チナウ
2002-08-04 (日) もういいよ。ねちっこくても。 [長年日記]
■ リアルさをありがたがる寒さ。
えー、読んだことがあるのにもかかわらず、
松本大洋『ピンポン』3冊パック×3のやつ買っちゃいました。
久しぶりに読み返しました。
この作品は温かくて安心して読めるところがイイです。
松本大洋独特な孤独や、冷たさや、絶望ゆえの優しさや、それでもなぜか救われないムード漂うハッピーエンドや。
そんなものを比較的取り除いて、なんだかやさしくていいところだけを集めたような作品です。ハッ!(雅調で)
確かに『青い春』ともども、映画化しやすい作品です。
それゆえに私は本は買わなくても別に気にならなかったのですが。
まあ、つられて、買っちゃいました。テヘ。
それがですね、9巻の巻末に、今度の映画化に当たって脚本家のクドカンさんのスペシャル後書きが載ってたんですよ。
これがもう…。
「松本大洋は好きだけど、『鉄コン欽クリート』は読んでない。
あまり信用できない人に勧められたからなのと、
一時期まわりで話題になっていたので逆に読まなかったんです。
『タイタニック』や『千と千尋〜』を観ないみたいなもんですよ。」
…大丈夫なのかしらこの方。
私ら素人が言う台詞みたですね。
『鉄コン〜』読んでない人が松本作品の映画化ですか。しかもそんな理由で。
「ぼくはいつも『リアルで今風の言葉が〜』みたいに表される事が多いのですが、それもどうだかなと思うんですが〜(略)
松本さんの独特の言いまわしをかえるきはありません。」
リアルさとはリアルな言葉を吐くことだけではなく、
松本大洋の中にある独特ななかにある鋭いリアルさや、それでも本人はそんなリアルさの追及なんてどうでもいいんじゃないかと思えるような世界観。
リアルだとかファンタジーだとかどうでもいいみたいな。
それが松本大洋が松本大洋である所以のような気がしてなりません。
だいたいリアルさを取り上げてもてはやす事自体不思議です。
映画を表現する手法のひとつなだけで。今【リアル=御洒落】みたいな、良くわかんない寒い図式ができてますね。つか、はやってんですね。
リアルで痛ければいいのかと。
そんなもんだいなのかと。
まあ主演がクボヅカ選手ですから。
でもクボヅカ君でいいんですよ。
だれがやってもぺコはむりなんですよ。
あのキャラクターこそが松本大洋の独特な世界観の権化ですし。(鉄コンのシロよりましですが。まだ人間くささも見えるし。)
映画観なくても想像つくんですが、クボヅカ選手はきっといつものヅカオーラたっぷりに、
天真爛漫さを装っても、ねちっこいペコになるんじゃないかとおもいます。
てかCMの時点でねちっこい。
これだから原作ファンはとかいわれるんですね。
まあ、むりもないべ。
誰が望むんだろう。
漫画として完結しているものをなぜ映像化したがるんだろう。
アニメでもむずかしいのに。実写なんかで。
(私の中でのアニメ化成功例はじゃりんこチエな。これ絶対。)
まあ映画業界の、
松本大洋、いいんじゃないの?結構ウケてるし。個性的だし。タレントにもファン多いし。
旬なタレントでカッコ良くCG入れて、コマ割りばっちりにイイ感じの曲入れていこうよ。
コ洒落系の雑誌でタイアップして。関連グッズも行けるよコレ。
そんな大人の仕事振りが見え隠れします。
くそー!!関連商品買っちゃったじゃんか。(全9巻。俺の負け。)
ズルイよ。スーパーカーは反則。あれ、もし違う音楽だったら、もっとダサダサの音楽だったらぜんぜんちがってたよ。
音楽の力って偉大。脚本も、演出も、役者も、音楽に助けられているよ。
松本大洋の世界を意識して脚本そのまんまで、髪型とかもそっくりにしたら、
余計ねちっこさとか、違いがクローズアップされるのに。
人間でやる時点で開き直って、別物の『ピンポン』にしちゃえばよかったのに。(俗に言う『チンポン』。テヘ。)
映画撮る人たちにはスキなようにオリジナルを撮らせてあげてください。
漫画なんかは、
コレもし実写でするとしたら誰があうとおもうー?
とか言い合う程度の楽しみを残しておいてください。
ほんとに実写化しちゃイヤン。
卓球部です。中学二年生の時だけ。でも稲中しか読んだことないや、マンガ。ピンポンの監督の人ってCGとかで有名な人なんだよね、名前知らんけど。だから強烈にピンポン玉がCGらしい。加えて試合ん時の観客もCGだって。人件費節約?