派遣を決めた首相や政治家達ではない。
私たちが犠牲になるのだ。
お前等がやれ。
決めたやつらでやれ。
復興支援だなんてぬるい事言うな。
これは参戦だ。
参戦へ続く道の入り口だ。
私には家族がいる。
大切な人たちがいる。
どうかそれを取り上げないで欲しい。
戦後60年近く経ち日本はこんなに変わった。
たった60年で貧しさから立ち上がり豊かな生活を手に入れた。
順調に行けば私だって後50年は生きるかもしれない。
そのときこの国はどう変わっているのだろう。
不便になってもいい
貧乏になってもいい
その時になってああ参戦するべきだったとか言わないから。
がんばって石油の無い生活を目指すから。
お願いだから取り上げないで
大切な人たちを取り上げないで欲しい。
あなたの横にいる人を
あなたの腕の中で眠る人を
これから生まれてくる人を
逢う事が出来ないかもしれない未来のあなたの家族たちを
どうかどうか取り上げないで
思わず涙してしまいました。そのとおりだと思います。
一番大事なものは何か。それを守るために何をするか。平和を守るためにと言って戦争はいつも始まる。
悲しいでヤンスね。
ヤンチュね。
イヤでヤンチュ。