チナウ
2002-11-14 (木) 適当な人生だから、確かな光に憧れる。 [長年日記]
■ 昔書いたオヤブンがでてきました。
コーちゃんアップよろチクな。(業務連絡)
ヒゲ油が早いか皆様のチェックが早いか。
とりあえずお暇な方はおたちよりください。
今回のオヤブンはしみじみです。おとなしいです。
女性にも妊婦さんにもちょっとしたきっかけで壊れそうな引きこもりサンにも優しいつくりとなっております。
コレなら多分親御さんにも睨まれず、PTA通信とかにものせれそうです。
安心してごらんください。
■ 光るものがスキみたい。
土日に相方が帰ってきた。
指輪を見に行った。
誕生石はダイヤで、決してキライな石じゃないけど、
きっとこんなにまじめに見るのは最初で最後かもとか。おもったりして。
変わったデザインを見て欲しがる私に、
「なにもそれダイヤでやらなくても・・・」
冷静な相方のツッコミでふと我に返る私。あぶねぇあぶねぇ。
指は私が唯一人前で気に入っているといえる部分だった。
よく細いね長いねと誉められた。
体が太くて声も太くて態度も太くて全てがかわいげがない私だけど、
手だけ見てるとキレイに見えた。
今まで付き合ってきた人たちに、指だけは共通して誉められた。
なかなか合うサイズがなくて、そんな洋服では一生ありえない幸せが指にはあった。
マメにマニキュアをぬりかえた。
付け爪はしないけどきれいに削って、ブルーとシロがお気に入りのネイルカラーだった。
よくそんな爪を見て、それでお料理できるのとかいう人がいるが。
できなかったらのばさないっつーの。
コツがあるのよコツが。
いちいち爪がはげるの気にしていたら、マニキュアなんかぬれないよ。
料理よりも、パソコンよりも、最大の天敵はシャンプーだって、
そんな事いうひとは知らないのかな。
指輪を何度も付け替えながら、私はシミジミ自分の手ばかり見ていた。
いつのまにかガッツリ年をとっていた。
わらけた。
ちょっとさみしかったけど、コレはコレで悪くない。イヤ、負けよしみちゃうもん。
相方は私の手を蜘蛛みたいだという。失礼な。
私の手を好きだといってくれた人たちの手を離して、
一度も誉めてくれなかった人に指輪を買ってもらう。
ささやかな思い出をこまごまと集めるふりをして、
大切な事はいつも行き当たりバッタリだ。
小奇麗な店でフルオーダーでオリジナルリングを作ってもらおうとしていた私達は、
石の説明を聞いているうちに楽しくなってきてそのたいくつな店を飛び出した。
もっとイカスお宝を探して、ダサくて地味で、でも大量にダイヤを卸すダイヤの問屋街へ行った。
どこの店の説明も魅力的で、とてつもなくうそ臭かった。
私達はいつもの悪い癖が出て、どうせだまされるならとことんだまされたくて、
夜遅くまで初めての街を走りまわった。
家に帰って年を取った我手をいたわりながら、フレンチネイルにしてみた。
相方がそれを見て目をきらきらさせていた。
「その塗装、オレにもやらせろ。オレの好きなようにカスタマイズさせろ。」
無視したらくやしがって、フレンチネイルキットにかかれている
【これであなたもパリジェンヌ気分】
の恥ずかしい文字を目ざとく見つけ、
これっぽっちでパリジェンヌきどりかよと捨てゼリフをはきやがった。
ひっかいてやった。せっかく塗ったのに少しはがれた。それをみて相方のほうが残念がってた。
私の左手に光る小さな石が一粒。
これは約束なのか。誓いなのか。そんな事誰も、できるわけなんかないじゃないか。
手に星を握ったまま眠るような贅沢さで、指輪をはずさずそのまま寝た。
朝相方の悲鳴で目を覚ました。
ヤツの頭部をダイヤパンチが直撃した模様。
おれの一番デリケートな部分をとにらまれた。
ごめんねハニー、
ハゲてもあいしてるわ。