チナウ
2005-09-09 (金) ダイちゃんが東京にやってきちゃった 【前編】 [長年日記]
■ 日本の中心で輝いて☆俺!
先日、上の弟のダイちゃんが大阪から遊びにやって来た。
夜泊めてくれとの事。
東京に出てきて早9年目、こんな事は初めてだ。
あやしぃ。
「アンタ!何しに来たの?!」
「・・・いきなりひどくね?それ。」
あやしぃ。
「アンタ!お金借りに来たんとちゃうやろな。お姉ちゃん力いっぱい貧乏だからね!!」
「ちゃうよ。」
「アンタ!なんか大阪いれない事情があるんちゃうやろな。警察来たらかくまったりしないよ!!」
「・・・ちゃうよ。」
「さては!!チャットでしりあったチョッピリエッチな女の子に会いにきたんちゃうやろな!!世の中そんなおいしい話ないよ!!!」
「・・・・姉ちゃん・・・。」
結局観光の一点張りで、いまいち奴の狙いが見えない。
とりあえず浅草でもんじゃが食べたいと言い出したので行くことにする。
「・・・なんで浅草でもんじゃ?」
「名物やろ?」
「もんじゃといえば月島じゃあ・・」
「そっか。でも俺浅草行った事ないねん。」
適当だ。この人。
そういえばダイちゃんと2人きりでお出かけして、その上2人きりでお食事なんて初めてだねと、もんじゃをグジュグジュさせながら話しかけたが、とうのダイちゃんは一緒に頼んだ板わさがもんじゃより随分後に来た事にご立腹で、私の話なんか聞いちゃいない。そして何より店員が抜けてるくせにイケメン揃いというのが、ダイちゃんの怒りに火をつけたようだ。
板わさをつまみつつビールを飲み、まったりモンジャが焼けるのを待ちながら姉弟の語らいをするはずが、こげるモンジャを夢中ではがし、忘れ去られてぬるくなった板わさをかっこみ、店員の悪口を言いながら昼食は終了した。
夜はヤキトリ屋を生業とするダイちゃんが、「和食はもうええわ。おしゃれなやつ食わしてくれ。」の漠然としたリクエストにより、彼が銀座にパエリアを食べに連れて行ってくれることとなった。彼と一番下の弟ユウちゃんも後から合流予定だ。
約束の6時までまだ4時間もある。こいつを。どうしろというんだ。
今日の夜はおごると口を滑らしてしまった。とたんに奴の目(ちぃちゃい)がキラリと光る。さっきまで揚げ饅頭食べようかなとか言ってたくせに、おなかを減らす為に何もおやつは食べないとか言い出した。しくじった。饅頭。食え!よ!
ダイちゃんは適当に仲見世をブラブラして、突き当りでお参りもせずユーターンする。あんた、お土産屋は?お参りしなくていいの?
「こおいうのは歩いたっていうだけで充分やねん。【俺・今・東京にいて・浅草を歩いてる☆】っていう気分を味わうだけでええねん。次いこ。」
さよですか。次はどちらへ。
「六本木ヒルズ!」
・・・・・。
六本木ヒルズにつくなり、ホリエモンどこ住んでんの?とかいいながらもさして興味なさそうで、やっぱりこれも歩くだけでええんやの一言であまり真面目に見学せず、結局すぐお茶をする事にする。
「次どこ連れてってほしいの?お台場か?」
「いや。お台場はいつか女と行くねん。ねぇちゃんとは無理。」
「・・・・・。」
「あ、おれ行きたい所あるねん。東京行ったらここだけは絶対行こうと思っててん。」
「どこよ。」
「ハプニングバー。」
「死ね。」
「いや、本気やねん!!1週間前からユウスケにずっとメールでお願いしててんけど、あいつずっと無視やねん。」
「・・・・・。」
「大阪にはないねん。行きたい行きたい行きたいよー!!!なんとかしてくれーーー!!」
「・・・・あるって。大阪にもきっとあるって。だからあきらめろ。な。」
「マジックバーやったらあるねんけどなぁ・・・。」
「・・・・・。」
我弟ながら、真面目に話していると気が狂いそうになる。
同じ血が流れているのか。これと。いっそのこと拾われてきた子のほうがよかった。
「そうや。俺この夏デビューした事が2つあんねん。」
「・・・・・。」
「何その嫌っそーな目。」
「・・・こわいなぁ・・・なによ・・・」
「見て!コンタクト入れてん!5日前デビュー。意外と目でかいやろ。」
「・・・・うわぁ・・・ますます柔道の吉田に似たね。」
「後もう一つはなぁ、日サロデビューしちゃいました!!」
「・・・・あんた・・・30すぎてなにやってんの・・・。」
「あ!歳の事は言っちゃいかんよ。歳の事は。」
全国の31歳の男性は、一体どんな生活をしてるのでしょうか。
一体何パーセントが日サロ(いまさら)にデビューしてるのでしょうか。
「・・・あんた彼女とかいないの。」
「今はおれへんなぁ。3ヶ月前までホットな関係の女がおってんけどなぁ。」
「ホットて・・・。」
「まあ・・言い方悪いけど本気とちがってん。次にできるまでのつなぎって言うか。まあだめになってんけど。」
ヒルズ族の皆さーん・・・ブサイクさんがなにか言うてますよー・・・
そんなブサイ君をおなか一杯にさせておこうと、パフェとか食べさせようとするんですが断固拒否されました。
「今日晩飯何食わしてくれんの?」
「パエリア。スペイン料理。」
「おお!いいねぇー。イタリアンやったらノーサンキュウやってんけどな。」
「なんで?」
「そのホットになった女がいきなりイタリア留学するとかいいだしてん。で付き合うのやめてん。それ以来俺はイタリアが嫌いになったね。愛国心に目覚めたね。アイラブ日本やでねぇちゃん。」
「・・・めちゃめちゃ本気だったんだ・・。」
「ちゃうわ。つなぎやっちゅーねん。でも俺の大和魂は本物や。肩に大和ってタトゥ入れようかとかともってんねん。」
「・・・・・頭悪すぎ・・・」
「ええねん!コレが俺の決心!俺の愛国心!!」
「・・・じゃああんたそれ入れてもいいけど、今後音楽は全て長渕聞くねんよ。大和よ。」
「うわ・・・それきついな・・・やっぱやめる。」
あっさりしすぎ。
その後も銀座を練り歩きながら(タンパン+無精ひげ+すね毛)、ザギンでシーメーでさいごはチャンネーとか言い出してます。
同じ血が流れているのですね。私たち。