チナウ
2007-03-12 (月) 生きる。 [長年日記]
■ 終わったけど。
バレンタイン。
今年は彼に向かって、
「チョコって体に塗るとかぶれたりしちゃうのかなぁ・・・」
とつぶやきながら不気味にニタリと笑うという精神的嫌がらせを思いつき、執拗に繰り返しげんなりさせていた。
バレンタインにときめいていた時代を今ではもう思い出せない。
つか。
バレンタインにときめいた覚えすらない。そんな人生。
■ バブル。
モツを焼く煙にいぶされながらもけなげにドラマを映しているテレビをふと見上げると。
色白のお姉ちゃんが景気よく騎上位だったので、思わずホッピー噴出した。
夜にやっている匿名係長だか只野なんとかだのかがやっていた。
この主役の高橋なんとかは、女性に非常に人気があるらしく、
騎士ギャルに負けじといい脱ぎっぷりで腹筋を見せ付けているが、どうも私はこの人を好きになれない。
そう。ずっと前から、この人にまったく色気を感じない。
サラリーマン金太郎(サラ金★)で熱血しているときも、サロンパスのコマーシャルでこれまた脱ぎ散らかしていても、なんだかいらんいらんというキモチを抑えられない。
なぜなのだ。
その答えを、このモツ焼き屋の煙にいぶされたテレビが教えてくれた。
わかった。貧乏くさいからだ。
なんかこの人、景気悪そうな感じがする。この人が貧乏くさいというより、一緒にいると運気が下がりそうな、人のしのぎを吸い尽くすオーラを感じる。
いいことがあってわーいって喜んでても、彼によかったねって冷静に言われたら、なんかあんまよかったわけじゃないみたいってしぼんじゃいそうな。
寂れた飲み屋で流しが悲しい曲を歌いだして、そんなしみったれた曲やるな酒がまずくなるってお猪口投げつけるおじさんの気持ち。自分で言っといてなんだがなにそれ。
高橋なんとかFANの皆様ごめんなさいと先に謝ってしまう小心者の私ですが。
自分が貧乏くさい(というか貧乏)分、愛でる対象には景気よくいてほしい。
その点ロナウジーニョはすばらしい。
あんなゴージャスなぶさいく、めったにいない。
景気のいいぶさいくスマイルが、見るものすべてをもうどうでもいいやー的なラテンスピリットにしてくれる。
ロナウジーニョはゴージャスぶさいくだ。ぶさいくのバブルだ。
それ以来ロナウジーニョを見るにつけ、ぶさいくバブルぶさいくバブルゆうては彼に叱られてます。
おこらりた。
■ 干支
先日干支が一回り下というギャル・マユマユと安居酒屋で飲んだ。
出会いはよくいくお鮨屋で、可愛い顔して豪気に一人で飲んでいる彼女と意気投合したのがきっかけで。
典型的な酒飲むと食べない派のマユマユだが、なぜかエリンギのガーリック炒めを痛く気に入り、それをリピートしながら結局3皿も食べ、これからも一緒に飲めるようにとジンロをボトルキープするつもりで頼んだんだけどあっという間に2本目に突入し、それも残りがわずかとなり、この量店においとくのも・・・ということで結局全部飲んだ。
「自分、若いころは鑑別とかいろいろ人様に心配かけましたけど、弱いものいじめだけはしたことないッス!!
目上の人にはちゃんと【ぶっとばしてもいいッスか?】って断ってから殴るっス!」
キラキラした目でそう語るマユマユを見つめながら、自分の世界まだまだ狭いッスと見つめなおした夜だった。
■ 翌日。
昨夜ボトルにノリノリで書いた、
【トモたん★マユマユ これからも仲良し★】
の文字を思い出し、布団の上で恥ずかしさにのた打ち回った。
プリクラか。田舎の駅前に初めてできたプリクラにはしゃいぐ中学生カップルか。
しかもボトル2回入れて2回ともホワイトマーカー借りて書き込むも、結局飲みきって片付けられてるし。
2本目記憶があやふやで、どんな恐ろしいこと書いたか覚えてないあたりがさらに恐ろしいし。
酔いの勢いがニクい。ニクすぎる。あの店すっかり顔覚えられてるのに、もう恥ずかしくていけない。
そんな恥らう乙女の私にマユマユからお電話が。
「昨日無事帰れました?
よかったー。彼氏さんに頼むよっていわれてたから、無事帰れたか心配してたんです!」
干支一回り下に心配される自分に再びのた打ち回った。
結局後日またあの店に彼と行ったが、お店の人はいつもと変わらぬ態度で接してくれた。
さすがプロ。大人だ。
私ももっと大人になろうと思う。もう中年だけど。