チナウ
2002-05-21 (火) 甘い生活。 [長年日記]
■ 非常にショックな話を聞きました。
先日スッピンで家の近所をフラフラしていたところ、コーちゃんにバッタリあいました。
しかも一瞬私とは気付かなかったうえに、分った瞬間鼻で笑いやがりました。あのヒゲ油。
そん時に聞いたのですが、あのヒゲ、仕事で忙しく帰りの遅い彼女のために、
掃除や洗濯をほとんどやっているそうです。
まじで?
ウチの相方は料理はまったくダメだし、片付けもだめ。
洗濯なんて、この前やっと洗濯機の回し方おぼえたという絶望的な状態なのです。
悔しかったのでコンビニでビールをかわせ、モスに並ぶコーちゃんを後ろからひざかっくんして逃げました。
家に帰って早速相方に報告です。
息もたえだえに報告し、だからハニーもがんばろうよ!と訴える私。
「おちつけトモ吉。あいつは信号が見れなかったり自分でタイヤ取り替えて車走らせて、
坂道でタイヤとれて転がすような現実不適応な男だぞ。
覚えているだろ、あいつが一人暮ししてたときのホコリに埋まった沢山のレコードを。本を。」
「うん!覚えてりゅッッ!!!」
「な。お前はおりこうだから良く覚えてるだろ、あの救いようのなかった部屋を。」
「うん!エロビデオもエロ雑誌もすべてアニメでした!!!!」
「よーしいい子だ。な、あいつもなんか勘違いしてるだけだよ。分ったな。
ささ、おれは韓国行ってくっからあっちょいってろ。」(←リネージュ開始)
「トモちゃんイイ子?」
「おーイイ子だイイ子だ、ちょっとビールとって。」
「ハイ!」
・・・・・・数分後、やっとごまかされたことに気がつきました。クヤチィ。
しかしですね、洗濯とかは私のパンツもあるのでして欲しくない。
料理はまったくダメ。
いちどカレーとレタスサラダを作ってもらったことがありました。
「あれ?このサラダおいしいよ!やればできるじゃん!」
「まあな。コレは昔バイトしてたところで中国人のリーちゃんに教えてもらったんだ。」
「ああ、横浜の賭博カジノ?」
「・・・・・・・・・」
「ってか、レタスちぎってかつぶしかけただけだけどドレッシングがおいしいね。」
「ああそれな、油と醤油ぶっかけただけなの。」
「!!!!!!!・・・・・・・・油って・・・・・・・オリーブオイル?」
「あ?イヤ、そこにあったでっかいボトルの黄色いヤツ。
あれオリーブオイルなの?サラダってかいてあったよ。」
「・・・・・・・・・・・サラダ油ぶっかけたの・・・・・・・・こ・・・・・・こんなに・・・・・・・ジーザス・・・・」
「肉でもなんでも油がうめえんだよ。(←今日の名言)」
ちなみにカレーにはひき肉と脂身たっぷりのぶつ切りの豚バラ塊がごろごろ入っていました。
ヌラヌラした自分の唇を見て、にどとこの人に料理は期待しないでおこうと誓いました。なにしでかすかわからん。
しかし、何も頼まないのもしゃくです。
キー、私だって働いてるのよ!!!家事は分担よ!!!!っと言ってしまうのは楽です。でもそれではイカンのです。
男性の方もそう言われると、なんでぇヒステリックなメス豚とか思われるでしょうが、
実はあれは言うほうも楽しくないのです。
それで手伝ってくれたとしても、ちっとも楽しくないのです。
そこで我が家では高い位置の役職を与えることにしました。
ほら、ポン引きのおにいちゃんがおっさんみかけるとすぐ「シャッチョー!!!!」とかいう、
古くから日本に伝わる伝統ある方法で責めようと思います。
まず、食事の後の洗い物。
たのめばやってくれますが、そこは「ぼくの御仕事」と思ってもらうために、役職を与えました。
ウォッシャブルマスターです。え?高い地位?
