ぷっちん日記
2008-12-05 (金) やっと「実践Rails」を読破した [長年日記]
■ やっと「実践Rails」を読破した
9784873113869
オライリーから出ている「実践Rails」(Brad Ediger著、株式会社クイープ訳)をようやく読破した。本気で読み出してから結局、二週間くらいかかった。
この本はとても読み応えがある。一言でいえば、「"Rails" と "Railsを使ってプロジェクトを進めること" とのギャップを埋める」本ということになるだろう。この本には、Railsでは基本的にこのように物事を進めますというようなRailsとは何かの基本説明はほとんどない。Railsを使ったときに必要となる様々な「外側の問題」を順番にみっちり教えてくれる構成になっている。
従って、Railsを勉強するために読む本ではない。むしろ、Railsの基本的な内容はわかったけれど、その箱庭の外にどうやって出ていけばいいかわからないという人に最適な本だろう。総じて、Railsを使ってプロジェクトを成功させるための諸問題の解決のヒントの宝庫という感じ。解決のための選択肢はもちろん、考え方の参考になるような歴史的経緯・背景の理論や、さらなる情報を得るためにどうすればいいかといった示唆があるのも嬉しい。個人的には非常に参考になった点が沢山あった。
ただし、最初はとっつきにくい。最初の章が「1章 基本的な手法」で、その冒頭が「1.1 メタプログラミングとは何か」なのにはのけぞる。抽象度が高く、大学の講義みたいな雰囲気も漂う。挫折する危険は高そうだ。
実際には、最初の章で書かれているメタプログラミングによるRubyやRailsの拡張は、後の章で書かれているデータベース、ファイルのアップロード、パフォーマンス、RESTful、バージョン管理などのほかの問題と同様に、「Railsをプロジェクトで使う際の課題・解決方法の一分野」に過ぎないので、もし挫折しそうになったらあっさり読み飛ばしても大丈夫だろう。
この本は基本的にトップダウンではなくボトムアップを意図して書かれている。つまり、読者に対して、これこれこういう目的のためにまずこれを説明します、ここはこのくらい重要です、というような親切なナビゲーションはない。黙々と、順番に、Rails宇宙の惑星めぐりをしていくような構成なので、読んでいくには根性が必要かもしれない。