チナウ
2004-06-01 (火) 信じる事が出来るのか。 [長年日記]
■ 心理戦。
散歩の休憩にぶらりと立ち寄った町の飲み屋。
暮れ行く時間にまったりしながらビールを飲む平和な私と彼。
そこに大柄な人たちが団体で入ってまいりました。どうやら町の野球チームのようです。
力自慢のようなお兄ちゃんが、大声でビールを煽っております。すでにお酒が入っていたのか、少々はしゃぎすぎです。
負けずに私も悪ぶりたくなるお年頃。
「うるさいなー。でも強そうだね、あの人たち。」
「そうだな。大人しくしててくれよ。」
「ここでさ、クルミとか2つ持ってクリクリしてたら強そうに見えるかな。」
「ははははは。」
「目の前でバシッっと割って見せたら一目置いてくれるかな。」
「それぐらいじゃ無理だよ。」
「クルミ割るんだよ?!バシっと!びびるべ。」
「クルミぐらいあいつらでも割れるよ。」
「はぁ?!!うそん!!」
「俺も割れるよ。一つじゃ無理だけど、2つ持ってなら割れるよ。あれ、コツがあるんだ。」
「うそだ!!あれ割れるのは、西部劇に出てくる皮のベストから胸毛はみ出させてるマッチョデブだけだよ!!」
「その例え、具体的なのかそうでないのかサッパリ分からんな。」
「割る所なんか見たこと無いよ!」
「やらなかっただけだろ?信用しねぇのかよ。じゃあ賭けるか?」
「いいよ!何賭ける?」
「フフフフフ・・・。」
「!!!!!」
こんな時の彼は、アンタそんなんお母さん聞いたら泣くで的な、汚い大人テイストたっぷりのリクエストをたくらんでいます。恥ずかしげもなく。
まてよ。本気なのか?
「どうするよ。出来たらなにしてくれんの?」
「えーっと・・・あー・・・・ 惚れ直す?」
「いらん。」
いらんて・・。
しかし本当なのでしょうか。彼は昔割った事があると豪語しています。
コレは賭けに乗らぬが吉なのでしょうか。
「でもなぁ、あの頃は若かったから筋肉あったけど、最近まったく運動してないから握力すごく落ちたしな。」
「・・・・・。」
「自分でも分かるよ。まったく力が出ないのが良く分かるよ。」
「・・・・・。」
「今はもう無理かもしれないな・・・。」
私の中で、散歩の途中物色したサングラスがグルグル回っています。
さっき彼にお見立てしてもらったあのサングラス。
給料日前だったから買わなかったけど、もし賭けに勝てば・・・あのサングラスは・・・。
「あー、コレで無理だったらかっこ悪いよねー。」
サングラスサングラスサングラスサングラス。夏に向けてのサングラス。ボクによくあうサングラス。(歌?)
「・・・で?割れたら何してくれんの?なんなら割れるって方に賭けてもいいよ。」
・・・・・・・・。
イチかバチか。のるかそるか。
そんな感じで悩んでいたのですが、あまりにもリサーチ不足です。
とりあえずその場ではお酒を大量に飲ませうやむやにしました。
本当にヤツはできるのか?それともハッタリか?
サングラスか?それとも・・・・・
とりあえずこっそりクルミを買って、こっそり自分でリサーチしてみようとスーパーへ。
しかしここで新しい障害が。
たけーよクルミ。
新幹線の構内で売ってるミカンのネットみたいなヤツ、アレに沢山入って1000円。
つか、そんなにいらないよ。2つでイイの、2つで。クルミ割大会開けるよコレじゃ。
こっそりスーパーで握ってみたクルミはやっぱりかたくて。でもコツがあるといわれれば、なんか割れそうな気もするし。
会社の人に聞いても「やったことない、どうでもいいから仕事しろ。」みたいな愛の無い薮蛇状態だし。
ト 「ねえねえ元木さん、クルミ2個片手で割れる?」
元 「わけわかんねぇこといってんじゃない・・・あ!!銀のエンゼルだ!!」
元木さんの手に握られたチョコボールには、キラリと輝く銀のエンゼルが。
ト 「あ!!銀のエンゼルだ!!!」
元 「ヤッタ!!銀のエンゼルだ!!」
ト 「はじめて見た!!コレが銀のエンゼルなんだね!!」
元 「そうだぜコレが銀のエンゼルだぜ!!」
ト 「ワーイ!!」
元 「ワーイ!!」
部長 「銀のエンゼルあたったの?!ボクさぁ、金のエンゼルの当て方知ってるよ。」
元 「ほんとっすか?!!教えて下さい!!」
部 「前にネットで見つけたんだ。探して印刷してあげるよ。」
元 「ヤッタ!じゃあ帰りに又チョコボール買おう!!」
ト 「ヤッタ!じゃあ私も帰りにチョコボール買おう!!」
部 「じゃあ今日は記念すべきチョコボールの日だね!ボクもうれしいよ!」
心が一つになりました。
帰りにスーパーに寄って帰ります。
私子供の頃憧れてたけど一度も当てたことなかったもんな。大人になって叶う夢ってステキですよね。
やったね!
・・・・・で、何の話でしたっけ?
■ そんな職場。
生理痛の為昼出勤のかわいそうな私。フラフラ。
元 「やぁ、飲みすぎさんが出社だよ!!飲みすぎさんが出社だよ!!」
平 「絶対二日酔い。」
ト 「こんなにフラフラな私を見てよくそんな事がいえますな。」
元 「つか、出勤してきたホステスみたいだな。」
平 「昼にダルそうにしてるホステスみたいだな。」
ト 「きぃみぃたぁちぃ・・・・・(痛さの為腹に力が入らない)」
主任 「あ!トモさんおはよう。大丈夫?」
ト 「さすが主任・・・人の上に立つ人は優しい心配りが出来る人ですよね・・・」
主 「はい、これお見舞い。ウフフ。」
手に乗せられたのは小さなキャラメル。黄色いヤツ。
別に甘いもの欲しくなかったけど、その優しさが嬉しいですよ。
ト 「ありがたく頂きます。あーん。 !!」
主 「おいしい?」
ト 「・・・酒カスの味がする・・・・・」
机の上に、そっと箱ごとキャラメルを置いて立ち去る主任。
穏やかな草食動物のような微笑を残して。
キャラメル 〜サッポロビール黒ラベル味〜
・・・いじめだ。
ライバルからの北海道土産はビール味のキャラメル。絶対毒入り