洗い物に関してだけはクッキングパパにも負けません。
彼の手にかかると100円ショップの洗剤もまるで生クリームかと見まごう程泡立ち、
その女泣かせの繊細な指使いで、どんな茶渋もがんこな油汚れもひとっとび、
まっさらな皿のように生まれ変わるので・・・・
ガチャン
「あ。死んだ。」
・・・・・古館一郎バリに力説している隣で、本当にマンガのようなタイミングでグラスを割りやがりました。
イヤホンとに。
おまえわざとやっただろ。(怒)
でもこんなことでメゲていてはいけません。
このままでは立派な巨大ごみとなって、休日寝転ぶ姿をほうきでいやみったらしく掃かねばならぬ日がくるかもしれません。
いけません。熟年離婚まっしぐらです。(つか結婚してない)
ふたりのスイーツな生活のためにいろいろな役職を与えてみましたが、どれもイマイチです。
結局残った役職はたった2つ。
一つ目はこれです。
『パン大臣』
休日の朝、もっと寝たいがおなかもすいた。
そんなときはお布団から叫びます。
「ぱーんだーいじーん」
コレを聞くと相方はしぶしぶ起きだし、オーブンレンジの上においてある食パン2枚をレンジの中に放り込み、
『食パン』のボタンをピッピと2枚分押しスタート。
焼けあがるとバターを乗っけて御皿に盛り持って来ます。
このときのポイントはわざとらしいほどほめるのです。
「パン大臣の焼くパンは最高です。」
「どうしたらこんなにおいしく焼けるのかしら。」
「またこのバターの量が絶妙。」
「乗せる瞬間がコツなのかしら。」
あまりにものバカバカしさに相方が笑えば成功。
あるとき何を言っても相方がクスリとも笑わず肩を落としています。
思いつめた表情で一言。
「・・・・・パン大臣が辞任したいと言っていました・・・・・。」
わたしはいかにパン大臣の人望が厚いか、有望かを力説し、相方の訴えを軽く無視しました。
つぎはコレにどうやってコーヒーをつけさせるか考え中です。
もうひとつは『お布団兵』です。
私は昔から寝るときはお布団がキチンとしてないといやなのです。
掛け布団はきちんとしてても、毛布が下でめくれてるとか、もうイヤイヤ。
なので寝るときは一度掛け布団系を布団の端っこに追いやり、じぶんのベスポジに体を横たえ心をこめて呼びます。
「おーふとーんへーい」
相方、韓国から無理やり帰ってきて、私にきれいにお布団を掛けてくれます。
人にやってもらうとほんとうにきれいにピシっとなるので気持ちイイです。
「あんなことしなきゃよかった・・・・・」
相方は愚痴ります。
付き合い出した頃、私の祖母がなくなりました。
飛行機嫌いの私は根性で新幹線と列車を乗り継ぎ長崎まで行き、また根性で帰ってきました。
おばあちゃんがいなくなった悲しさと疲れでぐったりして部屋につきました。
まだ一緒に暮らす前だったので、出かけるときには部屋から見送ってくれた相方もいませんでした。
ふと見るときれいにベットメイキングされています。
そこには一枚のメモが。
御疲れ様。今日はゆっくりと寝てください。冷蔵庫にあったちくわとビール頂きました。
お布団兵。
疲れた体にお布団は気持ち良くお日様の匂いがしました。
昼の間に干してくれていたようです。
御礼を言うとよくわかったねと相方は照れていましたが、
布団の裏にベランダの手すりのさびがついていたので分りました。
ソレ以来我が家には心優しきソルジャーがいるわけです。
一緒に暮らして早2年半がすぎました。
私が男性と御付き合いして最長記録を更新中です。
今後いくつの役職が生まれるかが円満のカギのような気がしています。
一つでも多くの役職を。
一つでも多くのお約束を。
できるだけ生活に活躍する、
できるだけくだらないのがいいなと思っています。
ねえ、なんかない?
「食器洗浄鬼」
『ドラえもん』
一緒に住んでるわけじゃないけど、ウチでは缶ビールが空いて次を持ってくる時はいつもジャンケン。ダーリンは必ずグーを出してくれる。んで私はパー。つか「私はパー」って。
パーやん。